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ダイヤモンド◇アイ(16) [ダイヤモンドアイ・ドラマ2]

今回は、第8話《黒幕を追え!/ 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・猫マスクに拉致された時の傷も癒えたカボ子と五郎の前で、改めて源海龍を追い詰めることを誓うライコウ。まずは死亡した浜岡社長の秘書・日野に近づき、何か情報を得ようと考えた。苦労の末に日野と近づきになれたのも束の間、日野は何者かに狙撃されて命を落とす。狙撃される直前の日野の会話から「アジアの子供が手をつなぐ会」の存在を知ったライコウは、会の総裁と面会する機会を得た・・・】

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◆慈善団体「アジアの子供が手をつなぐ会」の総裁に、ライコウは正面からある質問をぶつけてみた。

『源海龍をご存じですか?』
『ゲンカイリュー?さぁ、存じませんなぁ』

すると、雷甲太郎が来たことを知って、北見八郎が応接室へ入って来たのだ。ライコウは、北見が現れたことに少し驚いた。彼がこの総裁の秘書をしていることを、ライコウは知らない。ライコウが北見と初めて会ったのは見国化学工業の正門前だが、その時の北見は秘書として総裁に同行していたのだった。

『雷甲太郎、何しに来た?総裁を事件に巻き込むつもりか!』

彼は、京子の父・大沢山剛造が死んだのはライコウのせいだと思っている。今度は総裁を巻き込む気かと、ライコウに対し怒りをあらわにしていた。北見はライコウに、すぐこの場から去るよう迫った。だが、ライコウもルポライターの意地で、引き下がるわけにはいかない。総裁の前で、二人は互いに相手をにらみつけたまま動かなかった。すると、穏やかな声で総裁は言った。

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『北見君、やめなさい。質問にはお答えしました。どうぞお引き取りください』

ライコウはそれを聞いて、静かに部屋から出て行くのだった。ライコウは、バイクを運転しながら考えた。慈善団体の総裁と源海龍が直接関係あるとは思えない。しかし、もし関係があるとすると、あの正義感の強い北見はどういう働きをしているのか。

「アジアの子供が手をつなぐ会」という慈善団体について週刊ジャパンの早川編集長に調査を依頼しようと思ったライコウは、近くの公衆電話に立って電話をかけていた。編集長に要請をしたその時、北見が運転する車がライコウのすぐ近くを通り過ぎて行くのが見えた。何かが動き出したように思えたライコウは、急いでバイクにまたがると、北見の車を追跡し始めるのだった。行き着いた先は、宝(たから)輸入協会という店舗だった。ライコウが退室したあと、総裁は北見に宝輸入協会で打ち合わせをするように指示を出していた。

指示の内容は以下の通り。宝輸入協会の代表・宝田氏が近く宝石展示会を開くので、その準備を手伝うこと。展示会での売り上げの一部を「アジアの子供が手をつなぐ会」に寄付したいと宝田氏から申し出があり、会としては有り難いことなので、会場設営や招待状配布などの手伝いを宝田氏と相談のうえ、行うというものであった。

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(あの女だ!)

尾行されているとは知らず、都内の宮田ビル1階にある宝輸入協会へ北見は入って行った。バイクから降りたライコウは、外から中の様子をうかがっていた。やがて、北見と一緒にある人物が店舗から出て来た。その人物は女性でサングラスをかけていたが、ライコウは一目見て「あの女だ」と解かった。それは、源海龍の手下の女であった。北見と別れたその女は、車でどこかへ向かった。ライコウは、その女を追跡することにした。だが、女はライコウが追ってくることに気づいていた。

『こちら朱玉。雷甲太郎を殺す絶好のチャンス。遊園地へ誘い込む。待機せよ』
『了解』

時計型無線機で命令を受けた陶(とう)は、アンテナを時計にしまうと後部座席に座っている貂(てん)に振り向いて合図した。

『雷甲太郎め、弟・陳の恨み、必ず晴らしてやる!』
『兄・タイガーの仇は、私が取る!』

二人は指定された遊園地へ車で移動し、待機した。陶(とう)は陳(第3・4回参照)の兄であり、貂(てん)は片目のタイガー(第5・6回参照)の妹であった。二人とも銃の名手らしく、それぞれ手元の銃に磨きをかけていた。

朱玉は遊園地に到着すると、知らないフリをしてひとりで車から降りて歩いた。ライコウもバイクを降りると、見失わないように女の後を追った。女は突然、立ち止まった。ライコウは気付かれたかと思い、遊具の陰に隠れた。そのほんの一瞬女から目を離した隙に、女は姿を消してしまった。

『しまった!いない!』

ライコウは女が立っていた付近まで素早く歩いて、辺りを見回してみた。すると、どこかから足元へ一発の弾丸が撃ち込まれた。急いで近くのベンチの陰に隠れるが、またすぐ足元に弾丸が撃ち込まれた。どうやら、ライコウの動きは相手から丸見えのようである。すぐには殺さず、ライコウが焦って逃げる様子を楽しみながら、ジワジワと追い込むつもりのようであった。ライコウはまるで弾丸に追い立てられるようにして、観覧車のゴンドラに追い込まれてしまった。

突然ゴトンという音がして、観覧車が動き出した。少しずつ上昇するゴンドラの中から見て、弾丸は2方向から飛んで来ることが判った。相手は二人だ。観覧車の大きさは比較的小さいため、ゴンドラどうしの距離は近い。このままではやられてしまうと思ったライコウは、地上からの距離が高くならないうちに、思い切ってゴンドラから飛び降りた。すると、殺し屋ふたりも同時に飛び降りた。

地上に降りたライコウに先に襲いかかったのは、男の殺し屋・陶(とう)だった。そして、後から現れたのが女の殺し屋・貂(てん)だ。陶(とう)と格闘になったライコウは、陶を地面におしつけるようにして殴りかかったが、貂(てん)が銃を握る分部(グリップ)でライコウの背中を思い切りたたいた。その一撃でライコウは戦意を喪失し、倒れたライコウに陶がこぶしで一発ブチかますと、ライコウは気を失ってしまった。完全に動きが止まったライコウに、貂の銃口が狙いを定めた。

『兄のかたき!』

銃口が太陽光を受けてキラリと光り、その光がライコウの左手中指のアイリングに反射した。その瞬間強烈な光がアイリングから陶と貂の顔に当たると、金縛りにあったように動けなくなり、ダイヤモンド・アイが出現した。

『ダイヤモンド・アイ、登場!』

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(外道照身、霊波光線!)

アイは両目から青い光線を発射して、二人の醜い正体を明かした。

『(男に向けて)外道照身、霊波光線!(女に向けて)お前も、だ!』
『正体見たり!前世魔人サタンバット!』
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『(男の声で)バ~レ~タ~カァ~』
『正体見たり!前世魔人ヒトデツボ!』
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『(女の声で)バ~レ~タ~カァ~』
『外道、消え失せろ!ふたりとも成敗してくれる!』

だが、サタンバットとヒトデツボは、ダイヤモンド・アイを真っ暗な悪霊界へと引きずり込んでしまう。

『ダイヤモンド・アイ!ヒトデツボ一族の仇、受けてみよ!』
『サタンバット一族の仇、受けてみろ!』

ヒトデツボは大きく膨らんだ腹部のヘソから、溶解液をアイに向けて発射した。が、アイは簡単にそれを避けた。サタンバットは宙に浮いて羽ばたきながら強烈な風を巻き起こしたが、アイはマントでその風を跳ね返して、サタンバットは大きく吹き飛ばされてしまった。1対2の戦いは続き、アイのキックがヒトデツボにダメージを与えたところでロイヤル・パンチを放つと、ヒトデツボは悲鳴を上げて消滅した。

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一方、身の軽いサタンバットは、宙を飛びながら攻めてくる。アイはステッキで応戦するが、サタンバットはヘリコプターのように宙に浮いたまま、アイに向けて口から火炎を放射した。猛烈な火炎攻撃をマントで耐え防ぎながら、アイは状況打開のための次なる攻撃を考えていた。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
悪霊界の前世魔人は、○○族という形でグループを形成しているらしく、同種の魔人は複数いるようだ。

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