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宇宙人を探す・4 [UFOと宇宙人26]

1977年8月15日。アメリカのオハイオ州デラウェア。オハイオ州立大学のビッグイヤー電波望遠鏡で天文学者のジェリー・R・エーマンが地球外知的生命探査プロジェクト(SETI)の調査を行っていた。記録したデータを確認した彼は、いて座の方向から奇妙な信号を受信したことに気づいたという。

作家のデビッド・ウィルコック氏が語る。
『SETIの研究者たちは、1420メガヘルツという周波数の電波を探しています。これは、水素原子が放出する電波の周波数です。水素は宇宙に溢れているので、地球外生命体が通信に使うと考えたのです。ビッグイヤー電波望遠鏡でSETIの調査をしていたジェリー・R・エーマンは、1420メガヘルツの信号を72秒間受信しました。その72秒間の電波は非常に奇妙で、人工的な電波に似た特徴があったといいます。

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 何者かが意図的に送信したようなものだったのです。彼はそのデータをプリントアウトして横に「Wow!」と書いたので、「ワオ!シグナル」と呼ばれています。今日までワオ!シグナルの合理的な説明は見つからず、解読もされていません』

このワオ!シグナルの発信源については、地球のラジオ放送や彗星の尾など、様々な説がある。だがSETIは、それが現代人と地球外生命体の初めての無線通信である可能性を捨ててはいない。近い将来、その発信源となったエリアを再調査する計画だという。

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(電波望遠鏡の巨大さが想像できる)

長年続けられてきた宇宙人探査プロジェクトを見学するために、2016年3月、研究者で雑誌発行者のジョルジョ・ツォカロス氏はカリフォルニア州ハットクリークのアレン・テレスコープ・アレイ(アレン望遠鏡網)を訪ね、SETIの上級天文学者セス・ショスタックと会った。

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(広大な土地に広がるアレン・テレスコープ・アレイ)

以下は、ツォカロス氏(T)とショスタック氏(S)との会話。
T;『この見事な施設について、説明してください』
S;『ここは天文台です。厳密には電波天文台と言って、この42台のアンテナが電波を探しています。探しているのは、地球外の知的生命体が発している特別な電波です。たくさんのアンテナを使えば、広い範囲を調べられます。一度に複数の天体系を、観測できるのです』

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(巨大な反射板をゆび指すショスタック氏)
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(コンピュータ画面に映し出される解析データ)

T;『なぜ電波なんですか?電波に何か重要な意味があるんでしょうか』
S;『電波は光の速さで進みますし、宇宙のガスやチリを通り抜けることができます。銀河のある場所からある場所にメッセージを送りたいなら、電波を使うのが良いんです。この装置の仕組みはシンプルです。宇宙から電波が送られてくると、この大きな反射板が電波を反射します。向きを変えられた電波は、向こうの端にある別の反射板に行った後、内部にある受信機で捕えられます。
 そのデータが、ケーブルでコントロール室に送られるのです。ケーブルを通ってきた電波信号はデータ処理された後、このコンピューター画面に映し出されます。ここで、地球外生命体からの信号かどうかを判断するのです』

ここでツォカロス氏は、ショスタック氏に地球外生命体からの電波を受信したらどうするのかを訊ねた。

すると、ショスタック氏は次のように答えた。
S;『もし地球外生命体からの電波らしきものを受信したら、まずアンテナの向きをずらして信号が消えるかどうか確かめます。そして、アンテナをまた星の方へ戻して、再び信号を受信するかどうかを確認します。それを繰り返して5回以上確認できたら、初めて喜べます』

ショスタック氏は、自信を持って次のように話した。
『ワオ!シグナルへの関心は、消えていません。このアレン・テレスコープ・アレイを使って、その信号が発せられたエリアを探したいと思っています。より広い周波数帯を調べられるので、今も信号が出ていれば、もちろん見つけ出せます』

SETIがワオ!シグナルの解明に挑む一方、NASAのケプラー宇宙望遠鏡の観測チームは、他の天体系に地球外生命体の痕跡を探し続けてきた。だが、アメリカ政府は、宇宙人とのコンタクトを否定している。

2015年9月、五年以上ケプラー宇宙望遠鏡のデータ分析を行った研究者たちが、KIC 8462852という星の驚くべき現象を発見したという。この星は、発見者の名にちなんで「タビーの星」と呼ばれている。

前出のウィルコック氏が語る。
『タビーの星から発せられている光の強さが、変動していることが判ったのです。しかも、その原因は、彗星でも惑星でも小惑星でも星の周りを回る破片でもありませんでした。変わったパターンで光の現象が起こり、この星から発せられている光が21パーセントも弱まっているという分析結果が出たのです。星が暗くなるのは、地球外生命体が巨大な建造物を造ったからだという説を論文で発表している科学者もいます。

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(恒星を包むようにして球体を建造するダイソン球のイメージ)

 この建造物は、「ダイソン球(ダイソンきゅう)」と呼ばれるものです。ダイソン球とは、恒星のエネルギーを利用するために、その星を覆うように建てられた巨大な建造物です。この説は、大変革をもたらすでしょう。なぜなら、星全体のエネルギーを利用できるほどの高度な文明が存在していて、それを宇宙望遠鏡で確認できるんです』

生物がいる惑星を探していた天文学者たちが、偶然太陽系外の文明を発見したのだろうか。そうだとしたら、アメリカ政府は、なぜ地球外生命体とのコンタクトを否定しているのか。「タビーの星」の発光パターンが変動している真の原因はまだ見つかっていないが、世界各国の政府は地球外生命体が存在することをすでに知っており、その探索に力を入れていると、古代宇宙飛行士説の提唱者たちは言う。
(つづく)


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1960年にアメリカの物理学者フリーマン・ダイソンが考察した仮説「ダイソン球」を太陽系に置き換えると、真っ赤に燃える太陽の周囲を巨大な殻で覆って、その太陽から出るエネルギーを漏れなく使っちゃおうという、途方もない仮説なのである。アッチッチ!

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