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コンドールマン(21) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第11話《ゼニクレージー大反撃 / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;伊東恒久
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;まつしまみのる

【前回までの話は・・・コインマーを追って魔界島に上陸したコンドールマンだったが、コインマーの仕掛けたワナにはまってしまう。洞窟内の食糧を水没から守るため、カギのかからない鋼鉄製の扉を自らの手で押さえることになってしまった。押し寄せる海水は強烈な圧力でコンドールマンに襲いかかり、その扉を支えている限りコンドールマンはコインマーの拷問を甘んじて受けるほか無かった。もはや体力は限界に来ている。危うしコンドールマン!】

(ナレーション;コンドールマンが食糧を必死に守り抜いている頃、石松とまこと達コンドールジュニアは夕陽が沈もうとしている海岸でコンドールマンを待ちわびていた)

魔界島では、拷問に疲れたコインマーがずいぶん前から居眠りをしていた。居眠りから起きたコインマーは、コンドールマンが必死に守り抜いている食糧を魔人コンバット隊に命じて洞窟からすべて運び出す作業に取り掛かり始めた。その様子をコンドールマンは目の前で見ていながら、何もすることが出来ない。

『ほら、お前ら何をやっとる!早く運ぶんだ!』

この時、コンドールマンは押さえている扉の圧力が弱まっていくのを感じていた。昨日コインマーが、潮は明日の朝10時に引くと言っていたのだ。(はっ、潮が引いて行く。有り難い・・・)食糧が倉庫からすべて運び去られると、通路の向こうからテレビで見覚えのある顔の男が倉庫に入って来た。

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『黒井食糧大臣!やはりお前か!』
『フフフフフ、今頃気がついたか!そうとも、我らモンスターは日本の政治をも動かしておるのだ!アハハハハ』
『おのれ!』

この時、扉の向こうの海水はすべて引いてしまい、コンドールマンを悩ませるものはもう何も無かった。そうとは知らない黒井大臣は、必死に扉を押すフリをするコンドールマンに余裕を持って一歩一歩近づきながらこう言った。

『どうだ!ご苦労だったなぁ、アハハハハ』

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一番効果的なキックができる距離まで待ったコンドールマンの左足が、みごとに黒井大臣の顔面を捉えた。まさかのキック一発を見舞われた黒井大臣はバランスを失い、ゼニクレージーに姿を変えて後方にいたコインマーの上に重なる様にして背中から倒れた。怒り心頭のゼニクレージーはコンドールマンに立ち向かって行くが、身をかわされたゼニクレージーは鋼鉄の扉を破壊して倉庫の外へ。そこには海水が一滴も無いことに、ゼニクレージーは驚くのだった。

どうやらモンスター連中は、潮が引いたあとまでコンドールマンが持ちこたえるとは思ってもいなかったようだ。食料が運び出されたあとの空っぽの倉庫で、ゼニクレージー、コインマー、魔人コンバット隊とコンドールマンとの戦闘が始まった。

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コインマーと魔人コンバットが戦っている間に真っ先に逃げたのは、ゼニクレージーだった。コンドールマンがこれ以上追って来ないよう、逃げ口に高圧電流が流れている鉄柵を降ろすゼニクレージー。一方、コインマーはコンドールマンとの戦いでキックされ、その勢いで高圧電流が流れる鉄柵にぶつかってしまう。鉄柵に触れたコインマーは火花を散らしながら絶命して倒れ、あとには大量のコインのかたまりが残った。鉄柵の向こうでゼニクレージーは言った。

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『コンドールマン、わしの銭儲けの食糧を守ってくれてアンガトサン!お礼に島ごとブッ飛ばしてくれるわ!アハハハハ』

ゼニクレージーが爆破スイッチを入れると、まず洞窟内が次々と爆発していった。風のように走ることができるコンドールマンにとって、この程度の爆発は難なくかわせる。だが、島の端まで来たとき、洞窟から運び出された食糧を積んだ船が沖へ向けて進んで行くのを見たコンドールマンは、悔しさを隠せない。

『命がけで守った食糧が・・・』

ゼニクレージーは、戦闘機で空からコンドールマンの動きを探っていた。だが、次々と誘爆して姿を変えていく島の様子を見たゼニクレージーは、コンドールマンは爆発に巻き込まれたものと判断、島全体の大爆発まで間もないため、その爆風に巻き込まれる前に戦闘機は魔界島から離れて行った。

その頃、コンドールマンはまだ島の先端にいた。刻一刻と島全体の爆発時刻は迫っている。コンドールマンが助かる方法は一つしかない。ゴールデンコンドルに化身するのだ。背後で次々と誘爆が起こる中、コンドールマンはゴールデンコンドルに化身すべく精神統一をしていた。

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『世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・ゴールデンコンドル!』

ゴールデンコンドルに化身したコンドールマンは、間一髪のタイミングで魔界島から離れることができた。魔界島大爆発の様子を黒井大臣室のモニターで見ていたゲムスラーと大幹部サラマンダーは、大喜びしていた。

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『やったぁ!ざまぁみろ、コンドールマンめ!』
『これでレッドバットン、妹の無念を晴らすことができました』
『これで、日本もわれらモンスター一族の思いのままだぞ!ハハハハハ』

ゼニクレージーが、胸を張って堂々と大臣室に入って来た。サラマンダーは大いに喜んだ。

『司令官、ご覧になりましたな?彼奴(きゃつ)の最期を』
『見事だった。キングモンスター様もきっとお喜びになる!』

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3人は人間態に姿を変えると、応接セットに腰を下ろした。黒井大臣は今回のコンドールマン抹殺計画の成功報酬として電卓を叩いて金額をはじき出すと、司令官J・ゴードンに提示した。すると、ゴードンはこう言うのだ。

『アホ!金なら日本人から好きなだけ絞り上げなさい!そのために食糧大臣という地位があるでしょ!』
『大臣命令という手があるわ』
『なぁるほど。大臣命令で、日本人を干乾しにしてやるか!アハハハハ』

レオナ高倉の提案を黒井大臣は大いに感嘆し、大笑いした。

翌午前、海岸でコンドールマンの帰りを待っているまこと達コンドールジュニアと石松は、海岸に集まってくる漁師たちが信じられない言葉を叫ぶのを聞いた。魔界島が爆発したというのだ。大人の石松は、「モンスターの方が一枚上手だったんだ」とガックリ肩を落とした。だが、小学生のまことは違う。「コンドールマンは、きっと約束を守るわ!」と、正義のシンボルとの約束を最後まで信じている。他のジュニアたちも、気持ちはまことと同じだ。

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そうは言うモノの、みんなの気持ちは折れそうになっていた。遠くの海を見ながら、まことは思う。コンドールマンは死んでしまったのだろうか?そんな時、金色の光がこちらに向かって近づいて来るのが見えた。それは段々と大きくなり、金色に輝く鳥であることがまことには判った。

『ゴールデンコンドルよ!!コンドールマンの化身よ!!』

まこと達は涙を拭って、神々しいその光輝く姿に見入っていた。ゴールデンコンドルは近づいて来るとまこと達に何かを落として、ふたたびUターンするように沖の方へ飛んで行った。ゴールデンコンドルが落としていったものは、手紙を縛ったゴールデンコンドルの羽である。手紙には次のように書いてある。

【食糧は取り返す 黒井食糧大臣はモンスターだ、注意!】

たいへんだ!早速このことを知らせるために、まこと達は行動を開始した。

(ナレーション;コンドールマンの化身・ゴールデンコンドルの雄々しい姿は、まこと達に勇気と力を与えた)

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沖を進んで行く貨物船太洋丸に気づかれないよう近づいたゴールデンコンドルは、操舵室に強烈な黄金の光を放った。この光線を浴びた船長も船員たちも、全員が魔人コンバットに姿を変えたあとに絶命した。ここに、コンドールマンは奪われた食糧を奪回することに成功したのである。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。

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コンドールマン(22) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第11話《ゼニクレージー大反撃 / 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・魔界島でワナにはまったコンドールマンに反撃の好機が訪れる。転売するためコインマーが島から食糧を運びだし始めた頃、すでに大潮は引きはじめていたのだ。そして黒幕の黒井食糧大臣が現れると、コンドールマン怒りのキックが大臣に炸裂した。ゼニクレージーが仕掛けた爆弾で魔界島は大爆発、コインマーは死んだ。ゴールデンコンドルに化身したコンドールマンは爆発直前に島から脱出し、島から運び出された食糧はゴールデンコンドルによって貨物船ごと奪い返すことに成功した】

◆食糧を積んだ貨物船が、港に入港した。船から降ろされた食糧には、つぎのような張り紙がしてあった。【これはモンスターに奪われた輸入食料品です コンドールマン】それらの食料は港湾職員らの手によって平等にトラックに積まれ、各地へ運ばれていく。

コンドールマンは約束を守った。モンスターから食料を奪い返してくれたのだ。人々はうれしさを顔や態度に表し、コンドールマンに感謝するのだった。大臣室で執務をしていた黒井大臣に、電話がかかって来た。

『あぁ、わしだが・・・銭儲けの話だろうな?・・・な、何?貨物船が入港しただと?バカモン!』

魔界島の大爆発を見届けた黒井大臣ことゼニクレージーは、コンドールマンが死んだものと思っている。島から運び出した食糧はすべて貨物船に乗せ、予定通り転売先に送る手筈になっていたのだ。それが何の手違いか、船は東京港に入港してしまった。こんなことが出来るのはコンドールマンしかいないと黒井大臣は思った。大臣室のテレビを点けると、たくさんの食糧を貨物船から降ろす港湾職員の姿が映し出されていた。苛立つ大臣の右手が杖でテレビを叩くと、テレビは火花と煙を上げながら壊れた。

『おのれコンドールマンめ!この怨みと損害の償いは、必ずさせてもらうぞ!』

その頃、盗まれた食糧をすべて取り返したコンドールマンは、近いうちに黒井食糧大臣の化けの皮をはがし、ゼニクレージーとの戦いに決着をつける思いを強くするのだった。

(ナレーション;コンドールマンは今、大きな戦いを前に太陽エネルギーを全身で吸収していた)

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数日後、町中を歩いていた石松は掲示板にコンドールマンの顔写真が貼られているのを見て驚く。それは手配書と記され、「食糧輸送船団を爆破炎上させた強奪犯人のモンタージュ写真です」と書かれていた。コンドールマンの手配書を見たまこと達コンドールジュニアたちも旭丘派出所に飛び込むと、貼ってある手配書をはがして怒りの抗議をそこにいた警官に向かってするのだった。

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『こんなの、ウソだよ!犯人はモンスターだ!』
『おいおい、君達何をするんだ!』
『コンドールマンは食料を取り返してくれたのよ!』
『君達はコンドールマンを知っているのかね?』

『本当に悪いのは食糧大臣だ!』
『大臣はモンスターの一味なの、早く捕まえて!』
『そりゃあ、たいへんだ。早速本署に行って、詳しい話を聞かせてくれたまえ』

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丁度そこへ、石松がパトカーに乗ってやって来た。これから本署へ抗議に行くのだと言う。コンドールジュニア達もパトカーに同乗すると、2台のパトカーはサイレンを鳴らしながら街中を疾走して行った。だが、事態は暗転する。真っ先にそのことに気が付いたのは、まことだった。パトカーを運転している警官が、いつの間にか魔人コンバットに変わっているのをバックミラー越しに見たまこと。助手席の警官も魔人コンバットに変わり、麻酔ガスのスプレー缶を後部座席に撒いて、コンドールジュニア達と石松は全員意識を失ってしまった。

『お前達は、コンドールマンが現れた時の人質だ!アハハハハ』

その頃、旭丘派出所の前を歩いていた一心は、コンドールジュニアのバッジ1個が落ちているのを発見する。さらに、コンドールマンの手配書が交番横の掲示板に貼られているのを見るのだった。(ゼニクレージーめ!)

まこと達に何かあったに違いないと思った一心は、交番近くの木の枝に止まっている小鳥から転心術で情報を聞き出した。どうやら、まこと達は敵アジトへ連れて行かれたらしいのだ。一心はコンドールマンに変身すると、マッハコンドル号を疾走させ敵アジトへと向かった。敵アジトはあそこしかない。食糧省である。一方、食料省の倉庫へ連れて来られた石松とコンドールジュニアたちは、警官に変装した魔人コンバット達によって拷問されようとしていた。

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『コンドールマンの居所を知っているようなので、吐かせます』

警官姿の魔人コンバットがゼニクレージーに向かってそう言うと、これからテレビ出演があるゼニクレージーは黒井食糧大臣に変身してからこう言った。

『ただし、コンドールマンの出現に備えて殺さずにおけよ』

魔人コンバットは、子供でも容赦なく痛めつける。だが、そこへコンドールマンが現れ、数名の魔人コンバット達などコンドールマンの敵では無かった。おかげで、子供たちは大怪我をせずに済んだ。旭丘交番前に落ちていたコンドールバッジは、まことのものであった。

コンドールマンに取り返された食糧を再び取り戻すため、ゼニクレージーは黒井食糧大臣の姿でテレビカメラの前で次のように訴えるのだった。

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『国民のみなさん!どうか冷静にわたくしの申し上げることを聞いてください。実は、今日入港した輸送船の食糧は恐ろしい病原菌で汚染されているのです。直ちに、私どもの回収車に食糧を渡して下さい。食べないで今すぐに、です。こんなことになったのも、コンドールマンの所為(せい)なんだ!コンドールマンこそ、大悪人です!』

テレビカメラの周囲には記者たちも待機して、生放送の様子を見ていた。その中には毎朝新聞記者でまことの父・三矢堅介とカメラマンのマキもいた。今までにコンドールマンに何度も助けられたことがある堅介達は、目の前の黒井大臣がコンドールマンを悪く言うことに疑問を呈した。

『そんなバカな!大臣!』
『黙れ!そいつらをツマミ出せ!』

堅介とマキは、大臣のボディガードをしている男達によってスタジオから追い出されてしまう。静かになったスタジオで、黒井大臣は改めて説明を始めた。

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『さて、国民の皆さん。日本がこんなに食べ物が無くなったのも、すべてコンドールマンの所為なんです!』
『違う!』

スタジオの高い天井に登るための階段付近から、大臣の声明を否定する声が聞こえた。大臣はその声の主を見つけると驚きの声を上げた。

『あぁ、コンドールマン!』

コンドールマンは黒井食糧大臣を指差すと、記者たちの前で次のように言った。

『モンスター、ゼニクレージー!大臣という地位を利用して食糧を取りあげたうえ、罪もない子供たちまで痛めつけるとは許せん!』
『で、デタラメだ!そいつをツマミ出せ!』

コンドールマンは黒井大臣の正体を暴くべく、大ジャンプして大臣に近づいた。記者席の記者たちが蜘蛛の子を散らすように四散すると、コンドールマンを阻止しようとボディガード達が大臣を守るように寄って来た。だが、あっという間に彼らは跳ねのけられてしまい、コンドールマンは大臣に向かってその正体を明かす光線を照射した。

『今こそ、皆の目の前で欲に凝り固まったお前の正体を暴いてやる!コンドールアイ!』

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金屏風の前で、醜いゼニクレージーの姿をさらけ出した黒井大臣。その様子は生放送のテレビカメラで中継され、スタジオの記者たちのカメラがフラッシュをバチバチと焚きまくった。

『大臣がモンスターだ!』

全国何万という視聴者たちの顔色が変わった。コンドールマンによって正体を暴かれたゼニクレージーは逃げ、魔人コンバット達はコンドールマンに襲いかかった。スタジオから外へと逃げ出したゼニクレージーに、コンドールマンは決着を付けるための攻撃を仕掛ける。

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『ゼニクレージー、覚悟!』

マシンガンのように繰り出すキックやパンチに、ゼニクレージーはたまらず命乞いを始めた。

『ま、待ってくれ、命だけは助けてくれ!銭ならやる、ほら、ほら』
『止めろ!お金で正義や人の心が買えると思うのか!』
『買えるとも!人間は欲の皮を被ったケモノよ!銭で買えないモノは無い・・・』

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そう言って、ゼニクレージーはバッグの中から1万円の札束を出すと、札束の隙間からすべての物を凍らせる冷凍噴射を発射した。コンドールマン狙ったはずの冷凍噴射は、次々と部下の魔人コンバット達を凍らせた。素早く動くコンドールマンは、必殺スリークッションキックでついにゼニクレージーを倒した。

『よくもやってくれたな、コンドールマン!一歩でも動いたら、子供たちをここから突き落とすぞ!』

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近くの鉄塔の上から、極東司令官サラマンダーの声がする。食料省の倉庫で救出したはずのコンドールジュニアたちは、今またサラマンダーの手の内にあった。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★

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コンドールマン(23) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第12話《魔のトライアングル作戦 / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;まつしまみのる

【前回までの話は・・・飢えに苦しむ人々の為に、コンドールマンは命を賭けてモンスター一味に奪われた食糧を奪い返した。さらにコンドールマンは、テレビカメラの前で黒井食糧大臣がモンスター・ゼニクレージーであることを暴き、権力を悪用して銭儲けをしていたゼニクレージーを見事倒すのであった。だが、形勢は逆転する。まこと達コンドールジュニアは極東司令官サラマンダーによってふたたび捕えられ、人質となっていたのである。どうする、コンドールマン!】

◆サラマンダーはコンドールジュニアたちを縛り上げると、強風が吹く高層タワー第一展望台付近の外階段に人質として集めた。人質のすぐ側には数人の魔人コンバットが銃を構えて立っている。これでは手が出せない。コンドールマンは自らの体を差し出して、子供たちと交換することを要求した。

(ナレーション;コンドールマンはまこと達の命を救うため、自ら捕らわれの身となった)

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それに応じたサラマンダーだが、ずる賢いサラマンダーはタワーの鉄骨にコンドールマンを鎖で縛り付けたまま、子供たちを釈放しようとはしなかったのである。

『約束だぞ、直ちに子供たちを釈放しろ!』
『バカメ!ガキどもはお前を処刑してからゆっくりと料理してくれるわ!』
『だましたな、卑怯者!』
『モンスター一族の辞書には、卑怯という文字は無い!』

両手が使えなくても、コンドールマンはベルトから武器が出せることを知っているサラマンダーは、警戒を怠らない。「ちょっとでも下手なマネをすれば、子供たちの命は無い」と言い放つのだった。コンドールマンは、このピンチをしのぐことができるのか?

『この極東司令官サラマンダー様自らが、お前を処刑してくれるわ!』
『貴様が、日本へ侵入したモンスターの大ボスだったのか!』
『今頃分かっても、遅いわ!死ね、コンドールマン!』

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コンドールマンをあぶり焼き殺そうと、サラマンダーは口から高温の火炎を吐いた。コンドールジュニアたちは必死にコンドールマンを応援する。火炎攻撃に必死に耐えながらコンドールマンは呪文を唱えていた。(世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・)すると、今まで晴れ渡っていた空が一天にわかに掻き曇り、ある一点を目指して雷雲から稲妻が落ちた。コンドールジュニアたちを取り囲んでいた魔人コンバット達が稲妻に打たれ、黒焦げになっていた。

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『クソ!小癪なことをやりおって!』
『コンドールハリケーン!』

魔人コンバットが全滅したのを見て、サラマンダーは悔しがった。だが次の瞬間には、そのサラマンダーもコンドールマンのベルトのバックルから出す台風並みの烈風によって遠くへ吹き飛ばされていた。人質を無事救出したコンドールマンの周囲には、コンドールジュニアたちが囲んでいた。

『ありがとう、コンドールマン!』

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一方、吹き飛ばされて倒されたはずのサラマンダーは、人間態J・ゴードンになって高級外車で去っていくのだった。その姿を見たコンドールマンは、すかさずコンドールアイでその正体を見抜きそのあとを追おうとした。だが、サラマンダーの火炎攻撃で重症を負っていたため、あとを追うことは出来なかった。足がもつれ地面に倒れたコンドールマンを、マンホールに引きずり込もうとする新たなモンスターが出現した。

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モンスター極東司令本部(アジト)は、表向きはアニマルカンパニー日本支社という会社形態をしている。アジトへ戻ったサラマンダーは、帝王キングモンスターに報告をしていた。黒井食糧大臣の正体は暴かれ、ゼニクレージーはコンドールマンに倒されたことを報告したサラマンダー。だが、日本の政府と国民を大混乱に陥れたと胸を張った。しかし、キングモンスターはその程度のことでは喜ばない。

『日本のハンガー作戦は世界中で一番遅れているのだぞ。サラマンダー!極東司令官として恥を知れ、恥を!』
『恐れ入ります。これもあのコンドールマンめの所為で・・・』

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それが分っているなら早く倒せ!と、キングモンスターは御冠(おかんむり=不機嫌)であった。だがサラマンダーにも何か考えがあるらしい。それを知ったキングモンスターは日本攻撃を一時棚上げにして、コンドールマンを倒すことにサラマンダーを専念させることにした。そのために、新たなモンスターを日本に差し向けたとキングモンスターは言う。

『今度失敗したら、サラマンダー、貴様の首は・・・』

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三つあるキングモンスターの顔のうち、正面の青い顔の額に付いた一つ目が赤く光ると、サラマンダーの首がキリキリと絞まり出した。サラマンダーは、恐れおののいて平伏してしまうのだった。

一方、マンホールに引きずり込んでコンドールマンを襲った新たなモンスターは、マダムバーべQという。先にコンドールマンに倒されたバーべQ夫人であった。

『お前は?』
『お前に殺されたバーべQの妻・マダムバーべQだ!亡き夫の恨み、晴らさせてもらうよ!』

夫と同じく、巨大なフォークをスコップのように持って操るこのモンスター。マンホールから暗い下水道に引きずり込んでコンドールマンを襲ったのは上出来だったが、あまり頭が良くはなさそうだ(笑)コンドールマンは下水道の暗がりを利用してマダムバーべQをうまく撒いてしまうと、マンホールから外へ脱出して逃げてしまった。コンドールマンに逃げられたことを知ったマダムバーべQは、人間態・ダブ子百貫に変身するとアジトへ向かった。

その頃、三矢一心は三矢堅介が務める毎朝新聞社のビルへ向かっていた。一心は堅介に会うとこう言った。

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『黒井食糧大臣の関係していた会社を調べれば、モンスター一族の大ボスの行方が突き止められるかもしれないんだ』
『なるほど。何か関係がありそうだな。ちょっと待ってくれ、もう一度調べてみるからな!東京近辺だけで、50以上もあるからな!』

黒井大臣がモンスターゼニクレージーであったことは、今や国民の誰もが知るところとなった。銭儲けの仕掛けを方々で作っていたに違いないのだ。堅介が持って来た資料を見ると、倉庫を必要とする会社がたくさんある一方で、食糧に関連する会社は比較的少ないことが判った。

『そこがかえって臭い。倉庫を片っ端から当たってみましょう』

一心は、食糧隠しに使われている倉庫は食糧関係だけとは限らないと踏んだわけである。一心と堅介、それにカメラマンのマキの三人は、まず石黒建設倉庫に向かった。案の定、会社の倉庫を開けてみるとごっそりと食糧が隠してあった。一心は突然、ふたりに急いで外へ出るよう促した。

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車の陰に隠れていると、石黒倉庫が大爆発を起こしたのだ。マダムバーべQが、倉庫を爆破したのである。堅介とマキは悔しがった。

『せっかく握った証拠なのに・・・』
『悔しいわ!』

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三人はリストにある次の場所へと車を走らせたが、車が目的の倉庫に到着する前に倉庫はまたも大爆発を起こしていた。黒煙の間をゲムスラーが飛び去って行くのが見えた。堅介が言った。

『今のは、確かにモンスター・・・』
『遅かったか・・・』

一心は、堅介と顔を見合わせながら臍(ほぞ)を噛んだ。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。

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