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コンドールマン(22) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第11話《ゼニクレージー大反撃 / 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・魔界島でワナにはまったコンドールマンに反撃の好機が訪れる。転売するためコインマーが島から食糧を運びだし始めた頃、すでに大潮は引きはじめていたのだ。そして黒幕の黒井食糧大臣が現れると、コンドールマン怒りのキックが大臣に炸裂した。ゼニクレージーが仕掛けた爆弾で魔界島は大爆発、コインマーは死んだ。ゴールデンコンドルに化身したコンドールマンは爆発直前に島から脱出し、島から運び出された食糧はゴールデンコンドルによって貨物船ごと奪い返すことに成功した】

◆食糧を積んだ貨物船が、港に入港した。船から降ろされた食糧には、つぎのような張り紙がしてあった。【これはモンスターに奪われた輸入食料品です コンドールマン】それらの食料は港湾職員らの手によって平等にトラックに積まれ、各地へ運ばれていく。

コンドールマンは約束を守った。モンスターから食料を奪い返してくれたのだ。人々はうれしさを顔や態度に表し、コンドールマンに感謝するのだった。大臣室で執務をしていた黒井大臣に、電話がかかって来た。

『あぁ、わしだが・・・銭儲けの話だろうな?・・・な、何?貨物船が入港しただと?バカモン!』

魔界島の大爆発を見届けた黒井大臣ことゼニクレージーは、コンドールマンが死んだものと思っている。島から運び出した食糧はすべて貨物船に乗せ、予定通り転売先に送る手筈になっていたのだ。それが何の手違いか、船は東京港に入港してしまった。こんなことが出来るのはコンドールマンしかいないと黒井大臣は思った。大臣室のテレビを点けると、たくさんの食糧を貨物船から降ろす港湾職員の姿が映し出されていた。苛立つ大臣の右手が杖でテレビを叩くと、テレビは火花と煙を上げながら壊れた。

『おのれコンドールマンめ!この怨みと損害の償いは、必ずさせてもらうぞ!』

その頃、盗まれた食糧をすべて取り返したコンドールマンは、近いうちに黒井食糧大臣の化けの皮をはがし、ゼニクレージーとの戦いに決着をつける思いを強くするのだった。

(ナレーション;コンドールマンは今、大きな戦いを前に太陽エネルギーを全身で吸収していた)

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数日後、町中を歩いていた石松は掲示板にコンドールマンの顔写真が貼られているのを見て驚く。それは手配書と記され、「食糧輸送船団を爆破炎上させた強奪犯人のモンタージュ写真です」と書かれていた。コンドールマンの手配書を見たまこと達コンドールジュニアたちも旭丘派出所に飛び込むと、貼ってある手配書をはがして怒りの抗議をそこにいた警官に向かってするのだった。

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『こんなの、ウソだよ!犯人はモンスターだ!』
『おいおい、君達何をするんだ!』
『コンドールマンは食料を取り返してくれたのよ!』
『君達はコンドールマンを知っているのかね?』

『本当に悪いのは食糧大臣だ!』
『大臣はモンスターの一味なの、早く捕まえて!』
『そりゃあ、たいへんだ。早速本署に行って、詳しい話を聞かせてくれたまえ』

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丁度そこへ、石松がパトカーに乗ってやって来た。これから本署へ抗議に行くのだと言う。コンドールジュニア達もパトカーに同乗すると、2台のパトカーはサイレンを鳴らしながら街中を疾走して行った。だが、事態は暗転する。真っ先にそのことに気が付いたのは、まことだった。パトカーを運転している警官が、いつの間にか魔人コンバットに変わっているのをバックミラー越しに見たまこと。助手席の警官も魔人コンバットに変わり、麻酔ガスのスプレー缶を後部座席に撒いて、コンドールジュニア達と石松は全員意識を失ってしまった。

『お前達は、コンドールマンが現れた時の人質だ!アハハハハ』

その頃、旭丘派出所の前を歩いていた一心は、コンドールジュニアのバッジ1個が落ちているのを発見する。さらに、コンドールマンの手配書が交番横の掲示板に貼られているのを見るのだった。(ゼニクレージーめ!)

まこと達に何かあったに違いないと思った一心は、交番近くの木の枝に止まっている小鳥から転心術で情報を聞き出した。どうやら、まこと達は敵アジトへ連れて行かれたらしいのだ。一心はコンドールマンに変身すると、マッハコンドル号を疾走させ敵アジトへと向かった。敵アジトはあそこしかない。食糧省である。一方、食料省の倉庫へ連れて来られた石松とコンドールジュニアたちは、警官に変装した魔人コンバット達によって拷問されようとしていた。

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『コンドールマンの居所を知っているようなので、吐かせます』

警官姿の魔人コンバットがゼニクレージーに向かってそう言うと、これからテレビ出演があるゼニクレージーは黒井食糧大臣に変身してからこう言った。

『ただし、コンドールマンの出現に備えて殺さずにおけよ』

魔人コンバットは、子供でも容赦なく痛めつける。だが、そこへコンドールマンが現れ、数名の魔人コンバット達などコンドールマンの敵では無かった。おかげで、子供たちは大怪我をせずに済んだ。旭丘交番前に落ちていたコンドールバッジは、まことのものであった。

コンドールマンに取り返された食糧を再び取り戻すため、ゼニクレージーは黒井食糧大臣の姿でテレビカメラの前で次のように訴えるのだった。

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『国民のみなさん!どうか冷静にわたくしの申し上げることを聞いてください。実は、今日入港した輸送船の食糧は恐ろしい病原菌で汚染されているのです。直ちに、私どもの回収車に食糧を渡して下さい。食べないで今すぐに、です。こんなことになったのも、コンドールマンの所為(せい)なんだ!コンドールマンこそ、大悪人です!』

テレビカメラの周囲には記者たちも待機して、生放送の様子を見ていた。その中には毎朝新聞記者でまことの父・三矢堅介とカメラマンのマキもいた。今までにコンドールマンに何度も助けられたことがある堅介達は、目の前の黒井大臣がコンドールマンを悪く言うことに疑問を呈した。

『そんなバカな!大臣!』
『黙れ!そいつらをツマミ出せ!』

堅介とマキは、大臣のボディガードをしている男達によってスタジオから追い出されてしまう。静かになったスタジオで、黒井大臣は改めて説明を始めた。

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『さて、国民の皆さん。日本がこんなに食べ物が無くなったのも、すべてコンドールマンの所為なんです!』
『違う!』

スタジオの高い天井に登るための階段付近から、大臣の声明を否定する声が聞こえた。大臣はその声の主を見つけると驚きの声を上げた。

『あぁ、コンドールマン!』

コンドールマンは黒井食糧大臣を指差すと、記者たちの前で次のように言った。

『モンスター、ゼニクレージー!大臣という地位を利用して食糧を取りあげたうえ、罪もない子供たちまで痛めつけるとは許せん!』
『で、デタラメだ!そいつをツマミ出せ!』

コンドールマンは黒井大臣の正体を暴くべく、大ジャンプして大臣に近づいた。記者席の記者たちが蜘蛛の子を散らすように四散すると、コンドールマンを阻止しようとボディガード達が大臣を守るように寄って来た。だが、あっという間に彼らは跳ねのけられてしまい、コンドールマンは大臣に向かってその正体を明かす光線を照射した。

『今こそ、皆の目の前で欲に凝り固まったお前の正体を暴いてやる!コンドールアイ!』

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金屏風の前で、醜いゼニクレージーの姿をさらけ出した黒井大臣。その様子は生放送のテレビカメラで中継され、スタジオの記者たちのカメラがフラッシュをバチバチと焚きまくった。

『大臣がモンスターだ!』

全国何万という視聴者たちの顔色が変わった。コンドールマンによって正体を暴かれたゼニクレージーは逃げ、魔人コンバット達はコンドールマンに襲いかかった。スタジオから外へと逃げ出したゼニクレージーに、コンドールマンは決着を付けるための攻撃を仕掛ける。

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『ゼニクレージー、覚悟!』

マシンガンのように繰り出すキックやパンチに、ゼニクレージーはたまらず命乞いを始めた。

『ま、待ってくれ、命だけは助けてくれ!銭ならやる、ほら、ほら』
『止めろ!お金で正義や人の心が買えると思うのか!』
『買えるとも!人間は欲の皮を被ったケモノよ!銭で買えないモノは無い・・・』

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そう言って、ゼニクレージーはバッグの中から1万円の札束を出すと、札束の隙間からすべての物を凍らせる冷凍噴射を発射した。コンドールマン狙ったはずの冷凍噴射は、次々と部下の魔人コンバット達を凍らせた。素早く動くコンドールマンは、必殺スリークッションキックでついにゼニクレージーを倒した。

『よくもやってくれたな、コンドールマン!一歩でも動いたら、子供たちをここから突き落とすぞ!』

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近くの鉄塔の上から、極東司令官サラマンダーの声がする。食料省の倉庫で救出したはずのコンドールジュニアたちは、今またサラマンダーの手の内にあった。
(終わり)


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