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コンドールマン(21) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第11話《ゼニクレージー大反撃 / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;伊東恒久
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;まつしまみのる

【前回までの話は・・・コインマーを追って魔界島に上陸したコンドールマンだったが、コインマーの仕掛けたワナにはまってしまう。洞窟内の食糧を水没から守るため、カギのかからない鋼鉄製の扉を自らの手で押さえることになってしまった。押し寄せる海水は強烈な圧力でコンドールマンに襲いかかり、その扉を支えている限りコンドールマンはコインマーの拷問を甘んじて受けるほか無かった。もはや体力は限界に来ている。危うしコンドールマン!】

(ナレーション;コンドールマンが食糧を必死に守り抜いている頃、石松とまこと達コンドールジュニアは夕陽が沈もうとしている海岸でコンドールマンを待ちわびていた)

魔界島では、拷問に疲れたコインマーがずいぶん前から居眠りをしていた。居眠りから起きたコインマーは、コンドールマンが必死に守り抜いている食糧を魔人コンバット隊に命じて洞窟からすべて運び出す作業に取り掛かり始めた。その様子をコンドールマンは目の前で見ていながら、何もすることが出来ない。

『ほら、お前ら何をやっとる!早く運ぶんだ!』

この時、コンドールマンは押さえている扉の圧力が弱まっていくのを感じていた。昨日コインマーが、潮は明日の朝10時に引くと言っていたのだ。(はっ、潮が引いて行く。有り難い・・・)食糧が倉庫からすべて運び去られると、通路の向こうからテレビで見覚えのある顔の男が倉庫に入って来た。

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『黒井食糧大臣!やはりお前か!』
『フフフフフ、今頃気がついたか!そうとも、我らモンスターは日本の政治をも動かしておるのだ!アハハハハ』
『おのれ!』

この時、扉の向こうの海水はすべて引いてしまい、コンドールマンを悩ませるものはもう何も無かった。そうとは知らない黒井大臣は、必死に扉を押すフリをするコンドールマンに余裕を持って一歩一歩近づきながらこう言った。

『どうだ!ご苦労だったなぁ、アハハハハ』

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一番効果的なキックができる距離まで待ったコンドールマンの左足が、みごとに黒井大臣の顔面を捉えた。まさかのキック一発を見舞われた黒井大臣はバランスを失い、ゼニクレージーに姿を変えて後方にいたコインマーの上に重なる様にして背中から倒れた。怒り心頭のゼニクレージーはコンドールマンに立ち向かって行くが、身をかわされたゼニクレージーは鋼鉄の扉を破壊して倉庫の外へ。そこには海水が一滴も無いことに、ゼニクレージーは驚くのだった。

どうやらモンスター連中は、潮が引いたあとまでコンドールマンが持ちこたえるとは思ってもいなかったようだ。食料が運び出されたあとの空っぽの倉庫で、ゼニクレージー、コインマー、魔人コンバット隊とコンドールマンとの戦闘が始まった。

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コインマーと魔人コンバットが戦っている間に真っ先に逃げたのは、ゼニクレージーだった。コンドールマンがこれ以上追って来ないよう、逃げ口に高圧電流が流れている鉄柵を降ろすゼニクレージー。一方、コインマーはコンドールマンとの戦いでキックされ、その勢いで高圧電流が流れる鉄柵にぶつかってしまう。鉄柵に触れたコインマーは火花を散らしながら絶命して倒れ、あとには大量のコインのかたまりが残った。鉄柵の向こうでゼニクレージーは言った。

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『コンドールマン、わしの銭儲けの食糧を守ってくれてアンガトサン!お礼に島ごとブッ飛ばしてくれるわ!アハハハハ』

ゼニクレージーが爆破スイッチを入れると、まず洞窟内が次々と爆発していった。風のように走ることができるコンドールマンにとって、この程度の爆発は難なくかわせる。だが、島の端まで来たとき、洞窟から運び出された食糧を積んだ船が沖へ向けて進んで行くのを見たコンドールマンは、悔しさを隠せない。

『命がけで守った食糧が・・・』

ゼニクレージーは、戦闘機で空からコンドールマンの動きを探っていた。だが、次々と誘爆して姿を変えていく島の様子を見たゼニクレージーは、コンドールマンは爆発に巻き込まれたものと判断、島全体の大爆発まで間もないため、その爆風に巻き込まれる前に戦闘機は魔界島から離れて行った。

その頃、コンドールマンはまだ島の先端にいた。刻一刻と島全体の爆発時刻は迫っている。コンドールマンが助かる方法は一つしかない。ゴールデンコンドルに化身するのだ。背後で次々と誘爆が起こる中、コンドールマンはゴールデンコンドルに化身すべく精神統一をしていた。

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『世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・ゴールデンコンドル!』

ゴールデンコンドルに化身したコンドールマンは、間一髪のタイミングで魔界島から離れることができた。魔界島大爆発の様子を黒井大臣室のモニターで見ていたゲムスラーと大幹部サラマンダーは、大喜びしていた。

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『やったぁ!ざまぁみろ、コンドールマンめ!』
『これでレッドバットン、妹の無念を晴らすことができました』
『これで、日本もわれらモンスター一族の思いのままだぞ!ハハハハハ』

ゼニクレージーが、胸を張って堂々と大臣室に入って来た。サラマンダーは大いに喜んだ。

『司令官、ご覧になりましたな?彼奴(きゃつ)の最期を』
『見事だった。キングモンスター様もきっとお喜びになる!』

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3人は人間態に姿を変えると、応接セットに腰を下ろした。黒井大臣は今回のコンドールマン抹殺計画の成功報酬として電卓を叩いて金額をはじき出すと、司令官J・ゴードンに提示した。すると、ゴードンはこう言うのだ。

『アホ!金なら日本人から好きなだけ絞り上げなさい!そのために食糧大臣という地位があるでしょ!』
『大臣命令という手があるわ』
『なぁるほど。大臣命令で、日本人を干乾しにしてやるか!アハハハハ』

レオナ高倉の提案を黒井大臣は大いに感嘆し、大笑いした。

翌午前、海岸でコンドールマンの帰りを待っているまこと達コンドールジュニアと石松は、海岸に集まってくる漁師たちが信じられない言葉を叫ぶのを聞いた。魔界島が爆発したというのだ。大人の石松は、「モンスターの方が一枚上手だったんだ」とガックリ肩を落とした。だが、小学生のまことは違う。「コンドールマンは、きっと約束を守るわ!」と、正義のシンボルとの約束を最後まで信じている。他のジュニアたちも、気持ちはまことと同じだ。

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そうは言うモノの、みんなの気持ちは折れそうになっていた。遠くの海を見ながら、まことは思う。コンドールマンは死んでしまったのだろうか?そんな時、金色の光がこちらに向かって近づいて来るのが見えた。それは段々と大きくなり、金色に輝く鳥であることがまことには判った。

『ゴールデンコンドルよ!!コンドールマンの化身よ!!』

まこと達は涙を拭って、神々しいその光輝く姿に見入っていた。ゴールデンコンドルは近づいて来るとまこと達に何かを落として、ふたたびUターンするように沖の方へ飛んで行った。ゴールデンコンドルが落としていったものは、手紙を縛ったゴールデンコンドルの羽である。手紙には次のように書いてある。

【食糧は取り返す 黒井食糧大臣はモンスターだ、注意!】

たいへんだ!早速このことを知らせるために、まこと達は行動を開始した。

(ナレーション;コンドールマンの化身・ゴールデンコンドルの雄々しい姿は、まこと達に勇気と力を与えた)

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沖を進んで行く貨物船太洋丸に気づかれないよう近づいたゴールデンコンドルは、操舵室に強烈な黄金の光を放った。この光線を浴びた船長も船員たちも、全員が魔人コンバットに姿を変えたあとに絶命した。ここに、コンドールマンは奪われた食糧を奪回することに成功したのである。
(つづく)


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『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。



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