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コンドールマン(23) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第12話《魔のトライアングル作戦 / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;まつしまみのる

【前回までの話は・・・飢えに苦しむ人々の為に、コンドールマンは命を賭けてモンスター一味に奪われた食糧を奪い返した。さらにコンドールマンは、テレビカメラの前で黒井食糧大臣がモンスター・ゼニクレージーであることを暴き、権力を悪用して銭儲けをしていたゼニクレージーを見事倒すのであった。だが、形勢は逆転する。まこと達コンドールジュニアは極東司令官サラマンダーによってふたたび捕えられ、人質となっていたのである。どうする、コンドールマン!】

◆サラマンダーはコンドールジュニアたちを縛り上げると、強風が吹く高層タワー第一展望台付近の外階段に人質として集めた。人質のすぐ側には数人の魔人コンバットが銃を構えて立っている。これでは手が出せない。コンドールマンは自らの体を差し出して、子供たちと交換することを要求した。

(ナレーション;コンドールマンはまこと達の命を救うため、自ら捕らわれの身となった)

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それに応じたサラマンダーだが、ずる賢いサラマンダーはタワーの鉄骨にコンドールマンを鎖で縛り付けたまま、子供たちを釈放しようとはしなかったのである。

『約束だぞ、直ちに子供たちを釈放しろ!』
『バカメ!ガキどもはお前を処刑してからゆっくりと料理してくれるわ!』
『だましたな、卑怯者!』
『モンスター一族の辞書には、卑怯という文字は無い!』

両手が使えなくても、コンドールマンはベルトから武器が出せることを知っているサラマンダーは、警戒を怠らない。「ちょっとでも下手なマネをすれば、子供たちの命は無い」と言い放つのだった。コンドールマンは、このピンチをしのぐことができるのか?

『この極東司令官サラマンダー様自らが、お前を処刑してくれるわ!』
『貴様が、日本へ侵入したモンスターの大ボスだったのか!』
『今頃分かっても、遅いわ!死ね、コンドールマン!』

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コンドールマンをあぶり焼き殺そうと、サラマンダーは口から高温の火炎を吐いた。コンドールジュニアたちは必死にコンドールマンを応援する。火炎攻撃に必死に耐えながらコンドールマンは呪文を唱えていた。(世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・)すると、今まで晴れ渡っていた空が一天にわかに掻き曇り、ある一点を目指して雷雲から稲妻が落ちた。コンドールジュニアたちを取り囲んでいた魔人コンバット達が稲妻に打たれ、黒焦げになっていた。

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『クソ!小癪なことをやりおって!』
『コンドールハリケーン!』

魔人コンバットが全滅したのを見て、サラマンダーは悔しがった。だが次の瞬間には、そのサラマンダーもコンドールマンのベルトのバックルから出す台風並みの烈風によって遠くへ吹き飛ばされていた。人質を無事救出したコンドールマンの周囲には、コンドールジュニアたちが囲んでいた。

『ありがとう、コンドールマン!』

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一方、吹き飛ばされて倒されたはずのサラマンダーは、人間態J・ゴードンになって高級外車で去っていくのだった。その姿を見たコンドールマンは、すかさずコンドールアイでその正体を見抜きそのあとを追おうとした。だが、サラマンダーの火炎攻撃で重症を負っていたため、あとを追うことは出来なかった。足がもつれ地面に倒れたコンドールマンを、マンホールに引きずり込もうとする新たなモンスターが出現した。

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モンスター極東司令本部(アジト)は、表向きはアニマルカンパニー日本支社という会社形態をしている。アジトへ戻ったサラマンダーは、帝王キングモンスターに報告をしていた。黒井食糧大臣の正体は暴かれ、ゼニクレージーはコンドールマンに倒されたことを報告したサラマンダー。だが、日本の政府と国民を大混乱に陥れたと胸を張った。しかし、キングモンスターはその程度のことでは喜ばない。

『日本のハンガー作戦は世界中で一番遅れているのだぞ。サラマンダー!極東司令官として恥を知れ、恥を!』
『恐れ入ります。これもあのコンドールマンめの所為で・・・』

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それが分っているなら早く倒せ!と、キングモンスターは御冠(おかんむり=不機嫌)であった。だがサラマンダーにも何か考えがあるらしい。それを知ったキングモンスターは日本攻撃を一時棚上げにして、コンドールマンを倒すことにサラマンダーを専念させることにした。そのために、新たなモンスターを日本に差し向けたとキングモンスターは言う。

『今度失敗したら、サラマンダー、貴様の首は・・・』

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三つあるキングモンスターの顔のうち、正面の青い顔の額に付いた一つ目が赤く光ると、サラマンダーの首がキリキリと絞まり出した。サラマンダーは、恐れおののいて平伏してしまうのだった。

一方、マンホールに引きずり込んでコンドールマンを襲った新たなモンスターは、マダムバーべQという。先にコンドールマンに倒されたバーべQ夫人であった。

『お前は?』
『お前に殺されたバーべQの妻・マダムバーべQだ!亡き夫の恨み、晴らさせてもらうよ!』

夫と同じく、巨大なフォークをスコップのように持って操るこのモンスター。マンホールから暗い下水道に引きずり込んでコンドールマンを襲ったのは上出来だったが、あまり頭が良くはなさそうだ(笑)コンドールマンは下水道の暗がりを利用してマダムバーべQをうまく撒いてしまうと、マンホールから外へ脱出して逃げてしまった。コンドールマンに逃げられたことを知ったマダムバーべQは、人間態・ダブ子百貫に変身するとアジトへ向かった。

その頃、三矢一心は三矢堅介が務める毎朝新聞社のビルへ向かっていた。一心は堅介に会うとこう言った。

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『黒井食糧大臣の関係していた会社を調べれば、モンスター一族の大ボスの行方が突き止められるかもしれないんだ』
『なるほど。何か関係がありそうだな。ちょっと待ってくれ、もう一度調べてみるからな!東京近辺だけで、50以上もあるからな!』

黒井大臣がモンスターゼニクレージーであったことは、今や国民の誰もが知るところとなった。銭儲けの仕掛けを方々で作っていたに違いないのだ。堅介が持って来た資料を見ると、倉庫を必要とする会社がたくさんある一方で、食糧に関連する会社は比較的少ないことが判った。

『そこがかえって臭い。倉庫を片っ端から当たってみましょう』

一心は、食糧隠しに使われている倉庫は食糧関係だけとは限らないと踏んだわけである。一心と堅介、それにカメラマンのマキの三人は、まず石黒建設倉庫に向かった。案の定、会社の倉庫を開けてみるとごっそりと食糧が隠してあった。一心は突然、ふたりに急いで外へ出るよう促した。

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車の陰に隠れていると、石黒倉庫が大爆発を起こしたのだ。マダムバーべQが、倉庫を爆破したのである。堅介とマキは悔しがった。

『せっかく握った証拠なのに・・・』
『悔しいわ!』

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三人はリストにある次の場所へと車を走らせたが、車が目的の倉庫に到着する前に倉庫はまたも大爆発を起こしていた。黒煙の間をゲムスラーが飛び去って行くのが見えた。堅介が言った。

『今のは、確かにモンスター・・・』
『遅かったか・・・』

一心は、堅介と顔を見合わせながら臍(ほぞ)を噛んだ。
(つづく)


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『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。



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