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ジャイアントロボ(8) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第7話 敵は怪獣イカゲラス・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・ある日、ユニコーン日本支部・暗号解読班からの連絡が途絶えた。灯台にカムフラージュしている暗号解読班の施設に急行したU3とU7は、灯台が根元からそっくり無くなっているのを見て愕然とする。現場調査の結果、暗号解読器が無くなっていることが判明。アズマ支部長はBF団の仕業に相違ないと踏んで、暗号解読器奪回作戦を考案する。施設にいるふたりに待機命令を出すと、暗号名ダブル・ツー・ゼロゼロ・ツーを命令した・・・】

◆怪獣イカゲラスの突風に煽られたユニコーン専用車は、崖下に転落していく。だが海中には落下せず、辛うじて岩場に引っかかっていた。それを見たスパイダーは、とどめを刺すようイカゲラスに命令した。

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『やれ!イカゲラス!』

咆哮一声、二発目の突風がやって来て、今度こそ二人の乗った専用車は海中へ転落していった。

『わぁ~っ!』

ガツンという衝撃と共に車が着地したのは、ロボの両手の中であった。急降下してきたロボの両手が、危ういところでU3とU7を救出したのだ。スパイダーは悔しがる。

『くそっ、またしてもロボめ!・・・』

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顔を上げ、周囲を見回したU7は、そこがロボの両手の中であることを確認すると、ほっとして車を安全な場所に降ろすようロボに命令した。二人は車から降りると、U7はロボにさらに命令する。

『ロボ、イカゲラスをやっつけろ!』

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組み合ったロボとイカゲラスは互角の戦いを展開する。だが、イカゲラスが両手を羽ばたかせて突風をおこすと、ロボの巨体でもバランスを崩して倒れそうになった。次の瞬間、ロボに向かってイカゲラスの口から放水のように液体が噴射された。それを見たU7は、とっさにロボに飛びあがるよう命令する。

『あっ、溶けた!』

ロボが飛びあがると、その液体はロボのいた付近の住宅にかかり、その屋根も壁もあっという間に溶けて無くなってしまった。あの液体は強力な溶解液だ。ロボといえども、あれを浴びればただでは済まないと思ったU7は、ロボをイカゲラスの背後に回らせてロケット弾攻撃を命じた。

一方、スパイダーとBF団たちがこちらへ迫ってくるのを見たU3(南十郎)は、ロボの操縦をU7に任せて、敵を迎え撃つために飛び出していった。足場の悪い岩場でのBF団員4人対U3の戦いとなった。最初U3は互角の戦いをしていたが、多勢に無勢、疲労していくU3はしだいに不利になっていく。

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(ロボの左腕を溶解液が襲う)

他方、ロボのロケット弾攻撃を背中に受けたイカゲラスは、ひるむ様子を見せていた。しかし、振り返ったイカゲラスの口から再び溶解液が噴射され、それはジャイアントロボの左腕を濡らした。

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(ざまぁみろ!)

『たいへんだ!ロボが・・・ロボの腕が溶けた!』
『ハハハハ、ざまぁみろ!それから、早くそいつ(U3)を片付けろ!』
『U7!逃げろ!お前が捕まれば、ロボは動かない。早く逃げろ!』


ロボの左腕は肘から下が溶けて無くなり、肩の関節は動きを止めた。左腕が無いままで戦うのは、絶対に不利だ。U3はBF団員達に羽交い締めにされ、捕らわれる寸前であった。大至急ロボの腕を修理する必要もあり、ここはU3の言う通り脱出する他はないと決断するU7。

『きっと助けに来ます!ロボ、メガトンパンチで脱出だ!』

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(ロボの左腕は肘から下が溶けて無くなってしまった)

ロボは右腕でイカゲラスへチョップを食らわすと、すぐさまメガトンパンチを叩き込んで後方へふっ飛ばした。このスキにロボは、腰をかがめる様にして右手のヒラをU7(大作少年)の前に差し出した。大作少年は素早くそれに乗り込むと、上昇命令をロボに出して現場を去っていくのだった。

アズマ支部長の前で、U7は頭を垂れていた。現場から一人逃げ帰って来たことを恥じていた。だが、アズマ支部長は笑顔でこう言った。

『心配するな。U3が捕まったのも作戦の内だ』

一方、貨物船にカムフラージュしているBF団のアジトにU3は連れて行かれ、スパイダーが尋問をしていた。椅子に座らされ縛られた状態の南十郎は、同時に殴る蹴るの拷問も受けていた。

『おい、南十郎!新型暗号解読器が到着するダブル・ツー・ゼロゼロ・ツーとはどこだ?』

だが、口を割ろうとしない南十郎にスパイダーは手を焼き、2~3発顔面を殴るととうとう南十郎は意識を失ってしまう。ギロチン帝王に報告するため部屋を出て行くスパイダーを待っていたかのように、監視役のBF団員二人はチェスを始めた。チェスに夢中の二人に、捕虜・南十郎の様子などまったく目に入らない。

気を失ったフリをしていた南十郎は隠し持っていた小型ナイフでロープを切ると、チェスに夢中の二人に襲いかかった。不意を突かれた二人は瞬く間に倒され、南十郎は靴のかかとに隠してあった通信機で、ユニコーン日本支部に連絡した。

『こちらU3、支部応答願います!』

日本支部のスピーカーから南十郎の声が突然流れてきた。すかさず、アズマ支部長が指示を出す。

『マリ君!電波探知機で南君の現在位置を調べたまえ』

しかし、BF団の通信係も船内から出ている怪しい電波に気付き、スパイダーに報告する。スパイダー達は、すぐにU3のいる部屋へと向かう。U3が電波を出し続けた結果、マリ隊員によってU3の現在位置が特定された。

『判りました!南さんの現在位置は、東経139度45分、北緯35度36分です』

電波源は南十郎に違いないと察知したスパイダーは行動が速く、部下4名を連れて南十郎を閉じ込めた部屋へ急行する。すぐに南十郎を羽交い締めにして通信機を奪い取ると、スパイダーはそれをブーツのかかとで踏みつぶした。

『あっ、電波が切れました!』
『うーむ、敵に気づかれたか?グズグズしてはおれんぞ。敵が移動したらたいへんだ!』

そうなれば、命がけのこの奪回作戦は水泡に帰してしまう。ロボの左腕の修理が完了したとの報告が入り、アズマ支部長はこの機を逃すまいとしてU3のいる地点へU7を急行させた。背中のジェット推進装置を噴射させてU7が向かった地点には、貨物船が停泊していた。

『ユニコーンが来る前に、この船を出港させる。キサマを銃殺にしてからな。(銃を)かまえて・・・』

出港を急ぐスパイダーは、処刑を急ぐ。部下2名で南十郎を押さえつけると、残り2名が南十郎に銃口を向けた。危うし!南十郎。その時、貨物船が突然大きく揺れだした。これは、現場に到着したジャイアントロボが貨物船をつかんで持ち上げたためだ。船内の誰もが、足元がふらついてバランスを崩した。南十郎はこの機に乗じて部屋を脱出すると、目的の物を探しに行く。船室の丸窓から外を覗いたスパイダーは、見たことある巨大な顔をそこに見た。

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『あぁ、ジャイアントロボだ!』

U7は貨物船の上空を旋回しながら、ロボにゆっくり貨物船を降ろすよう命令する。そして前方から迫る怪獣イカゲラスとの決戦をロボに命令した。一方、通信室に置いてあった暗号解読器を発見した南十郎は、それを奪い返すことに成功する。だが、通信室を出ようとした所でスパイダーと鉢合わせし、殴られた南十郎は暗号解読器を奪われてしまった。

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ユニコーンチームとBF団チームが、まるでラクビーボールをパスするように暗号解読器の奪い合いを船内でしている。互いに「奪う・奪われる」を繰り返しながら、甲板を走り回っているのである。一方のロボは、イカゲラスの溶解液を用心しながら戦っている。ロボを追って上陸したイカゲラスは、不利な展開になる。ロボのメガトンパンチが炸裂し、苦しむイカゲラスは海へ逃げようと羽ばたいて飛びあがり、ロボに向かって空中から溶解液を噴射した。ロボはそれを避けると、溶解液は貨物船に当たってしまう。

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(暗号解読器を持って逃げるスパイダーをU7は上空から発見した)
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(それを奪い取って逃げるU7だが、BF団員に再び奪われてしまう)

暗号解読器を持って逃げる南十郎とそれを奪い取ろうと追いかけるスパイダーが、甲板を走っている。南十郎が走り抜けていった後、それを追いかけるスパイダーの全身にイカゲラスの放った溶解液がシャワーのように降り注いだ。

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『あぁぁぁ・・・』

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大きなうめき声をあげ、もだえ苦しみながら震えているスパイダーは、やがて泡と化して消滅した。U7は背中のジェット推進装置を噴射させ南十郎を自分の両脚につかまらせたまま上昇すると、貨物船をあとにした。

『みろ、大作君!スパイダーが溶けて行く』

メガトンパンチを浴びせて弱ったイカゲラスを、ロボは背負い投げで貨物船に投げつけた。イカゲラスにとどめを刺すべく、U7はロボに命令した。

『今だ、ロボ。レーザー光線と火炎放射を一緒に浴びせろ!』

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アジトの貨物船は大爆発し、イカゲラスは炎上して海の藻屑と消えていった。

(ナレーション;暗号解読器は取り戻した。しかし、ギロチン帝王はこの地球征服をあきらめたわけではない。負けるな、大作少年!頑張れ、ジャイアントロボ!大地に平和がよみがえるまで)
(終わり)


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