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ジャイアントロボ(9) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第8話 両面怪獣ダブリオンの挑戦・前編》を取りあげます。

原作;横山光輝(光プロ)
企画;平山 亨・坪井久智
脚本;伊上 勝
音楽;山下毅雄
特技;矢島信男
技斗;久地 明
監督;竹本弘一

【前回までの話は・・・BF団日本支局長スパイダーは、ユニコーン日本支部の暗号解読班を襲撃して暗号解読器を奪い、世界中のユニコーン機関情報を入手する作戦に出た。だが、アズマ支部長はわざと敵に捕まる「暗号解読器奪取作戦」を敢行し、アジトに潜入したU3は見事に暗号解読器を奪取した。怪獣イカゲラスの溶解液を浴びたスパイダーは、泡のように溶けて消えていった】

◆(ナレーション;野には美しい花が咲き、空には小鳥がさえずっていた。だがある日、この静かな平和も破られようとしていた)

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探検好きの三人の子供たちが、洞窟に入っていく。この中にたくさんの宝物が埋まっていることを信じて、三人は真っ暗な洞窟に恐る恐る足を踏み入れた。そして、リーダーの男の子がヘルメットに付いたライトを点灯させて先頭を進んでいくと、コウモリが数羽飛んで来て三人にぶつかり飛び去って行った。怯えながらもしばらく歩いていくと、リーダーの男の子が言った。

『あっ!何か奥の方で光った』
『恐いわ!』
『とにかく行ってみよう!』

何かが光ったように見えた所まで三人が歩いて行くと、洞窟はそこで行き止まりになっていた。リーダーの男の子が上を向くと、ヘルメットのライトが巨大な顔のようにも見える壁面を照らし出した。

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『あっ、怪獣だ!』

最初はデコボコの岩が偶然怪獣の顔に見えたと思った三人だが、その目の部分に当たる場所が次の瞬間2回点滅した。それを見た三人は恐ろしくなり、今来た暗い道を急いで引き返そうと歩いた。だが、その途中で何かにぶつかって、子供たちはそれ以上進めなくなった。子供達がぶつかったのは、3人の大人達だった。

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『お、おじさん!この奥に怪獣がいます!早く逃げよう!』
『本当よ!』
『小僧たち。怪獣ダブリオンを見た以上、返すわけにはいかん!』
『おじさん達、誰?』
『あの怪獣が元気になるのを、待っているんだ。怪獣ダブリオンのエサにしてやる!』

この大人たちが自分達を捕まえようとしている以上、子供達は怪獣のいる方向へ戻るしかない。だが、子供達は三人の大人にすぐに捕まってしまった。

その頃、U3とU7の二人を乗せたヘリコプターは、東京上空をパトロールしていた。東京湾上空に差し掛かった時、U7の双眼鏡が怪しい男の姿を捕えていた。U7がU3にそのことを話すと、何かから逃げるように走るその男の姿をU3の双眼鏡も確認した。男は銃撃戦をしているようだ。U3の双眼鏡が、男を追っている者達の姿を捕えた。

『あれはBF団だ!』

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男は二人のBF団員を銃で倒すと、今度は2台のオートバイに追われ始めた。ヘリの操縦者に後を任せると、U3とU7は背中のジェットを噴射してヘリコプターから飛び降りた。怪しい男は防波堤に追い詰められ、この先は海で行き止まりになっている。BF団員の2台のオートバイが、男を追い詰めて行く。だが、上空から降りてきたU3とU7がそれぞれのオートバイの背後に飛び乗り、後ろから目隠しをして進路を妨害した。2台のオートバイは方向感覚を失い、海へ向かって真っすぐに突っ込んで行く。海中へ転落する直前にジェット噴射で上空へ逃げたU3とU7は転落を見届けると、追われていた男の前に着地し、そしてU3が男に尋ねた。

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『怪我はありませんか?』
『はい』
『どうしてBF団に狙われたんですか?』

U7の質問には答えず、左目に黒い眼帯をした船長服姿のこの男はU3に向かって逆に訊いた。

『ユニコーンの人ですね?』
『ええ』
『ワタシはBF団員なんです・・・』
『何?』

それを聞いたU3は身構えた。だが話を聴いてみると、隻眼のこの男はBF団のやり方が恐ろしくなって逃げてきたのだという。脱走者として、男はBF団に追われていたのである。

『お願いです。罪もない三人の子供達が殺されます。助けてやってください!』

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(目隠しを解かれた船長服姿の男の目前には、アズマ支部長が立っている)

アズマ支部長にここまでのいきさつを報告したU3は、支部長の了解を得て、男を日本支部へ連れて行くことにした。ユニコーン日本支部の場所は絶対に秘密なため、男に目隠しをして連れて行く。目隠しをはずされた男の目の前に、アズマ支部長が立っていた。

『さぁ、聴こうじゃないか。BF団に捕まっている三人の子供たちのことを』

アズマ支部長は真剣な顔つきで、この男に問いかけた。

『場所は竜門山の麓(ふもと)です。その洞窟にBF団の秘密基地があるのです。三人の子供達は偶然その洞窟に紛れ込んで、捕まりました』
『でも、本当かしら?もしかすると、私達を誘うワナかもしれないわ』

男の話を聴いてアズマ支部長はそのままにしてはおけないと判断したが、男の話に疑問を抱く隊員が一人いた。U6・マリー花村である。
悪賢いBF団のことだからマリー花村の意見はもっともだと、アズマ支部長は思う。だが、この男は仲間に追われ、その仲間を拳銃で撃ち殺しているところをU3たちが目撃しているのだ。この事実を挙げ、マリー花村の意見は考え過ぎだと否定をするのだった。

『そ、そうですとも。本当に三人の子供たちが・・・』

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マリー花村の発言に一瞬男は青ざめたが、支部長がその意見を否定すると、安堵したように再び救助を訴えかけるのだった。すると作戦室にU5・西野隊員が入って来て、三人の行方不明者がいることは事実であると告げたのである。

『現地の警察署に連絡があったそうです。行方不明の三人は、ケンイチ、サトコ、シロウ』
『そうか。マリー君の疑問は溶けたな』

情報を確認したアズマ支部長は、子供達を助けるためにU3とU7を竜門山へ派遣することにした。すると隻眼のこの男は、洞窟の警戒線はよく解かっているので、今までの罪滅ぼしのためにも道案内を自分にさせて欲しいと進言するのだった。裏切り者だから危険だという支部長の発言に対し、子供達を安全に救うためにはこの男の協力が必要だとU3は訴えた。

アズマ支部長の許可をもらって、三人は目的の現場から少し離れた場所でヘリコプターを降りた。この辺りには背の高さほどの草樹が多く生え、また隠れるにはうってつけの崖がたくさんある。隻眼の男の指示で竜門山の洞窟が見える場所まで近づくと、三人はしばらくの間そこから様子をうかがうことにした。向こうから3人1組のBF団員が、こちらに歩いて来るのが見える。どうやらこの辺りをパトロールしているようであった。崖に隠れてこれをやり過ごすと、U3たちは少しずつ洞窟の入口まで近づいて行く。

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洞窟の入口では、マシンガンを持った番兵二人が警戒していた。U3と隻眼の男が番兵を殴り倒すと、U7が先に入って進んでいき、カードゲームをしている三人の番兵を手榴弾で倒した。洞窟内を警戒しながら進んでいく三人は、洞窟内の通路が二手に分かれている所に差し掛かった。

『この先は、手分けして探そう』

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(男は二人とは別路(右)へ向かった)
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(U3とU7は子供たちを発見したが・・・)

U7がそう言うとU7とU3が左の道へ、隻眼の男は右へと別れて行った。しばらく進んでいくと、U7が三人の子供達を見つけた。子供達は後ろ手に縛られて声を出さぬよう口を塞がれていたが、三人とも元気な様子だ。
(つづく)


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