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ジャイアントロボ(10) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第8話 両面怪獣ダブリオンの挑戦・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・探検好きの少年たち3人が竜門山の麓にある洞穴で、眠っている怪獣ダブリオンを見てしまう。光る眼を見てしまった3人は、逃げる途中でBF団員に捕まってしまうのだった。この情報をユニコーン日本支部にもたらしたのは、なんとBF団から脱走してきたという隻眼の男であった。隻眼の男の言葉を信じたアズマ支部長は子供たちを救うため、U3とU7を竜門山の麓にあるというBF団の秘密基地へ派遣した。隻眼の男の手引きで警戒が厳重な洞窟内を進んで行き、U7達は捕まっている子供たちを発見したが・・・】

◆洞窟内で後ろ手に縛られた3人の子供達の縄を解くと、U7は言った。

『安心しなよ、もう怖いことなんかないぜ!』
『怪獣なんだよ!あれだよ!』

子供のヘルメットに付いたライトの光が、岩壁に突き出た顔のような物を写しだした。だが、U7にはただの岩にしか見えない。

『あれ、生きているんだ!』

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次の瞬間、顔のように見える岩の両目部分が光って動いた。5人が急いで逃げようとした時、それを制止する男の声が洞窟内に響く。

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『そうはゆかんぞ!』

そこには、隻眼の男が拳銃をかまえて立っていた。だが、その服装はさっきまでの船長服ではなく、銀色の地に大きな三つの黒いダイヤをあしらった物で、黒いマントを羽織っていた。道案内に連れて行くよう支部長に進言したU3が、絶句しながら叫んだ。

『君!』
『フフフフ・・・そうだ、新しくBF団の日本支局長となってやって来たブラックダイヤだ!U3、U7、まんまとワナにかかったな!』

子供たちは関係ないから逃がすようU3が言うと、ブラックダイヤは叫んだ。

『バカモン!BF団の鉄の掟には血も涙も無い!敵を欺くためには、味方だって殺す!』

子供達を囮(おとり)にしてU7をニセの基地までおびき出し、怪獣ダブリオンの生け贄にしてしまえば、ジャイアントロボはただのガラクタになる。そのためには何の関係も無い子供たちをも巻き添えにするのが、BF団のやり方なのだ。

『そんなこと、させるものか!』

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U7が左手の腕時計を触ろうとした瞬間、腕時計から火花が散った。ブラックダイヤの拳銃が、ジャイアントロボのコントローラーを破壊した瞬間であった。天井から鉄格子が下りて来て、U7たち5人は閉じ込められてしまった。しかも、背後には壁に埋まった怪獣ダブリオンがいる。

『お前がそれを使ってロボを動かすのは、百も承知だ。これでジャイアントロボは永久に動けまい!フッハハハハハ。さぁ、ダブリオン。ご馳走にありつくんだ!』

ブラックダイヤとBF団員達は、勝ち誇ったように悠々と去っていく。ブラックダイヤのひとことで、怪獣ダブリオンは完全に眠りから覚めた。岩肌が崩れだし、怪獣ダブリオンの姿が明らかになった。恐怖に怯える子供たち。U3も焦り出し、U7の顔もこわばっている。

『ジャイアントロボを呼ぼう!』
『しかし、大作君!?』

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たった今、ロボを操縦する腕時計は目の前で破壊されてしまったではないか!だがU7は、グローブの下にもう一つ別の腕時計をしていた。U3は驚く。

『(不思議な顔つきで)壊れたのは?』
『(笑顔で)ニセの時計でした。ロボ、全速力で飛べ!』

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次の瞬間、じっと動かないロボの背中のジェットが火を吹いた。ガチャンという音がしてロボが動き出すと、ユニコーン日本支部の格納庫が開いて空へ飛び立つロボ。急げ、ロボ!U7達は怪獣ダブリオンの餌食になろうとしている。鉄格子に先を阻まれて、逃げ場が無い5人。ダブリオンの鋭い爪が、5人に襲いかかり始めた。U3・U7は子供たちを岩陰に隠すと、二人が囮になってダブリオンを引き付けながら狭い洞窟内を逃げ回っている。

洞窟の天井を見つめるU7。するとその天井に裂け目が出来、崩れ落ちてくる岩石と一緒にロボの両脚が見えた。ロボの巨体が下りて来てダブリオンと対峙すると、U7はロボに左足で鉄格子を破壊するよう命じた。そして、ダブリオンと戦う様ロボに命令して、5人は壊れた鉄格子の隙間から脱出した。だが、洞窟の出口まで走って来た5人を待っていたのは、BF団の拳銃一斉射撃だった。

『小僧!よくも一杯食わしたな!』

ブラックダイヤの怒りを込めた鋭い目が光る。洞窟の入口でじっとしているわけにはいかない。ロボと怪獣の戦いでやがて洞窟は崩れ落ちるだろう。正面突破は銃弾の雨が降って難しい。U3は、そこで一計を案じる。

『大作君、僕が奴らを引き付ける間に、子供たちを安全な場所に!』
『了解!』

間を計って洞窟を飛び出したU3は、ひとり銃弾の中を必死に走って逃げた。U3を追いかけていくBF団員を見ながら、彼らが居なくなるのを待って、U7はそれとは反対方向に3人の子供達を連れて飛び出した。

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3人の子供達を安全な場所まで誘導したU7は、その場所から様子をうかがっている。やがて洞窟が崩れて、ロボとダブリオンが姿を現した。メガトンパンチで優勢に戦いを進めるロボに、ダブリオンは口から何かの液体を吐きかけて応戦した。

驚いたことにダブリオンには後ろにも顔があった。正面の茶色い顔から油を、後ろの青い顔からは火炎を吐いてロボを攻撃している。油を吐きかけられたロボの足元は、炎が引火して猛火になった。U7はロボを上空へ飛び上がらせると、飛行しながらロケット弾攻撃を命じた。ロボの攻撃にひるむダブリオン。

だが、U7と3人の子供達に危機がせまっていた。囮になって逃げていたU3がBF団に捕まり、ブラックダイヤが後ろからひたひたとU7達に迫っていた。

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『小僧、ロボを止めるのだ!早くしろ!』
『ロボ、停まれ』

背中に拳銃を突きつけられたU7は、言うことを聞くしかない。ダブリオンに対し優勢に戦っていたロボは、ガチャンという音と共に停止した。

『さぁ、ダブリオン。ロボを解体しろ!』

ブラックダイヤの命令で、静止したまま動かないロボをダブリオンは背中から叩き、首をもぎ取ろうとする。だが生身のダブリオンには、鋼鉄製のロボはそう容易には破壊できそうにない。だが、ダブリオンがロボをいたぶる姿に、ブラックダイヤは満足していた。心配そうに見ているU7の顔は泣きそうだ。

だが、U7に突きつけられた拳銃がおろそかになった一瞬を狙って、別の複数の拳銃の銃弾がブラックダイヤとBF団員達の拳銃を一斉に弾き飛ばした。

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『U3!U7!安心しろ』
『貴様!どうしてここへ!?』

現れたのはアズマ支部長以下、ユニコーン日本支部の隊員達数名だ。ユニコーン本部からの情報で、ブラックダイヤの正体が割れたのだ。立場が逆転したブラックダイヤは焦った。しかし、後から合流するはずだったBF団員2名が、この窮地に立つブラックダイヤを草陰から見ていたのだ。対峙するユニコーン隊員達とブラックダイヤ達の間を狙い、ふたりの内の一人が煙幕弾を投げた。視界が遮られている間にブラックダイヤ達はその場を脱出し、竜門山基地へと逃げ込んだ。

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するとU7は再びロボを操縦して、ダブリオンを竜門山に向けて投げ飛ばした。ロボがとどめのレーザー光線をダブリオンに放つと、竜門山基地の火薬庫が誘爆を起こして大爆発、中にいたブラックダイヤはガレキの下敷きになってしまった。母船でこの様子を観ていたギロチン帝王は、怒りに震えた。

『愚か者め!このような場面は見とうない!おのれ、ジャイアントロボめ!今にきっと息の根を止めてくれよう!』

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『いいか、二人とも。うっかり人を信用しちゃいかんぞ!』

アズマ支部長がU3とU7を一喝すると、アズマ支部長の無線に本部からマリー花村が問いかけてきた。

『支部長は「片目の男は絶対ブラックダイヤではない」と言っていましたが、どうでしたか?』
『いや、それはつまりだな・・・やっぱりマリちゃん、君が正しかったようだな・・・』

アズマ支部長のこの無線のやり取りを周りで聞いていたU7やU5、ユニコーン隊員たちが大笑いしたことは言うまでもない。

(ナレーション;両面怪獣ダブリオンはみごと倒した。だが、宇宙人はこの地球をあきらめたわけでは無い。頑張れ、大作少年!頑張れ、ジャイアントロボ!大地に平和がよみがえるまで)

(都合により、今回を持って最終回となります)

★★★★★★★★★★★★
この回に出てくる三人の少年たちの中でリーダー格の男の子役は、子役時代の穂積ペペさんです。




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