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ダイヤモンド◇アイ(15) [ダイヤモンドアイ・ドラマ2]

今回は、第8話《黒幕を追え!/ 前編》を取りあげます。

  企画;衛藤公彦
  原作;川内康範
  脚本;田村多津夫
  音楽;池多孝春
  殺陣;渡辺高光
特技監督;真野田陽一
  監督;六鹿英雄

【前回までの話は・・・夫・ゲララチンを殺された復讐のため、猫マスクはハリケーン作戦に邪魔な雷甲太郎の抹殺に名乗りを挙げる。猫マスクは、ライコウとカボ子を廃倉庫に閉じ込めて亜硫酸ガスで殺害しようと計画する。しかし、ライコウの執念は廃倉庫の壁を壊し、ふたりは脱出に成功する。逃げるライコウ達の前に猫マスクが立ちはだかるが、ライコウはダイヤモンド・アイを呼び、アイは猫マスクの正体・ケロキャットを倒すのだった。一方、汚染物質の不法投棄で浜岡鋼業をゆする源海龍に、浜岡社長は現金40億円で取引をもちかけた。取引場所へ行く途中で襲撃された浜岡をライコウはそれと知らずに助けるが、目の前で浜岡は朱玉の銃弾に倒れた・・・】

◆浜岡殺人事件で警察の聴取を受けたライコウは、すべてを海藤警部に話して捜査一係の部屋から出て来た。後から石田刑事が追いかけてきて、汚染物質の不法投棄で浜岡鋼業は摘発され、被害者の住人には十分な補償金が出るという話を伝えた。ライコウは喜んだ。

ライコウはその足で、カボ子の入院先へ向かった。カボ子は今度の事件でライコウを猫マスクから救ったが、自身も猫マスクのためにたいへんな怪我を負わされたのだ。病室には五郎が付き添っていて、カボ子も元気を回復していた。ライコウがお礼に新しいトランプカードをカボ子にプレゼントすると、早速その真新しいカードを使って、カボ子は鮮やかな手つきで手品をして見せた。ライコウはふたりの前で、改めて源海龍を追い詰めることを誓うのだった。その手始めに浜岡の身辺を探るため、社長秘書の日野を追うことにした。

ペンが俺の刀だ
そこに悪があるから 俺は行く
愛と正義のためだもの
    (ライコウマーチより)

『あのう、浜岡社長の秘書の日野さんですね?社長のことで、お聞きしたいことがあるんですが』
『あなたは?』
『週刊ジャパンの』
『週刊誌の方とは、関わりたくありません』

日野はそう言うと、ライコウを無視してタクシーに乗って行ってしまった。しかし、ルポライターはこの位の事ではへこたれない。しつこく追いかけて、とうとう日野の自宅を突き止めるのだった。

『あのう、事件のあった日のことを話してもらえませんか』
『君も、しつこい人ですね』

マンションの一室に住む日野のドアチャイムを鳴らしたライコウは、ドアを開けて出て来た日野に質問を浴びせたが、日野の様子が少しおかしいと感じた。何か怯えたような顔つきをしていたのだ。源海龍のアジトでは、ライコウの動きを追っていた謎の男が、源海龍に報告をしていた。

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(左から、殺し屋・男、朱玉、源海龍、殺し屋・女)

『雷甲太郎が、浜岡の秘書・日野を追っています』
『日野は殺せ』

源海龍は、静かにそう言った。ライコウの的を射た行動に、朱玉が進言する。

『これ以上、ハリケーン作戦を続けることは危険です』
『源海龍一味が動いては、な。だが、私にはもう一つの顔がある。慈善団体の総裁という顏が、な!』

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(源海龍 もう一つの顔)

誰も慈善団体の総裁が事件の黒幕だとは思うまいと、総裁の顔に化けた源海龍は言った。そして、源海龍は告げた。

『朱玉。ハリケーン第2作戦、開始!』

浜岡の秘書・日野は、あることに最近悩まされていた。オフィスの窓から下を見て、ライコウが張っているのを見た日野は、ある決意をして女性秘書に命じた。女性秘書に招かれたライコウは、とうとう日野と直接話す機会を得た。日野は応接室へライコウを招くと、自分は事件の日のことは何も知らないと言うばかりだった。そして、ライコウにこう訴えた。

『それより、記者のあなたから警察に話してもらえませんか?善良な市民を付け回すなって!』

日野はライコウを窓ぎわへ招くと、そうっと窓から下の様子をうかがった。しかし、ライコウに見せようとしたものは、そこにはもう無かった。

『?・・・さっきまで、あそこに車が』
『たぶん、それは警察じゃないでしょう』
『えっ!?』
『話してくださいますね?』

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日野の信頼を、ライコウが勝ち取った瞬間だった。時を同じくして、浜岡鋼業ビルが見える向かいのビルの屋上に黒ずくめの男が立っていた。その男はギターケースを持っていたが、中から取り出したのはライフル銃である。男はまず銃の先端に消音装置を取り付け、次に標的に狙いを定めるためのスコープを取り付けた。そして、ビルの屋上の手すりに銃を乗せて固定すると、窓ガラスを通して見える日野の姿に照準を合わせた。

ライコウは、事件の日の浜岡社長の電話の相手で普段と違う人物はいなかったかどうかを、日野に訊ねた。しばらく考えていた日野は、

『そうだ!確かあの日、聞きなれない相手に電話を・・・アジア・・・なんでも長い名前の会で・・・アジアの子供が手をつなぐ会!』
『話の内容は分かりませんか?ダイヤのことを、何か言っていませんでしたか?』

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次の瞬間ガラスが割れる音がして、日野が倒れた。ライコウは日野の体を抱きとめながら、床に伏せた。すると二発目が発射されたのか、壁ぎわの花瓶が割れた。これはライコウを狙った銃弾かもしれない。ライコウは窓から死角になる位置まで日野の体を引きずると、大声で何度も日野の名を呼んだ。だが、日野は二度と目を開けることは無かった。

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ライコウは、日野の証言にあった慈善団体「アジアの子供が手をつなぐ会」を訪れてみることにした。ライコウは知らないのだが、この組織の総裁は、不正を暴露されたくなければダイヤを買うよう、見国化学の三国社長に強要した人物であった。(第9回参照)

ライコウはこの時、三国社長と会っていた人物の車が門を出て行くのを目撃し、その車のナンバーを追跡した。それが「アジアの自然を守る会」の所有車であることまでは突き止めたが、会の住所も電話番号もまったくのデタラメであった。

慈善団体「アジアの子供が手をつなぐ会」の総裁が面会に応じたので、ライコウはこれから行って、正面切ってある質問をぶつけてみることにした。

(つづく)


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