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ダイヤモンド◇アイ(6) [ダイヤモンドアイ・ドラマ1]

今回は、第3話《ハリケーン作戦準備完了 / 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・建物の中へ逃げ込んだ大沢山を追ったライコウは、室内で大沢山の死体を発見する。あとを追って来た京子もその死体を目撃し、ライコウが父を殺害したものと思いこんでしまう。殺されたのは開発局長の西沢であり、大沢山はどこかにまだ生きていると判断したライコウは、大沢山に関係する人物が次々に殺害されていくことに気がつく。次に狙われるのは竜神代議士だと睨んだライコウは、竜神になりすまして車で移動中に暗殺者・片目のタイガーに襲撃される。ライコウの反撃に遭ったタイガーは逃走し、ライコウは追跡するも見失ってしまう・・・】

◆竜神代議士の事務所へ出かけたライコウは、代議士の身を守るためにホテルで縛り上げたことや、実際に車が襲われたことを竜神に話した。すると竜神は礼を言わずに、「取っておきたまえ」と言って、ライコウの目の前で机の上に札束を投げ出した。

『お礼をもらうために、やっているわけではありません。それより、明日の遊園地へ子供たちを招待するのを止めて下さい』

竜神代議士は月に一度、恵まれない子供たちを集めて慈善パーティーを開いていた。明日のそのパーティーを中止するよう、ライコウは求めた。暗殺者はその機会に再び竜神を狙って来るだろうし、無関係の子供たちを巻き込みたくは無かったからだ。だが、子供たちが楽しみに待っているパーティーを中止することはできないと、竜神はその申し出を拒否するのだった。

『第一、君の言うようなことに、まったく心当たりは無いんだ。狙われる理由も無い!』

狙われる理由を説明したライコウに、きっぱりと否定する竜神。つまり、大沢山との関係を否定したのだ。だがその実、熱海に出発する直前に、竜神はホテルのラウンジで大沢山と密かに会っていた。そして、大沢山に関係ある人物が次々と殺害されている事実を聞かされ、警戒を怠らないようにと進言されていた。

狙われる理由を知っていながら、竜神はライコウにウソをついた。そして、「また、遊びに来たまえ」と言って、竜神はライコウを追い返すように話を打ち切った。ライコウは仕方なく、一礼して部屋から立ち去っていく。ライコウが立ち去る直前、事務所で電話が鳴り、秘書は竜神に受話器を差し出した。

『竜神ですが・・・ダン会長!』
『ミスター竜神、あなたが命を狙われているというウワサが入りましてね』
『どうして、それを?・・・』
『私には、全アジアの情報が入ります。どうです、命を助けてもらいたいなら、話をつけてあげましょうか。金額は、十億円』
『バカな!そんな大金!』
『残念ですな。あなたの命なのに・・・』

そんな大金を払えるわけが無いと、竜神はあきれ返っていた。命を粗末にするバカなヤツだと言うニュアンスを漂わせて、ダン会長は電話を切った。しかし、受話器の向こうでは、前世魔人キングコブラが笑っていたのである。

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『せっかく拾った命を、十億で助けてやろうというに・・・フフフフ』

大沢山とライコウから聞いたばかりの自分への殺害予告を、なぜダン会長は知っているのか。竜神は顔の表情が引きつり、受話器を置く手が震えていた。

翌日。遊園地を借り切り、たくさんの子供たちを招待しての慈善パーティーは開催された。「竜神代議士慈善パーティー」と書かれた幕の前で、用意されたイスに座った竜神代議士と秘書ら数人が、笑顔で子供たちに接していた。マシンガンの照準器越しに、その様子を見ている目があった。殺し屋・片目のタイガーである。狙われていることを知らない竜神たちのすぐ手前には、多くの子供たちが遊んでいる。もしタイガーがマシンガンを撃てば、間違いなく多くの子供たちに犠牲者が出るだろう。

タイガーが引き金に指をかけた時、タイガーの後ろから五郎とカボ子が石を投げつけた。焦ったタイガーは振り返りざま、石が飛んで来た方向めがけてマシンガンをぶっ放した。大音響と共に五郎とカボ子のいた辺りに銃弾が撃ち込まれ、地面の砂が一列に舞い上がった。だが、絶叫した二人に銃弾は当らず、事なきを得る。

虚を衝かれたタイガーめがけて、今度はライコウが飛び込んで行き、右手のマシンガンを足で蹴り上げた。すぐに赤覆面十数人が現れて、ライコウと乱闘になった。ライコウ怒りの飛び蹴りやパンチが、赤覆面の男達に次々と炸裂していった。マシンガンがタイガーの手を離れている間に、五郎は子供たちを追い立てて、少しでも遠くへ逃がそうとした。

先にライコウがマシンガンを拾ったが、タイガーのムチがしなり、一瞬にしてマシンガンを奪い取られてしまう。威嚇射撃して、タイガーは叫んだ。

『みんな動くな!ガキどもを、ぶっ殺すぞ!』

ライコウは銃声で固まり、赤覆面達に身柄を押さえられてしまった。竜神はそれを見て、権威を振りかざした態度でタイガーの前に出て行った。

『ワシは、憲政党の竜神だ!』

すると、竜神の足元に威嚇射撃したタイガーは、自分から出てきたターゲットに銃口を向けた。

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『ウルセイ!お前の命さえもらえば、事は済むんだ!』
『な、何をするんだ。助けてくれ!』

竜神は大声で命乞いをしながら、たまたま横にいた子供を両手で抱きながら盾にして、タイガーに言った。

『この子供に少しでも傷をつけたら、ワシはどんなことをしてでも、お前を死刑にしてやるぞ!』

赤覆面達に体を抑え込まれて身動きできないライコウは、その光景を見て怒りを爆発させた。

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『何をする、竜神!この偽善者め!恵まれない子供たちの力になるとか言いながら、その子を盾にするとは!貴様なんか、人間の皮を被ったケダモノだ!』
『ウルサイ!ワシは、日本国民の大多数に選ばれた代議士だ。こんな子供の命に、代えられるか!』
『貴様みたいな人でなしは、死んじまえ!』
『もういいだろう。俺が恨みっこ無しに、皆殺しにしてやるぜ!』

ライコウの言葉にいきり立ったタイガーは、それまで竜神に向けていた銃口を、振り返ってライコウに向けると発砲した。それに驚いた赤覆面達はライコウを放してしまい、竜神はその隙に子供を解放して、逃走した。

その隙を突いて、カボ子が投げたトランプカードがタイガーの右手を直撃し、一瞬ひるんだタイガーにライコウの足蹴りが炸裂、逃げるための時間ができた。ライコウは倒れている子供を拾って、懸命に走った。

だが、ライコウと子供が近くの大木の陰に隠れる直前に、タイガーのマシンガンが再び火を吹いた。その凄まじい音に、タイガーに背を向けたままライコウは氷のように固まってしまう。今度撃たれたら、自分も子供も助からないかもしれない。緊張の瞬間、絶体絶命のライコウは叫んだ。

『アイよーっ!』

空間からいきなり現れた何者かが、タイガーの顔面にキックを浴びせた。そして、子供を抱いたライコウを守る様にして、ダイヤモンド・アイが立っていた。それがダイヤモンド・アイだと知り、タイガーは驚く。アイは、怒りの矛先をタイガーと赤覆面達に向けた。

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(外道照身霊波光線!)
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(ヒトデツボと馬頭人・牛頭人)

『何の罪も無い子供たちまで殺そうとする亡者め、許さん!外道照身霊波光線!汝の正体、みたり!前世魔人ヒトデツボ!』
『うぁー、バレタかぁ!』
『お前も、お前も、お前も、だ!』
『バレタかぁ!』
『バレタかぁ!』

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(ヘソから毒液を噴射するヒトデツボ)
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(ライコウの代わりに牛頭人が毒液を浴びた)

光線を浴びた片目のタイガーは前世魔人ヒトデツボに変身、赤覆面達は馬頭人や牛頭人に姿を変えた。ライコウはカボ子に子供を預けると、戦うために再びアイの元へ走る。だが、ライコウの前にヒトデツボが立ちはだかり、大きく膨らんだ腹のヘソからライコウを狙って毒液を噴き出した。身のこなしの素早いライコウは、飛んで来る毒液を身をひるがえして避けた。すると、毒液に当った木のベンチは一瞬で溶け、牛頭人や馬頭人は蒸発して消えてしまった。

アイはヒトデツボと対峙すると、飛んで来る毒液をマントで防いだ。そして、ステッキの先端でヒトデツボの腹を突き刺すと、自らの毒液を浴びてヒトデツボは弱り、必殺攻撃ロイヤルパンチがとどめを刺した。

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『子供たちをよく守ってくれた。甲太郎、これからも正義の為に献身するのだぞ。また会おう!』

雲間に消えていくダイヤモンド・アイを見送るライコウの元へ、五郎とカボ子が走って駆けつけてきた。今見た超人について、二人はライコウに問いかけた。

『せんぱーい!あれは?!』
『正義の為に献身する、ダイヤモンド・アイだ!』
『ダイヤモンド・アイ。正義の神ね!』
『あぁ!』

子供たちが全員無事であることをカボ子から聞いたライコウは安堵したが、竜神の居場所は不明だ。三人は、急いで園内を探し始めた。その頃、園内を逃げる竜神は、突然動きを停めて倒れてしまう。朱玉が、無音の拳銃でとどめを刺したのだ。

ライコウたちが竜神と秘書を発見した時、竜神はすでに事切れていた。ライコウは思った。(この男は殺されても自業自得だが、何の罪も無い子供たちまで殺そうとするあんな奴らを、断じて許さん。必ず源海龍一味を見つけて、叩きつぶしてやる!)
(終わり)


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献身とは、自己の利益を顧みずに力を尽くすこと。一身を捧げて尽くすこと。

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