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ジャイアントロボ(11) [ジャイアントロボ・ドラマ]

Gロボ、また始めました。
今回は《第12話 合成怪獣アンバラン・前編》を取りあげます。

原作;横山光輝(光プロ)
企画;平山 亨・坪井久智
脚本;安倍 寿
音楽;山下毅雄
特技;矢島信男
技斗;久地 明
ナレーター;千葉耕市
監督;山田 稔

【前回までの話は・・・BF団に追われる隻眼の船員を保護したU3とU7は、この男をユニコーン日本支部へと連れていく。男はアズマ支部長の前で、3人の子供たちがBF団の秘密基地に捕まっているという情報をもたらす。直ちに警察に情報の確認を取ると、支部長はU3とU7に男と共に秘密基地へ急行させるが、すべてはワナであった。U7たちは子供たちを見つけたものの、この隻眼によって囚われの身となり、ロボは怪獣ダブリオンによって解体寸前までたたきのめされてしまう。だが、隻眼の男の正体を見破ったユニコーン本部からの連絡で、アズマ支部長以下隊員たちは秘密基地を急襲し、ブラックダイヤを追い詰めて事なきを得るのだった】

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◆(ナレーション;この古い洋館も、宇宙征服を企てるBF団日本支局の一つである。大作少年をはじめとするユニコーン機関員たちの日夜の努力は、ついにこのアジトを突き止めた)

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草木で周囲を覆ったこの洋館を、ユニコーン隊員たちはその草木に隠れて密かに包囲を完了していた。アズマ支部長がマイクで指示を出す。
『全員、襲撃準備にかかれ!』

爆破担当の隊員リーダーが応答する。
『第一班、爆破準備完了』

マシンガンを持った遊撃隊リーダーが応答する。
『第二班、攻撃準備完了』

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『よし。只今から1分後に裏口を爆破、敵の本部に突入する』
『今度こそオーヴァを捕まえて、BF団を壊滅させるのだ』

秘めた闘志を燃やしながらU7がそう言うと、アズマ支部長がそれを受けて言った。
『ヤツは、BF団の最高幹部であり宇宙人だ。オーヴァさえ捕らえることができれば、地球征服を企む宇宙人の正体を突き止めることができる』

U3がU6の隣にいるU7に話かけるように、新たな情報をもたらした。
『これまでに入った情報によると、オーヴァが超能力を発揮するときは、必ず胸の星が青く光るそうだ』
『じゃあ、その星を獲れば、オーヴァの神通力(じんつうりき)は無くなるのですね』
『あぁ』

1分が経過し、洋館の入り口が爆発した。爆発音を聞いたドクトル・オーヴァとブラックダイヤがその方向を見ると、すぐにドアが開いてBF団員のひとりが駆け込んで来た。

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『たいへんです!ユニコーンの奴らが!』
『なに!・・・クソッ』

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オーヴァは壁を背にして胸の星を光らせると、姿を消した。そこへ、ユニコーンの遊撃隊がマシンガンを撃ちながら侵入してきた。BF団員たちは、次々とマシンガンの餌食になり倒れていく。ブラックダイヤも姿を消そうとマントで身体を隠そうとする直前、自分のすぐ横をマシンガンの弾丸が貫いたため、ブラックダイヤは姿を消し損ねてしまう。

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ブラックダイヤは持っていた煙幕弾を遊撃手に投げつけ、「この礼は、必ずする!」と言って、煙幕が消えぬ間に洋館を脱出して走った。U3ともう一人の隊員がそのあとを追いかけるが、今度は手りゅう弾を投げつけられ、負傷した隊員を助けている間にブラックダイヤに逃げられてしまった。

一方、姿を消したドクトル・オーヴァは洋館の近くにまだ潜んでいた。だが、洋館の周囲はユニコーン隊員で取り囲んでいる。もう逃げ道は無い。ユニコーン隊員たちによって包囲網はだんだん小さくなり、走って逃げるオーヴァの姿はユニコーン隊員たちについに発見され、行く手をふさがれてしまうのだった。U7はアズマ支部長の命令でジャイアントロボを呼び、この洋館の上空に飛行させながら待機させた。

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『オーヴァ、今度こそ逃げられんぞ!』
『貴様らに捕まるようなオーヴァではない!』

アズマ支部長の言葉に応じず、オーヴァは胸の青い星を両手で操作した。あっという間にオーヴァの姿が消えた。だが、U7が上空のロボに命令した。

『ジャイアントロボ、超短波でオーヴァの位置を探れ!』

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ロボが左耳から超短波を発射すると、立ちどころにオーヴァは姿を現した。これでもう、オーヴァは姿を隠すことはできなくなった。青い星の力が失われショックを受けたオーヴァは、その場に立ちすくんでしまう。

『今だ!』

U7はその瞬間を見逃さず、オーヴァの胸の青い星をむしり取るようにつかみ取った。オーヴァは武器を持った隊員たちに取り囲まれ、とうとう捕まってしまう。

ユニコーン日本支部では、少しだがお祝いの膳(軽食)が用意され、隊員全員で祝杯を上げた。アズマ支部長が、気を引き締めるように全員に向かい話す。

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『諸君!本日はご苦労だった。だが、BF団との闘いはこれで終わったわけでは無い。決して、油断はしないように』
『(その場の全員)はい!』

U3の南十郎は、U7がオーヴァから奪い取った青い星について、その行動を褒めたたえて言った。

『大作君、今夜は君のお手柄のお祝いだぞ!』
『(笑顔で)それほどでもないよ』

大作少年はオーヴァから奪い取った「青い星」を胸ポケットから出すと、隣にいたU6のマリー花村に渡した。

『そうだ、君、これ預かっておいて!』

それまで笑顔だったマリーが急に不安げな表情をしながら、その「青い星」を見つめた。

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『なんだか、気味が悪いわ・・・』
『そんなことは無いさ!オーヴァは、それが無いと何も出来ないんだ!』
『それにしても、ブラックダイヤめ。もう少しのところで捕まえられたのだが・・・』

フラックダイヤに逃げられたU3は、悔しそうな顔をした。

地下留置場内の独房には、捕らえられたドクトル・オーヴァがこちらに背中を見せてじっとしていた。マシンガンを持った二人の隊員が、アズマ支部長の顔を見て背筋を伸ばす。オーヴァがこちらを向くと、アズマ支部長の顔を見るなり悔しそうに両手で鉄格子を思い切り握った。次の瞬間、オーヴァの両手から火花が飛び、独房内にオーヴァの悲鳴が響く。

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『ワァーッ・・・ハァ』
『そこには高圧電流が流れている。たとえ宇宙人の君でも、触ったら命は無いぞ』

よく見張っているように言って、アズマ支部長は去っていった。そのころ、別のアジトへ逃げ帰ったブラックダイヤと数人のBF団員たちは、モニターに映るギロチン帝王の前でこの大失態を報告していた。

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『何たる醜態だ!地球人に捕らえられてしまうとは!』
『まったく、その通りでございます・・・』
『バカ者、貴様も同罪だ!どうしてくれようか・・・』

自分の責任ではないというような返答に、ギロチンの怒りは収まらない。後ずさりしながらブラックダイヤの顔色は青ざめ、ビビったブラックダイヤはギロチンに慈悲を請うのだった。

『て、帝王様。ど、どうかご慈悲を・・・』
『どうしてくれようか・・・もう一回だけ見逃してやる。その代わり、敵の手に落ちたオーヴァを必ず取り戻すのだ!』
『ハッ!命に代えましても』

ギロチン帝王は秘策を授けると言って、ブラックダイヤの元へ合成怪獣アンバランを送り込むのだった。しばらくして、豊島動物園で飼育されている全長6メートルのニシキヘビが不思議な死に方をしたという情報が、ユニコーンにもたらされた。腹部が異様に大きく膨らんだまま、そのヘビは死んでいた。情報の内容が気になるアズマ支部長は、U3とU7に調査を命じるのだった。

『そんなこと、ユニコーンと関係ないじゃありませんか!』
『バカモン!笑いごとではない』

アズマ支部長の指令に笑いながら反発するU3に、支部長の「バカモン」が飛ぶ。この話には、続きがある。

『その死んだニシキヘビの胴体から人間の死体が出てきたとしたら、どうする?いや、人間というべきではない。何かまるで、化石のように固い物体なのだそうだ』

今のところ、行方不明者や被害者は見つかっていないという。ユニコーン医学班員を連れて直ちに調査に行くよう、アズマ支部長は二人に命令した。

動物園の檻の中では、形といい大きさといい、ほぼ人間と思しき物体が死んだニシキヘビの腹部から飛び出ていた。しかも石のように異常に固い。それを観たユニコーン医学班員3名とU3・U7は、驚きの表情でそれを見つめた。

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『まるで石のようにコチコチだ。こんなことって、あるのかな?』
『これが人間の死体じゃないとしたら、これはいったい何の死体なんだろう?』

U7とU3のこの疑問は、それを見たすべての人の疑問でもある。この物体は、ユニコーン医学班の手によってユニコーン日本支部へと運ばれた。地下の研究室では、医学班たちによって謎の「人間化石」の分析が開始されはじめていた。

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『これでは、まるで人間の化石だ。中を開いて精密検査をしてみないと断言はできませんが、私の勘では、もし何かの生物だとしても地球上の物ではないような気がする』

医学班長は、総力をあげてこの死体の謎を解明してみせると同席したアズマ支部長に話すのだった。研究室を後にしたアズマ支部長は、作戦室へ戻る途中の廊下で動物園での後始末から戻ったU3・U7と会った。支部長と二人は、作戦室へ続く廊下を歩きながら話した。

『博士も言っていたが、おそらくあれは地球上の生物ではないかもしれない』
『じゃあ支部長は、オーヴァを捕らえられた仕返しに企んだBF団の陰謀だとお考えなのですか?』

断定はできないが、アズマ支部長はその可能性を考えているようである。すべては、あの物体の解剖結果が出た時にはっきりするだろう。真剣な顔つきのまま、アズマ支部長はU3とU7に言った。

『この事件が解決するまでは、全員警戒態勢に入るように。特に(物体を運び込んだ)今夜は、この基地の内外を厳重にかためるのだ』

U3とU7の二人は、まずオーヴァのいる独房へ向かった。そして、牢の見張りをしている隊員たちにくれぐれも用心するように言った。次に向かったのは、研究室である。あそこには、物体が運び込まれてある。鍵を開け、中を調べて、特に問題は無いように思えたので、二人は次へと向かう。だが、二人がカギをかけて研究室を後にした直後、作業台に乗せられていた物体に突然ひびが入り、固い部分が崩れだしたかと思うと中から等身大の怪物が現れた。それは、ギロチン帝王が送り込んだ怪獣アンバランであった。
(つづく)


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