SSブログ
前の1件 | -

ジャイアントロボ(12) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第12話 合成怪獣アンバラン・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・ユニコーン日本支部隊員たちの日夜の努力がついにBF団のアジトを突き止め、急襲してギロチン帝王配下のドクトル・オーヴァを捕らえることに成功する。だが、これを知ったギロチン帝王はブラックダイヤにオーヴァ救出の秘策を授けた。動物園でニシキヘビの胴体から「人間の化石」のような物体が出現したという報告を受け、ユニコーン日本支部ではその物体を詳しく調査するために基地内へと運びこんだ・・・】

◆アズマ支部長から日本支部内外の警戒を怠らないようにとの指示を受けたU3とU7の二人は、「人間の化石」を運び込んだ研究室を中心に基地内を徹底的に見回り、特に問題が無いことを確認した。だが、二人が去ったあと「人間の化石」に突然ひびが入り、殻を割って中から等身大の怪獣が出現したことに気付づく者は誰も居なかった。これがギロチン帝王の秘策、怪獣アンバランであった。

怪獣アンバランはまず、地下三階のオーヴァが囚われている独房へ向かうと、武器を持ったふたりの警備隊員を簡単に殺害してオーヴァの前に現れた。ニヤリと笑いながら、オーヴァは言った。

IMG_4805.jpg
『アンバラン!早くこの扉をたたき壊すのだ!』

IMG_4806.jpg
(研究室にあった化石のような物体は粉々に)

電気の流れている扉をいとも簡単に破壊した怪獣はオーヴァを解放すると、オーヴァは怪獣を連れて「青い星」を奪い返すために作戦室へと向かった。電気扉を破壊した際の大きな衝撃音で、基地内の異常に気付いたU3とU7。U3はオーヴァの独房がある地下三階へと向かい、U7は研究室の化石を急いで見に行く。

粉々に破壊された化石を見たU7は、このカラクリにすぐに気付いた。オーヴァの「青い星」を保管しているマリー花村が危険だと察し、急ぎ作戦室へと向かうU7。その頃、深夜の作戦室で通信係の任に就いているU6・マリー花村は、U7から預けられた「青い星」をじっと見つめながら不安な思いに駆られていた。そして、その不安は的中してしまう。作戦室の扉が開き、銀色の顔をした宇宙人=オーヴァが鋭い爪を立てた両手を振り上げながら、ジリジリとマリー花村に迫ってきた。

『ウハハハハ・・・その青い星を返せ!』

IMG_4809.jpg
(失神したマリーの手から青い星は奪われ・・・)
IMG_4810.jpg
(マリーは人質に連れていかれてしまう)

マリーの顔は恐怖にゆがみ、やがて失神してしまうのだった。オーヴァはマリーの右手から「青い星」を奪うと、マリー花村を左肩に抱えて作戦室から出ていく。ちょうどU7が作戦室の近くまで来た時には、オーヴァの後ろ姿を見送る以外に手の出しようがなかった。オーヴァと怪獣は基地の非常口で警備隊員1名を殺害すると、闇の中に消えて行った。

IMG_4812.jpg
(独房の柵は破壊され、オーヴァは逃走)

アズマ支部長は破壊された独房を見ながら、警戒厳重なこの基地内に忍び込むのはどんな侵入者でも不可能だと思っていた。なのに、どうして? U3が基地の非常口で倒れていた隊員に問いかけた時、「怪獣が・・・」そう言って息絶えたのを見た時、アズマ支部長の疑問は氷解した。

『そうだ、あの石のような死体だ!おそらくあの石のような死体の中に怪獣が隠されていたのだ!』

この警戒厳重な基地内に入ることができるとすれば、その方法しかない。動物園の事件は、怪獣を基地内に導いてオーヴァを救うためにBF団が仕組んだワナであった。

IMG_4817.jpg
闇に消えたオーヴァと怪獣、それに人質のU6を乗せたBF団の車が、新たなアジトへと向かう。それをひとりU7は、背中のジェット噴射装置で飛行しながら闇に紛れて尾行していた。新たなアジトへ到着したオーヴァは、そこでブラックダイヤと合流して地球征服のための計画を練っていた。U7はオーヴァと怪獣が逃げ込んだBF団のアジトの位置をアズマ支部長に無線連絡すると、オーヴァ達の様子を隠れてじっと監視していた。

2m足らずのこんな小さな怪獣でどうやって地球征服をするのだとブラックダイヤが笑いながら訊くと、オーヴァは言った。

IMG_4819.jpg
『ギロチン帝王様が遣わされたこの合成怪獣アンバランは、地球人の攻撃を受ければ受けるほど強くなるのだ!さぁ行け、アンバラン!』

この大事な情報をユニコーン日本支部に連絡しようとしたU7だが、後ろから敵に襲われて捕らわれてしまうのだった。U7が人質となり、地球征服を始めようとしているオーヴァたちにとっては笑いが止まらない。何しろ、ジャイアントロボを封じることができるのだから。

その頃、アズマ支部長以下ユニコーン日本支部のメンバーは、U7からの情報を基にBF団の新しいアジトへ向かって専用車を疾走させていた。U7からの連絡が突然途絶え、U7の身の上を案じるU3。

失神したまま動かないU7を見て、ブラックダイヤはオーヴァに向かって言った。

『U7も、この娘(U6)と一緒に始末してしまおう』

IMG_4821.jpg
IMG_4823.jpg
(ふたりの命は風前の灯火)

二人を太い木に縛り付けると、ニヤリと笑って今までの借りを返すかのようにブラックダイヤは言った。

『どうだ、小僧ども。覚悟はいいな!』

両腕を腰に当てて勝ち誇った様子で、マシンガンを構える3人のBF団員にブラックダイヤは命令する。

『射撃用意・・・撃て!』

そのとき、マシンガンの引き金を引く1秒前に3人のBF団員は轟音と共に爆風で吹き飛んだ。U7とU6は素早くU3たちに救助され、襲撃されたブラックダイヤは急いでアジトへと逃げ込む。オーヴァへ報告したブラックダイヤは役立たずの烙印をオーヴァに押され、怪獣アンバランに向かって大声で吠えるオーヴァ。

『お前の役に立つ時が来た。行け!』

U7たちの救出を知らされたアズマ支部長の部隊は、アジトの小屋に一斉射撃を始めた。だが、U7はU3に発砲してはいけないと強く言うのだった。

『南さん、あの小屋の中にいる怪獣を攻撃したら、たいへんなことになる』

IMG_4824.jpg
だが、支部長たちの部隊は他の場所からアジトを狙い、アジトは発砲によって大爆発を起こしてしまう。アズマ支部長は作戦の成功を一瞬喜んだが、そのあとに巨大な怪獣が出現して、隊員たちの顔色は蒼くなった。U3・U7ら全員がアズマ支部長部隊に合流した時、U7は事情を説明した。

『撃っちゃダメだ!あの怪獣は、攻撃をすればするほど大きくなるんです!』

IMG_4826.jpg
怪獣アンバランは巨大化し、鉄橋を走ってくる高速列車を襲って破壊した。しかも、怪獣の進撃する方向には原子力研究所があるのだ。あそこを破壊されれば、東京は放射能で汚染されてしまう。

『ジャイアントロボ、出動!』

IMG_4827.jpg
IMG_4828.jpg
(メガトンパンチがさく裂!)

怪獣アンバランは列車を飴のように曲げて地面に叩きつけると、市街地は次々と誘爆を起こしていく。そこへ、轟音と共に空からジャイアントロボ登場。メガトンパンチで怪獣アンバランにダメージを与えるロボ。だが、アンバランの太い尻尾がロボの足元をすくい、市街地のがれきの中にロボは埋まってしまう。その間にアンバランは原子炉のある方向へと進撃していく。このままでは原子炉が危ない。

『立てロボ!怪獣をやっつけろ』

IMG_4830.jpg
IMG_4829.jpg
今度はロボがアンバランの足元をすくうと、ロボは怪獣の両足を抱えたまま勢いよく石油コンビナートに向かって放り投げた。大爆発とともに怪獣アンバランは粉々に砕け散った。

(ナレーション;ジャイアントロボは勝った。しかし、ギロチン帝王とBF団の野望は、さらに地球を狙っているのだ。行け!ジャイアントロボ。頑張れ!大作少年。進め!ジャイアントロボ)
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
力強いナレーションをするのは、ナレーターの千葉耕市氏。ロボの活躍を盛り上げる名調子である。



nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ
前の1件 | -

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。