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ジャイアントロボ(6) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第3話 宇宙植物サタンローズ・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・ギロチン帝王が送り込んできた宇宙医師ドクトル・オーヴァは、宇宙植物サタンローズの化石化した種を蘇らせるため、その権威である安井をまず誘拐した。サタンローズの恐ろしさを知る安井はドクトル・オーヴァに抵抗するが、ドクトル・オーヴァに大脳手術を施されて意のままに操られ、安井はサタンローズを蘇らせてしまう。副都心にある喫茶店にスパイダーが置いてきた小さな鉢植えは、みるみる成長を遂げて人間大のサタンローズになると、まず店内の客を襲いはじめた】

◆BF団日本支局内の実験室では、用意したすべてのサタンローズの種を大脳手術の効果がある間に蘇らせるよう、ドクトル・オーヴァが安井に指示を出した。ところが指示を出した途端手術の効果が切れて、安井は正気に戻ってしまった。テーブルの上にある四つの化石の種を見た安井は叫んだ。

『・・・何と言う恐ろしいことを!』
『やっと正気に返ったか。その恐ろしいことをお前がやったのだ!』

ドクトル・オーヴァは正気に戻った安井に残りもすべて蘇らせるよう命令するが、安井は猛然と拒否する。それを見たドクトル・オーヴァは怒り、薬を打って安井を永遠の眠りに着かせてしまうのだった。

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(空間から出現し空間に消えたドクトル・オーヴァ)
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(安井は眠らされたまま返されてきた)

一方、ユニコーン機関・アズマ支部長の命令で安井の孫娘から事情を聴くために、U3とU7は安井植物研究所にやって来ていた。そして、安井が宇宙植物サタンローズの研究をしていることを知るのだった。「サタンローズの研究資料」を書斎で発見した二人だが、突然空間からドクトル・オーヴァが出現し、その資料を素早く奪い取ると再び空間に消えてしまった。おそらくあの資料には、サタンローズの武器も弱点も書かれてあるに違いないのだ。オーヴァーの姿が消えると同時に書斎の壁が崩れ落ち、壁の中から安井が姿を現した。安井は二歩三歩と歩いてバタリとその場に倒れると、眠る様に意識を失ってしまった。

東京副都心にある6階建てビルが突如破壊され、中から不気味な姿をした宇宙植物サタンローズが姿を現した。それは、スパイダーが花屋のフリをして喫茶店に置いてきた小さな鉢植えが成長、巨大化した姿だった。ドクトル・オーヴァは、笑いながらスパイダーに向かって言った。

『宇宙植物サタンローズに敵う何者も、この地球には無いのだ!』

一方、ドクトル・オーヴァによって眠らされて帰って来た安井を必死に揺り起こそうとする孫娘を見て、U3はひとまず安井を病院へ連れて行くことに決めた。ユニコーン機関本部に連絡を取って安井を収容する病院を確保すると、本部から回されてきた車で孫娘と眠ったままの安井を乗せて病院へと向かうU3とU7。アズマ支部長とU5・西野美津子隊員の二人もサタンローズの弱点を安井から聞き出すため、病院へと駆けつけるのだった。

そしてアズマ支部長は、サタンローズを倒す対策を立てるためにU3とU7をサタンローズ出現現場へと向かわせた。背中のジェット推進装置を噴射させて、二人は副都心へ向かい飛行した。すでに防衛隊の戦車部隊がサタンローズと応戦中だったが、戦車の大砲ではまったく歯が立たない。その様子を報告したU7に、アズマ支部長はジャイアントロボの出撃を命令した。

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ジャイアントロボが、雄叫びを挙げて基地から飛び立っていく。副都心でサタンローズに対峙したジャイアントロボに、大作少年は接近してメガトンパンチを、離れてロケット弾攻撃を命令した。だが、ジャイアントロボの繰り出す武器をあざ笑うように、サタンローズに効果は無かった。

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サタンローズの長い蔦(つた)が伸びてロボの身体にからみつくと、ロボの身体の自由を奪った。そして、サタンローズの頭部に咲く花からは黄色い花粉が噴射して、ロボへ浴びせかけた。身体にからみついた蔦のために、うつ伏せに倒れたロボはついに活動を停止してしまう。

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一方、ユニコーン機関が確保した病院では、ベッドの上の安井の枕元に心配そうな孫娘と駆けつけたアズマ支部長、U5が見守る中、医師団が考えられる手を尽くしていた。だが、どうしても安井が意識を取り戻さない理由を解明できずにいた。医師の一人は、現代医学では手の施しようがないとアズマ支部長に話すのだった。なんとかして安井からサタンローズの弱点を聞き出さなくてはならないアズマ支部長は、医師団に強く説得をする。

『先生、日本の運命がかかっているのです!お願いします!』

偶然にも安井が入院している病院は副都心部にあり、悪いことにサタンローズはその病院方向に進撃していた。サタンローズが暴れる度に、それは振動となって病院に影響が出始めた。蔦に絡まれたまま動かないジャイアントロボの様子をBF団日本支局のモニターで観ていたドクトル・オーヴァとスパイダーは、笑いが止まらない。大作少年の命令は届いているのだが、ロボはまったく動かない。焦る大作少年。

『頑張れジャイアントロボ!どうしたんだ!』

近くのガソリンスタンドが破壊され、その爆風で病院が大きく揺れた。ベッドで眠ったまま起きない安井を、必死に大声で起こそうとする孫娘のその両目からは大粒の涙がこぼれていた。

『おじいちゃん!おじいちゃん!』

そろそろ病院が持たないことを意識し出したアズマ支部長は、次の行動を考えなければならない時期に来ていた。とその時、安井の枕元で呼びかける孫娘が流した一粒の涙が安井の額に落ち、安井の両目がパッと開いた。医師団の一人が叫んだ。

『あっ、意識が戻った!』

病院の窓から見える進撃して来るサタンローズの姿を見ていたアズマ支部長はその声に振り返ると、ベッドに近づいて枕元で安井に訊ねた。

『先生!サタンローズの弱点は?』

その頃、蔦にからまってうつ伏せに倒れたまま動かないジャイアントロボを見て、U3とU7はロボの近くまで行くつもりでいた。その時、無線機からアズマ支部長の声が聞こえてきた。

『U7、U7、聞こえるか?』
『はい、こちらU7』
『いいか、サタンローズは電流に弱い。ジャイアントロボを高圧線に触れさせろ!』
『はい、了解!』

大作少年は無線機をしまい、ロボを操縦する腕時計に向けて発した。

『おい、ジャイアントロボ!そこに高圧線のトランスがある。それに足をつけるんだ!』
『ヴァッ!』

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ジャイアントロボは変電設備を確認すると、ジリジリとその方向へ両足を近づけていく。そして次の瞬間、サタンローズが火花を発して大爆発を起こした。モニターでそれを観ていたドクトル・オーヴァはガックリと肩を落とし、膝から崩れ落ちた。銀色のその顔は放心状態であった。

『ウ~ン、小癪な奴らメ!だが、まだまだ手はある!必ずや、ジャイアントロボを叩き伏せてくれよう!』

海底に潜む円盤の中でその様子を観ていたギロチン帝王が、あと一歩というところで悔しさをにじませながら言葉を吐いた。

(ナレーション;危機は去った。だが、まだ宇宙人はこの地球をあきらめたわけではない。頑張れ、大作少年!頑張れ、ジャイアントロボ!大地に平和が甦るまで!)
(終わり)


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