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ジャイアントロボ(5) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第3話 宇宙植物サタンローズ・前編》を取りあげます。

原作;横山光輝(光プロ)
企画;平山 亨・坪井久智
脚本;松田寛夫・安倍 寿
音楽;山下毅雄
特技;矢島信男
技斗;久地 明
監督;竹本弘一

【前回までの話は・・・ギロチン帝王が地球征服の尖兵BF団に離島で密かに建造させていたジャイアントロボは、建造責任者ドクトル・ガルチュアの裏切りによって草間大作少年の手に渡ってしまった。連れて行った海獣ダコラーでロボを奪い返すことに失敗したギロチン帝王は、次なる手段として大魔球グローバーを隕石に隠して送り込んだ。だが、ユニコーン機関の一員になった大作少年の操縦によるロボの働きでグローバーは破壊され、ギロチン帝王は又もやロボ奪回に失敗した】

◆不気味な銀色の皮膚に坊主頭の宇宙人ドクトル・オーヴァを、ギロチン帝王は次の地球征服の手先として送り込んだ。

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『行け!日本を地球征服の基地とするのだ』
『ハッ。我に宇宙植物サタンローズある限り、ジャイアントロボを恐れるに足りません。地球はもはや、ギロチン帝王様の物でございます』

ドクトル・オーヴァがその目的のために狙う人物は、町のしがない科学者・安井である。小さな植物研究所を営む安井は、宇宙植物サタンローズの研究にかけては世界的権威であった。ドクトル・オーヴァはこの情報を基に、安井を誘拐した。安井を連れ去る車の中で会話を交わすふたり。

『こんな老いぼれをさらったところで何になる?』
『スパイダー、お前も焼きが回ったな!これ程の植物学者は、他にはいない。サタンローズを世に出すためには、どうしてもこの老いぼれが必要なんだ。今に判るさ、フフフフ・・・』

BF団日本支局に到着すると、ドクトル・オーヴァは早速安井にある物を見せた。

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『安井さん。お前さんにこれが判るか?』
『ハッ!宇宙植物サタンローズ・・・』
『さすがに世に隠れた大学者だ。良くお解かりだ。化石となったサタンローズの種を、蘇らせてもらいたいのだ』
『何と言う恐ろしいことを!この種を蘇らせたら、日本は滅びてしまうだろう』

『そのために、お前さんをここに連れてきたんだよ』
『断る!たとえ殺されようと、それだけは出来ん!』
『ハァーン・・・それでは聴くようにさせるまでのことだ。大脳を手術する。宇宙ノコギリメス、用意!』

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手術台の上で眠らされた安井を、回転するノコギリメスの歯が狙っている。ドクトル・オーヴァの指示で降下スイッチが入り、ノコギリメスが徐々に安井の頭部めがけて下りて来る。スパイダーが血走った目でその様子を見ながら、ゴクリと唾をのみ込んだ。やがてノコギリメスの回転音が変わり、安井の頭部を切開し始めた。

その頃、ユニコーン機関日本支部にカナダ支部から緊急無線が入っていた。紙テープに刻まれた情報を読んだアズマ支部長は、隊員全員に緊急集合をかけた。一方、緊急招集をかけられた草間大作と南十郎のふたりは、タクシーに乗ってある場所で降りた。そして二人は道路脇に立っている電話ボックスに入ると、南十郎はある番号をダイヤルした。つながったことを確認し、受話器の向こうの相手にこう語った。

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『こちらU3、U7・・・』
『(相手からの返答)ナポレオンの切り札は?』
『ダイヤの15』

すると、電話ボックスの床が静かに下降を始めた。そこはユニコーン機関日本支部への秘密の入口であった。二人の到着を待って、アズマ支部長が本題を語り始めた。

『先程カナダ支部から、ドクトル・オーヴァというBF団最高幹部の一人が日本に潜入したという情報が入った。全員、緊急警戒態勢に入れ!容易ならざる事態が持ち上がるかもしれん』
『そのことですが、ちょっと気になることが。ねぇU3?』

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U7は、支部へ向かう途中で出会った少女のことを支部長に話した。

『安井という町の植物研究家が、昨夜突然いなくなったというのです』
『するとU7は、その事件とドクトル・オーヴァの出現が何か関係があるんじゃないかと言うのだな?』

アズマ支部長は少し考えていたが、U3とU7に行方不明の安井博士の身辺調査を命じる判断をするのだった。その頃BF団日本支局では、ドクトル・オーヴァに脳手術を受けた安井が頭部に巻いていた包帯を取ると、両眼を静かに開けて意識を回復していた。ドクトル・オーヴァはそれを見て、手術の成功に満足した。

『お前は私の奴隷となったのだ。解かるか?(うなずく安井を見て)ヨシ。ただちにサタンローズを蘇らせえるのだ!』

サタンローズの種の化石を渡された安井は、すぐ横の実験室で用意された薬剤を使って黙々とサタンローズを蘇らせるための作業を始めた。目の前で脳を切り開く手術を見ていたスパイダーは、安井が生きて作業をしていることが到底信じられないという顔つきであった。宇宙一の外科医であるドクトル・オーヴァは、スパイダーに言った。

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『ただこの手術の欠点は、効き目が短い時間しか持たないことだ。ヤツが正気に戻るまでに、何としてでもサタンローズを蘇らせるのだ』

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やがて、安井の右手のスポイトから数滴の液体がサタンローズの種の化石にかかると、それはザックリと割れて中から20センチほどのサタンローズの芽が出現した。それを見たドクトル・オーヴァは、大声で叫んだ。

『大成功だ!これで地球は征服されたも同然!』

ジャイアントロボ奪回に失敗し日本支局長の座が危ういスパイダーには、初めて見るこの小さなサタンローズの真の恐ろしさが解かっていない。

『そんなものですかねぇ?俺にはとてもジャイアントロボに対抗できるとは思えねえ』
『ばか者!サタンローズはとめど無く成長し、地球を破壊尽くすまで永久に活動を止めないのだ!』

安井の身辺調査を始めたU3とU7は、まず安井植物研究所を訪問した。そしてタクシーで支部に戻る途中に出会った安井の孫娘から事情聴取を行い、安井が宇宙植物サタンローズの権威であることを二人は知った。

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その頃、スパイダーは動き出していた。植木屋に扮装して銀座のとある喫茶店に現れたスパイダーは、店内の鉢植え植物の交換と称してサタンローズの鉢植えを一つ置いていった。店員の目の前でサタンローズの鉢植えは短時間のうちに急激な成長を遂げ、あっという間に1メートル50センチ程に成長していた。そして、恐ろしいことにサタンローズは自らの足で歩き出し、店内の客たちを襲おうとした。それを知った客たちは大騒ぎで出口に殺到したため、店内はパニック状態に陥っていた。
(つづく)


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