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ジャイアントロボ(4) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は《第2話 大魔球グローバー・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・ユニコーン機関でジャイアントロボの性能テストを行った結果、地上のいかなる武器にも破壊されないという結論を得た。アズマ支部長はロボを操れるただひとりの少年・草間大作に、BF団の魔手から地球を守るためにロボの力を貸してほしいと頼む。かくして、ユニコーン機関諜報員U7・草間大作は誕生した。一方、昨夜箱根山に落下した隕石から巨大な鉄球が出現し、暴れ出しているという情報がユニコーン機関に持たされた】

◆『もしかすると、BF団の仕業かもしれんな。U3とU7は早速偵察に行ってくれ』

U7・草間大作の最初の任務は、箱根山頂に出現した巨大鉄球の正体を探るという仕事であった。U1・アズマ支部長に「キュッ」と指を鳴らす音で出動合図をすると、先輩隊員U3と作戦室を出て、二人はロボがいる格納庫へと向かった。

『さぁ、行くぞ!』
『うん!』

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二人は静止しているロボの足元に立つと、ヘルメットの風防ガラスを降ろして顔を覆い、両手を上げて背中のジェット推進装置を点火した。ジェットの轟音と共に垂直上昇する二人は、ロボの出撃シーンと同様、水平に開いた天井から出動して行った。

一方現場では、防衛隊の戦車隊と地上部隊の迫撃砲隊が箱根山頂から転がり出た謎の巨大鉄球に応戦していた。だが斜面を転がり降りて来る鉄球は戦車隊をお構いなしに踏みつぶしながら、町へ向かって進撃していく。進行方向にある箱根町では、人々が家財道具をまとめて逃げ惑う姿があちらこちらで見られた。ジェット推進装置で箱根町上空に到着したU3とU7は、ペシャンコにつぶれた戦車隊の惨状を目の当たりにした。

『このままでは町は全滅だ』
『よし、ジャイアントロボを呼びましょう』

二人はジェット噴射を調整しながら、小高い丘に降り立った。二人はヘルメットの風防を開けて視界を広げると、周囲に注意を払った。U7は腕時計の文字板を開けて、ロボに出撃命令を出した。

『ジャイアントロボ、出動!』

マッハ17のスピードですぐに箱根に出現したジャイアントロボの姿を海底に潜む円盤内のモニターに写しだしたギロチン帝王は、この時を待っていた。

『とうとう出たな、ジャイアントロボめ。今度こそ奪い返すぞ!』

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大魔球グローバーの前に降り立ちファイティングポーズを取るジャイアントロボは、U7の指示でメガトンパンチをお見舞いした。グローバーの攻撃にはびくともしないロボを見て思いのほか相手が弱いと感じたU7は、早くとどめを刺そうと攻撃の手を緩めない。だが、ギロチン帝王の狙いはここにある。ロボの操縦に掛かりきりの草間大作を、スパイダーらが生け捕りにする作戦が進んでいた。

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(小僧、俺様はBF団日本支局長のスパイダー様だ)

U3もU7もロボとグローバーの対戦に集中して、背後から迫るスパイダーとBF団には全く気がついていない。U3が気付いた時には時すでに遅く、二人は囲まれ捕えられてしまった。スパイダーの持つ睡眠ガス銃でガスを浴びせられた大作少年と南十郎は、眠らされ車に拉致されてしまう。

『あっ支局長!ジャイアントロボの動きが止まりましたぜ』
『グローバー、ジャイアントロボを円盤に運べ!』

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U7からの指令が無くなり、ジャイアントロボはその動きを停止した。それを見たスパイダーは、すぐさまグローバーに命令した。鋼鉄のカギ爪がグローバーの中から伸びてロボを引っかけると、そのまま引っ張りながら空高く飛行してロボを運び去ってしまった。

『支部長!ジャイアントロボの動きが変です』

女性隊員U5の西野隊員が叫んだ。ジャイアントロボの動きは、本部でレーダー監視されている。もしロボの動きがU3とU7の動きに連動していなければ、それはU3とU7が危機的状況にあることを意味している。アズマ支部長が叫んだ。

『U3とU7が危ない!全員出動!』

ジャイアントロボは、もはや草間大作の命令以外には動かない。スパイダーは草間大作をBF団日本支局へ連れて行き、催眠光線によって自分達の仲間にするつもりであった。のっぽの南十郎の方はどうするのか?

『まずユニコーン機関日本支部の所在と世界中にある支部の位置を聞き出してから、始末しろ!』
『なるほど!これでユニコーン機関は全滅ですな、ハハハハ』
『ジャイアントロボを奪い返し、ユニコーン機関も全滅すれば、世界は我々BF団のものだ。ムフフハハハハ』

大魔球グローバーは、動かなくなったジャイアントロボを海底深く潜んでいるギロチン帝王の円盤近くまで運んで来た。円盤のすぐ横に直立不動のジャイアントロボを置いて、計画通りに事が運んだことに満足するギロチン帝王。

『ムハハハハ、とうとうジャイアントロボを取り戻したぞ!』

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一方、捕らわれ眠らされているU3とU7を乗せたBF団の車が走行していると、その進行を邪魔するかのように道路上に黒い車が乗り捨てられていた。スパイダーの部下が車を除けるためそれに近づいていくと、それを待っていたかのように黒い車の陰から銃撃が始まった。

『BF団!逃げ道は無いぞ!武器を捨てろ!』
『ユニコーン機関だ!』

スパイダーが気付いた時には、ユニコーン機関の精鋭たちに四方を囲まれてしまっていた。銃撃戦が始まり、多勢に無勢のBF団にはまったく不利であった。だがスパイダーは慌てず、無線機のアンテナを延ばした。

『グローバー出動!グローバー出動!』

ほどなく上空に大魔球グローバーが出現し、空からマシンガンでユニコーン機関に攻撃を開始した。雨のように降ってくる銃弾のために、大勢いたユニコーン機関隊員達は次第に数を減らしていった。

『いかん!これでは全滅だ・・・』

残った隊員たちを救出する方法を見つけ出せぬまま、アズマ支部長は手をこまねいていた。この壮絶な銃撃戦の音で、BF団の車の中に放置されていたU7が目覚めた。U7は隣で寝ているU3を揺り起こすと、ふたりは銃撃戦の様子に気づき、アズマ支部長達の危機を知るのだった。

『大作君、ジャイアントロボを!』
『ジャイアントロボ、出動!』

大作少年の命令を受け、ロボが海底で動き出したため、水圧を受けたギロチン帝王の円盤は大きく揺れだした。

『しまった!ジャイアントロボが動き出した』

海面が大きな水しぶきを上げ、ジャイアントロボが飛び出していく。アズマ支部長以下数人にまで数を減らしたユニコーン機関に上空からグローバーが襲いかかろうとしたその時、ジャイアントロボが出現した。スパイダー達はジャイアントロボの出現により作戦変更を余儀なくされ、車に乗り込み出した。それを見たU7はロボに命令する。

『ロボ、敵の車にグローバーをぶつけるんだ!』

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ロボはグローバーの突起をつかみ空へ飛び上がると、スパイダー達が乗って逃げていく車にどんどん接近し、車めがけてグローバーを投げ捨てた。巨大な炎を上げて、車もろともグローバーは大爆発して破壊された。

『こんなことであきらめるギロチン帝王ではない!今度こそ、ジャイアントロボを奪い返すぞ!』

(ナレーション;大魔球グローバーの挑戦を退けた無敵のロボット・ジャイアントロボと大作少年。しかし、地球征服を計画するギロチン帝王の魔の手は、第3第4の攻撃を準備している。頑張れ!ジャイアントロボ)
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
BF団初代日本支局長のスパイダーを演じているのは、丹羽又三郎(にわ・またさぶろう)氏。ゲルショッカー大幹部のブラック将軍と言えば、お解かりのことでしょう。2021年8月現在、87歳でまだまだお元気でいらっしゃいます。70年代半ば頃に芸能界から遠ざかっておられ、長い間消息がつかめない状態が続いていましたが、2014年から活動再開をなさっています。



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