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コンドールマン(20) [コンドールマン・ドラマ2]

今回は、第10話《海の罠・魔界島! / 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・一郎からまことにかかって来た「魔界島へ向かう第二黒洋丸を見た」という電話内容を聞いた一心は、コンドールマンに変身して一郎を救出したもののコインマーには逃げられてしまう。魔界島がモンスターのアジトになっていると見当を付けたコンドールマンは島へ上陸し、大小のワナに阻まれながらも遂にコインマーを洞窟内に追い詰める。だが、ピンチを背負ったのはコンドールマンの方だった。コンドールマンは盗まれた食糧を洞窟内で発見するが、満ち潮で大量の海水が流れ込んできた。コンドールマンは食糧を水没から守るため、カギのかからない鋼鉄製の扉を自身の体を張って海水から必死に守っていた】

◆海水は、物凄い圧力で鋼鉄製の扉を内側へ押してくる。扉が開かぬ様、コンドールマンはその圧力に必死に耐えていた。そこにケニアの吐かせ屋が現れた。

『コンドールマン!これが我々の本当のワナだ。コンドールマンをとうとう捕まえたぞ!フハハハハ』

その頃、大臣室では黒井大臣とレオナ高倉がコインマーからの吉報を待っていた。時間が経つにつれて、二人は焦りの色を隠せない。レオナは室内を歩き回り、大臣は吹かした葉巻の火の点いた方を口に入れてヤケドをしていた。その時である、室内に飾られた額の一枚が突然機械音がして持ちあがると、奥に隠れていたモニター画面にコンドールマンの姿が映し出された。ふたりはすぐにそのモニターに注目した。笑い声と共に、コインマーの姿が映し出された。

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『フハハハハ、ご覧の通り。食糧品が流れると言ったらコンドールマンめ、夢中になって扉にとびつきました』

それを聞いた黒井大臣は、どうせ外国に転売し札束になって自分の懐に入る食糧なのにと言って、大笑いした。

『コンドールマン、潮は明日の朝10時にならなけりゃ引かんな。水の圧力は強いからね。俺なんぞは自慢じゃないが、1時間と持たんな、ハハハハハ』

ケニアの吐かせ屋は、「ご苦労さん」とでも言いたげにコンドールマンをあざ笑った。明日の昼までに食糧を持って帰るとまことに約束したのだ、物凄い圧力で扉を押してくる海水とコンドールマンは必死に戦った。

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『それにしても、コンドールマンって予想以上にたくましいのね。あたし、たくましいのだぁいすき!』

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(ケースの中にはたくさんの拷問道具が)

海水から食糧を必死に守っているコンドールマンのすぐ横では、ケニアの吐かせ屋がアタッシュケースの中に詰め込んだたくさんの拷問道具を見てニヤニヤしていた。

『さぁて、ノコギリで手足の骨を削るか?それとも、針で目玉を突っついてやるか?やっぱり初めは、これで行きましょう!』

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(やっぱり初めはモーニングスターで・・・)

そう言ってケニアの吐かせ屋は、「モーニングスター」と呼ばれる握り棒とトゲ付きの鉄球がクサリでつながっている殴打武器を選んだ。これで打たれたら、ふつうの人間なら肉は裂け、骨は砕ける。ケニアの吐かせ屋はムチを打つようにして鉄球をコンドールマンの背中に打ちつけ、拷問を始めた。

『さぁコンドールマン!貴様の正体を白状しろ!』

コンドールマンは痛みに耐えながら思う。
(全身が粉々に砕けそうだ。だがここで負けては、飢えに苦しむ人々を救えない。耐えていれば、ここのモンスターのボスもそのうち必ず出てくるだろう。それを突き止めるまでは・・・ウウウ)

『本当にしぶとい奴ね。ますます気に入ったわ!次は何でイジメてやろうかしら・・・』

ケニアの吐かせ屋は息切れしながら、次の武器の品定めをしていた。その頃、黒井大臣は応接室である客と会っていた。魔界島に隠してある食糧を、他国政府に転売するためである。この他国政府の関係者は、多額の現金をアタッシュケース2個に詰めて取引に臨んでいた。

『本当に、食糧を分けていただけるのでしょうな?』
『わしも一国の大臣だ、ウソはいわん。ただし、少し足りんようだな・・・ある国では、この2倍の額を払うと言ってきておるが』

黒井大臣は相手の足元を見ながら、そう言った。食糧難のこの時代に買い手はいくらでもいると言って、相手に圧力をかける黒井大臣。

『(金額に驚いた客が)イヤとは申しませんが・・・』

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(儲かる話にはついつい正体を現す黒井大臣)

相手が口ごもっていると、「ならばすぐにお金を出せ」と言いながら黒井大臣は思わずゼニクレージーに変身してしまう。大声を上げて驚いたこの客は逃げようとしたが、自分の姿に気づいたゼニクレージーはこの客を殴り倒してしまうのだった。外で待機していた大臣のボディガード3名が部屋に入って来て、気を失った客をどこかへと連れて行く。もちろん彼らは、魔人コンバットである。ゼニクレージーは何の取引もせずに多額の現金を手に入れると、うれしそうに次々と札束をベルトのカバンの中に入れていった。

レオナ高倉は、コンドールマンが拷問される姿を大臣室のモニターで見ながらワインを飲んでいる。

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(ワインを飲みながら爽快な眺めを楽しむ)

『コンドールマン、さぞ痛いだろうね?だが、もっと、もっともっと苦しめ!貴様に殺された妹の恨み、思い知るがいい!(ゲムスラーに変身して)ハハハハハ!』

鋼鉄製の扉にかかる強烈な圧力を両手で必死に押し戻しているコンドールマンの横で、ケニアの吐かせ屋はニヤニヤしながらこう言った。

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(この拷問道具で・・・)

『今までにこの拷問道具で吐かなかったヤツは、居なかったのよ!貴様が何者か早く正体を吐いたらどうなの?』
『・・・私は・・・負けない!』

その頃、まこと達コンドールジュニアと石松は、コンドールマンの手紙に書かれた内容を町の人達に大声で知らせる行動に出ていた。みんなの喜ぶ顔が見られると思っての行動だ。

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『明日の昼までに、食糧が着きます!もう少しの辛抱ですよ!』

集まって来た町の人達がどういうことかと問いかけるので、まことはコンドールマンが約束したと話すのだった。それを聞いた人達は、食糧輸送船団を沈めたコンドールマンがそんなことをするわけが無いと言って、ガッカリして四方八方へ散って行ってしまう。

(ナレーション;まことたちは、方々で明日食糧が来ることを知らせ続けてきた。しかし、誰一人として信用する者はいなかった)

分厚い鋼鉄製の扉を必死に支え続けるコンドールマンの横で、拷問疲れのためにケニアの吐かせ屋は眠ってしまっていた。それはまさに、驚異的な体力と正義を守る信念に支えられていると言ってもいい。だが、もはやその力も限界に達していたのである。その時、コンドールマンの脳裏によぎるものがあった。三矢まことの笑顔である。

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『そうだ、こんな所で死んでたまるもんか!たとえ片腕一本になろうともこの身が粉々になろうとも、子供たちとの約束を守ってみせる!ここを支えとおしてみせる!モンスターの正体を突き止めずにおくものか!世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・』

今のコンドールマンをギリギリ支えているもの、それは子供たちと交わした約束、即ち食糧の奪回である。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
精神統一のための呪文『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、
(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。



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