コンドールマン(19) [コンドールマン・ドラマ2]
今回は、第10話《海の罠・魔界島! / 前編》を取りあげます。
企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;奥中惇夫
【前回までの話は・・・天・地・人の修行を乗り越えたコンドールマンは10倍の戦闘能力をもつゴールデンコンドルに化身し、見事にレッドバットンを倒した。姉のゲムスラーは妹の仇を取るべく新たなモンスター・コインマーを呼び寄せると、日本へ向かっていた食糧輸送船団を襲撃してコンドールマンにその罪をなすりつける作戦を展開する。閣僚の中にモンスター・ゼニクレージーが入り込んでおり、作戦は見事に成功する。国民を敵に回したコンドールマン。そんな時、父と釣りをしていた友人の一郎が、沈んだはずの食糧輸送船を沖で見たとまことに電話をしてきた】
◆モーターエンジンが壊れてしまったモーターボートを必死に漕いで、一郎と父の善郎はやっと海岸に到着した。急いで電話ボックスを探すと、一郎はまことに沖で見たことを電話で話すのだった。沖で釣りをしている時、第二次食糧輸送船団はすべて沈んだとラジオは言っていた。だが、深い霧の中で、第二黒洋丸と船体横に書かれた船が魔界島へ向かって進んで行くのを、船と危うくぶつかりそうになりながら一郎と善郎は確かに目撃したのだ。
公衆電話ボックスがある海岸は一つしかないことから、一心はその場所へ駆けつけた。案の定、ふたりはコインマーに捕まり、砂浜に刺した大木に一緒に縛り付けられていた。コンドールマンは少し離れた岩の陰から、ヒモを付けたコインをコインマーの前に投げ落した。コインに目が無いコインマーは、スルスルと逃げて行くコインを追って岩陰まで這うようにして追って来たのだ。
その岩陰でコンドールキックが炸裂、コインマーは気を失った。その隙に魔人コンバットたちをなぎ倒すようにして一郎親子を救出したコンドールマンは、ベルトのコンドールマウスから煙幕を出して親子を逃がすのだった。目を開けたコインマーがコンドールマンの存在に気づき戦いの場へ急行すると、今度はコイン爆弾がコンドールマンに反撃した。
連続破裂する爆弾を間一髪で避けながら、コンドールマンはジャンプしながらベルトのマウスからコンドールミサイルを発射した。だが、それを撃ち落とすようにしてコインマーはコイン爆弾を投げ、両者は空中で衝突し大爆発を起こした。爆発の煙が晴れると、コインマーはこつ然とその姿を消していた。
魔界島は、モンスターたちのアジトになっていた。レオナ高倉、黒井大臣、そしてケニアの吐かせ屋の三人は、この島で作戦の今後について話をしていた。
『コンドールマンにこの魔界島のことがバレてしまったんだぞ!カラクリがばれたら、ワシは大臣の首どころか次の選挙にも落選だ!そんなことになったら・・・』
『黒井大臣、そう嘆くことはないんだよ。コンドールマンをワナにはめて捕え、その正体を暴き、散々痛めつけてから殺すのが今度の作戦・・・』
『このケニアの吐かせ屋コインマーがわざと逃げ帰ってきたのも、コンドールマンを誘い込むためなんですよ』
『それでは、この魔界島にワナをしかけて・・・なるほどワハハハハ』
最初は焦っていた黒井大臣も安心したように大笑いすると、レオナが大笑いし吐かせ屋が大笑いを始めた。三人はその姿をモンスターに変えながら、さらに大笑いをするのだった。一方、コインマーの行く先は見当がついている。マッハコンドル号をホバークラフトのように海面スレスレを走らせながら、コンドールマンは魔界島へ向かっていた。
『あの魔界島には、間違いなくモンスター一族の秘密がある。きっとカラクリを暴き出してやる!』
(ナレーション;その頃、モンスター一族の大幹部達はニューヨークへ集合、帝王キングモンスターに世界征服作戦の進み具合を報告していた)
『各地区の報告をせよ』
『今や南アメリカの空も、スモッグで汚れきっています』
『北米のヘドロ汚染作戦も、順調に進んでいます』
キングモンスターに報告をする大幹部スモッグトンは南アメリカ地区を担当し、北米地区はヘドロンガーが担当していた。ゴミゴン、オイルスネークが報告を終えると、次にサラマンダーが報告を始めた。
『極東、殊に日本のハンガー作戦も私が就任して以来、着々と進んでおります』
『ところでサラマンダー。極東司令官としての名誉にかけて、われらモンスター一族に逆らうコンドールマンを早く始末するのだ!』
『はっ!魔界島におびき寄せ、今度こそ一気にヤツの息の根を止めてやります』
『魔界島には、このワシが頭によりをかけてこさえたワナが多数しかけてある!テヘヘヘ』
左のこめかみに付いたゼンマイをギィギィと音をたてて回しながら、マッドサイエンダーは自分が作ったワナを自慢した。
『コインマーめがそのワナをうまく利用し、必ずやコンドールマンめを!』
『諸君、頼むぞ!われらモンスター一族の名誉にかけて、世界制覇のために頑張るのだ!』
『アールマゲドン!』
一心の姿で魔界島に上陸したコンドールマンだが、行動する前に小石を一つ投げてみたところ、ドーンという大きな音を立てて地面が破裂した。この島の至る所に地雷が仕掛けられているのだ。奪われた食糧の奪還とこの島の破壊をするには、やはり超能力を発揮できるコンドールマンの姿でないと危険だ。
《三矢一心君と共に魔界島へ行く。だから、彼が居なくても心配しないように。
明日の昼までには、モンスターに奪われた食糧をきっと持って帰ってくる。
正義のシンボル・コンドールマン》
コンドールマンからの手紙が、まことの家のポストに入っていた。まことは、この手紙をコンドールジュニアたちの前で読んで聞かせると、皆は希望を抱くと共に士気が高まった。
その頃、コンドールマンは島を偵察しながら、食糧が隠されている場所を探す行動に出ていた。だが、落とし穴、地雷といった様々なワナがコンドールマンの行く手を阻んだ。地雷2~3個が一斉に爆発し、コンドールマンが岩場に倒れ込んだ。この時を待っていたとばかりに、コインマーと魔人コンバット隊が姿を現した。
『裏をかいて上陸したつもりだろうが、こっちはとっくにお見通しだったのさ!ハハハハハ』
殺られたように見せかけたコンドールマンは隙をみてコンドールアローを投げると、それは魔人コンバットの一人に命中した。すかさずジャンプして別の場所に移動すると、コンドールマンは告げた。
『今日こそ、お前達モンスター一族の悪の証拠をつかみに来た!』
魔人コンバット隊のマシンガンの雨を巧みにかわしながら、コンドールマンはキックとパンチで次々と魔人コンバット達を倒していく。とうとうすべてが倒されてしまい、コインマーは大慌てで逃げだした。洞穴の中へと入って行くコインマーを追いながら、コンドールマンは思った。(さてはこの中に、奪われた食糧があるに違いない!)
(さては、この洞窟の奥に・・・)
洞窟の中は薄暗く、奥深く続いている様子だ。コンドールマンが用心しながら少しずつ進んで行くと、突き当った所に鋼鉄製の扉があった。押してみるとそれはカギがかかっておらず、ギィィと重たい音をたてて扉は開いた。中は薄暗い電燈が灯された空間になっていて、段ボール箱や木箱がたくさん積まれていた。
コンドールマンは思った。(第二黒洋丸の積み荷は、ここに隠してあったのか・・・食糧輸送船爆破の真犯人がモンスター一族であることの証拠を、確かにつかんだぞ!)そこへ見回りの魔人コンバット数人が現れ、コンドールマンと戦闘になった。それらを倒したコンドールマンに、今度は天の声が聞こえてきた。
『コンドールマン、よく耳を澄まして聞け! 何の音か解かるか?潮が満ちてきたのだ。早くその扉を塞がぬと、大事な食料品が流されるぞ!』
(扉の向こうから大量の海水が押し寄せて来た)
こちらに向かって水が流れてくる音がする。コンドールマンは素早く鋼鉄製の扉に手をかけて閉じた。
『カギが無い!』
『そのとおり。コンドールマン、貴様自身で支えるのだ!』
(つづく)
★★★★★★★★★★★★
スポンサーリンク
企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;奥中惇夫
【前回までの話は・・・天・地・人の修行を乗り越えたコンドールマンは10倍の戦闘能力をもつゴールデンコンドルに化身し、見事にレッドバットンを倒した。姉のゲムスラーは妹の仇を取るべく新たなモンスター・コインマーを呼び寄せると、日本へ向かっていた食糧輸送船団を襲撃してコンドールマンにその罪をなすりつける作戦を展開する。閣僚の中にモンスター・ゼニクレージーが入り込んでおり、作戦は見事に成功する。国民を敵に回したコンドールマン。そんな時、父と釣りをしていた友人の一郎が、沈んだはずの食糧輸送船を沖で見たとまことに電話をしてきた】
◆モーターエンジンが壊れてしまったモーターボートを必死に漕いで、一郎と父の善郎はやっと海岸に到着した。急いで電話ボックスを探すと、一郎はまことに沖で見たことを電話で話すのだった。沖で釣りをしている時、第二次食糧輸送船団はすべて沈んだとラジオは言っていた。だが、深い霧の中で、第二黒洋丸と船体横に書かれた船が魔界島へ向かって進んで行くのを、船と危うくぶつかりそうになりながら一郎と善郎は確かに目撃したのだ。
公衆電話ボックスがある海岸は一つしかないことから、一心はその場所へ駆けつけた。案の定、ふたりはコインマーに捕まり、砂浜に刺した大木に一緒に縛り付けられていた。コンドールマンは少し離れた岩の陰から、ヒモを付けたコインをコインマーの前に投げ落した。コインに目が無いコインマーは、スルスルと逃げて行くコインを追って岩陰まで這うようにして追って来たのだ。
その岩陰でコンドールキックが炸裂、コインマーは気を失った。その隙に魔人コンバットたちをなぎ倒すようにして一郎親子を救出したコンドールマンは、ベルトのコンドールマウスから煙幕を出して親子を逃がすのだった。目を開けたコインマーがコンドールマンの存在に気づき戦いの場へ急行すると、今度はコイン爆弾がコンドールマンに反撃した。
連続破裂する爆弾を間一髪で避けながら、コンドールマンはジャンプしながらベルトのマウスからコンドールミサイルを発射した。だが、それを撃ち落とすようにしてコインマーはコイン爆弾を投げ、両者は空中で衝突し大爆発を起こした。爆発の煙が晴れると、コインマーはこつ然とその姿を消していた。
魔界島は、モンスターたちのアジトになっていた。レオナ高倉、黒井大臣、そしてケニアの吐かせ屋の三人は、この島で作戦の今後について話をしていた。
『コンドールマンにこの魔界島のことがバレてしまったんだぞ!カラクリがばれたら、ワシは大臣の首どころか次の選挙にも落選だ!そんなことになったら・・・』
『黒井大臣、そう嘆くことはないんだよ。コンドールマンをワナにはめて捕え、その正体を暴き、散々痛めつけてから殺すのが今度の作戦・・・』
『このケニアの吐かせ屋コインマーがわざと逃げ帰ってきたのも、コンドールマンを誘い込むためなんですよ』
『それでは、この魔界島にワナをしかけて・・・なるほどワハハハハ』
最初は焦っていた黒井大臣も安心したように大笑いすると、レオナが大笑いし吐かせ屋が大笑いを始めた。三人はその姿をモンスターに変えながら、さらに大笑いをするのだった。一方、コインマーの行く先は見当がついている。マッハコンドル号をホバークラフトのように海面スレスレを走らせながら、コンドールマンは魔界島へ向かっていた。
『あの魔界島には、間違いなくモンスター一族の秘密がある。きっとカラクリを暴き出してやる!』
(ナレーション;その頃、モンスター一族の大幹部達はニューヨークへ集合、帝王キングモンスターに世界征服作戦の進み具合を報告していた)
『各地区の報告をせよ』
『今や南アメリカの空も、スモッグで汚れきっています』
『北米のヘドロ汚染作戦も、順調に進んでいます』
キングモンスターに報告をする大幹部スモッグトンは南アメリカ地区を担当し、北米地区はヘドロンガーが担当していた。ゴミゴン、オイルスネークが報告を終えると、次にサラマンダーが報告を始めた。
『極東、殊に日本のハンガー作戦も私が就任して以来、着々と進んでおります』
『ところでサラマンダー。極東司令官としての名誉にかけて、われらモンスター一族に逆らうコンドールマンを早く始末するのだ!』
『はっ!魔界島におびき寄せ、今度こそ一気にヤツの息の根を止めてやります』
『魔界島には、このワシが頭によりをかけてこさえたワナが多数しかけてある!テヘヘヘ』
左のこめかみに付いたゼンマイをギィギィと音をたてて回しながら、マッドサイエンダーは自分が作ったワナを自慢した。
『コインマーめがそのワナをうまく利用し、必ずやコンドールマンめを!』
『諸君、頼むぞ!われらモンスター一族の名誉にかけて、世界制覇のために頑張るのだ!』
『アールマゲドン!』
一心の姿で魔界島に上陸したコンドールマンだが、行動する前に小石を一つ投げてみたところ、ドーンという大きな音を立てて地面が破裂した。この島の至る所に地雷が仕掛けられているのだ。奪われた食糧の奪還とこの島の破壊をするには、やはり超能力を発揮できるコンドールマンの姿でないと危険だ。
《三矢一心君と共に魔界島へ行く。だから、彼が居なくても心配しないように。
明日の昼までには、モンスターに奪われた食糧をきっと持って帰ってくる。
正義のシンボル・コンドールマン》
コンドールマンからの手紙が、まことの家のポストに入っていた。まことは、この手紙をコンドールジュニアたちの前で読んで聞かせると、皆は希望を抱くと共に士気が高まった。
その頃、コンドールマンは島を偵察しながら、食糧が隠されている場所を探す行動に出ていた。だが、落とし穴、地雷といった様々なワナがコンドールマンの行く手を阻んだ。地雷2~3個が一斉に爆発し、コンドールマンが岩場に倒れ込んだ。この時を待っていたとばかりに、コインマーと魔人コンバット隊が姿を現した。
『裏をかいて上陸したつもりだろうが、こっちはとっくにお見通しだったのさ!ハハハハハ』
殺られたように見せかけたコンドールマンは隙をみてコンドールアローを投げると、それは魔人コンバットの一人に命中した。すかさずジャンプして別の場所に移動すると、コンドールマンは告げた。
『今日こそ、お前達モンスター一族の悪の証拠をつかみに来た!』
魔人コンバット隊のマシンガンの雨を巧みにかわしながら、コンドールマンはキックとパンチで次々と魔人コンバット達を倒していく。とうとうすべてが倒されてしまい、コインマーは大慌てで逃げだした。洞穴の中へと入って行くコインマーを追いながら、コンドールマンは思った。(さてはこの中に、奪われた食糧があるに違いない!)
(さては、この洞窟の奥に・・・)
洞窟の中は薄暗く、奥深く続いている様子だ。コンドールマンが用心しながら少しずつ進んで行くと、突き当った所に鋼鉄製の扉があった。押してみるとそれはカギがかかっておらず、ギィィと重たい音をたてて扉は開いた。中は薄暗い電燈が灯された空間になっていて、段ボール箱や木箱がたくさん積まれていた。
コンドールマンは思った。(第二黒洋丸の積み荷は、ここに隠してあったのか・・・食糧輸送船爆破の真犯人がモンスター一族であることの証拠を、確かにつかんだぞ!)そこへ見回りの魔人コンバット数人が現れ、コンドールマンと戦闘になった。それらを倒したコンドールマンに、今度は天の声が聞こえてきた。
『コンドールマン、よく耳を澄まして聞け! 何の音か解かるか?潮が満ちてきたのだ。早くその扉を塞がぬと、大事な食料品が流されるぞ!』
(扉の向こうから大量の海水が押し寄せて来た)
こちらに向かって水が流れてくる音がする。コンドールマンは素早く鋼鉄製の扉に手をかけて閉じた。
『カギが無い!』
『そのとおり。コンドールマン、貴様自身で支えるのだ!』
(つづく)
★★★★★★★★★★★★
スポンサーリンク
2020-05-16 21:02
nice!(8)
コメント(0)
コメント 0
コメントの受付は締め切りました