SSブログ

ダイヤモンド◇アイ(3) [ダイヤモンドアイ・ドラマ1]

今回は、第2話《前世魔人を倒せ! /前編》を取りあげます。

  企画;衛藤公彦
  原作;川内康範
  脚本;伊東恒久
  音楽;池多孝春
  殺陣;渡辺高光
特技監督;真野田陽一
  監督;高瀬昌弘

【前回までの話は・・・週刊ジャパンのルポライター・雷甲太郎、通称ライコウは、大物政治家の大沢山剛造を半年間追いかけ、脱税疑惑の尻尾をつかんだ。だが、それを記事にしようとした途端、会社に圧力がかかり、仕事を干されたライコウは会社を辞めて一匹狼のルポライターとして活動する決意を固める。一方、ブルーダイヤ「アラビアの王」を盗んだ香港暗黒街の王・キングコブラが日本に潜入し、源海龍と名乗って大沢山と会っているのを目撃したライコウは、大沢山の別荘を見張って証拠をつかもうとする。だが、ライコウは源海龍一味に捕まり、危機一髪という時、「アラビアの王」の精霊ダイヤモンド・アイがライコウを救った・・・】

IMG_3340.jpg
◆ダイヤモンド・アイが前世魔人キングコブラ一味と戦っている頃、別荘の中の大沢山剛造は、脱税をして貯めこんだ現金を持ち出そうとしていた。壁の中の隠し金庫を開けると、中の札束を抱えるようにして、急いで手提げカバンの中に放り入れた。それらを逃走資金にして、姿を隠すつもりなのである。大沢山は、ライコウがまたここへやって来ると睨み、隠し金庫の中に時限爆弾をセットして金庫の扉を閉めた。

『今に見てろよ!』

ダイヤモンド・アイが空へ消えたあと、ライコウの元へ駈けつけてきたのはカボ子と五郎だった。ライコウは二人を連れて大沢山の別荘へ戻ると、大沢山の脱税の証拠を見つけるために、大沢山の書斎をところかまわず探しまくった。すると、勘の鋭いカボ子が、隠し金庫を開けるボタンを発見した。

『さすがは、カボ子ちゃんだ!』

壁にかかった絵画が徐々に上へあがり、隠し金庫の扉がライコウの目の前に姿を現した。そして、その扉が開きかけた時に突然爆発が起き、ライコウは爆風に吹き飛ばされてしまった。

一方、香港暗黒街の王・キングコブラは源海龍の姿に戻り、日本の某所に設けたアジトの自室にいた。傍らには片腕の朱玉という女性がいつも控えていて、彼女が司令塔となって部下の前世魔人たちに源海龍の命令を実行させているのだ。源海龍はアタッシュケースのフタを開けると、数々のダイヤの中でひときわ輝いていた大きなダイヤが無いことに、改めて驚いた。

『アラビアの王が、消えている・・・伝説が現実になるなんて、バカな!』
『あのダイヤが、ダイヤモンド・アイになったんですか?』

驚いて、朱玉は源海龍にそう訊ねた。源海龍は、スイス銀行の地下金庫から盗んできたアラビアの王をアタッシュケースの中に入れて日本に持ち込んだ。大沢山との密談の時には、確かにあった。そして、自分の目の前にダイヤモンド・アイが出現して、彼は「アラビアの王の精霊だ」と名乗ったのである。

『あのダイヤは、この私が全アジアを征服し、帝王となった暁に、我が王冠を飾るためのものなのだ』

そのためにはまず軍資金が必要だと、源海龍は言った。ダイヤを使って日本人から金を奪い取る「ハリケーン作戦」を実行するよう、朱玉に命令を下した。

『ハリケーン作戦をスムーズに、しかも誰にも気づかれないように遂行するために、大沢山を利用して、金持ちどものリストを作らせろ』

大沢山の別荘で爆風に吹き飛ばされたライコウは、奇跡的に命は助かった。だが、あれから三日間気絶したまま、彼は眠り続けていた。カボ子と五郎がライコウの部屋まで彼を運び込み、今ようやく目を覚ましたライコウ。横で看病しているカボ子と五郎に話かけるうちに状況を把握したライコウは、思い出したように大沢山の行き先を突き止めようと立ち上がろうとした。だが、あの爆風で受けた衝撃のため、ライコウの体はすぐには言うことを聞かなかった。

そんな時、退院したモンちゃんとその姉が、ライコウのお見舞いに訪れたのだ。小学生のモンちゃんは、あれ以来ライコウのことを兄のように慕っていた。モンちゃんは、ハトを籠に入れて持って来た。自分の宝物だけど、助けてくれたお礼にこれをライコウにあげるというのだ。早速ハト小屋を作ろうと提案した五郎は、モンちゃんを背負って一緒に材料を買いに行くことにした。二人が部屋から出て行った後、モンちゃんの姉が暗い顔つきで話を始めた。

流れ弾に当たったショックが尾を引いて、モンちゃんはいまだに右足が動かせないでいると、姉は話を始めた。担当医はもう完治していると言うのだが、精神的ショックがそうさせているようだった。モンちゃんは、ライコウが犯人を捕まえたときに自分の右足も動くと、信じ込んでいるのだ。

そんな話をしているうちに、モンちゃんの姉の仕事場が新宿の中村会計事務所であることが分かった。カボ子の情報では、驚いたことに、この中村税理士は大沢山の会計事務を担当している人物だという。

『今日は、お休みなんです。大事な書類の整理があるから、先生ひとりでやるって』
『きっと、大沢山の書類の整理よ!』

カボ子の考えを聞いたライコウは、「悪いヤツらを必ず捕まえてくるから、モンちゃんも頑張る様に」と姉に伝言を託すと、少し休んでから中村税理士の元を訪れるつもりでいた。

IMG_3343.jpg
(ダン会長)

その頃、大沢山剛造は、「アジアの資源を調べる会」のダン会長のもとを訪れていた。ダン会長は、白髪で口ヒゲを蓄えたダンディな紳士で、会長室に入って来た大沢山を見ると、パイプをくゆらしながら優しい声色で言った。

『面倒なことを、起こしてくれましたね』

大沢山は、別荘で起きた一部始終をダン会長に報告し、しばらく日本から離れるつもりで逃亡先についての相談に来たのであった。

『君は、我々の重要メンバーの一人です。もちろん、力はお貸しします。ただし、条件が二つあります。一つはお金です、大丈夫でしょうね』

大沢山は自分の持つ不動産をすべて処分して、それを充てるつもりでいた。

『で、もう一つの条件とは?』
『日本を離れる前に、あなたと関係のある人物のリストを作ってほしい。うーん、それよりも、あなたの身の回りの証拠を消すことの方が、先ですね』

鋭い目つきでダン会長が大沢山にそう指示をすると、大沢山は自分の脱税の尻尾をつかんでいる記者が1人いると話した。その件についてはこちらで処分するからと、ダン会長は快諾するのだった。安心した大沢山が部屋から出て行くと、ダン会長の姿はチャイナ服を着た源海龍へと変わり、その顔には笑みが浮かんでいた。

体の疲れが取れたライコウは、バイクを飛ばして新宿の中村会計事務所へ向かった。ビルの階段を上がって行くと、階段の隙間から女が降りて来るのが見えた。ライコウはその女の顔を見て、大沢山の別荘で源海龍一味の中にいた女であることを思いだした。

『あの女だ、待て!』

階段を素早く上がってライコウは女を追ったが、女は非常口から逃げてしまった。女を追うことをあきらめて、ライコウは中村税理士に会うために事務所に入った。すると、部屋の中がガソリン臭い。気絶して床に倒れている中村税理士を見つけたライコウは、体をゆすって中村の意識を取り戻させた。すると中村は、ライコウを女の仲間だと思ったのか、いきなり殴りかかってきたのだ。

『違う!中村さん』

IMG_3344.jpg
(服から火花が飛び散り・・・)
IMG_3345.jpg
(中村税理士は窓から墜落死してしまう)

ライコウは、中村を引き離すように壁に押し返すと、壁にぶつかった中村の体から火花が飛び、あっという間に炎が中村を包み込んだ。熱さと焦りで我を忘れた中村は、部屋の窓ガラスに頭から突っ込んで、悲鳴をあげながら落下していった。

IMG_3346.jpg
(海藤警部はライコウの腕をつかむと・・・)
IMG_3347.jpg
中村の着ていた服がいきなり燃え上がるのを見たライコウは、不審に思った。すると、パトカーのサイレンの音が聞こえてきて、このビルの前で停車した。「(到着が)いやに早いな!」と思いながら、ライコウが1階へ降りて行くと、待ち受けていた海藤警部にライコウは手錠をかけられてしまった。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
大沢山剛造役は、神田 隆氏が演じている。現代劇では善良な役や豪快な役柄もあるが、どちらかと言えば、時代劇の悪代官を演じるようなタイプの役者さんである。

今日は、平成時代最後の1日である。今上天皇が生前退位され、明日(2019年5月1日)には皇太子様が即位されて、新しい時代『令和』が始まる。



スポンサーリンク



nice!(10)  コメント(0) 

nice! 10

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。