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ダイヤモンド◇アイ(4) [ダイヤモンドアイ・ドラマ1]

今回は、第2話《前世魔人を倒せ! /後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・大沢山の別荘で脱税の証拠を探していたライコウは、大沢山が仕掛けた爆弾で三日間意識を失ってしまう。一方、大沢山は身を隠すために、ダン会長の元を訪れていた。ダン会長が源海龍の別の顔であることを知らない大沢山は、ダン会長の指示通りに行動を始める。源海龍は大物政治家・大沢山を利用して、日本人から大金を奪い取る「ハリケーン作戦」を開始した。ライコウは何か手がかりを得ようと、大沢山の税理士である中村の事務所ビルを訪問するが、目の前で中村がビルから転落死してしまう・・・】

◆海藤警部に現行犯逮捕されてしまったライコウは、取調室で事情聴取を受けていた。中村が自分につかみかかってきたあと突然火だるまになったと、ライコウは見たままを供述した。

『だが、現場検証の結果は、火花どころかマッチ一本無かったんだよ。しかも事務所には、被害者とお前の二人だけだった!』
『俺じゃない!何度言ったら、分かるんですか!』

日頃からライコウのことを可愛がっている海藤警部だが、事が殺人事件となると話は別だ。厳しく取り調べを進める警部に対し、状況証拠はライコウに不利なものばかりであった。そこへ五郎とカボ子が入って来て、ライコウと話をさせて欲しいと二人は警部に頼み込むのだった。仕方なく警部は、10分間だけ猶予を与えることにした。

10分が過ぎて取調室に戻っていく警部は、廊下でカボ子と上衣の衿を立てて帽子を深くかぶった五郎にすれ違った。カボ子は警部に丁重にあいさつをすると、逃げるようにして五郎とその場をあとにした。カボ子はともかく、顔を合わせようとしない五郎に違和感を覚えた海藤警部は、走るようにして取調室へ戻った。案の定、そこにいたのは、上衣を脱いだ五郎であった。

『警部、本当の犯人を捕まえるまで、先輩をしばらく見逃してあげてください!お願いします』

取調室の入口を巨体で覆うようにして哀願する五郎の頼みを、海藤警部は聞き入れることにした。警部も、あのライコウが本当にやったとは思ってないし、思いたくなかったのだろう。ライコウ達の行動に、注目してみることにしたのである。

一方、中村殺しの罪をライコウに上手く着せることに成功した朱玉は、源海龍に報告した。これで大沢山の脱税の件を追っている海藤警部は、中村殺しの捜査に振り回される。その間に我々は次の行動に移ると、源海龍は朱玉に言った。それは、大沢山の土地買収に絡む男の始末であった。大沢山との関係を世間に知られ過ぎたその男から金を取りあげ、そのあと男を始末するように、源海龍は朱玉に命じた。

源海龍が呼び鈴を鳴らすと、陳(ちん)という男が現れた。中国から呼び寄せた古武術の達人で、手下の前世魔人モウジンガーがダイヤモンド・アイに倒されたため、新たに朱玉の配下に付いた。

警部の元から上手く逃げ出したライコウとカボ子は、ベンチに座ってから落ち着いて考えをめぐらしてみた。中村会計事務所から出て来たあの女(朱玉)を探しだすこと以外に、ライコウにはこれと言って手は無かった。だが、モンちゃんのためにも、自分の潔白を証明するためにも、あの女を探し出さなくてはならない。

『分かっているのは、あの女が大沢山の証拠を消して回っているということだけだ』
『税理士を殺して帳簿を始末し、次にすることと言えば、直接取引した相手を一人ずつ消して、物的証拠を完全になくす・・・』

カボ子は、次にどうすればいいのかを頭の中で整理してから、言葉にしてみた。すると、ライコウが相槌を打った。

『それだ!開発局長の西沢。土地の売買で、大沢山と一番密着していた男だ。狙われるとすれば、コイツが最初だ!』

方針は、決まった。その頃、あるホテルの一室で、開発局長の西沢は朱玉に恐喝されていた。大沢山から受け取ったリベートが五億円近くあることを調べ上げた朱玉は、その金を渡すよう西沢に強要した。

ライコウは開発局長・西沢の居場所を探ると、バイクを走らせた。だが、見張りの男の連絡でライコウが来たこと知った朱玉は、西沢を連れて非常階段を降りると、ライコウが追って来られないようにバイクのタイヤをパンクさせて、車でホテルを出た。

『チクショー!』

ライコウはホテルの裏口から裏路地へ飛び出そうとして、通りかかったスポーツカーに轢かれそうなる。だが、この車を使ってヤツラを追うことを瞬時に判断したライコウは、運転席にいた女性を強引に助手席に押しやると、自分が運転してヤツラのあとを追うのだった。ライコウが後を追って来ることに気付いた運転手の手下が朱玉に告げると、用意した場所へ向かうことにした。

『陳の所へおびき寄せて、一度に始末させるわ』

ライコウは運転しながら自己紹介し、スポーツカーの持ち主の女性に事情を説明した。自分は殺人の罪を着せられ、潔白を証明するために犯人を追っていると話すと、京子というこの女性は「退屈していたから協力する」と言うのだった。

朱玉は、周囲が草むらで覆われた一本道に誘い込むと、追って来るライコウ達の車へ手りゅう弾を2個3個と投げた。前方で爆発するのを見て危険を察知したライコウは、車の速度を落として助手席の京子を飛び降りさせ、自分も運転席から飛び降りた。無人の車は50メートル程走って、大爆発を起こす。それを見た朱玉はニヤリと笑うと、西沢を乗せたまま速度を落とさずに走り去っていった。

一方、カボ子と五郎は、過去の事件の中から静電気による火災の記事を見つけてきた。カボ子は記事の切り抜きを海藤警部に見せながら、中村税理士殺人事件の状況を説明しようと試みるのだった。

『(記事を見せて)トイレで用を足そうとした女性が、メタンガスに静電気が引火して火だるまになった。ガソリンも揮発性だから、静電気の火花でも引火する』
『うーん。ライコウも確か、青い火花が散ったとか、言っていたよ』
『問題は、中村という人が化学繊維の服を着ていたかどうかですが・・・』

鑑識の結果では、被害者は100パーセント化繊の洋服を着ていたと警部は打ち明けた。つまり、現場にいたという女が、ライコウに罪を着せるために服を着替えさせた可能性が出て来たわけだ。納得のいく説明に、海藤警部はライコウが無実である可能性を初めて口にした。

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朱玉の車を追いかけるために、ライコウと京子は山の中を歩いていた。すると、ふたりの前方から赤い覆面をした集団が現れ、ふたりに襲いかかって来たのだ。朱玉は、作戦通りライコウ達に車を捨てさせて、待ち構えている陳とその部下らに二人を襲わせるつもりなのだ。

必死に逃げる二人だが、ライコウがひとりで戦っている間に、多勢に無勢で京子は捕まってしまった。ライコウもとうとう捕まり、陳の指示で、ライコウは崖下へ突き落されてしまう。

『あー!・・・アイよーっ!』

ライコウはこの時、無意識にアイリングを光にかざして叫んでいた。すると、落下していくライコウの体を抱き抱えるようにして、ダイヤモンド・アイが出現した。

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『ダイヤモンド・アイ、よく来てくれた!』
『アイリングの光輝き、正義の者が予を必要とする時、予は必ず現れる!』

ダイヤモンド・アイは、ライコウを安全な場所に着地させてから、そう告げた。赤覆面たちは間髪を容れずに、崖の上からライコウとダイヤモンド・アイを狙って銃撃をしてきた。

『醜い亡者め、思い知らせてくれる!』

京子が捕まっている崖の上までジャンプしたダイヤモンド・アイは、陳と赤覆面たちに立ち向かって行く。大勢いる赤覆面達の後ろから、俺に任せろと言うように陳が現れて、必殺武器の手裏剣をダイヤモンド・アイへ投げた。だが、その二枚ともステッキで叩き割られたのを見て、陳は思わず口走る。

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(外道照身霊波光線は敵の正体を暴く)
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『バケモノめ!』
『お前の姿こそ、醜いバケモノと知れ!外道照身霊波光線!汝の正体見たり!前世魔人サタンバット!』
『えーい、バレタか!』

そして、戦いの中、京子を奪い返したダイヤモンド・アイは、大勢いる赤覆面の男達に次々と光線を浴びせて、正体を暴いていった。

『お前も、だ!・・・お前も、だ!』

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(牛頭人)
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(馬頭人)

光線を浴びた赤覆面の男達は、もがき苦しみながら牛頭人や馬頭人に変身していく。牛頭人や馬頭人をすべて倒し、火炎を吐くサタンバットの攻撃をしのいだダイヤモンド・アイは、ステッキの先端から撃ち出す必殺武器ロイヤルパンチでサタンバットを粉砕した。

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(必殺武器ロイヤルパンチ)

『甲太郎。これからも、より強い魔力を持って前世魔人どもがいる。心するのだぞ!また、会おう!』

魔人たちをすべて倒したダイヤモンド・アイの元へライコウと京子が走り寄っていくと、十分気をつけるように告げて、ダイヤモンド・アイは雲間へ消えていった。

空へ飛んで行くダイヤモンド・アイを目で追っていたライコウは、崖上を走って行く人影が視界に入った。それが大沢山剛造であることに気づくと、崖上の大沢山の後を走って追いかけた。崖の上にある建物の中へ入って行く大沢山を見て、ライコウも肩からぶつかるようにしてドアをブチ破り、中へ入った。

部屋の中には、背中を短剣でひと突きされた大沢山と思われる男が倒れていた。しばらくして、ライコウを追って走って来た京子が部屋へ入ってきた。そして、倒れている男を見て「お父さん!」と叫んだのだ。

『君は、大沢山の娘さんだったのか!』
『あなたが殺ったのね、人殺し!』

自分ではないと説明するライコウだが、京子は信じようとしない。怖くなって建物の外へ逃げた京子を、ライコウはすぐに追いかけた。その様子を草陰からジッと見ていた朱玉は、赤覆面の手下たちに二人の後を追わせ、一斉に手りゅう弾を投げさせた。
(終わり)


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