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快傑ライオン丸(48) [ライオン丸・ドラマ5]

今回は、第53話《悲しきタイガージョーの最期・前編》を取りあげます。

原作;うしおそうじ
脚本;田村多津夫
企画;うしおそうじ 別所孝治
音楽;小林亜星
殺陣;渡辺高光
監督;大塚莞爾

【前回までの話は・・・ゴースン八人衆という刺客たちをすべて撃破した獅子丸たち三人は、虎錠之介という力強い味方を得て、四人で力を合わせてゴースンを倒す決意を固めていた。そんな時に現れた六連発ライフル銃を操る怪人ゴンラッドは、強敵であった。だが、ライオン丸とタイガージョーのふたりが力を合わせて戦えば、難なく大樹をも倒せる力が出せることを、この怪人との戦いでふたりは知った・・・】

◆ゴースン八人衆の墓、その一つ一つに花を手向けている怪人がいた。だが、そのうちに、怪人は持っていた花束をちぎり捨て、ライオン丸とタイガージョーの名を大声で叫んで、怒りを露わにした。怪人ガンドドロである。

怪人はある川の近くまで歩いてくると、突然姿を消した。そこは、今ゴースンが拠点としている秘密基地への出入口であった。その地下基地には、かつてゴースン島にあった巨大神殿と同じものが築かれていた。ゴースンの巨大な口がパクパクと開閉して、ひざまずく怪人ガンドドロに指令を与える声が響いていた。

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『見たかガンドドロ、我が八人衆の変わり果てた姿を。憎むべきライオン丸と裏切り者タイガージョーのために、多くの力強い手下たちを失ってしまった。もはや頼みがいのあるのは、お前ひとり。奴らを見つけ出して、倒せ!都まであと一歩だ。都を叩きつぶせば、ワシの望みも叶うというもの。よいか、お前がゴースン最後の使者であることを忘れるな』

『都はもう目と鼻の先。ゴースンが姿を見せても、いいはずね』

沙織がこう話すように、錠之介を含めた四人は、ゴースンの本拠地がこの近くにあるのではないかと考えていた。

(ナレーション;都を襲うという大魔王ゴースン。そのウワサを信じて都近くまで来た獅子丸であったが、どうしたらゴースンに勝てるのか。その方策は、まだ無かった)

翌朝。四人は都へ通じる道から外れた裏道を進んで行く。すると、突然大勢のドクロ忍者たちによって四人は囲まれてしまう。その数、50以上はいるだろうか。戦いになり、多勢に無勢で手を焼く四人。そのうちの1人のドクロ忍者が飛び出してきて、小助を襲った。小助は斬られ、崖下へと転落してしまう。だが、獅子丸も沙織も戦うのが精一杯で、小助の状況にはまったく気付いていなかった。

ところが、残りが10人程になった時点で、ドクロ忍者たちは突然攻撃を中止すると、一斉に姿を消してしまった。居なくなった小助を探す獅子丸と沙織は、崖下に転落している小助を見つけるのだった。ふたりが転落場所へ着いた時、気を失っていた小助は気がつき、自分が斬られていないことに驚く。

『あの時、確かに斬られたと思ったのに・・・どうなってんだ?』

小助の話を聞いた獅子丸は、錠之介が姿を消していることから、1人で何かを探ろうとしてドクロ忍者の一団に紛れ込んだにちがいないと推測した。(錠之介!ゴースンはお前ひとりで倒せる相手じゃないぞ。早まるな、錠之介)獅子丸は心の中でそう思いながら、錠之介のこの行動が裏目に出ないことを祈った。

獅子丸の思った通り、錠之介はドクロ忍者の一団に紛れ込み、今秘密基地への出入口を目指して走っていた。(獅子丸よ、勘弁しろ。俺は必ずこの手でゴースンを倒す、そう誓ったんだ。それが、俺の生きる道なんだ)心の中でそうつぶやきながら、ドクロ忍者たちの後に付いて走っていくドクロ忍者姿の錠之介がいた。

その一団は河原のある地点で立ち止まると、全員が川に向かってひざまずいた。(都に近いこの河原に、一体何があるんだ?)すると、穏やかな流れの中にさざ波が立ち、逆さまのゴースン島が水面にくっきりと映った。(ゴースン!こんな所に潜んでいたのか!)ゴースンの声が、ドクロ忍者たちに指令を与えた。

『この大魔王ゴースンが、日本を支配する時が来た。あと数刻で攻撃の準備が、すべて整う。だが、その前に一つ、お前達にしてもらいたいことがある!』

一団に紛れ込んでいた錠之介は、すでに大魔王ゴースンに見破られていた。川の中のゴースン島から矢のような光線が放たれ、ひとりのドクロ忍者の額に突き刺さった。ドクロの仮面が割れる前に、そのドクロは素早く錠之介に姿を変えていた。光線が当たった錠之介の額からは、血が流れていた。

川に向かって並んでいた十人ほどのドクロ忍者たちはたちまち錠之介を取り囲んだが、彼らは錠之介の敵では無かった。すべて斬り倒したあと、水面に向かって錠之介は言った。

『ゴースン!姿を現せ!勝負だ!』
『身の程も知らぬ小童(こわっぱ)め!ガンドドロよ、思い知らせてやれ!』

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基地内に控えていたガンドドロは、水面からしぶきを上げて出現した。その名の通り、短銃を操るガンドドロの腕前は見事で、錠之介をかすめるように飛んで来る銃弾は、実は錠之介の動きを読んだガンドドロがわざと外しているのだ。

そして、錠之介が変身するため、「ゴースン・タイガー!」の掛け声と共に宙に跳んだところを、ガンドドロに狙い撃たれてしまう。錠之介は変身出来ずに地上に落下、正面にガンドドロ、裏にはドクロ忍者たちに囲まれて、身動きできずにいた。

その頃、獅子丸たちは、錠之介が戦っている場所の少し手前まで来ていた。殺気を感じた獅子丸は小助にヒカリ丸を呼ばせると、それに乗ってひとり先を急いだ。ガンドドロの短銃攻撃によって、錠之介は少しずつ追い詰められていった。だが、錠之介は空蝉(うつせみ)の術*で怪人を惑わせ、その隙に変身することに成功した。
*大木などに自分の服装を着させて、当人らしく見せることで相手の目を誤魔化す忍術

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『タイガージョー、推参!』

タイガージョーとなって力を得た錠之介は、まず相手の短銃を奪う策に出た。俊敏な動きで近づくと、ガンドドロの短銃を銀砂地の太刀の刀身で払い落とした。短銃を取りあげられたガンドドロだが、ベルトにある二本の短剣を抜いてタイガージョーに迫ってきた。ガンドドロは、二刀流短剣の使い手でもあったのだ。

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怪人の左右の手に持った短剣が、タイガージョーに襲いかかる。戦いの主導権を握ったタイガージョーが銀砂地の太刀を振りかざして討ち込むと、それを二本の短剣をクロスさせて受け止めたガンドドロ。タイガージョーが優勢な場面だが、ガンドドロの秘密兵器がここで登場する。怪人が頭から被っている毛皮から伸びた腕が、第三の手となってタイガージョーの右足に鋭い爪を立てた。
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痛みのためにとっさに身を引いたタイガージョーに、ガンドドロは頭から被った毛皮を投げつけた。すると、それは生き物のようにタイガージョーの背後にからみつくと、首をグイグイと絞め上げるのだった。

『ハハハハハ。ゴースン忍法地獄締め!骨まで砕けろ!』
『俺はゴースンを倒すまで・・・絶対に死なぬ!』
(つづく)


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