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快傑ライオン丸(49) [ライオン丸・ドラマ5]

今回は、第53話《悲しきタイガージョーの最期・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・大魔王ゴースンが京の都を襲うと言うウワサを聞き、都近くまでやって来た獅子丸たち三人と錠之介は、突然ドクロ忍者の集団に襲撃される。だが、それを逆手にとって一団に紛れ込んだ錠之介は、ひとりでゴースンを倒そうと秘密基地への潜入を試みるのだった。しかし、錠之介は潜入直前に発見され、ゴースン魔人最後の一人・ガンドドロの攻撃を受けてピンチに立たされていた・・・】

◆『タイガージョー、お前の命はもらった!』

ガンドドロの被っていた毛皮が生き物のように背後からタイガージョーを襲い、身動きが出来ない。四本足のその猛獣の毛皮は、前足で首を、後足で両脚を締め上げて、タイガージョーの動きを完全に封じた。地面に倒れ込んだタイガージョーの上に怪人はまたがり、二本の短剣の鋭い刃先をタイガージョーののど元へ突き刺そうとしていた。

『覚悟はいいか!』

もはやタイガージョーの命は、風前の灯である。だがその時、崖の上からヒカリ丸に乗った獅子丸が現れ、怪人に向かって叫んだ。

『待て、怪人!』
『うっ?・・・おのれ、獅子丸!』

振り向いたガンドドロは、そこに獅子丸の姿を見つけると、ライオン丸の急襲に備えてタイガージョーを締め上げていた生きた毛皮を吸い寄せるように自身の頭上に収めた。獅子丸は崖の上からムササビのように滑空して「忍法獅子変化」を遂げると、ライオン丸となってガンドドロの眼前に立った。

『ライオン丸、見参!』

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一方、毛皮の縛りから解放されて身体が自由になったタイガージョーは、素早く起き上がると、怪人をはさむようにしてライオン丸とは反対の位置に立った。そして、ふたりは宙高く跳び上がると、ライオン飛行斬りとタイガー隼(ハヤブサ)斬りでガンドドロにとどめを刺しに行った。

だが、ふたりの剣でもガンドドロを倒すまでには至らず、深傷を負った怪人は「今日は引き分けということにしておく」と言って、さりげなくライオン丸とタイガージョーのマントに触れて逃げ去ったのだ。

逃げる怪人の後を追おうとするタイガージョーの後ろ姿を見て、ライオン丸は付着しているモノに気付いた。マントに付いているのは、猛獣の爪型爆弾だ。互いに相手のマントにそれが付いていることに気づいた両雄は、自分のマントから爆弾を払い落として事なきを得るのだった。

ゴースンを倒すために力を合わせようと誓った四人は、昨夜の小屋にふたたび集まっていた。獅子丸は、1人で忍び活動をした錠之介を責めるようなことはしない。その成果を錠之介に訊ねた。

『ゴースンは?』
『いた・・・』
『お前ひとりで、やろうと思ったのか?』
『・・・ゴースンは、俺が倒す!』

錠之介の、ゴースンへのむき出しの敵意は解かる。だが、1人で倒せる相手ではないと、獅子丸は言いたかった。だが、そうは言わず、腹ごしらえをしたあとに、錠之介の情報を基に四人でゴースンを探す提案を獅子丸はするのだった。

食事の用意をするために、沙織と小助は小屋を出た。だが、二人はその途中で怪人のワナにかかり、仕掛けられた網に捕らえられてしまう。ワナにかかったのが沙織と小助のふたりだけだったことに怪人はガッカリしたが、仕方なく1人ずつ大木に縛り付けておいた。

しばらくして、ガンドドロは獅子丸をおびき寄せるために、小助の縄を解いて笛を吹かせることを思い着く。言うことを聞かない小助に、怪人は沙織の顔に刃物をちらつかせて、命との交換を迫るのだった。

そんなことになっているとは知らず、錠之介も小屋を出て行こうとする。それを見た獅子丸は、錠之介に「行くのはよせ」とは言わずに、「無理するなよ」と言って静観するのだった。止めても言うことを聞かないことを、獅子丸は知っているからだ。錠之介は微かにほほ笑みを残して、小屋を出て行った。

錠之介は、秘密基地の入口がある河原へと走った。だが、ゴースン基地は川の中にはもう無かった。都に程近い場所へ、それは移動をしていた。巨大な岩山のゴースン基地が、突如として都に近い場所に出現していた。遠くに見える岩山のようなゴースン基地まで錠之介はひた走ると、近くで止まって叫んだ。

『ゴースン、姿を現わせ!』

すると岩山が崩れ出して、中から巨大身変化を遂げたゴースンが錠之介の眼前に現れたのだ。錠之介はタイガージョーに変身すると、巨大ゴースンと対峙した。それはまるでアリがゾウと向き合っているがごとく、体格には大きな差があった。だが、タイガージョーはひるむことなく宙高く跳ぶと、銀砂地の太刀をゴースンの胸の紋様めがけて突き立てて、一直線に向かって飛んだ。

『ゴースン、勝負だ!』

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だが、巨大なゴースンの手に捕まれ、払いのけられて、タイガージョーは地面に叩きつけられてしまう。そして、必殺武器ゴースンサンダーが、タイガージョーの眼帯をしていない方の目に突き刺さった。

『目が・・・目が』

タイガージョーはこれで視力を失ってしまったが、その鋭い動物的な勘でゴースンの居場所を探り、もう一度ゴースンの弱点と言われる胸の紋様に銀砂地の太刀を突きたてようと飛びあがった。だが、ゴースンサンダーが再びタイガージョーを襲い、激しく弾き飛ばされて地面に叩きつけられてしまう。そして今度は、よりによって沙織と小助を捕えているガンドドロのいるあたりへ落下してしまったのだ。

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『ガンドドロよ。裏切り者タイガージョーを殺せ!』
『はっ!』

ゴースンの指令が、ガンドドロへ下った。ガンドドロの銃が、視力を失ったタイガージョーを狙う。ガンドドロは一発目の弾丸をわざと外して、倒れているタイガージョーのすぐ近くに撃った。死への恐怖をあおるためだ。

すると、沙織と目と目で合図した小助は、さっきまで抵抗して吹かなかった笛を吹いた。これによって、獅子丸を乗せた天馬ヒカリ丸がここ(つまり小助のもと)へやって来るのだ。ガンドドロは急いで小助の首を絞め上げたが、もう遅い。獅子丸がやって来る前に、怪人はタイガージョーにとどめを刺すつもりだ。

二発目の弾丸はタイガージョーの剣に当たり、弾かれた。だが、三発目がジョーの左太ももを貫通した。

『フフフフ。楽しみながら、あの世へ送ってやるぜ!』
『ゴースンを倒すまでは、死にたくない・・・』

太刀を杖のように使いながら必死に立ち上がるタイガージョーへ、四発目が右腕に、五発目が左腕に命中した。苦痛と出血でタイガージョーはもう立っていられないほどだったが、最後の力を振り絞ってジャンプすると、自分のマントを怪人にフワリとかぶせて視界を遮り、その上から銀砂地の太刀を怪人の頭部めがけて突き刺した。大木に縛られている沙織と小助がそれを見て、思わず「やった!」と大声をあげた。

フラフラになりながらもタイガージョーは太刀を抜いてからマントを拾って背に羽織ると、同時にうつ伏せに倒れていた怪人が勢いよく起き上がったのだ。怪人は無傷であった。カメが甲羅に首を引っ込めるように、頭部に太刀が突き刺さるより一瞬速く体を下へずらした怪人は、攻撃をかわしていた。立ち上がった怪人は、吠えた。

『ハハハハハ、しぶとい奴め。とどめは、額にくれてやるわ!』

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カシャッという弾丸を装填する音がして、バーンと発射音がすると、タイガージョーの額が血で赤く染まり、身体は反動で大きく後方へ反りかえって仰向けに倒れた。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
再び体調不良により、再開に時間がかかりました。
またよろしくお願いします。



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