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仮面ライダーストロンガー11 [ライダーストロンガー・ドラマ1]

第30話《さようならタックル!最後の活躍(後編)》
原作;石ノ森章太郎
脚本;鈴木生朗
企画;平山 亨 阿部征司
技斗;岡田 勝
監督;山崎大助

〖ドクターケイト〗
〖ドクロ少佐〗  登場


【前回までの話は・・・ ドクターケイトのアジトにいけにえのために集められた子供たちを助けるため、エネルギーを使い果たしてしまったストロンガー。戦えない城茂に代わり、岬ユリ子と藤兵衛がドクターケイトに立ち向かうが、ケイトの猛毒を浴びてしまったユリ子の命は、あと数時間しかもたない】

◆逃げるドクターケイトの後を追っていたストロンガーは、ケイトの姿を見失ってしまう。新たなる敵・ドクロ少佐は、ジェネラルシャドウとの密談でドクターケイトに力を貸すことを承知した。

松明(たいまつ)攻撃でストロンガーに敗戦したドクターケイトは、別のアジトに戻って身体を癒していたが、そこへドクロ少佐が現れ、共同戦線を張るよう申し入れた。

『手柄を山分けということにすれば、悪い話ではあるまい?』
『余計なお世話さ!』
手柄を独り占めしたいドクターケイトは、素直に応じようとはしなかった。

ほんの一時、やすらぎの時間が流れていた。藤兵衛はたき木を取りに行き、身体の自由が利かなくなってきているユリ子は岩場で火を起こして湯を沸かし、コーヒー作って城茂の帰りを河原で待っていた。

『コーヒーが入ったわ、飲む?』
『へえっ!ユリ子とは長い付き合いだけど、コーヒーなんか入れてもらったのは、初めてだぜ!』

コーヒーカップをつかむと、うれしそうに茂は笑った。

『ねぇ茂。いつか悪い怪人達がいなくなって世の中が平和になったら・・・ふたりでどこか遠い美しい所へ行きたいわ・・・』
『いいねぇ、俺も行きたいよ!』

『ホントに約束してくれる?』
『ああ、約束だ!』
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茂は遠くを見ながら、うまそうにコーヒーを飲んで、そう断言するのだった。背を向けた茂の姿を見ながら、その時ユリ子が涙を流していたことを、この男は知らない。そこへ、藤兵衛がたき木を持って戻ってきた。

ふたりの会話を聞いていた藤兵衛は、がっくりと肩を落として動かない。たき木が岩とぶつかる音で藤兵衛が戻ったことに気付いた茂は、藤兵衛の様子をみて不審に思った。

『おやっさん!なに湿っぽい顏してるんだ?』
『たき木が湿ってるから、煙くてしようがねぇや!』

涙を見られまいとして煙のせいにしようとする藤兵衛は、左腕で顔を拭った。
『おやっさん、うまいコーヒーがあるんだ!今日は珍しいことが起こってね!』

そう言うと、うれしそうにユリ子の方を見た茂。しかし、茂はそこに何かをみて急に真顔になった。ユリ子を見てからコーヒーを見て、何かを感じた茂。

だが次の瞬間、コーヒーの茶色い水にドクロ少佐の姿が映った。城茂の背後の崖の上で、不気味な笑い声をあげる不気味な姿のドクロ少佐が大かまを持って立っている。城茂は、ふたりに敵の来襲を伝え、三人は戦闘態勢に入った。

『来い!城茂!』
大きくジャンプしたドクロ少佐は洞窟へと入り、城茂を呼び寄せるのであった。それを追いかけていく城茂。

一方、河原では、藤兵衛と衰弱しているユリ子が、懸命に戦闘員と戦っていた。ユリ子の身体を気遣う藤兵衛は戦闘員に体当たりして、ユリ子を助けだすのだった。戦い続けようとするユリ子を、藤兵衛は止めた。
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『止めろ。今の身体じゃ、無理だ!』
『茂のために、食い止めなくっちゃ!』

藤兵衛の前でユリ子はタックルに変身すると、死を覚悟で最後の戦いに臨む。だが、もう足元がおぼつかない。度々転んで、倒れるタックル。そこに、ドクターケイトが現れた。

『今度こそ、お前の最期だ。覚悟をおし!』

一方、洞窟に誘い込まれたストロンガーは、鬼火になったりドクロになったりして変幻自在のドクロ少佐と、戦っていた。
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火に弱いドクターケイトに松明で立ち向かうタックルの姿を洞窟の隙間から見たストロンガーは、ドクロ少佐を捨て置き、タックルに加勢する。

『タックル、無理するんじゃない!』
『私は、大丈夫!』

ドクターケイトはフラフラになったタックルを盾にしてストロンガーの攻撃を防ぐと、自分の頭部から真っ赤なケイトガスを噴き出した。これを吸ったら、体がしびれて動かなくなってしまう。どうする?ストロンガー!
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『このままでは、ストロンガーがやられてしまう。よーし!』
タックルは、覚悟を決めた。後ろからケイトに飛びかかって張り付くと、身体を密着させたままケイトを放り投げる大技を出した。

『ウルトラサイクロン!』
『止めろ、タックル!止めるんだ!』

ドクターケイトは何もできずに地面に叩きつけられ、大爆発して散った。
『なぜ・・・ウルトラサイクロンを使ったんだ!!』

【ナレーション】ウルトラサイクロンとは、タックルにとって最後に残された攻撃手段であった。相手と共に自分の命も捨てる。文字通り捨て身の攻撃を、タックルは使ったのだ。

立花藤兵衛は急いで走り寄っていくと、岬ユリ子を抱き上げた。
『(藤兵衛)ユリ子、なぜだ?なぜあんなことをやったんだ!』
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ユリ子は、何か話そうとしていた。クチビルが何かを語ろうとしていたが、声にならない。目をあけたまま、ユリ子は息絶えた。その両眼を黒い手袋が覆い、茂はユリ子の顏を撫でるようにして両まぶたを閉じた。そして、涙を流してユリ子に詫びる茂。

『ユリ子、すまん・・・俺に力が足りなかった』
立花藤兵衛は、ユリ子の気持ちを知っていた。自分の命が尽きようとしている今、愛する人の為に少しでも多くの敵を倒す。勇敢な女性戦士タックル、岬ユリ子の心を。
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【ナレーション】束の間の青春をストロンガーの協力者として人類の敵との戦いに捧げ、はかなく散っていったタックル、岬ユリ子。限りない悲しみと怒りを胸に、茂は今こそデルザー軍団に対する復讐を固く心に誓うのだった。(終わり)


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しあわせは、自分の身近にある(いる)ものである。



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