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仮面ライダーX(10) [Xライダー・ドラマ1]

今回は、第28話《見よ!Xライダーの大変身・後編》を取りあげます。


【前回までの話は・・・ 科学者ばかり13人が変死するという事件が発生中に、野中陽一郎博士の娘と友人関係にあるチコとマコが、博士の別荘に遊びに行ってしまう。悪い予感がした神敬介が駆けつけてみると、怪人クモナポレオンにチコたちが襲われている場面に遭遇する。敬介は怪人を追ってXライダーに変身したが、相手の術中にハマり、Xライダーは敗北する。その危機を救ったのは、ライダーV3であった・・・】

◆GODの怪人クモナポレオンに、Xライダーは敗北した。クモナポレオンが自由に操るクモの糸は、Xライダーの身体にまとわりついた瞬間からエネルギーを吸収していた。そうとは知らずに戦っていたXライダーは反撃する力を失い、敗れたのだ。風見志郎は、神敬介を立花藤兵衛のもとへ運んだ。だが、彼は意識が無く重体であった。

『おやっさん、敬介をすぐに手術しないと。クモナポレオンに勝つには、マーキュリーパワーしかない!』
『マーキュリーパワー?・・・』

【ナレーション】 必殺技・真空地獄車を生み出すための新しいパワー、それがマーキュリーパワーである。それを生み出すためには、マーキュリー回路を身体にセットしなければならない。と同時に、全血液の交換が必要なのだ。

風見志郎は藤兵衛の部屋を借りて、神敬介にマーキュリー回路をセットするために最低限必要な設備を用意した。意識の無い神敬介をベッドに寝かせると、まず風見志郎は、自分の血液を彼に輸血することから始めた。

その頃、GODのアジトでは、野中博士の妻から奪ったRS回路の設計図を渡すため、クモナポレオンがキングダークに目通りをしていた。ところがキングダークは設計図をひと目見て、それがニセモノであることを見破ってしまう。

「お前は騙されたのだ」 キングダークに一喝されたクモナポレオンは、考えていた。あの時イタル少年が何か言ったが、それをさえぎって野中の妻が出してきたのがこの設計図だ。これで、イタル少年が本物の設計図を持っていることが分ってしまった。

一方、敬介の手術は、輸血に時間がかかっていた。もし今何か事件が起こっても、志郎はここを動くことが出来ない。そこへ藤兵衛がやって来た。藤兵衛の表情から、緊急の用件らしい。

『たいへんだ!イタル君が、GODに捕まったぞ!イタル君の腕時計の中に、設計図が隠されていたんだ!』
『(ビックリして)しかし設計図は、確か・・・』
『あれは、ニセモノだ!・・・志郎、敬介のこと、頼んだぞ!』

藤兵衛は志郎の様子を見て、自分が動くしかないと判断した。イタル少年を誘拐した車の後を密かに追跡して、アジトを探ることにした藤兵衛。だが尾行がバレてしまい、GODに捕らえられてしまった。

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輸血を終えた志郎は、体力を消耗していた。だが、早く敬介に手術を施さなければ、敬介の命が危ない。倒れそうな程に疲労している志郎は、敬介の胸部をメスで切り開くと、肉の部分をめくり上げ、その下にある鋼鉄の皮膚をさらに開けると、用意しておいたマーキュリー回路をセットした。

切開した胸部を閉じて手術を終えた志郎は、次に敬介の身体に電気ショックを与える為の準備をした。頭部にかぶせたヘルメットから伸びたコードは、電源設備に直結している。

かつて、風見志郎がデストロンに襲われて瀕死の重傷を負った時、改造手術を終えたライダー1号と2号のパワーを最後にもらってV3が誕生したように、志郎は手術を終えた瀕死の敬介の身体に、最後の仕上げとして電気パワーを与えて意識を回復させるつもりであった。

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だが、何の間違いがあったのか、電源を入れた電気設備の一つが小爆発をおこした。調整をし直して再度電源を入れた志郎は、続けて複数の機器が小爆発するのを見て焦ってしまう。

一方、アジトへ連れて来られたイタル少年はベッドに寝かされ、巨大な電気ノコギリの回転音におびえていた。クモナポレオンは、回転ノコギリを少しずつイタル少年に近づけていく。

『小僧、設計図はどこに隠した?言え!』
『言うもんか!パパと約束したんだ!』

その横では、追跡に失敗して捕らえられた立花藤兵衛が、両手をクサリで吊られて大の字に立たされていた。目の前で子供が八つ裂きにされようとしている光景に、藤兵衛は思わず大声で叫んだ。

『敬介は、何をしているんだ!早く来てくれ敬介!』

その頃、風見志郎はバイクに乗って、GODのアジトへ向かっていた。手術は失敗して、敬介の意識を回復させることはできなかった。罪の無い少年が怪人に連れ去られて、それを放っておくわけにはいかない。志郎はバイクに乗ったままV3に変身すると、ハリケーン号でGODのアジトを急襲した。

ハリケーン号でアジトへ突っ込んだV3は、イタル少年と藤兵衛を無事に救出した。藤兵衛にイタル少年を任せ、V3は逃げていくクモナポレオンを追っていく。だが、クモナポレオンには、ふたりの再生怪人が付き従っていた。

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輸血で体力を消耗しているV3に、3体の怪人を相手にする力は残っていない。とうとうクモナポレオンの巨大クモの糸に捕らわれて、V3は身動きができなくなってしまう。

『どうだV3、動けまい。お前もXライダーの二の舞だ!』
『待て!』
『生きていたか、神敬介!』
『オレは、以前のオレじゃない。行くぞ!クモナポレオン!』

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神敬介は、変身の道具であるレッドアイザーとパーフェクターを使わず、「大変身」と叫んで空へジャンプした。変身した姿は今までと変わらないが、火山が大爆発したイメージのエネルギーの放出が、Xライダーの背後で起こっていた。マーキュリー回路が作動して、身体能力が以前の3倍にアップした新しいXライダーの誕生だ。

新必殺技・真空地獄車が火を噴き、クモナポレオンは地面に叩きつけられて、爆死してしまった。真空地獄車とは、柔道のように相手と組み合い、そのまま巴投げのようにして大地を高速回転しながら敵の頭を地面に叩きつけて戦闘力を失わせ、そのあと相手をつかんだまま空中へ飛び上がって、大地へ頭から激突させる。そして最後に、Xキックで勝負を決める新しい技である。

これで、4枚目の設計図は神敬介の手に入った。パワーアップしたXライダーは、キングダークの野望を打ち砕くことが出来るだろうか。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
実は、この28話の1回前つまり27話で、時間稼ぎのような内容の話が展開している。仮面ライダー1号からV3までがどのようにして生まれたかを、立花藤兵衛が筋を追って子供たちに話をするという内容だ。だが怪人が現れ、子供たちに混じって隅で話を聞いていた風見志郎が、怪人達をやっつけるという展開だ。このことで、風見志郎が28話に出てくる必然性が、出来上がったというわけである。



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