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ダイヤモンド◇アイ(8) [ダイヤモンドアイ・ドラマ1]

今回は、第4話《挫けるなライコウ / 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・竜神代議士は朱玉に暗殺され、ハリケーン作戦は源海龍の思惑通りに進行している。だが源海龍は、ハリケーン作戦の遂行に邪魔な雷甲太郎を、まず抹殺するよう朱玉に命じた。朱玉はプレゼント爆弾を使い、新手の殺し屋マシンガンのジョーは銃撃でライコウを狙ったが、いずれも失敗した・・・】

◆警視庁を出たライコウ、カボ子、五郎の三人は二手に分かれ、行動する。警部のいう「大物」探しを、ライコウはカボ子と五郎に依頼した。大沢山・竜神・西沢の三人が共通に関係している組織を探りだせば、その組織のボスこそが問題の「大物」に違いないとライコウは考えた。そして、ライコウは大沢山の行方を調べるために、娘・京子の所へとバイクで向かう。だが、三人のその話は、朱玉とマシンガンのジョーに聞かれていた。

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連絡を受けた朱玉の手下たちは道路工事の作業員に化けると、「迂回願います」という看板を道路に立て、ライコウのバイクを行き止まりへと誘導する。しばらく走行するうちに砂利道になり、おかしいな?と疑問に思いながら、ライコウはバイクを走らせていた。そこへいきなりバイクを狙ってマシンガンで銃撃され、驚いたライコウはバイクを転倒させてしまう。走り寄って来るたくさんの赤覆面たちに、ライコウはたちまち取り囲まれてしまった。

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だが、ライコウはすぐに態勢を立て直すと、得意の蹴りとパンチを繰り出して赤覆面たちを次々に倒していく。業を煮やしたジョーはマシンガンをぶっ放すが、ライコウは銃弾を避けながらジョーに近づき、ジョーのマシンガンを蹴り上げた。マシンガンを失ったジョーはライコウと1対1の殴り合いになり、ジョーは叩きのめされてしまう。ジョーを置き去りにしたままバイクにまたがったライコウは、京子のいる大沢山邸へと急ぐのだった。

その頃、大沢山邸には、大沢山剛造が身を隠す準備のために立ち寄っていた。

『新しい事業の準備のためだ、我慢してくれ京子』
『ウソ!お父さんは、悪い人だわ・・・』

ライコウと会ったことで、京子は父の正体をうすうす感じていた。だが、そんな父でも、京子には親を売るような事は出来ない。京子は、ライコウがもうすぐこの家を訪ねてくることを父に告げると、裏口に止めてある自分のスポーツカーで逃げるよう進言するのだった。

そんな時、電話のベルが鳴った。大沢山が電話を取ると、相手はダン会長であった。財産を現金に変えたことや敵が迫っている状況を大沢山が説明すると、ダン会長はあの優しい声で、手配はできているからすぐに自分の所へ来るようにと告げた。だが、電話の向こうでは、大沢山とライコウを一度に片づける計画を思い描いて、ダン会長はニヤリと笑っていた。

ライコウは、大沢山邸の玄関ベルを鳴らした。だが、電話であれほど父のことを知りたがっていた京子がなかなか現れないので、ライコウは不審に思った。裏口へ回ったライコウは、駐車場に黒い社用車が止まっているのを見つける。「大沢山がいるに違いない」そう思ったライコウがジッと見張っていると、案の定、大きなスーツケースを抱えた大沢山が裏口に姿を現し、社用車ではなく赤いスポーツカーに乗って邸宅を出ていった。ライコウは、赤いスポーツカーを尾行した。

同じ頃、カボ子と五郎は、ライコウに言われた問題の組織を見つけ出していた。

『これよ、きっと。竜神や大沢山の名前も載っているわ!アジアの資源を調べる会か!』

大沢山の乗ったスポーツカーを追って、ライコウが着いた場所は「アジアの資源を調べる会」の本部ビルであった。音を立てないように、ライコウは静かにビルの階段を上がって行く。会長室と書かれたドアをそぉーっと開けようとして、先にドアが開いてバランスを崩しながら中へ入ったライコウ。そこには、大沢山が銃口を向けて立っていた。

『入り給え。キミが尾行してくるのは、計算済みだ』
『大沢山!殺しの罪まで、犯すつもりなのか』
『いや。人殺しは初めてなので自信は無いが、専門家がいるのでね』

大沢山がそう言うと、大沢山の後ろから白髪でサングラスをかけた紳士が、パイプをくわえながら扉を開けて入って来た。

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(大沢山はダン会長にライコウの処置を頼むが・・・)

『ダン会長、あとはよろしく・・・』
『待ちたまえ・・・キミも、ここでこの青年と一緒にあの世へ行ってもらう!』
『会長!それでは約束が・・・』

ダン会長はそう言うと、右手の拳銃を大沢山へ向けた。目を丸くして驚く大沢山の目の前でダン会長は左手で顔を隠し、一瞬にしてその顔は源海龍に変わった。

『あっ、源海龍!・・・貴様、よくも!』

大沢山は驚き、絶句する。ライコウも驚く。箱根の大沢山の別荘で見た、あの男だ。怒った大沢山が自分の持つ拳銃を源海龍に向ける間もなく、ジョーのマシンガンが大沢山をハチの巣にしてしまった。次に狙われるライコウは、その隙に隣の部屋へ続くドアのガラス戸に頭から飛びこんだ。その部屋は薄暗い物置部屋で、使わない椅子や机、段ボール箱などが所狭しと置いてある。それらがバリケードとなって、ライコウを銃撃から守ってくれる。

だが、源海龍とマシンガンのジョーがすぐに現れ、続いて部下の赤覆面達がその部屋へなだれ込んできた。ジョーが、見境無くマシンガンをぶっ放す。銃撃が止むと、赤覆面達が隠れているライコウを捕えようと探し始めた。狭い部屋なのであっという間に見つかり、キックやパンチで応戦していたライコウだが、マシンガンの銃口を向けられて、万事休す。硬い銃で殴られ、床へ倒れるライコウ。とどめを刺そうと銃口を定めるジョー。引き金に指をかけたジョーを見て、ライコウはダイヤモンド・アイに助けを求めた。

『アイよーっ!』

ダイヤモンド・アイは、左手のアイリングを光にかざして呼ばなければ現れない。この物置部屋の薄明かりでは、光が足りないのだ。ライコウ、最大のピンチ!光はどこだ!周りを見回すライコウの目に入ったのは、部屋の隅にある非常灯の小さな明かりだ。一か八か、ライコウはその明かりを求めて、ジョーのマシンガンを右足で蹴り飛ばした。間一髪、銃弾は天井に向けられて発射、と同時にマシンガンは薄暗い闇の中へすっ飛んで見えなくなった。

薄明りの部屋の中で赤覆面やジョーと乱闘になりながら、ライコウは非常灯の下へジリジリと進んで行く。そして、腕を伸ばして非常灯の灯りの真下にリングをかざすと、叫んだ。

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『アイよーっ!』
『わが名は、ダイヤモンド・アイ!汝らの悪を見届けた!外道照身霊波光線!』

ダイヤモンド・アイの目から発射された青い光線がマシンガンのジョーに当たり、ジョーは正体を現した。

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『正体見たり!前世魔人ケラリン!』
『やや、バーレーターカー!』
『お前も、だ!お前も!お前も!』

赤覆面達は、次々と馬頭人や牛頭人へ変化(へんげ)していく。アイの青い光線は、逃げようとする源海龍にも当てられた。

『バーレータカー!』
『キングコブラ!今日こそ汝と、正邪の決着をつけようぞ!』
『ほざくな!アイを殺せ!』

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(闇の怨霊世界へ逃げ込むキングコブラ)

牛頭人や馬頭人たちがキングコブラを守ろうとして、壁のように立ちはだかる。その間に、キングコブラはタイムトンネルのような空間を作ると、闇の怨霊世界へと逃げ去ってしまった。あとに残った前世魔人ケラリンが、強力な握力と鉄の爪を武器にアイを絞め殺そうと向かってきた。

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(ロイヤルパンチでケラリンを一撃)

背後から覆いかぶさるように両腕の鉄の爪で襲いかかるケラリンを、アイは背負い投げのようにして投げた。投げられ勢いのついたまま、ケラリンは窓ガラスを突き破って空へ飛んで行く。そのあとを追うようにアイのステッキから必殺ロイヤルパンチが発射され、ケラリンは空中で大爆発した。ステッキの先端から発射されるステッキ光線で、残る馬頭人・牛頭人どもはすべて消滅した。

『挫けるな、甲太郎。この世の正義のために、献身するのだぞ。また会おう!』

アイが空へ帰った後、カボ子達の通報で海藤警部と石田刑事以下、警察がこのビルに踏み込んできた。海藤警部はライコウの顔を見るなり、一発殴った。

『生きとったのか、このバカめ!・・・甲太郎!命だけは大事にするんだ!もうこれ以上、息子は死なせたくない・・・』

海藤警部は涙声になってこう言うと、ライコウの頭を髪の毛がクシャクシャになるほど二度三度と撫でるのだった。ライコウは決して忘れないだろう、警部の思いが込められたこぶしの一発を。そして、源海龍一味を必ず追い詰めて、その悪事を叩きつぶすことへの闘志をさらに燃え上がらせていた。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
海藤警部役は、玉川良一氏である。1992年に67才で死去している。筆者が小学生の頃にご活躍され、ほとんど覚えてないが、お笑い番組に出演していたように思う。「おれだよ、玉川良一だよ」という決まり文句を、なぜだか覚えている。



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