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01インタビュー(2) ~ヒーローを一度やってしまうと生涯離れられないとおもうんです【後編】 [ゼロワン対談]

池田駿介氏は書籍『キカイダー賛歌』を伴大介氏と共著・出版することになり、石ノ森章太郎氏の所へ挨拶に行ったときに、原作とテレビとで主人公イチローの性格が全く違ってしまったことについて、自分の役づくりの至らなさを深くお詫びしたという。

だが石ノ森氏は、『TV作品のキャラクターは役者の個性が生かされてこそ。池田君のイチローは良かった』と答えて、思わず池田氏は涙してしまったという。

石ノ森氏は、テレビは小さい子供達も見るが漫画はもう少し年長者が見るものというしっかりした違いを意識していたため、原作漫画とテレビ作品が違うものであることを、自覚していたわけである。

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(前回からつづき)
司会;
「石ノ森先生自らの考案だから、原作漫画とイメージが同じなんですね」

池田氏;
「でもボクは、原作はほとんど知らなかったんですよ、パラパラっと読んだ程度なんで。ボクは自分の中のイメージで、ヒーローはカッコよく清潔で、誰にでも親しめるお兄ちゃんっていうイメージしか無いわけですよ(微笑)。まして伴大介=ジローがいますからね、似ないような明るいものをやろうと、自分の中のイチロー像を創って。

月光仮面とか鞍馬天狗の、鞍馬天狗のポーズっていうんですか、危機一髪の時に白馬にまたがってやって来ますよね。拳銃持って覆面して。あの覆面っていうのは、ヘルメットだと思ったんですよ。白馬はダブルマシーンで。拳銃は、・・・・武器としてはトランペットだと思いますよ。

鞍馬天狗の悪への威嚇はウマのヒヅメですよね、『パカパカパカパカ』 『お、来たか』っていうね。ボクはトランペットの音で、悪を威嚇してね。ヒーローは高い所から出てくる。鞍馬天狗が馬上から悪を見下ろすようにね、あのパターンはそういう所をなぞらえて。

監督の永野さんにもお話したら、永野さんは『非常のライセンス』でもお付き合いがありましたし、天知さんとも仲がよく、天知プロの相談役みたいなもんだったんですよ。

最初の登場シーンをどうするかって相談受けたときに、『悪のある所、必ず現れ・・・』という所でトランペットをどういう風に持つかとか、永野さんがあのスタイルを創ってくれたんです。

『後ろを向いてやろうよ』って。それでトランペットを背にして、『正義の戦士キカイダーゼロワンッ』の所で振り返るっていう。そこは全く時代劇の見栄切りか、その辺のものを頂いたっていう感じでしたね」

司会;
「ご自身の中で、『キカイダー01』はどのような位置づけですか」

池田氏;
「ヒーローを1回やってしまうと、これは生涯離れられないと思うんですよね。自分が関係ないって言っても、死ぬまで南隊員、キカイダー01のイチローは、ボクから生涯離れないと思うんですよ。プラスの面もいっぱいありましたよ。ビジネスやるにしても、南隊員だって言えば、信用度が違う。

ゼロワンだって言えば、そこから入っていけるわけですから、他の人より得したところもあるわけです。だけどマイナスの面もあるわけです。

モデルをやってるから、最初からイチローや南隊員のイメージで買ってくれる人は良いですけども、コマーシャルのスポンサーに会いに行くと、『子供番組のイメージ』が連動してキャンセルになることも随分ある。だから良い事ばかりじゃないです。

この歳になると、今までやってきた事、30年前にやってきたことで全国にファンが出来る。そういうタレントは、いっぱいいると思うんですよ。東映で同期の小林稔侍なんかも、ヒーロー番組に憧れていたんですよ。

でもやりたくても出来なかった。もう時効だから良いと思うけど、実は彼、『ジャイアントロボ』の隊員役が決まってたんですよ。

報告に来てくれて、ボクも『よかったなぁ』って。そしたら土壇場でNGになって。でも彼の俳優人生からしてみれば、それがよかった。

あれに出ていれば、今の小林稔侍があったかどうか。少なくても違う存在にはなっていたような気はしますね。本当に人それぞれだなって。ボクの場合は、『キカイダー01』に出て、本当に良かったと思ってます」  (終わり)


特撮ファミリー・1関連記事;http://ztonbaltan.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306161652-1
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このあと池田駿介氏は、ファンへのメッセージの中でこんなことを述べている。
『イベントで本ッ当~~に幸せを感じたんですよ。感動はお金に代えられないものだと。やっぱりこれが自分の運命だったと。やっててホントによかったと、心からそう思いましたね』
ハワイのイベントに出演した翌日に、朝早くワイキキビーチを歩きながら、つくづくそう思ったという。芸は身を助けるというが、若い頃に演じたヒーロー役という芸が、数十年の時を経てハワイで再燃・再評価された。演者にとって、これほど嬉しいことはないだろう。まさに『ヒーローは不滅』である。




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