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仮面ライダーX(14) [Xライダー・ドラマ2]

今回は、第34話《恐怖の武器が三人ライダーを狙う!・後編》を取りあげます。


【前回までの話は・・・ RS装置の設計図最後の一枚を持つアマミヤ博士が、香港経由で来日するという情報が入った。だが、情報は洩れ、GOD悪人軍団のタイガーネロが香港に現れ、アマミヤ博士を襲って設計図を奪ってしまう。タイガーネロの仕掛けたワナにハマった敬介は、処刑されようとしていた。敬介の命と交換に、藤兵衛は手元にある7枚の設計図を差し出してしまう。だが、交換現場にV3が現れて・・・】

◆7枚の設計図を藤兵衛から奪ったタイガーネロは、卑怯にも敬介の処刑を死刑執行者に指示した。敬介の首に再びロープがかけられ、死刑執行者が敬介を突き落そうとしたその時、ライダーV3が死刑執行者に向けて投げた石が当たった。死刑執行者はバランスを崩して地上へ落下していき、敬介は窮地を脱した。

V3は捕まっていた立花藤兵衛を救出すると、藤兵衛に敬介の救助を任せ、自分はタイガーネロに挑んでいった。藤兵衛はハシゴ段を上り、タワーの最上階にいる敬介の元へ着いた。目隠しを取り、首に巻かれたロープを外した藤兵衛だが、後ろ手に縛られたクサリは道具が無ければ藤兵衛には外せない。

『おやっさん!クサリが外れないと、変身できない!』(敬介)

焦る藤兵衛の元へ、V3がやって来た。V3なら、難なくクサリを引きちぎることができた。見晴らしがきくこのタワーの上で藤兵衛の両目に映ったのは、タイガーネロと戦闘工作員たちが逃げていく様子だった。藤兵衛がそのことをふたりのライダーに知らせると、両手が自由になった敬介がそれに応えた。怒りの矛先をGODに向けて、敬介は変身ポーズを取った。

『逃がさん!大変身!トォーッ』

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追いついたXライダーとV3は戦闘工作員たちを一蹴し、タイガーネロを両側から挟んで逃げ道をふさいだ。

『タイガーネロ、設計図を渡せ!』(Xライダー)

ところが、タイガーネロには奥の手があったのだ。奪った設計図を渡すまいとして、「タイガー竜巻地獄」という技で、ふたりのライダーの前から疾風のように姿を消してしまった。

『設計図がすべて手に入った、だと?ウソではあるまいな!』
『ははぁ。この通りです』

タイガーネロは、立花藤兵衛から奪った7枚の設計図をキングダークの前に差し出した。しばらくして、キングダークは得意げに笑い、喜んだ。

『これこそ、確かにRS装置の設計図だ。これが完成した暁には、お前をGOD最高幹部に推薦しよう!』
『まことに、光栄の至りです』

早速、RS装置の製作に取り掛かるよう、キングダークはタイガーネロに命じた。一方、タイガーネロに設計図を奪われたうえに逃げられた敬介と風見志郎は、藤兵衛の店に戻って、ひどく落胆していた。

自分の不覚を責める敬介を、藤兵衛は慰めた。しかし風見志郎は、あまり時間が無いことを正直に話すのだった。GODの科学力なら、短時間のうちにRS装置を完成させるだろう。そうなってからでは、もはや遅いのだ。アジトも分らず、進退窮まったような雰囲気の中、敬介は起死回生のひと言を発した。

『実は、ヤツラに捕まった時に、小型発信器を戦闘工作員の一人に付けておいたんですが・・・』

その頃、GODのアジトでは、9枚そろった設計図を基に、GOD科学陣の手によってRS装置が着々と組み立てられていった。短気な性格のタイガーネロは、その様子をイライラしながら監督していた。あとは心臓部に当たる部品を取り付ければ完成というところまで来たとき、この部屋から謎の電波が出ていることに工作員の一人が気付いたのだ。

報告を受けたタイガーネロは、作業を一時中断して発信器の捜索を始めた。やがて、部下の一人の服に付いた発信器を見つけると、発信器を急いで靴のかかとで踏みつけて破壊した。タイガーネロはヘマをした戦闘工作員を殺害すると、RS装置の完成を急がせるのだった。

その頃、XライダーとV3は、小型発信器から出る電波を順調にたどっていた。ところが、突然電波が途切れたことで敵に感付かれたことを悟ったXライダーは、V3にそのことを伝えて、電波の発信源へと急ぐのだった。

すでに電波の発信源近くまで来ていた二人は、ビルの角を曲がったところで、前方十数メートル先に白い布を被せた物体を発見する。物体のすぐ横に、突然姿を現したタイガーネロ。

『Xライダー並びにV3、よくぞ来た。待っていたぞ・・・動くな!これを見ろ!』(怪人)

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タイガーネロが白衣の技術者二人に命じて白い布を取ると、それは完成したRS装置であった。南原博士が発明した、すべての物質を一瞬にして分解・消滅させる武器である。

『試しに、貴様たちを血祭に上げてやる!』(怪人)
『いくら我々でも、あの装置に遭っては、ひとたまりもない・・・』(V3)

タイガーネロは、二人の技術者にRS装置を作動させるよう命じた。

『覚悟はいいか?発射用意!』(怪人)

ライダー達は、互いに自分が犠牲になるから後のことを頼むと言って、RS装置の標的になろうとした。

『撃て!』(怪人)

スイッチを入れた途端、RS装置は爆発して木っ端みじんに吹き飛んでしまった。タイガーネロは爆風を浴びて、数メートルも吹き飛ばされていた。爆発の瞬間、操作した技術者の一人がジャンプして逃げたように見えた。

『ど、どうしたことだ?・・・』(怪人)

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起き上がったタイガーネロが、不思議そうにつぶやいた。そして、対面側にあるコンテナの上に姿を現した技術者は、笑っていた。怪人がその人物の正体を問うと、技術者はマスクを取ってこう名乗った。

『仮面ライダー2号、一文字隼人だ!』

一文字隼人は、密かにGODの研究所に潜入していたのだ。そして、科学技術者になりすまして、RS装置を作っていた。一文字隼人は、タイガーネロの指示で発射準備をしている時に爆弾を仕掛け、発射の合図と共に爆弾のスイッチを入れてジャンプし、その場を脱出したのだった。

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RS装置の心臓部の設計図も取り返したと言って、一文字隼人は2号ライダーに変身した。ここに三人ライダーが勢ぞろいした。恐ろしい武器・RS装置が破壊された以上、もはや三人ライダーに恐れるモノは何も無い。さぁ、三人ライダーとタイガーネロとの決戦だ!

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ライダー達は三角形になるように陣形を組み、タイガーネロに波状攻撃を加えていった。疲れのみえたタイガーネロに、Xライダーの必殺・真空地獄車が炸裂した。タイガーネロが爆死したあと、キングダークの声が三人ライダーへ告げた。

『貴様たちの手にあるその1枚も、必ず手に入れてみせる。覚えておくがいい!』
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
いよいよ、最終回。頬杖付いて横になっていたキングダークが、その巨体を起こして立ち上がり、Xライダーに決戦を挑んで来た。

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仮面ライダーX(15) [Xライダー・ドラマ2]

今回は、第35話《さらばXライダー・前編》を取りあげます。

原作;石ノ森章太郎
脚本;伊上 勝
企画;平山 亨 阿部征司
音楽;菊池俊輔
技斗;高橋一俊
監督;折田 至


【前回までの話は・・・ RS装置の設計図9枚をすべて手に入れたGODは、ついにRS装置を完成させてしまう。最初の的になるのは、XライダーかV3か・・・。ところが、GODのアジトに潜入していた一文字隼人によって発射直前に仕掛けられた爆弾により、RS装置は発射と同時に爆発してしまう。RS装置の心臓部の設計図を奪い取られたキングダークは、その設計図を奪うべく自ら起き上がって動き出した・・・】

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◆神敬介と立花藤兵衛は二手に別れ、キングダークの潜むアジトを探して都内を走り回っていた。藤兵衛はチコとマコを連れて、ジープで様々な場所を走っていた。ある場所で老人が道路へ飛び出してきて、ジープは危うくその老人を轢きそうになってしまう。孫が急病になったので助けてほしいと、その老人は訴えていた。

気の優しいマコは老人の願いを聞き入れ、孫を救うために老人をジープに乗せてしまう。藤兵衛は仕方なくその老人を乗せて、案内されるままに孫が住む家へとハンドルを切るのだった。今走ってきた道路から横道に逸れていき、ジープは細い一本道をしばらく進んでいく。進むほどに周辺は雑木林で囲まれ、人けの無い寂しい場所であった。

『と、停めて。あそこじゃ』

老人が指を差した方向にあるのは、ボロボロの農家である。どうみても、人が住んでいるようには思えない。ジープを降りた藤兵衛たちは、その家の中に向かって声をかけたが、まったく応答が無い。不審に思った藤兵衛たちが振り返ってみると、そこにいるはずの老人の姿が消えていた。チコとマコが老人を探しに歩いて行くと、ふたりの目の前にサソリが1匹落ちて来た。

ふたりの叫び声に驚いて藤兵衛が駆けつけてみると、両目が光っているサソリがそこにいた。GODだ!と藤兵衛が気付いたときには、もう遅かった。三人は、囲まれていたのである。

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『そのとおり。俺の名は、サソリジェロニモ・ジュニアだ!お前達三人は、人質だ!』

藤兵衛たちは、何も抵抗できずに捕まってしまった。その頃、敬介は一足早く捜索を終えて、藤兵衛の店に戻っていた。本日休業の札が店のドアに架かっているため、客のいない店内で一人待っている敬介。

もう藤兵衛たちが戻って来てもよさそうな時刻になっていた。藤兵衛たちの帰りが遅いことに敬介が不満を口にすると、店の前でジープの停まる音がした。笑顔になって敬介が店の外へ出てみると、停まっていたジープは無人で、ハンドルの上に一匹のサソリがいた。そのサソリから、声が聞こえて来た。

『聞け、神敬介!立花藤兵衛とふたりの小娘は、我々が捕らえた。三人は、お前が持つ最後の設計図と引き替えだ。場所は、多摩丘陵だ』

藤兵衛たちを助けるため、敬介は奪った設計図を持って、バイクで多摩丘陵へと向かった。広大な多摩丘陵の一角に、藤兵衛とチコ、マコが逆さ吊りにされている場所を、敬介は発見した。敬介がその場所へバイクで近づいていくと、バイクの進路を妨害をするように、ヤリが一本飛んで来て突き刺さった。

『そこで、止まれ!』(怪人)
『約束通り、設計図は持って来た!出てこいGOD悪人軍団!』(敬介)

戦闘工作員4名とともにバイクに乗って姿を現したのは、サソリジェロニモ・ジュニアだ。

『貴様は、死んだはずのサソリジェロニモ!』
『オレは、その息子のジェロニモ・ジュニアだ!』

設計図を渡さなければ人質の頭の皮を一人ずつ剥いでいくと、脅しをかけるジェロニモ・ジュニア。敬介は人質の命を助けるため、設計図を渡す決意をする。

『俺たちは、どうなってもいい!設計図を渡せば、世界は破滅だぞ!』

設計図を渡さないように藤兵衛は必死に敬介に訴えたが、人質の命には代えられない。敬介は、サソリジェロニモ・ジュニアに設計図を渡すのだった。

『約束は、守った。人質は返してもらう!』

敬介は、人質を解放するために三人に近づいて行く。が、サソリジェロニモ・ジュニアは悪人だ、約束を守らない。ジェロニモ・ジュニアにとって、敬介は父親の仇なのだ。卑怯にもジェロニモ・ジュニアは敬介を捕らえて、処刑するつもりであった。

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地面に大の字に寝かされた敬介の手足と戦闘工作員が乗る4台のバイクが、4本のロープで繋がれている。4台のバイクは、それぞれが違う方角に向かって思いっきりエンジンを吹かしている。このままでは、敬介の手足と身体はバラバラになってしまう!

だが、マーキュリー回路を体内に埋め込んだ敬介は、以前の3倍にパワーアップしているのだ。充血した目で力を込めて両腕でロープを引っ張ると、2台のバイクは力負けして転倒してしまった。身体が自由になった敬介はXライダーに変身すると、捕らわれの身の藤兵衛たちを救出するべくジャンプした。

見張り二人を倒して藤兵衛たち三人を解放したXライダーは、ジェロニモ・ジュニアとのバイク対決の挑戦を受けた。戦闘工作員たちの乗るバイクをすべて倒し、Xライダーのクルーザーはサソリジェロニモ・ジュニアのバイクと、ガチンコ対決になった。

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立花藤兵衛の目から見ても、舌を巻くほどにジェロニモ・ジュニアのバイク・テクニックは抜きんでていた(藤兵衛は、過去にレーシングチームを持っていた)。まるで馬を操るように、バイクを自在に操っているのだ。

藤兵衛の悪い予感が当り、テクニックで勝るジェロニモ・ジュニアが、Xライダーを打ち負かしてしまう。ジェロニモ・ジュニアのヤリがクルーザーに当たり、バランスを崩したクルーザーは岩陰で大爆発してしまった。

『あっ、Xライダー!・・・』(藤兵衛)
『このジェロニモ・ジュニアも、Xライダー同様にパワーアップしているのだ!』

立花藤兵衛たちはふたたびサソリジェロニモ・ジュニアに捕らえられ、ある場所へ連行されていった。Xライダーが敗れ、もはやGODに立ち向かえる者がいないことへの失望感に、膝をガックリと折る藤兵衛。

『しっかり見張っていろ!』

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サソリジェロニモ・ジュニアは、見張りの戦闘工作員たちに言い残してトンネルの中へ消えていった。どうやら、このトンネルがアジトへの入り口になっているらしい。

しばらくして、三人の見張りの前に神敬介が現れた。藤兵衛は、生きていた敬介の姿を見て気力を取り戻した。敬介は見張り三人を簡単に倒すと藤兵衛たちを解放し、藤兵衛にこう言った。

『おやっさん、心配かけてすまない。死んだと見せかけて後を付けていくより他に、アジトを見つける方法が無かったんだ』

藤兵衛に促されて、敬介はトンネルの奥に向かって走った。このトンネルの奥に、キングダークが潜んでいるに違いないのだ。(つづく)


★★★★★★★★★★★★
東京港海底トンネルの工事現場をGODのアジトに見立てて、撮影した様である。

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仮面ライダーX(16終) [Xライダー・ドラマ2]

今回は、第35話《さらばXライダー・後編》を取りあげます。


【前回までの話は・・・ キングダークのアジトを捜索しているさ中、藤兵衛たちは怪人に捕らわれてしまう。三人を救出したXライダーだったが、設計図はふたたびGODへ渡り、サソリジェロニモ・ジュニアとのバイク対決にXライダーは敗れてしまう。これでGODに歯向う者はいなくなったと思われたが、敬介は生きていた。彼の狙いは相手を油断させ、本当のアジトを見つけだすことにあった・・・】

◆ふたたび捕虜にした藤兵衛たち三人を、アジトへ連れていくサソリジェロニモ・ジュニア。アジトの入り口で捕虜三人を見張るように言いつけて、サソリジェロニモ・ジュニアはトンネルの中へ消えて行った。その様子を物陰から見ていた敬介は、見張りたちを難なく倒して藤兵衛たちを無事に解放した。

「敬介は、きっと生きている」と心の中で思っていた藤兵衛は、その姿を見て安堵した。だが、今は敬介の生還を喜んでいる時では無い。藤兵衛は命令するように、敬介に言った。

『敬介、早く行け!キングダークが暴れ出すぞ!』

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暗いトンネルの中心に向かって、敬介は走った。その先にあったのは巨大な鋼鉄製のトビラで、力を込めてそれを押すと、そこには大きな空間が広がっていた。どうやらこの洞窟こそが、キングダークがあの巨体を隠していた場所らしいのだ。だが、これはキングダークのワナであった。

『ワハハハハ、俺を探しに来て、とうとうワナにかかったな!この洞穴の中で、埋もれて死ね!』

鋼鉄製トビラが突然閉じて、敬介はこの巨大洞窟内に閉じ込められてしまった。そして、地震のような大きな揺れが来て、巨大洞窟の天井が崩れ、岩石が次々と敬介に落下してくるのだった。敬介は逃げ場を失っていた。

その頃、地上の藤兵衛とチコ・マコにも、立っていられないほどの大きな揺れが起こっていた。三人は逃げる場所を失って、地面に座っているしかなかった。

『あっ!あれは・・・』

マコが指差したその先に現れたのは、キングダークであった。マコたちを襲ったこの揺れは、敬介を生き埋めにするために、キングダークが地上で暴れて巨大洞窟を破壊している揺れなのだ。身長20~30メートルはあると思われるその巨体を、初めて人間の前に現したキングダーク。

洞窟内で生き埋めにされかけている敬介は、最後の力を振り絞って変身した。爆発的な力で地上へ飛び出したXライダーに、キングダークは言った。

『そのちっぽけな体で、このキングダーク様と戦えるとでも思っているのか!』

巨大なキングダークに、Xライダーはどう戦うつもりなのか。キングダークは、両目から破壊光線を発射し、両手の指からはミサイル弾を放った。鋼鉄の鎧を着て恐るべき武器を備えたこの巨人に、どう立ち向かう?Xライダー。

だが、小さいがゆえに小回りが利くので、破壊光線もミサイル弾も素早く避けることができた。キングダークは巨体ゆえに、動きが鈍いのが欠点といえる。

クルーザーに乗ってハイジャンプしたXライダーは、体当たりを試みたが失敗。キングダークは口から毒ガスを吐いて、Xライダーに浴びせた。この時、Xライダーにひらめくものがあった。鋼鉄の巨人に付け入るスキがあるとすれば、口しかない。次に口を開けた時に、体内へ入るチャンスが生まれるとXライダーは計算した。

クルーザーで飛行して、口を開けた時に中へ飛び込んだXライダー。その様子を見ていた藤兵衛たちには、Xライダーがキングダークに食べられてしまった様に映った。マコが、悲鳴のように叫んだ。

『Xライダーが食べられちゃった!・・・』

チコは見ていられずに目を伏せ、藤兵衛もマコと同じ思いで見ていた。一方、キングダークの体内へ入りこんだXライダーには、人体へ入りこんだ異物を攻撃する白血球のように、様々な仕掛けが襲ってきた。

小部屋に落下したXライダーに、マシンガンによる弾丸の雨が降ってきた。キングダークを操る何者かの声が、こだました。

『Xライダーを防げ!』

各所に配置された戦闘工作員が、持ち場を固めた。マシンガンの雨を突破したXライダーは通路を進んでいき、壁があればそれを破壊して先へと進んだ。側壁から突然突き出す数十本のヤリ攻撃、戦闘工作員の攻撃、毒ガス攻撃など、次々と攻めてくるトラップを突破し、とうとうXライダーは中枢部のコントロール室前へたどり着いた。

ドアを開けてXライダーが中へ入ると、そこにいたのは不気味な白い顔の男だった。目鼻口はあるが、人間とはとても思えないほどに変形していた。

『ワシの名は、呪(のろい)博士。そして、お前の父親の親友。ワシがGODそのものであり、キングダークはワシの身体の一部分なのだ!』

かつて父から聞いた、呪博士が「悪魔の天才」と呼ばれていたことを、敬介は思い出していた。呪博士の、毛髪の無い白い頭部とキングダークの制御盤とが、数本のコードで繋がっている。どうやら博士の思考が、キングダークの行動に直結する仕組みになっているらしい。

『地球はとうとう、ワシのモノだ!』

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Xライダーの背後でヤリをかまえて立っているサソリジェロニモ・ジュニアの姿を見た呪博士は、こう宣言した。だが、Xライダーも自分の背後に気配を感じていた。振り向いたその瞬間、ジェロニモ・ジュニアのヤリがXライダーの腹部から背中へ貫通した。

『死ね!』

Xライダーの背中から、ヤリの刃先が20センチ程飛び出していた。痛みに苦しむXライダーはフラフラになりながら、残りの力を振り絞ってヤリの柄を叩き折った。だが、痛みの為に目測を誤り、Xライダーの繰り出すパンチやチョップは空を切った。

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その様子をみて、サソリジェロニモ・ジュニアは油断した。Xライダーの背中から出ている刃先で、ジェロニモ・ジュニアは突き刺されてしまうのだった。傷を負ったジェロニモ・ジュニアは、呪博士をかばおうと博士の前に立つ。Xライダーは、最後の力を振り絞ってベルトのライドルホイップ(剣)を引き抜くと、二人まとめて突き刺した。

『今一歩のところで・・・貴様も道づれだ!』

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呪博士が自分の頭部から出ている数本のコードのうちの1本を抜いた途端、キングダークの制御盤が爆発を起こした。次から次へと制御盤上で誘爆が起こり、キングダークは大爆発して木っ端みじんに砕け散った。

藤兵衛たち三人は、その様子を遠くから見ていた。三人の位置からでは、キングダークと一緒にXライダー・神敬介も吹き飛んでしまったようにしかみえない。

藤兵衛の店に戻って来た三人は、ガックリと肩を落としていた。今もって、敬介からの連絡は無い。カウンターのイスに座ったまま、チコとマコは頭を抱えてすすり泣いていた。

『めそめそするな。俺まで泣けてくるじゃないか・・・』

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藤兵衛も悲しみをこらえながら、それでも敬介はどこかに生きているに違いないと、一縷(いちる)の望みを託していた。ふとカウンターの上を見ると、1通の封書が置いてあることに藤兵衛は気がついた。立花藤兵衛様と書かれた宛名のその封書には、敬介からの手紙が入っていた。

その内容は、先輩ライダー達と同様、自分も新しい戦いのための旅に出ます。でもいつの日か、また必ず戻って来ますと、綴られていた。敬介が生きていることが判ると、藤兵衛もチコもマコもみんな笑顔に戻っていた。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
ジェロニモ・ジュニアに渡った設計図は、そのあとどうなったのか?RS装置を作り直している間に、Xライダーに潜入されてしまったのか、それとも・・・

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