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コンドールマン(10) [コンドールマン・ドラマ1]

今回は、第5話《紅コウモリ現る/ 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・まことの父・三矢堅介が人々のために農家から集めてきた米や野菜を金満社長は強奪したばかりか、堅介と石松を拉致してしまう。一方、堅介の帰りを自宅で待つまことと母・陽子も拉致され、サタンガメツクのアジトへと連行されてしまう。親子はアジトで対面するが、皆殺しにされようとしていた。その時アジトにコンドールマンが現れ、三矢家の人々は救出され、サタンガメツクは最期を迎えた。すると帝王キングモンスターは、新たにレッドバットンを日本へ送り込んだ】

◆大金を叩いて買い込んだ缶詰を車ごとモンスターに盗まれた源太郎と石松だが、打撲程度の怪我で済んだことは不幸中の幸いだった。そのことがあった翌朝。朝刊を取りに出た主婦が、郵便受けの中に缶詰が1個入っているのを見つけた。缶詰にはチラシが1枚付いていて、こう書かれていた。

義によって 悪徳商人を懲らしめ
飢えに苦しむ人々を救う! 義賊 紅コウモリ  

食料品が不足している市民にとって、この缶詰は天からの贈り物だ。この文面をすっかり信じた人々は、三矢食料品店を悪徳商人と決めつけ、大勢が店前に集まって来た。彼らはたみ子に詰め寄り、文句を言う。店内にはもう売れる品物が一つも無いことをたみ子がいくら説明しても、誰一人信じようとはしない。店員の石松、それに偶然やって来た一心とで、やっと事態を収拾したのだった。

『義賊・紅コウモリ現る。昨夜紅コウモリと名乗る一団が、買占め中の悪徳商人から奪った輸入缶詰を飢えに苦しむ人々の家に1トン近くも配った・・・』

三矢家の人達が全員集まっている茶の間で、一心は朝刊を読みながらモンスター一族の狙いがどこにあるのかを考えていた。源太郎によれば、モスターカンパニーから買い付けた缶詰はおよそ10トン。だから、残り9トンは奴ら・紅コウモリが盗んだことになるのだ。

『みんなに喜んでもらおうと思って有り金はたいたのに、悔しい!ねぇ一心、なんとかならないの?』

たみ子はそう言って、悔しい思いを一心にぶつけるのだった。この方はウチの息子ではないんだからと、言動を控えるよう源太郎はたみ子に言う。だが一心は、自分のことを家族同様に思ってくれる三矢家の人達が好きだった。まことが言った。

『ねぇ、ワタシの一心お兄ちゃんよネ!』
『あぁ!』

(ナレーション;コンドールマンはコンドールアイを使い、モンスター一族の姿を求めて日夜歩きに歩き続けた。だが、そのコンドールマンをあざ笑うかのように、紅コウモリは会社の名前と取引場所を変えて、食料品店主たちを騙しては暗躍を続けた。わずかばかりの食料でも恵まれた人達は、紅コウモリを義賊と呼び、正義の人と信じて疑わなかった)

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郵便受けに缶詰が入っていたまことの友達・男児Aは紅コウモリを義賊と信じ、公園で「紅コウモリごっこ」をしようと言いだす。集まってきた数人の友達も賛成するが、紅コウモリの正体がモンスターであることを知るまことは反発する。男児Aはまことの家を悪い商人だと決めつけ、缶詰をもらったらしい他の友達と共に、まこと一人を仲間外れにするのだった。

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(ルイザは手を振る聴衆に応える夢想を・・・)
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(ゴキはゴミ箱をあさる・・・)

この公園のそばを車で偶然通りかかったゴキとルイザ高倉は、紅コウモリごっこをする男児女児たちの様子を見て、満足げであった。ルイザは宙を見つめて、多くの聴衆を前に喝さいを浴びる自分の姿を夢想していた。そして、コンドールマンを葬るのも自分だと意気込むのだった。そんな夢想をしているルイザの様子を運転手のゴキはバカバカしく思い、車から外へ出ると、近くのごみ箱をあさり始めた。

公園前を配達車で通りかかった石松が、イジメられているまことを見て助けようと車から下りてきた。しかし、まことの目は公園のゴミ箱をあさる大男の方を向いていた。あの大男は、先日源太郎の缶詰を車ごと奪ったモンスターに間違いないと、まことは指摘するのだ。石松とまこと、それにモンスターの存在を信じない男児Aの三人は、正体を見届けるために大男とルイザが乗った車の後を配達車で追跡することにした。

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埠頭に浮かぶサビついた貨物船に、ルイザとゴキが乗り込むところまでを目撃した三人。ここで石松が三人では不安だから応援を呼ぼうと言い出すが、男児Aが話をうやむやにする気だと疑いを抱くのだった。怒った石松は男児Aの不信感をぬぐうため、三人であの古い貨物船に乗り込もうと提案する。

その頃、まことを探していた一心は、モンスターらしき人物をまこと達が車で後を追って行ったという話を公園で耳にした。

(ナレーション;一心は焦った。車が走り去ったという方角しか、手がかりは無かったのだ)

貨物船に乗り込んだ三人は、回りの様子をうかがいながら慎重に進んだ。すると、向こうからルイザとゴキが言い争いをしながら歩いて来るのが見え、急いで三人は隠れた。ルイザのキツイ言い方に、ゴキが怒りのあまりゴキブラーに変身する場面を目撃し、三人は慌てた。

『やっぱり、まことちゃんの言う通りだ!』

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男児Aは驚きの余り尻もちをつき、音をたててしまう。ゴキブラーはその音に気づくと、音の原因を探し始めた。とっさに気転を利かせた石松が、猫の鳴き声をまねた。単純なゴキブラーは音の正体をネコだと思い、嫌がって逃げて行った。ゴキブリはネコがキライなようだ。その間にまことは、素早い動きで貨物船から脱出すると、助けを求めて懸命に走った。

『おじさん、助けて!あの船にモンスターがいるの!』

まことは途中で見つけた船員のおじさんに二度助けを求めたが、船員はふたりとも子供の話だと思い信じてくれなかった。こうなったら自分がコンドールマンに通報するしかないと思ったまことは、必死に走った。街の近くまで走って来たまことは、前方から歩いて来る若い作業員に助けを求めた。

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『なに?モンスター!ヨウシ、おじさんに任せとけ!』

(ヨカッタ!)ホッとしたまことは突然魔人コンバットに抱えられ、捕まってしまった。話かけた若い作業員は、見張り役の魔人コンバットだったのだ。

『何するの!助けてぇ~』

だが、次の瞬間強烈なキックとパンチが、魔人コンバットを直撃した。魔人コンバットは失神し、まことは放り出されてしまった。

『もう大丈夫だ!』
『あっ、一心お兄ちゃん!』

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(コンドール、アイ!・・・ついに見つけた!)

公園で耳にした情報を基に、一心は必死にまことを捜索していた。そして、コンドールアイを使って、とうとう一人の魔人コンバットを発見し、その者のあとを一心は追っていた。まことが声をかけた作業員は、一心が追跡していた魔人コンバットだったのだ。

一方、アジトの貨物船に残った石松と男児Aは船内に隠れていたが、男児Aが我慢できずにおしっこをしたため、ゴキブラーがその臭いを嗅ぎつけて迫って来ていた。

『うん?なにやら非常に美味しそうな臭いがするぞ!コラ。正体を見たヤツは、生かしておかんのだ!』

汚い物の臭いが好きなゴキブラーに、石松と男児Aはとうとう見つかってしまう。その頃、まことの話を聞いた一心はコンドールマンに変身し、アジトの貨物船に向かってマッハコンドル号を走らせた。そして、貨物船に乗り込むと、ゴキブラーに襲われそうになっていた石松と男児Aを救出し、船外へ逃がした。

その様子を見ていたルイザ高倉は、レッドバットンに変身すると独り言のように言った。

『さすがだね、コンドールマン。だが、この船にはちゃんと仕掛けがしてあるのさ。そして、臭くて汚いゴキブラーも一緒に始末してやる!ワハハハハ』


コンドールマンとゴキブラーの戦いはもつれ、二人とも甲板から船倉(貨物を積んでおく所。中は隔壁で仕切られている)に落下してしまう。

『コンドールマン!船と一緒の海の藻屑となるがいい!』

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船倉のフタが急に閉じ、閉じ込められたコンドールマンとゴキブラー。そこへ空からレッドバットンが爆弾を落とした。貨物船は大音響と共に大爆発して、物凄い炎が舞い上がった。
(終わり)


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