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コンドールマン(9) [コンドールマン・ドラマ1]

今回は、第5話《紅コウモリ現る / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;伊賀山正光

【前回までの話は・・・コンドールマンに襲撃されたサタンガメツクは、ダンガンマーが死に際に残した黄金の弾丸をコンドールマンの右胸に撃ち込んだ。1時間後に爆発するこの弾丸を取り除くことが出来ないコンドールマンは体中に毒素が回って動くことも出来ず、死を覚悟した。だが、この窮地をタバ老人が救った。タバは呪術によって右胸の弾丸を取り除くと、焦る心を抑えて精神統一することを一心に教える。そして一心は、未来の己の姿をそこに見るのであった・・・。その頃、金満社長の魔の手は、堅介の帰りを待つまことと陽子にも伸びていた】

◆金満社長に拉致された堅介と石松は後ろ手に縛られて、金満株式会社が所有する食糧倉庫内のアジトに連れて来られていた。金満社長はふたりの目前で美味しそうな料理を食べ、見せびらかした。そして協力するならば、美味しい食事を好きなだけ食べさせると誘惑するのだった。だが、正義感の強い新聞記者の堅介がきっぱりと断ると、イライラがつのった金満は二人の目の前で怪人サタンガメツクに変身してしまう。

『モンスター一族に楯突くヤツはどうなるか、教えてやる!』

不気味な怪人に変わった金満を見て、驚く二人。サタンガメツクは、堅介の胸元に毒爪を立てようとした。そこへ拉致されたまことと陽子が連れて来られ、サタンガメツクはまず、この少女と婦人を堅介の目の前で痛めつけることを思いつくのだった。

『皆殺しにしてやる!』

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サタンガメツクの爪が幼いまことに伸びようとしたその時、マッハコンドル号がこのアジトに突っ込んできた。

『コンドールマンだ!やってしまえ!』

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マッハコンドル号から飛び降りると、コンドールマンはまず堅介と石松の縄を解いた。まことと陽子を二人に任せ、襲い来る魔人コンバット達に応戦するコンドールマン。倉庫の外へ逃げていくサタンガメツクを追うコンドールマンに、振り向きざまにサタンガメツクの爪がミサイルのように飛んで来た。

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飛んで来る爪ミサイルをコンドールアロー(羽手裏剣)ですべて弾き飛ばすと、コンドールマンは高く積まれた資材の上へジャンプした。だが、サタンガメツクの爪ミサイルがふたたび飛んで来て、それを避けようとしたコンドールマンはバランスを崩し、地面に落下して倒れ込んでしまう。

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コンドールマンが立ち上がった次の瞬間、飛んで来た数本の爪ミサイルがコンドールマンのマントを捕えた。昆虫標本のように、コンドールマンは倉庫の壁にはりつけにされて身動きができない。

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(腹部の口から伸びる「奥の手」)

『奥の手だ!』

サタンガメツクの腹部の口から剣を持った青い手が伸びて、コンドールマンにとどめを刺すべく突進してくる。だが、剣に突かれる寸前、コンドールマンはマントを捨てて真上へジャンプした。壁に突き刺さった剣を引き抜いたサタンガメツクは、真上から落下してくるコンドールマンのチョップで「奥の手」を切り落とされてしまう。そして、切り落とした「奥の手」をコンドールマンは拾うと、サタンガメツクめがけて投げつけた。

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(サタンガメツクの最期)

「奥の手」の剣がサタンガメツクの腹部に突き刺さり、サタンガメツクは地面に倒れたまま煙を出しながらシューシューと溶けるように消滅していった。

日本征服の先鋒として派遣したサタンガメツクがコンドールマンに倒されたという情報が、ニューヨークの摩天楼にあるモンスター一族の本拠地に入って来た。キングモンスターは幹部会議を開き、その場にサタンガメツクの霊を呼び出すと、コンドールマンの弱点が空を飛べないことだという報告をサタンガメツクの霊から受ける。

『このサタンガメツクも空さえ飛べたら、死なずに済んだものを・・・恨めしヤ』
『えぇい、未練がましいぞ!仇は必ずとってやるから、大人しく地獄の番人を務めていろ!』

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(赤い服のレッドバットン、黒い服のゲムスラー)

キングモンスターはサタンガメツクの霊を地獄へ送ると、中断した「日本ハンガー作戦」をふたたび推し進めるために幹部たちと討議した。その結果、空を飛べる点を考慮して、怪人ゲムスラーの双子の妹で幹部候補生のレッドバットンが呼び出された。会議室に現れたレッドバットンは、キングモンスターの前であいさつすると、振り返って後ろのテーブルの幹部たちに一礼をする。コウモリのようないで立ちの女怪人で、姉のゲムスラーはキングモンスターの秘書をしている。

『いずれ総指揮官を派遣するが、直ちに日本へ飛び、思う存分暴れて見よ!』
『ハールマゲドン!』

キングモンスターから命令を受けた姉のゲムスラーは、人間態・レオナ高倉に変身してレッドバットンと作戦の打ち合わせをすることにした。レッドバットンは人間態・ルイザ高倉と名乗り、美しい女性であった。レオナとルイザは、ニューヨークのど真ん中にあるパブに姿を現した。そして、ここで作戦を遂行するための部下を紹介するのだった。身なりは立派に見えても仕草が下品な大男が店の入口から入って来て、レオナのとなりの席に座った。

『この男は五木(ゴキ)と言って、お前の下で働くモンスターだよ』
『ワタシはイヤよ!こんな臭い男と仕事をするのは』
『俺だってイヤだよ!こんな香水プンプンの女なんて』
『二人とも!これは上からの命令なんだよ!これをご覧!』

レオナはそう言うと、コンドールマンの写真を二人に見せた。そして、金満社長を倒したコンドールマンは正義の味方ともてはやされ、人々の拍手喝采を浴びていると、レオナは苦々しく説明した。姉の話を聞いているうちに、ルイザはだんだんと悪の怒りが込み上げてきた。そして、写真を破りながらこう言った。

『何が拍手喝采だ!コンドールマンは、この私が殺るんダ!』

(ナレーション;缶詰が入荷したから分けてやると、思いがけない連絡を食料専門の輸入業者モスターカンパニーから受けた三矢源太郎は、仲間と誘い合って指定の場所に来ていた)

『おかげさんで、一時でも飢えがしのげます。みんながどんなに喜ぶことか。またよろしくお願いします』

源太郎は礼を言うと、代金の札束を大男の五木(ゴキ)に支払った。仲間の者たちも、飢えをしのげるならば惜しまず札束を渡した。

ルイザは、手に入れた札束を数えている五木(ゴキ)からその札束を取りあげた。怒ったゴキは、思わず怪人ゴキブラーに変身した。だが、ルイザはゴキブラーに命令する。

『あの缶詰を奪い返すのさ。売っては奪い、また売っては奪う。そして商人どもの金を、根こそぎ吸い上げてしまうのさ!ウハハハハ』

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(源太郎の車が襲われて・・・)

三矢源太郎と石松を乗せた車の後を追いかけるゴキブラー。ルイザは先回りすると、源太郎の車に見つかるように道路に自分の体を横たえた。道路に女性が倒れているのを見て停車させた源太郎は、女性を抱き起してみて驚く。それは女性ではなく、怪人レッドバットンであった。源太郎と石松は逃げようとしたが、周囲はレッドバットンに命令された五木(ゴキ)と魔人コンバットたちに囲まれていた。

源太郎も石松も必死に抵抗し、車の荷には指一本触れさせまいと頑張った。

『死んでも、この荷には触れさせねぇぞ!』
『なら、死んでもらおうか!』

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(石松の相手はモンスターのゴキブラーだった!)

石松が威勢よく大男(ゴキ)に飛びかかったが、大男は怪人ゴキブラーに変身した。車の下に隠れていたまことは、変身した姿を見て驚く。勇気を振り絞って石松は奮戦したが、石松はノックアウトを食らい、源太郎もやられてしまった。こうして大金をはたいて買った缶詰は、車ごとゴキブラーたちに奪われてしまった。
(つづく)


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三矢源太郎役は、名バイプレーヤの多々良純氏である。頑固なところがあるが、まことには優しいおじいちゃんである。新マンでは、レッドキラーを操る宇宙人ズール星人の人間態を演じられた。2006年に89歳で他界されている。


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