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コンドールマン(8) [コンドールマン・ドラマ1]

今回は、第4話《輝けゴールデンコンドル/ 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・副都心の高層ビルの一室にある金満商事のオフィスに、奇襲攻撃をかけたコンドールマン。だが、逆にサタンガメツクによって、右胸に黄金の弾丸を撃ち込まれてしまうのだった。黄金の弾丸は特殊爆弾になっていて、爆発まで残り1時間。弾丸に塗られた毒が身体に回り自由が利かないコンドールマンは、力を振り絞って爆発の余波が出ないように山奥に隠れた。もう駄目かと思ったその時、そこにタバ老人が現れ、呪術によって一心の右胸から弾丸を取り除くと、追っ手に向かって投げつけた!】

◆黄金の弾丸を一心の右胸から取り出しコンドールマン捜索隊に投げつけた時に大爆発したことを、サタンガメツクは知らない。レーダーの光が消えたのはコンドールマンが爆死したものと思ったサタンガメツクは、安心して金満社長に姿を変えると、邪魔者が居なくなったことに満足してニンマリと笑っていた。

タバ老人は意識を失っている一心を背負い、林の中から抜け出て廃寺の庫裏に連れて行くと、横に寝かせた。タバ老人が右胸の傷口に薬草を当てていると、一心がうわごとを言っているのを聞いた。「焦るな、今は身体を休めるのだ」と言って、タバは傷を治すための呪文を唱えるのだった。

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その頃、部下数名を連れた金満社長は、都内にある数件の米店を訪れていた。店主に自分の名刺を見せ、コメと麦を店ごと買い取りたいと金満は話す。そして、「金なら払う」と言って、セビロのポケットから十円玉1枚を出すとポトンと床に落した。呆気にとられた主人が文句を言うと、

『嫌なら、仕方がない』

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金満と部下たちは、自分達の醜い正体を店主に見せるのだった。コンバット隊に銃口を向けられた店主は、驚いて身がすくんでしまう。だが、サタンガメツクは銃口を向けることを止めさせると、こう言った。

『弾丸を節約せぬか!』

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サタンガメツクの毒爪が店主のノド元に食い込んで、悲鳴を上げながら店主は息絶えてしまった。

三矢一心が目を開けた。彼はすぐに自分の状況を把握すると、焦りを感じて立ち上がろうとした。だが、身体が回復していないため、バランスを崩して倒れ込んでしまう。タバ老人に抱き抱えられた一心は、タバに心の内を吐露した。

『今頃サタンガメツク一味が、皆を苦しめている。それが分っていながら・・・。タバ、悔しいんだ!俺にはモンスター一族から皆を守る使命がある。ヤツを倒せば、俺の体はどうなってもいいんだ!』
『落ちつけ!こうして焦る心が、冷静な判断を狂わせるのだ。それこそ、モンスター一味の思うつぼじゃ。まず、はやる気持ちを抑えるのじゃ。そして己自身と戦い、それに勝たねばならぬ』

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タバ老人と一心はこの廃寺の一室に閉じこもり、目を閉じて座禅を組みながら並んで座った。

『雑念を払い、精神を統一するのじゃ。さすれば、闇の中に光が見える』
『・・・何も見えない!』
『心の目じゃ!』

一心は目を開けると、横にいるタバの姿を見た。目を閉じたままピクリとも動かないタバの姿。一心はそれを見て、「心の目を開いて光を見る」ために、再び目を閉じると精神統一に集中した。

(ナレーション;焦りと苦しみの中で、コンドールマンの心の戦いはつづいた)

まことの父・三矢堅介と石松は、腹を空かせている子供たちのために、学生時代の友人の実家からコメと野菜を手に入れることができた。それらを店の配達車に積み込むと、町へ向かって走り出した。

『たとえ、握りメシ一個でもいいんだ。子供たちはきっと喜んでくれるにちがいない!』

農道を走っていると、堅介たちの車の進路を妨害するように前方に車が出てきた。車内から男達が数名出てきて、堅介の配達車の後部ドアをいきなり開けてコメや野菜を降ろし始めたのだ。

『心配するな、金は払う』
『金なんかいらんよ。これはな、お腹を空かしている子供たちのものなんだ!』

すると、コンバット隊に姿を変えた男達は、抵抗する堅介と石松を始末しようとマシンガンを突きつけた。そこへ金満社長が現れ、マシンガンを突きつけるコンバット隊を大声で叱ると、堅介に向かってこう言った。

『待て、弾が勿体ない!・・・お前だな?ワシが買い占めているなどとデマを飛ばした新聞記者(ぶんや)は!』

「証拠がある!」と反論する堅介に、金満社長は何か謀(はかりごと)があるのか、何も言わずに堅介と石松を車に乗せて拉致するのだった。

一方、三矢家では、空腹のまことと母・陽子が堅介の帰宅を待っていた。少し前に、米と野菜が手に入ったという電話が堅介からあったのだ。「お腹へった」というまことのつぶやきに陽子が何かを作ろうにも、冷蔵庫の中はカラであった。ドアチャイムが鳴って、二人は急に元気が出た。

『パパだ!』

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まことがドアを開けると、ドアの外にいたのは堅介ではなくコンバット隊だった。二人は拉致されてしまった。そして精神統一をしている最中の一心は、その気配を感じて目を開けてしまう。

『まことが危ないんだ。こんな所でジッとしていられない!』
『それほど死にたいか!』

タバ老人は、一心の心の乱れをよく解かっていた。

『聞け~ぃ!今乗り込めば、心の焦りから、おそらく無駄に命を落とすことになる。己が自身の邪念を振り払うことすらできぬ心の弱い人間に、人の命が守れるとでも言うのか。モンスターが倒せるか!』

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はやる心を必死に抑えてタバ老人に従い、今はひたすら精神統一に打ち込む一心。顔中汗まみれになりながら必死に精神統一をする一心の心の中に、一条の光が見えた。光はだんだんと大きく太陽のような球体になり、その中心からこちらに向かって金色に輝く何かが飛んで来るのが見える。一心が見ているものは、タバ老人にも見えている。

『あれは?』
『ゴールデンコンドル。コンドールマンの10倍の超能力を持つ化身じゃ』
『あれほどの化身が、この体の中に秘められていると・・・』
『そのとおり。しかし、そのためにはいくつかの修行をしなければならぬ』

『修行?』
『さよう。天(てん)、地(ち)、人(じん)、この三つの修行。即ち、体力を作る人の修行。心を鍛える地の修行。そして、この二つを合わせた天の修行を終えた時、宇宙空間は己のものとなる』

《空間が己のものになる》とは、空を飛べる超能力を身に付けることが出来るということなのだ。

三人のコンバット隊は、三矢家から拉致したまことと陽子をサタンガメツク一味のアジトへと連れて来た。そこにはすでに、縄で縛られた父・堅介と石松がいた。

『あっ、まこと!』
『パパ!』

堅介の目の前でまことと陽子を痛めつけるよう、コンバット隊に指示するサタンガメツク。まこと達の様子がすべて見えている一心は、今は大いなる力を得る修行よりも自分を必要とする人達のために戦うことを優先するのだった。

『行くがよい』
『ありがとう、タバ』

一心はコンドールマンに変身すると、まこと達を救出するためにマッハコンドル号で急ぐ。
(ナレーション;コンドールマンは今、新たな闘志に燃えて宿敵サタンガメツクを倒すため、ひた走りに走った)
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
三矢まことの父・堅介役を演じるのは、MATチームの南隊員役やキカイダー01のイチロー役でお馴染みの池田駿介氏である。いつもハツラツとして、正義感の強い役が多い氏。2010年6月にお亡くなりになっている。

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コンドールマン(9) [コンドールマン・ドラマ1]

今回は、第5話《紅コウモリ現る / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;伊賀山正光

【前回までの話は・・・コンドールマンに襲撃されたサタンガメツクは、ダンガンマーが死に際に残した黄金の弾丸をコンドールマンの右胸に撃ち込んだ。1時間後に爆発するこの弾丸を取り除くことが出来ないコンドールマンは体中に毒素が回って動くことも出来ず、死を覚悟した。だが、この窮地をタバ老人が救った。タバは呪術によって右胸の弾丸を取り除くと、焦る心を抑えて精神統一することを一心に教える。そして一心は、未来の己の姿をそこに見るのであった・・・。その頃、金満社長の魔の手は、堅介の帰りを待つまことと陽子にも伸びていた】

◆金満社長に拉致された堅介と石松は後ろ手に縛られて、金満株式会社が所有する食糧倉庫内のアジトに連れて来られていた。金満社長はふたりの目前で美味しそうな料理を食べ、見せびらかした。そして協力するならば、美味しい食事を好きなだけ食べさせると誘惑するのだった。だが、正義感の強い新聞記者の堅介がきっぱりと断ると、イライラがつのった金満は二人の目の前で怪人サタンガメツクに変身してしまう。

『モンスター一族に楯突くヤツはどうなるか、教えてやる!』

不気味な怪人に変わった金満を見て、驚く二人。サタンガメツクは、堅介の胸元に毒爪を立てようとした。そこへ拉致されたまことと陽子が連れて来られ、サタンガメツクはまず、この少女と婦人を堅介の目の前で痛めつけることを思いつくのだった。

『皆殺しにしてやる!』

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サタンガメツクの爪が幼いまことに伸びようとしたその時、マッハコンドル号がこのアジトに突っ込んできた。

『コンドールマンだ!やってしまえ!』

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マッハコンドル号から飛び降りると、コンドールマンはまず堅介と石松の縄を解いた。まことと陽子を二人に任せ、襲い来る魔人コンバット達に応戦するコンドールマン。倉庫の外へ逃げていくサタンガメツクを追うコンドールマンに、振り向きざまにサタンガメツクの爪がミサイルのように飛んで来た。

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飛んで来る爪ミサイルをコンドールアロー(羽手裏剣)ですべて弾き飛ばすと、コンドールマンは高く積まれた資材の上へジャンプした。だが、サタンガメツクの爪ミサイルがふたたび飛んで来て、それを避けようとしたコンドールマンはバランスを崩し、地面に落下して倒れ込んでしまう。

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コンドールマンが立ち上がった次の瞬間、飛んで来た数本の爪ミサイルがコンドールマンのマントを捕えた。昆虫標本のように、コンドールマンは倉庫の壁にはりつけにされて身動きができない。

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(腹部の口から伸びる「奥の手」)

『奥の手だ!』

サタンガメツクの腹部の口から剣を持った青い手が伸びて、コンドールマンにとどめを刺すべく突進してくる。だが、剣に突かれる寸前、コンドールマンはマントを捨てて真上へジャンプした。壁に突き刺さった剣を引き抜いたサタンガメツクは、真上から落下してくるコンドールマンのチョップで「奥の手」を切り落とされてしまう。そして、切り落とした「奥の手」をコンドールマンは拾うと、サタンガメツクめがけて投げつけた。

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(サタンガメツクの最期)

「奥の手」の剣がサタンガメツクの腹部に突き刺さり、サタンガメツクは地面に倒れたまま煙を出しながらシューシューと溶けるように消滅していった。

日本征服の先鋒として派遣したサタンガメツクがコンドールマンに倒されたという情報が、ニューヨークの摩天楼にあるモンスター一族の本拠地に入って来た。キングモンスターは幹部会議を開き、その場にサタンガメツクの霊を呼び出すと、コンドールマンの弱点が空を飛べないことだという報告をサタンガメツクの霊から受ける。

『このサタンガメツクも空さえ飛べたら、死なずに済んだものを・・・恨めしヤ』
『えぇい、未練がましいぞ!仇は必ずとってやるから、大人しく地獄の番人を務めていろ!』

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(赤い服のレッドバットン、黒い服のゲムスラー)

キングモンスターはサタンガメツクの霊を地獄へ送ると、中断した「日本ハンガー作戦」をふたたび推し進めるために幹部たちと討議した。その結果、空を飛べる点を考慮して、怪人ゲムスラーの双子の妹で幹部候補生のレッドバットンが呼び出された。会議室に現れたレッドバットンは、キングモンスターの前であいさつすると、振り返って後ろのテーブルの幹部たちに一礼をする。コウモリのようないで立ちの女怪人で、姉のゲムスラーはキングモンスターの秘書をしている。

『いずれ総指揮官を派遣するが、直ちに日本へ飛び、思う存分暴れて見よ!』
『ハールマゲドン!』

キングモンスターから命令を受けた姉のゲムスラーは、人間態・レオナ高倉に変身してレッドバットンと作戦の打ち合わせをすることにした。レッドバットンは人間態・ルイザ高倉と名乗り、美しい女性であった。レオナとルイザは、ニューヨークのど真ん中にあるパブに姿を現した。そして、ここで作戦を遂行するための部下を紹介するのだった。身なりは立派に見えても仕草が下品な大男が店の入口から入って来て、レオナのとなりの席に座った。

『この男は五木(ゴキ)と言って、お前の下で働くモンスターだよ』
『ワタシはイヤよ!こんな臭い男と仕事をするのは』
『俺だってイヤだよ!こんな香水プンプンの女なんて』
『二人とも!これは上からの命令なんだよ!これをご覧!』

レオナはそう言うと、コンドールマンの写真を二人に見せた。そして、金満社長を倒したコンドールマンは正義の味方ともてはやされ、人々の拍手喝采を浴びていると、レオナは苦々しく説明した。姉の話を聞いているうちに、ルイザはだんだんと悪の怒りが込み上げてきた。そして、写真を破りながらこう言った。

『何が拍手喝采だ!コンドールマンは、この私が殺るんダ!』

(ナレーション;缶詰が入荷したから分けてやると、思いがけない連絡を食料専門の輸入業者モスターカンパニーから受けた三矢源太郎は、仲間と誘い合って指定の場所に来ていた)

『おかげさんで、一時でも飢えがしのげます。みんながどんなに喜ぶことか。またよろしくお願いします』

源太郎は礼を言うと、代金の札束を大男の五木(ゴキ)に支払った。仲間の者たちも、飢えをしのげるならば惜しまず札束を渡した。

ルイザは、手に入れた札束を数えている五木(ゴキ)からその札束を取りあげた。怒ったゴキは、思わず怪人ゴキブラーに変身した。だが、ルイザはゴキブラーに命令する。

『あの缶詰を奪い返すのさ。売っては奪い、また売っては奪う。そして商人どもの金を、根こそぎ吸い上げてしまうのさ!ウハハハハ』

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(源太郎の車が襲われて・・・)

三矢源太郎と石松を乗せた車の後を追いかけるゴキブラー。ルイザは先回りすると、源太郎の車に見つかるように道路に自分の体を横たえた。道路に女性が倒れているのを見て停車させた源太郎は、女性を抱き起してみて驚く。それは女性ではなく、怪人レッドバットンであった。源太郎と石松は逃げようとしたが、周囲はレッドバットンに命令された五木(ゴキ)と魔人コンバットたちに囲まれていた。

源太郎も石松も必死に抵抗し、車の荷には指一本触れさせまいと頑張った。

『死んでも、この荷には触れさせねぇぞ!』
『なら、死んでもらおうか!』

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(石松の相手はモンスターのゴキブラーだった!)

石松が威勢よく大男(ゴキ)に飛びかかったが、大男は怪人ゴキブラーに変身した。車の下に隠れていたまことは、変身した姿を見て驚く。勇気を振り絞って石松は奮戦したが、石松はノックアウトを食らい、源太郎もやられてしまった。こうして大金をはたいて買った缶詰は、車ごとゴキブラーたちに奪われてしまった。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
三矢源太郎役は、名バイプレーヤの多々良純氏である。頑固なところがあるが、まことには優しいおじいちゃんである。新マンでは、レッドキラーを操る宇宙人ズール星人の人間態を演じられた。2006年に89歳で他界されている。


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コンドールマン(10) [コンドールマン・ドラマ1]

今回は、第5話《紅コウモリ現る/ 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・まことの父・三矢堅介が人々のために農家から集めてきた米や野菜を金満社長は強奪したばかりか、堅介と石松を拉致してしまう。一方、堅介の帰りを自宅で待つまことと母・陽子も拉致され、サタンガメツクのアジトへと連行されてしまう。親子はアジトで対面するが、皆殺しにされようとしていた。その時アジトにコンドールマンが現れ、三矢家の人々は救出され、サタンガメツクは最期を迎えた。すると帝王キングモンスターは、新たにレッドバットンを日本へ送り込んだ】

◆大金を叩いて買い込んだ缶詰を車ごとモンスターに盗まれた源太郎と石松だが、打撲程度の怪我で済んだことは不幸中の幸いだった。そのことがあった翌朝。朝刊を取りに出た主婦が、郵便受けの中に缶詰が1個入っているのを見つけた。缶詰にはチラシが1枚付いていて、こう書かれていた。

義によって 悪徳商人を懲らしめ
飢えに苦しむ人々を救う! 義賊 紅コウモリ  

食料品が不足している市民にとって、この缶詰は天からの贈り物だ。この文面をすっかり信じた人々は、三矢食料品店を悪徳商人と決めつけ、大勢が店前に集まって来た。彼らはたみ子に詰め寄り、文句を言う。店内にはもう売れる品物が一つも無いことをたみ子がいくら説明しても、誰一人信じようとはしない。店員の石松、それに偶然やって来た一心とで、やっと事態を収拾したのだった。

『義賊・紅コウモリ現る。昨夜紅コウモリと名乗る一団が、買占め中の悪徳商人から奪った輸入缶詰を飢えに苦しむ人々の家に1トン近くも配った・・・』

三矢家の人達が全員集まっている茶の間で、一心は朝刊を読みながらモンスター一族の狙いがどこにあるのかを考えていた。源太郎によれば、モスターカンパニーから買い付けた缶詰はおよそ10トン。だから、残り9トンは奴ら・紅コウモリが盗んだことになるのだ。

『みんなに喜んでもらおうと思って有り金はたいたのに、悔しい!ねぇ一心、なんとかならないの?』

たみ子はそう言って、悔しい思いを一心にぶつけるのだった。この方はウチの息子ではないんだからと、言動を控えるよう源太郎はたみ子に言う。だが一心は、自分のことを家族同様に思ってくれる三矢家の人達が好きだった。まことが言った。

『ねぇ、ワタシの一心お兄ちゃんよネ!』
『あぁ!』

(ナレーション;コンドールマンはコンドールアイを使い、モンスター一族の姿を求めて日夜歩きに歩き続けた。だが、そのコンドールマンをあざ笑うかのように、紅コウモリは会社の名前と取引場所を変えて、食料品店主たちを騙しては暗躍を続けた。わずかばかりの食料でも恵まれた人達は、紅コウモリを義賊と呼び、正義の人と信じて疑わなかった)

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郵便受けに缶詰が入っていたまことの友達・男児Aは紅コウモリを義賊と信じ、公園で「紅コウモリごっこ」をしようと言いだす。集まってきた数人の友達も賛成するが、紅コウモリの正体がモンスターであることを知るまことは反発する。男児Aはまことの家を悪い商人だと決めつけ、缶詰をもらったらしい他の友達と共に、まこと一人を仲間外れにするのだった。

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(ルイザは手を振る聴衆に応える夢想を・・・)
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(ゴキはゴミ箱をあさる・・・)

この公園のそばを車で偶然通りかかったゴキとルイザ高倉は、紅コウモリごっこをする男児女児たちの様子を見て、満足げであった。ルイザは宙を見つめて、多くの聴衆を前に喝さいを浴びる自分の姿を夢想していた。そして、コンドールマンを葬るのも自分だと意気込むのだった。そんな夢想をしているルイザの様子を運転手のゴキはバカバカしく思い、車から外へ出ると、近くのごみ箱をあさり始めた。

公園前を配達車で通りかかった石松が、イジメられているまことを見て助けようと車から下りてきた。しかし、まことの目は公園のゴミ箱をあさる大男の方を向いていた。あの大男は、先日源太郎の缶詰を車ごと奪ったモンスターに間違いないと、まことは指摘するのだ。石松とまこと、それにモンスターの存在を信じない男児Aの三人は、正体を見届けるために大男とルイザが乗った車の後を配達車で追跡することにした。

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埠頭に浮かぶサビついた貨物船に、ルイザとゴキが乗り込むところまでを目撃した三人。ここで石松が三人では不安だから応援を呼ぼうと言い出すが、男児Aが話をうやむやにする気だと疑いを抱くのだった。怒った石松は男児Aの不信感をぬぐうため、三人であの古い貨物船に乗り込もうと提案する。

その頃、まことを探していた一心は、モンスターらしき人物をまこと達が車で後を追って行ったという話を公園で耳にした。

(ナレーション;一心は焦った。車が走り去ったという方角しか、手がかりは無かったのだ)

貨物船に乗り込んだ三人は、回りの様子をうかがいながら慎重に進んだ。すると、向こうからルイザとゴキが言い争いをしながら歩いて来るのが見え、急いで三人は隠れた。ルイザのキツイ言い方に、ゴキが怒りのあまりゴキブラーに変身する場面を目撃し、三人は慌てた。

『やっぱり、まことちゃんの言う通りだ!』

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男児Aは驚きの余り尻もちをつき、音をたててしまう。ゴキブラーはその音に気づくと、音の原因を探し始めた。とっさに気転を利かせた石松が、猫の鳴き声をまねた。単純なゴキブラーは音の正体をネコだと思い、嫌がって逃げて行った。ゴキブリはネコがキライなようだ。その間にまことは、素早い動きで貨物船から脱出すると、助けを求めて懸命に走った。

『おじさん、助けて!あの船にモンスターがいるの!』

まことは途中で見つけた船員のおじさんに二度助けを求めたが、船員はふたりとも子供の話だと思い信じてくれなかった。こうなったら自分がコンドールマンに通報するしかないと思ったまことは、必死に走った。街の近くまで走って来たまことは、前方から歩いて来る若い作業員に助けを求めた。

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『なに?モンスター!ヨウシ、おじさんに任せとけ!』

(ヨカッタ!)ホッとしたまことは突然魔人コンバットに抱えられ、捕まってしまった。話かけた若い作業員は、見張り役の魔人コンバットだったのだ。

『何するの!助けてぇ~』

だが、次の瞬間強烈なキックとパンチが、魔人コンバットを直撃した。魔人コンバットは失神し、まことは放り出されてしまった。

『もう大丈夫だ!』
『あっ、一心お兄ちゃん!』

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(コンドール、アイ!・・・ついに見つけた!)

公園で耳にした情報を基に、一心は必死にまことを捜索していた。そして、コンドールアイを使って、とうとう一人の魔人コンバットを発見し、その者のあとを一心は追っていた。まことが声をかけた作業員は、一心が追跡していた魔人コンバットだったのだ。

一方、アジトの貨物船に残った石松と男児Aは船内に隠れていたが、男児Aが我慢できずにおしっこをしたため、ゴキブラーがその臭いを嗅ぎつけて迫って来ていた。

『うん?なにやら非常に美味しそうな臭いがするぞ!コラ。正体を見たヤツは、生かしておかんのだ!』

汚い物の臭いが好きなゴキブラーに、石松と男児Aはとうとう見つかってしまう。その頃、まことの話を聞いた一心はコンドールマンに変身し、アジトの貨物船に向かってマッハコンドル号を走らせた。そして、貨物船に乗り込むと、ゴキブラーに襲われそうになっていた石松と男児Aを救出し、船外へ逃がした。

その様子を見ていたルイザ高倉は、レッドバットンに変身すると独り言のように言った。

『さすがだね、コンドールマン。だが、この船にはちゃんと仕掛けがしてあるのさ。そして、臭くて汚いゴキブラーも一緒に始末してやる!ワハハハハ』


コンドールマンとゴキブラーの戦いはもつれ、二人とも甲板から船倉(貨物を積んでおく所。中は隔壁で仕切られている)に落下してしまう。

『コンドールマン!船と一緒の海の藻屑となるがいい!』

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船倉のフタが急に閉じ、閉じ込められたコンドールマンとゴキブラー。そこへ空からレッドバットンが爆弾を落とした。貨物船は大音響と共に大爆発して、物凄い炎が舞い上がった。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★

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コンドールマン(11) [コンドールマン・ドラマ2]

今回は、第6話《コンドール・ジュニア誕生 / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;伊賀山正光

【前回までの話は・・・サタンガメツクが倒れ、帝王キングモンスターは後任にレッドバットンを送り込む。レッドバットンはゴキブラーを連れて日本へ上陸すると、「義賊・紅コウモリ」を名乗って飢えに苦しむ人々に缶詰を施すのだった。だがその行為の裏では、善良な食料品店主に輸入食料品缶詰を売りつけては奪うという悪事を働いていたのだ。人々は義賊・紅コウモリを信じたが、一心が睨んだように、その正体はレッドバットンとゴキブラーであった。コンドールマンは古い貨物船のアジトを突き止め乗り込んだが、そこにはレッドバットンの仕掛けたワナが待っていた】

◆船倉に閉じ込められたコンドールマンとゴキブラーは、貨物船もろとも巨大な火柱に包まれた。あの現場から命からがら逃げてきた石松とまこと、それに男児Aは、公園に集まって来た友達にその様子を話すのだった。

『俺だって信じたくないけど、見ちまったんだよ・・・目の前で船がバーン!と大爆発するのを』
『あれじゃあ、いくらコンドールマンだって・・・』

石松も男児Aも、コンドールマンが死んでしまったものと思っている。無理もない。あの大爆発と火災の中では、いくらコンドールマンでも到底助かるとは思えなかった。

『何言ってるのよ!コンドールマンが死ぬわけないじゃないの!』

一人まことだけは、不安に思いながらもふたりの言葉を否定した。すると、まことの言葉を聞いた石松は考え直して、落胆するみんなを励ますのだった。

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その頃、コンドールマンは火傷を負いながらも命は助かり、爆発で吹き飛ばされて波消しブロックの上に一心の姿で気を失って倒れていた。ゴキブラーは小さなゴキブリの姿になってコンドールマンにしがみついていたため、やはり助かっていた。

一心が目覚めたのとほぼ同時にゴキブリも巨大化し、一心の目の前にゴキブラーが現れた。一心もすかさずコンドールマンに変身してゴキブラーと戦ったが、傷ついているふたりの戦いは決定打を欠き、ゴキブラーが逃げるようにして立ち去って行った。コンドールマンは思った。今度のモンスターは、空を飛べない自分の欠点を突いてきたと。

コンドールマンの行方が判らないことも心配だが、公園に集まったまことの仲間に心配なことが起きていた。親友・健一の妹が、栄養不足で病気になってしまったという。このままでは命に関わると医者に言われたため、家が食料品店のまことに食べ物を分けて欲しいと相談したのだ。だがどの家にも、たくさん分けてあげられるほどの食料は無い。子供たちは少しでもいいから健一の力になろうと家から食料を持ちだして、再び公園に集まって来た。

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『これ、すいとんだけど』
『湿気てるけど、ピーナッツは栄養あるんだぜ』

まことはすいとん(主として食糧事情の悪い時に食する汁物)を、男児Aはピーナッツを健一に渡した。他の友達も、少しだができる限りの物を持ち寄って健一に渡した。健一はみんなの友情にうれし涙を流しながら、妹に食べさせるために大事に、しかし急いで持ち帰って行った。

ところが、自宅へ帰る途中の健一をゴキが襲い、せっかくの「友情」は地面に放り出されて台無しになってしまった。少しでも食べられそうな物を必死に拾う健一と、それを阻止するゴキ。石松とまこと達が後から歩いていると、その様子が視界に入った。

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(ゴキブラーに抵抗する子供たちだが・・・)

石松やまこと、一緒にいた友達が健一を助けるために全員でゴキブラーに立ち向かったが、敵うわけも無い。そのとき、マッハコンドル号がこちらへ疾走して来るのをまことは見た。死んだと思っていたコンドールマンが生きていることを知ったまこと達みんなは、勇気が湧いてきた。コンドールマンがゴキブラーの前に立ちふさがると、ゴキブラーは空を飛んで逃げてしまった。

健一の父がスープを作って妹・春子に飲ませていると、家の呼び鈴が鳴った。父がドアを開けると、そこに立っていた女性が缶詰を一つ父の目の前に差し出した。春子の病気を治すために、缶詰は喉から手が出るほど欲しい。缶詰には紅コウモリのマークが付いている。

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(義賊・紅コウモリの印が付いた缶詰)

『正義の味方、義賊・紅コウモリの使いです。だいぶお困りのようですけれども、紅コウモリに入団なされば、毎日一個ずつ缶詰が配給されますよ』

そう言って健一の父に缶詰を渡した女は、ルイザ高倉だった。レッドバットンは人間に化けて一軒一軒家を回っては、缶詰をエサに紅コウモリに入団するよう人々を勧誘していた。

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(ルイザは人々を缶詰で勧誘して歩いた)

(ナレーション;その日から、飢えに苦しむ人達を入団させようとする紅コウモリの新たな企みが始まった。コンドールマンは激しい怒りを胸に、紅コウモリの行方を追い求めた)

ゴキブラーが町の汚い場所に現れることを知ったまことは、ゴキブラーが去った後、自分達が先頭に立って町をきれいにすることを友達に提案するのだった。その提案には、みんなも大賛成だ。

『そうだ!ゴミさえ無かったら、さっきのモンスターも現れなかったんだ!』

健一を探しに来た健一の父は、まこと達を見つけるとその中にいた健一に向かって言った。

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『健一、喜べ!紅コウモリから缶詰をもらったんだよ!紅コウモリは良い人だぞ!』
『おじさん、紅コウモリは悪者なのよ』
『そうだよ、そうだよ』
『そんなこと無いよ!こうして困っている人を助けてくれているじゃないか!』

まこと達の話が信じられない健一の父は、反発する。そして、これから町の清掃に出かけるまこと達の中にいた健一を連れて、一緒に家へ帰ってしまったのだ。健一が春子に缶詰を食べさせていると、父は行き先を告げずに出かけると言った。返事をしない健一を、父はたしなめようとする。友達の言う事が正しいと信じる健一と、缶詰をくれる紅コウモリが正しいと信じる父とで意見が対立していた。

『まことちゃんもコンドールマンも、言ってるよ。紅コウモリは悪者だって!』
『紅コウモリが悪者だったら、父ちゃんに缶詰なんかくれませんよ!』

その頃、清掃道具を持ったまこと達が、町の汚い場所を見つけては掃除を始めていた。そこへ一心がやって来た。アジトの貨物船でモンスターを見た男児Aとまことが、一心に笑顔で言った。

『俺たち、モンスターと戦っているんだ!』
『モンスターを倒してくれるのはコンドールマンだけど、私達にだってゴミをきれいにしてモンスターを出さないようにすることはできるはずよ!』

健一がいないことに一心が気付くと、あれだけヤル気を見せていた健一が出てこないことにみんなも不思議がっているのだった。そこへ健一の父が通りかかり、タバコの吸い殻をポイ捨てしていったのだ。石松がポイ捨てを注意すると、怖い顔つきでそのまま行ってしまう健一の父。

(ナレーション;コンドールマンは反射的に、モンスターの正体を見破るコンドールアイを使った。だが、健一の父は変身をしなかった。しかしコンドールマンは、彼に異常なものを感じた)

掃除をしながらその様子を見ていたまこと達も、いつもの健一の父とは違うことを感じ取っていた。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★

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コンドールマン(12) [コンドールマン・ドラマ2]

今回は、第6話《コンドール・ジュニア誕生/ 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・レッドバットンとゴキブラーのアジトに乗り込んだコンドールマンだが、ワナを仕掛けられて大爆発に巻き込まれ、その様子を見ていたまこと達は心の支えを失ってしまう。ゴキブラーに襲われ、妹の病気を治すために友達から集めた食事を台無しにされた健一。彼を助けるためにゴキブラーに立ち向かったまこと達の前にコンドールマンが現れ、まこと達は再び元気を取り戻すのだった。一方、レッドバットンはルイザ高倉の姿で、缶詰をエサに人々を紅コウモリに勧誘する作戦に出る。健一の父・健助は、妹・春子の病気を治す為にどうしても缶詰がほしい。健助は紅コウモリに入団するため、缶詰と一緒にもらった地図の示す地点へ出かけて行くのだった】

◆健一は、毎日どこかへ出かけて行く父の様子が気になり出した。ある日、一心は石松やまことと一緒に公衆浴場に行った帰り道、歩道橋の上に一人でいる健一を目撃する。まことや石松と別れた一心は、健一を見かけた辺りまで戻ると、健一に声をかけた。だが、健一は何も言わずに去ってしまうのだった。(これはきっと何かある)そう思った一心は、一晩中健一の家を見張った。すると、朝早く健一の父・健助が出かけて行くところを一心は目撃する。一心は、健助のあとを追って行くのだった。

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(缶詰欲しさに健助は地図を頼りに出かけて行く)

ずいぶん遠くまで山道を歩いてきた健助を、一心は途中で見失ってしまう。その時、突如現れた数人の魔人コンバットに、一心は囲まれてしまう。この近くにアジトがあるに違いないと考えた一心は、コンドールマンに変身して魔人コンバットたちを全員倒し、アジトの捜索を始めるのだった。そして、この山道の先に誰も使っていないボロボロの民家数軒を発見する。

アジトにしているボロボロの民家の中では、ルイザ高倉(レッドバットン)とゴキ(ゴキブラー)が話をしていた。

『オイ。人間の団員もだいぶ増えたようだが、あんなに集めてどうするつもりだ?まさか、スター気取りでファンを集めているんじゃあるまいな?』
『そんなんじゃないよ!今に奴らを使って、食料品などではない、もっと大本を徹底的に叩きつぶしてやりたいんだ!』
『好きにしてくれ!俺の狙いはコンドールマンだけ。ヤツを倒して、必ず幹部になってやる!』

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(健一達は父が心配で後を追ったが・・・)

ふたりが言い争っている場に魔人コンバットが一人来て、怪しい子供たちを捕えたという報告をした。子供をイジメるのが大好きなゴキブラーは、その子供たちをいたぶるため、魔人コンバットの後に付いて行った。子供たちは5人で、まことと4人の男児。その中には健一もいた。

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(訓練の標的を見て健助は唖然とする)

横並びにして木に縛り付けた5人の子供たちの前へ、紅コウモリに入団した人間たちを訓練と称してゴキは一人ずつ連れていく。第1番目に連れて来られたのは、健一の父・健助であった。ゴキに命令されライフル銃を持たされた健助は、標的を見てびっくりする。

『さあ、あれを撃て!』
『お父ちゃん!』
『ああ!お前達。いったい?!』

紅コウモリが悪者なら、父が悪いことをしているかどうかを皆と確かめに来たと、健一は言う。父が悪いことをしていなければ、自分も胸を張って皆の仲間に入れると健一は考えたのだ。だが、ゴキの前で親子の名乗りをしてしまったために、ゴキに楽しみを与える結果になった。ゴキは健一に近づいて行くと、すぐ横で健一の頭に銃口を向けながら健助に命じた。

『さぁ、他のガキどもを撃て!』
『子供たちを撃つなんて、そんなひどいことは出来ん!』
『父ちゃん、撃っちゃダメだよ!ボクは死んでもいいから、皆を撃っちゃダメだよ!』

他の4人を撃たないと息子の命が無いと脅され、苦渋の選択を迫られる父・健助。人間の苦しむ姿を見ることが何よりも好きなゴキブラーは、健助の苦しむ姿を見て邪悪な笑い声をあげた。その時、ゴキの右腕に羽手裏剣が突き刺さり、ゴキの手から拳銃が落ちた。そして、健助を背後から見張っていた魔人コンバットも同時に倒れた。

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『正義のシンボル・コンドールマン!そのような悪は、断じて許さん!』

崖上からジャンプしてゴキの目前まで近づいたコンドールマンに、ゴキは恐れて逃げていく。コンドールマンが子供たちのロープを解くと、健一は真っ先に父の元へ走っていった。二人は抱き合い、命が助かったことを喜んだ。その様子を見たコンドールマンは、すぐにゴキブラーのあとを追う。ゴキはゴキブラーに変身すると、空を飛べないコンドールマンを空から威嚇した。

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様子を見に、空からレッドバットンが現れた。手柄を独り占めしたいゴキブラーは、レッドバットンが手出しすることを拒絶する。

『フン、やってみるがいいさ!』

ゴキブラーを毛嫌いするレッドバットンは鼻で笑うようにそう言い、最初から協力する気など毛頭ない。

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空を飛び回る怪人は、動きが素早い。ゴキブラーは逃げるように飛んで姿を隠すと、コンドールマンの背後から現れ、目つぶしを投げつけた。七色の目つぶし煙幕のために、コンドールマンの視界はゼロになった。ゴキブラーは自分の触覚を一本抜くと、長くのばしてロープ状にし、顔が入る大きさの輪を作ってコンドールマンの首に巻きつけるつもりなのだ。

『コンドールマンの絞首刑だ!』

目が見えずに右往左往しているコンドールマンの背後から静かに近づき、ゴキブラーはロープを首に掛けようとする。だが、タイミングが合わず、なかなか掛からない。コンドールマンは背後に怪人の気配を感じ取り、その気配に向かってチョップ(コンドールカット)を食らわした。ゴキブラーの首が大きく吹き飛び、そのあと首を失った胴体が右往左往していた。やがて小さなゴキブリに戻ると、それは大爆発した。

勝利を収めたコンドールマンの元へ、隠れていたまこと達5人と健助が走って集まって来た。代表してまことが助けてくれたお礼を言うと、続けてこう話した。

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『私達ね、コンドール・ジュニアを結成するの!』

「コンドール・ジュニア」とは、コンドールマンを応援しながら正しいことを進んで行う集団のことだと、健一がコンドールマンに説明した。コンドールマンの承認をもらい、まこと達のちびっこ応援団「コンドール・ジュニア」がここに誕生した。

だが、それも束の間、ゴキブラーが倒されたことを受け、レッドバットンが空からコンドールマンに攻撃を仕掛けてきた。コンドールマンは急いで子供たちを逃がすと、レッドバットンに果敢に立ち向かって行く。

『ゴキブラーの仇だ、命はもらったよ!バットタイフーン!』

空を飛び一度上昇したレッドバットンは、反転してコンドールマンめがけて急降下しながら両のツバサで羽ばたき突風を起こした。それをまともに受けたコンドールマンは、大きく吹き飛ばされてしまう。つかまる所も無く、強風にあおられて転がりながら持っていかれたコンドールマンは、崖から転落する直前で辛うじて踏みとどまっていた。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
コンドールマンとレインボーマン。白装束のふたりだが、決定的に違うのはアクションシーン。東映は仮面ライダーなどで培ったアクションのノウハウを使い派手なアクションシーンを演出するが、後者の東宝はさほど派手なアクションシーンがない。派手なアクションは映像にリズムを生み、ヒーローが活躍する姿に視聴者はスッキリした気分になる。

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