SSブログ

ダイヤモンド◇アイ(7) [ダイヤモンドアイ・ドラマ1]

今回は、第4話《挫けるなライコウ /前編》を取りあげます。

  企画;衛藤公彦
  原作;川内康範
  脚本;伊東恒久
  音楽;池多孝春
  殺陣;渡辺高光
特技監督;真野田陽一
  監督;六鹿英雄

【前回までの話は・・・命が狙われていることを大沢山剛造とライコウから指摘された竜神代議士は、ダン会長からも10億円を出せば命を助けると言う電話をもらう。あまりの金額の大きさに驚く竜神はそれを無視し、ボディガードも付けずに予定通り慈善パーティーは開催された。案の定、パーティー会場に殺し屋が現れ、竜神は子供を盾にして命乞いをする。そんな竜神に、ライコウの怒りは爆発する。殺し屋タイガーに窮地に追い込まれたライコウは、ダイヤモンド・アイの助けを借りて殺し屋の正体・魔人ヒトデツボを倒す。だが、逃げる竜神は、朱玉によって暗殺されてしまった・・・】

◆朱玉は笑みを浮かべて、源海龍に報告した。

『竜神は、始末しました』
『ご苦労。さて、次の仕事。ハリケーン作戦のリストだ』

源海龍は、出来上がったハリケーン作戦のリストを朱玉に渡した。ハリケーン作戦とは、不正を働いて大金を貯め込んだ財産家たちから、すべてを奪う作戦である。源海龍のねらい目は、不正を働いて儲けた財産なので、警察に守ってもらうことが出来ない点であった。このリストは、ダン会長に化けた源海龍が大沢山に命じて作らせたものであった。

『作戦の前に、どうしても殺らなければならないヤツがいる。コイツがいると、ハリケーン作戦の遂行が危うい』
『雷甲太郎』
『そのとおり。それと、大沢山だ』
『今度こそ、必ず!』

朱玉にとっても、ライコウは作戦を邪魔してくる目の上のタンコブである。片目のタイガーを倒された朱玉は、次の殺し屋を用意していた。ソンブレロを目深にかぶった「マシンガンのジョー」である。

一方、大沢山の娘・京子は、自分の父が疑惑の人物になっていることを、テレビのニュースで知るのだった。名前こそ出さないが、憲政党の竜神代議士の死に不審な点があり、西沢局長と中村税理士の二つの殺人事件との関連性がある人物として、警察が行方を追っているとニュースは報じていた。

京子の母はすでに他界し、他に頼れる身内も無い京子は途方に暮れていた。だが、ふと思い出したのが、雷甲太郎であった。赤い覆面集団に追われていた京子を必死に助けてくれた雷甲太郎を、京子は信じてみる気になっていた。ライコウが自宅に置いて行った名刺の電話番号に、京子は電話した。

『ライコウですが・・・京子さん!』
『教えてください。父は何をしたのでしょうか。父が、人殺しなのですか?』

テレビのニュースで観たことを、京子はライコウに話した。何を聞いても驚かないから教えて欲しいと、京子は言うのだった。だが、ライコウの方も大沢山の居所はおろか、生きているかどうかも判っていないのだ。これ以上は電話で話せない内容なので、京子の自宅へ向かうからと言って、ライコウは電話を切った。

IMG_3419.jpg
編集部のドアを開けて出て行こうとするライコウは、五郎とカボ子にすれ違う。勘の鋭いカボ子は、その様子からライコウの行き先が京子の自宅だと推察した。一緒に付いて行こうと五郎に言い出すカボ子を見て、図星なだけに迷惑そうな顔をするライコウ。そんなライコウ宛にプレゼントが届いていると言って、五郎は一階の受付から袋を一つ持って来ていた。聞けば、女性が置いて行ったものだという。興味が無いライコウは、「お前にやるよ」と言って、中身も見ずに五郎にあげてしまうのだった。

IMG_3420.jpg
ライコウを先頭にして編集部を出ると、三人は階段を下りていく。途中で中身が気になる五郎は、立ち止まって袋を開けてビックリ。中身はなんと、置物の形をした寒暖計だ。「寒暖計を送る女性とは?」五郎が不思議に思ってそれを眺めていると、ライコウが何かに気付いた。五郎からその寒暖計を取りあげると、ライコウはそれに耳を当てた。

『時限爆弾だ!』

カチカチという時計のような音がしていることを確認したライコウは、急いで捨てる場所を探し求めた。走って階段を一階まで降りていくが、ビルの外は子供たちや車が走っていて処理する場所が無い。仕方なく、階段を駆け上がって屋上まで行くが、ここは街中なので屋上から見えるどの方角にも建物があり、投げ捨てることはできなかった。

『チクショー!』

ライコウは、分解して爆発前にリード線を切ろうとするが、構造が解からず、手の出し様がない。そこへ、遅れてカボ子と五郎が屋上へ上がって来た。ライコウは二人を手で追い払って、「逃げろ!」と叫んだ。爆発の時間が迫る中、カボ子が投げた一枚のトランプカードが唸る様に飛んで行き、時限装置と爆弾とを結ぶリード線を見事に切り離してみせた。

『ありがとう。助かったよ!』

ライコウがカボ子にお礼を言うと、カボ子は右のこめかみ付近を人差し指で軽く二度突いて、笑ってみせた。(頭が良いでしょ、とお道化てみせた)

爆発の危険は去り、安心したライコウが屋上から下の道路を見下ろした時、電柱の陰から
ビルの入口を見張っているような男をライコウは見つけた。

『源海龍の手下かもしれない。ヤツを取っ捕まえる!』

階段を一階まで駈け降りてビルの玄関を出た所で、ライコウは右方向から走って来た車にマシンガンの銃撃を受けた。止まっていた車の陰にとっさに隠れて難を逃れたライコウは、走り去る車を走って追いかけた。だが、ライコウよりも先に、その車を走って追う人物がいた。屋上で、ライコウが目を付けた人物だ。

ライコウはその人物に追いつき格闘になるが、格闘技の腕前は相手が一枚上のようであった。あとから走って追いかけてきたカボ子が、手裏剣のようにトランプカードを一枚投げてライコウを援護すると、その人物は飛んで来たカードを指ではさんで受けてみせた。そして、内ポケットから警察手帳を出したのである。その人物は刑事だった。

一方、ライコウの狙撃に失敗した車は逃走し、ある場所で停まると、後部座席に乗った朱玉が助手席のマシンガンのジョーに言った。

『マシンガンのジョーともあろう男が、たいへんなミスよ!』
『そう言うあんたも時限爆弾のミス、お互い様だよ。だが、この次は必ず仕留める!』

海藤警部は、密かに刑事を張らせていたのだ。その刑事を犯人と間違えて格闘してしまった
ライコウ達は警視庁に呼ばれ、警部にお灸を据えられていた。そこへドアを開けて刑事が顔を出すと、ライコウ達の背後から警部に報告した。

『警部、先程の車を手配しました。多分、盗難車だと思いますが・・・』
『ちょっと、紹介しよう。石田刑事だ』

振り返ったライコウ達は、ばつが悪い面持であいさつをした。その人物は、ついさっき敵だと思って格闘してしまった刑事であった。ライコウ達三人を帰した海藤警部は、大沢山に関係している人物の別荘を洗うようにと、石田刑事に指示を出した。

『どうやら大沢山の上に、もう一人大物がいるらしい』
『誰です、その大物って?』

部屋の外で聞き耳を立てていたライコウ達が、ドアを開けて無断で入って来た。ライコウ達のその様子に、海藤警部は怒った。いや、親心から心配したのだ。

『いいか、ライコウ!お前の正義感も立派だが、足が地に着いておらん!・・・ワシの息子みたいに、死んだらつまらんだろうが』

そう言って、悲しい顔をしながら部屋を出て行く海藤警部と石田刑事。ライコウは、警部に言われた言葉の意味を理解していた。海藤警部の息子は父と同じ警官になったのだが、麻薬ルートを深追いし過ぎて、殺されてしまったのだ。葬儀の時、顔をクシャクシャにして泣いていた警部の顔が、ライコウの脳裏に今も残っている。

ライコウがその話を二人にすると、カボ子と五郎は無鉄砲なライコウのことが突然心配になった。二人の視線に気づいたライコウは、「無理はしない」ことをふたりに誓うのだった。

警視庁を出た三人は、次の行動に移る。ライコウは、警部のいう「大物」探しをカボ子と五郎に依頼した。即ち、大沢山、竜神、西沢の三人が共通に関係している組織を調べることだ。そして、ライコウは大沢山京子の所へ向かう。だが、三人のその話を、警視庁前の立ち木に取り付けた超小型集音マイクで拾って聞いている者がいた。朱玉とマシンガンのジョーである。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
今回の殺し屋マシンガンのジョーを、上西弘次氏が演じている。上西氏と言えば、ご存じウルトラセブンのスーツアクターである。特撮ドラマに、時々ゲスト出演していた氏であった。なお、上西氏の没年は不明である。

nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。