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ジャイアントロボ(1) [ジャイアントロボ・ドラマ]

今回は、《第1話 大海獣ダコラー・前編》を取りあげます。

原作;横山光輝(光プロ)
企画;平山 亨・坪井久智
脚本;伊上 勝
音楽;山下毅雄
特技;矢島信男
技斗;久地 明
監督;山田 稔

(ナレーション;無限の大宇宙の彼方から、ある日突然不思議な飛行物体が出現した。その飛行物体は宇宙円盤である。その宇宙円盤は太陽系の星のひとつ、地球へ向けて突進して行った。宇宙円盤の接近は、いち早く地球上のレーダーに映し出された)
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『国籍不明の飛行物体が接近中!ただちに迎撃態勢に入れ!ただちに迎撃態勢に入れ!』

指令を受けた国防軍のジェット戦闘機隊が、謎の飛行物体迎撃の為に次々と出撃して行く。迎撃態勢を取る前に、ジェット戦闘機隊のリーダーが謎の飛行物体に通信機で話しかけた。

『飛行物体に告ぐ!国籍と侵入目的を明らかにせよ!応答が無い場合、本編隊は攻撃する!応答せよ、応答せよ!』

だが、謎の飛行物体からの返事は無い。リーダーは全機に向けて攻撃態勢を指示しながら、引き続き飛行物体に向けて応答を促した。するとヘルメットのスピーカーを通すこと無く、不気味な声が聞こえてくるのだった。

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『ムフフフ・・・・ハハハハハ・・・吾輩は、宇宙の彼方から地球征服にやって来たギロチン帝王だ。地球人ども!ギロチン帝王の力を見よ!』

言葉が終わるや否や、飛行物体から放たれたレーザー光線がジェット戦闘機を次々と射ち落していき、ジェット戦闘機隊は壊滅した。黒い煙を挙げて落下していく戦闘機を横目に、謎の飛行物体はそのまま海中へ突っ込んで行き姿を消した。

(ナレーション;太平洋の海中に沈んだ宇宙円盤はそのまま姿を現さず、人々に忘れられたまま月日が過ぎて行った。それから数か月のち、太平洋上で次々と船が沈む怪事件が起こった)

新聞記事は『太平洋上で謎の沈没事件』と称し、すべての事件で生存者が無いことを報じていた。このような事件が後を絶たない中で、事件があった同じ航路を行く豪華客船に乗る少年(草間大作)と青年(南十郎)が偶然に船のデッキで出会った。少年が夜のデッキから大海原を眺めていると、青年が後ろから少年に声をかけた。

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『静かなもんだ。この海の上で事件が起こるなんて信じられないな。』
『事件て、何か起こるんですか?おじさん』
『おじさんはヒドイなー!君は何も知らないの?』

少年が首を縦に振るのを見て、青年はこの航路について詳細を語って聞かせるのだった。

『この一か月の間に、原因不明の沈没事故が次々とこの航路上で起きているんだ。』
『そう言えば、ハワイの叔父さんもそんな事を言っていたっけ・・・』
『すると、知っていて君はこの船に乗ったのかい?あの事件のおかげで、この船の乗客は少ないんだ。』

身体は小さいが肝っ玉の据わった少年に、この青年は感心したが、そろそろ遭難海域が近くなり、青年は少年に忠告をしたのだった。

『君、気をつけた方がイイと思うよ!』
『おじさんもあの事件を追って、この船に乗っているんですか?』
『ああ、こう見えてもこの南十郎はユニコーン・・・』

青年は言いかけて、口をつぐんだ。

『い、いや、つまり新聞記者でね。ところで、君の名前は?』
『ボク、草間大作。よろしく!』
『南十郎だ』

二人が握手を交わした時、定時連絡の時間を告げる音が鳴った。南十郎は草間大作と別れると、物陰に隠れてセビロの内ポケットからペン型の無線機を取り出して通信した。

『こちらユニコーン機関諜報部員U3(ゆーすりー)。日本支部、どうぞ』
『こちら東(あずま)支部長だ。U3、異常はないか?』
『目下のところ太平洋上波静か、月は青く澄んで異常無しであります。』
『バカもん!気取っている場合じゃない!』

どこかへ通信をしている青年の姿を柱の陰からそっと見ていた草間大作は、青年がなにか特殊任務を帯びて乗船しているように感じるのだった。と、そのとき巨大なタコの足のような物体が突如海面から現れ、この豪華客船を襲い始めた。船は立っていられない程大きく揺れ、乗客たちは大騒ぎとなった。草間大作と南十郎は互いに身体を支え合いながら近くの手すりにとっさに捕まると、海中から出て来た巨大生物の姿を見るのだった。

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『あっ、あれは何だ!・・・アイツが今まで船を沈めていたんだ!』

ふたりの顔や身体に大量の海水がかかり、全身びしょ濡れ状態の中、早くこの場を去らないと危ないことを二人は話し合った。

『南さん、早く海に飛び込まないと大変だ!』
『大作君、ボクにしっかり捕まるんだ!』

互いにしっかり捕まりながら、二人は沈没寸前の船から暗い海中に飛び込んだ。しばらくは二人とも海面に浮かんでいたが、船を攻撃する怪物の動きが大波を起こし、その波にさらわれるようにして、二人とも暗い海中に沈んで行ってしまった。

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どのくらい時間が経過したのだろうか。波が顔を洗ったおかげで、大作少年は意識を取り戻した。周囲を見回すと、どうやら無人島に流れ着いた様子であった。時刻は昼頃だろうか、太陽が高い。すぐ近くに南十郎が倒れているのを見つけた大作少年は、南十郎を揺り起こした。意識を取り戻した南十郎は命があることに安堵すると、少年の前だが、すぐにユニコーン日本支部に連絡を入れた。

『ユニコーン機関諜報部員U3より、東支部長へ!U3より東支部長へ!・・・聞こえねぇのかな、あの頑固おやじ!』
『バカもん!貴様、まだ船に酔っておるのか!ハッキリと連絡をしろ!』

どうやら妨害電波が出ているらしく、無線機が上手くつながらないのだ。支部の方でもU3の電波は受信できているのだが、音声が上手く届かない。別の隊員がすぐ横で修理を進める中、イライラしながら東支部長は通信マイクを握りしめていた。この間にも、状況はさらに悪化していく。複数の何者かが、大作少年と南十郎を取り囲んでいた。

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『抵抗は止めろ!さもないと射殺するぞ!』

黒いサングラスにドクロマークの付いた黒いベレー帽をかぶった武装集団が、二人を完全に包囲していた。ふたりは後ろ手に縛られ、基地のような場所へ連行されて行った。サングラスのリーダーは、南十郎に問いかけた。

『正体がバレたようだな、ユニコーン機関の諜報員U3君。』
『違う!人違いだ!』

だが、サングラスのリーダーは見抜いているようで、南十郎の襟を掴むと締め上げながら質問した。

『U3!ユニコーン機関は我々の秘密をどこまで知っているんだ?』

白を切るU3を見て、リーダーは隣にいる大作少年を拷問にかけ、U3を白状させるつもりであった。後ろ手に縛られたロープを会話の間に斬ったU3は、一瞬のスキを見つけて大作少年を連れてその場を逃げ出すことに成功した。

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奪ったマシンガンを撃ちながら、追って来るBF団(びーえふだん)の隊員達から必死に逃げる二人。だが、行き止まりの通路へと入り込んでしまった。

『しまった!行き止まりか!』
『南さん!』

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もうダメかと思ったそのとき、目の前の床がゆっくりと上がっていくのが見えた。いや、正確には二人がいる場所の床が下降しているのだ。その場所は、地下格納庫へと通じる秘密のエレベーターであった。ゆっくりと降下していくエレベーターの中から、最初に巨大な建造施設が見え始め、やがて二人の視界に入って来たのは巨大ロボットの頭部、胴体部、両脚部であった。

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格納庫へ着地したエレベーターから降りた二人がそれを見上げると、ロボットの全高は30メートル程あると思われた。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
ジャイアントロボと言えば何と言っても、大作少年の命令に応えるロボの声である。何と発音したらよいか、解からない。筆者は〚ヴァッ〛だと思っていた(笑)のだが、〚マッシ〛と発音するらしい。



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