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コンドールマン(25) [コンドールマン・ドラマ3]

今回は、第13話《大血戦!モンスター砦 / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;伊東恒久
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;まつしまみのる

【前回までの話は・・・日本に入って来るすべての食糧を買占める「日本人飢え死作戦」はコンドールマンの活躍により食糧は取り戻され、作戦は瓦解した。帝王キングモンスターからコンドールマン抹殺指令を受けた極東司令官サラマンダーはゲムスラー・マダムバーベQとの連携プレー「トライアングル作戦」でコンドールマンを倒そうとするが、ゲムスラーが倒されてしまう。だが、マダムバーベQのバーベQレンジに捕まったコンドールマンは、焦熱地獄の苦しみを味わっていた・・・】


◆マダムバーベQは手に持ったコントローラのツマミを回して、高圧電流の数値をどんどんと上げていく。

『我が夫、バーベQの仇だ!こんがりと丸焼きにして、恨みを思う存分晴らさせてもらうよ!』

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真っ赤に熱を帯びて火花が飛び散るバーベQレンジの中で、コンドールマンは片膝を着きながら両手を組むと、祈るような姿で呪文を唱えていた。それを見たサラマンダーが言う。

『おー、いよいよ最後のお祈りだな!それも良かろう!』

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マダムバーベQは、笑いながらコントローラのツマミを5万5千ボルトから6万ボルトに回しつつあった。すると突然、空一面を黒雲が覆い始めてバリバリバリと激しい勢いで何本もの稲妻が走った。サラマンダーもマダムバーベQも、この突然の天気の変化に大いに慌てた。

『アレ?・・・アリャリャリャ!?』
『世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・コンドールサンダー!』

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次の瞬間バーベQレンジに落雷して、コンドールマンを覆っていた高圧電流のドームに穴があいた。コンドールマンはこの穴から脱出すると、マダムバーベQにキックを浴びせてコントローラを叩き壊してしまった。コンドールマンと組み合った状態では、マダムバーベQはもはや敵では無かった。コンドールチョップを浴びて脳天を真っ二つに割られ、マダムバーベQは大爆発して果てた。

『残るはサラマンダーだ!』

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岩陰に隠れていたサラマンダーを見つけると、コンドールマンはサラマンダーの腹部に棲みついている大蛇を引っ張り、切断してしまった。

『イタタタ、よくもやったな!』

だが次の瞬間、まるで釣り竿で釣られた魚のように、サラマンダーは背中から空中に吸い込まれるようにして姿を消した。コンドールマンは、サラマンダーに逃げられたと思った。だが、そうでは無かった。サラマンダーの体は、ニューヨーク摩天楼の高層階の一室にあった。軍事裁判にかけられるため、キングモンスターの恐るべき力によってサラマンダーは時空を瞬間移動させられていたのだ。

『キ、キングモンスターさま・・・』
『サラマンダー、何と言うザマだ!』
『只今より、軍事裁判を行う』

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マッドサイエンダーがそう高らかに発すると、各地域や大陸で人間せん滅作戦を指揮する司令官たちがサラマンダーの周りを取り囲んでいた。中近東担当のオイルスネークが言う。

『作戦の失敗はただ一つ、死刑あるのみ!』
『美しい花束でのなぶり殺しだ!』

ヨーロッパ地域担当のゴミゴンがそう言うと、ヘドロンガーとスモッグトンも異議を申し出なかった。ここに全員一致で、サラマンダーの死刑は確定した。モンスターたちの花束攻撃がサラマンダーに対して始まった。サラマンダーは苦しみながら、必死に何か言おうとしている。

(ナレーション;美しいもの、清らかなものの中ではモンスターは生きられないのだ)

『死ぬ前に、死刑になる前に今一度チャンスを!キングモンスター様!』
『良かろう。マッドサイエンダー、例の物を』

マッドサイエンダーが持って来た物、それは長さ50センチほどの小型爆弾であった。

『このワシが頭によりをかけてこしらえたコンドールマン用のネオ中性子爆弾じゃ!強烈じゃよ』

部屋の大画面に映る爆弾の実験映像を観るモンスターたち。手元にあるこの爆弾は、映像の爆弾の5倍の威力があるとマッドサイエンダーが豪語する。キングモンスターは、この爆弾でコンドールマンもろとも東京を消滅させてしまう気であった。

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『サラマンダー。これでコンドールマンをフッ飛ばすのだ。東京のど真ん中でな!』

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その頃、東京ではモンスター一味の食糧倉庫が次々と発見され、食糧の配給が東京の至る所で始まっていた。三矢源太郎の店である三矢食糧品店でも、臨時配給所として地域の人達に食糧品を配っていた。源太郎は嬉しそうに「コンドールマンのおかげだよ」と言いながら、一列に並ぶ人達に食料品を手渡していた。近くの公園では、子供たちの為に菓子類が手渡しで配られていた。うれしそうな顔でお菓子をもらう子供たちを見ながら、三矢一心の顔にも久しぶりに笑顔が浮かんでいた。

(ナレーション;サタンガメツクの食糧買占め以来、食糧不足で苦しんできた人々はホッと一息ついたのである。しかし、ひとりコンドールマンは目に見えない不安を募らせていた)

姿を消したサラマンダーのことを一心は考えていた。(サラマンダーは姿を消した。だが、このまま引き下がるとは思えない。奴らのアジトを早く見つけて叩きつぶさなければ・・・)

食糧の入った大きな箱を抱えている堅介を一心は捕まえると、「食糧大臣の秘密メモ」を見せてくれるよう頼んだ。これは、新聞記者の堅介が黒井食糧大臣(正体はゼニクレージー)と関係のある会社を調査して得られた資料であった。メモに書かれた会社名は食糧を隠すための倉庫がほとんどだが、そうでないモノが三つ含まれていた。堅介もそれが気になっていた。

『僕が当たってみます』

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三つの会社のどれかがモンスターのアジトに違いないと、一心は思った。一心はコンドールマンに化身して、これらに当たった。マッハコンドル号を飛ばして調査した結果、「アニマルカンパニー日本支社」という会社が最後に残った。

『サラマンダーめ、待っていろ!』

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だがその頃、臨時食糧配給所になっている三矢源太郎の店をJ・ゴードンと魔人コンバット達が襲っていた。源太郎とたみ子、それに家族全員がゴードンに捕まり、連行されてしまったのだ。そんなことになっているとは知らないコンドールマンは、マッハコンドル号をアニマルカンパニー社が見える場所で止めると、コンドールアイでビル全体を透視して予想通りアジトを見つけていた。ビルの重役室に飛び込んだコンドールマンを待っていたのは、サラマンダーの声が入ったテープレコーダだけであった。

『アハハハ。ご苦労様でした、コンドールマンさん。私は日本にいる。そして、今からお前の味方をした正義の人間どもを次々に銃殺するのだ。早く私を見つけないと、東京中に死人の山ができるぞ!アハハハハ』
(つづく)


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『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。



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