SSブログ

コンドールマン(17) [コンドールマン・ドラマ2]

今回は、第9話《恐怖の吐かせ屋! / 前編》を取りあげます。

企画;愛企画センター
原作;川内康範
脚本;山崎晴哉
音楽;鈴木邦彦
擬斗;金田 治(JAC)
造形デザイン;成田マキホ 平田昭吾
特撮;㈱特撮研究所
監督;奥中惇夫

【前回までの話は・・・食糧難の人々を救うため、政府は黒井大臣の骨折りにより友好国から食糧援助を受けることに成功する。しかし、食糧輸送船はレッドバットンによって爆破されてしまう。一方、コンドールマンはゴールデンコンドルに化身すべく、山中にこもり血の出るような修行に励んでいた。そして、レッドバットンとの対決の時、コンドールマンは念願の三段化身ゴールデンコンドルへの化身に成功した】

◆『世尊妙相具諸鬼難悪人逐、世尊妙相具諸鬼難悪人逐・・・ゴールデンコンドル!』

IMG_4207.jpg
IMG_4205.jpg
空高く飛びあがると、コンドールマンの姿はゴールデンコンドルに化身した。黄金の光輝くゴールデンコンドルが飛行しているレッドバットンに接触すると大爆発が起こり、レッドバットンは悲鳴をあげて地上へ落下していった。

『やったぞ。ゴールデンコンドルに化身できたんだ。ありがとう、タバ』

レッドバットンに勝利したコンドールマンはゴールデンコンドルの化身を解くと、ビルの屋上で縛られている三矢堅介たちを無事に解放した。戦いの一部始終を見ていた堅介とマキはお礼を言いながらも、ゴールデンコンドルの持つ凄まじい破壊力に興奮を隠せないでいた。

一方、秘密のアジトでは、ルイザ高倉の双子の姉・レオナ高倉の身に異常が起こっていた。レッドバットンがコンドールマンに破れた瞬間から、レオナは床に倒れて苦しみもがいていた。苦しみもがいた末に起き上がってみると、清楚な美しさを持つレオナの姿はそこに無く、般若のような恐ろしい顏のモンスター・ゲムスラーがいた。

IMG_4210.jpg
(レオナ高倉の正体、ゲムスラー)

『可愛い妹よ。お前の恨みの心と魔力、確かにこの私が吸収したよ!おのれ、コンドールマン!貴様を殺さずにおくものか!貴様の正体を暴き、なぶり殺しにしてくれる!妹の恨み、晴らさずにおくものか!』

『この食糧危機を乗り切るため、この黒井剛造が食糧大臣たる政治的使命をかけて交渉にあたった結果、前の爆発事故にも関わらず改めて慰留交渉に成功、只今食糧を山のように積んだ船団が日本に向かっております。国民の皆さん、もう少しの辛抱です。どうか安心してください・・・』

まことの家では、まことと石松、それに一心がテレビを見ていた。それは黒井大臣の記者会見で、大臣は再び食糧輸送船団が日本へ向かっているという国民にとってうれしいニュースを発表した。だが、大臣は、コンドールマンが再び襲って来るかもしれないと発言した。

『・・・問題なのは、コンドールマンの存在です。ヤツがまたどんな邪魔をするか、しれないからです!』

それを聞いて、まことは顏を曇らせた。

『ウソよ!コンドールマンは正義のシンボルよ!』
『うん、コンドールマンが邪魔なんかするわけないじゃないか!ねぇ、一心のアニキ?』

IMG_4211.jpg
(コンドールアイは一心の姿の時でも敵の正体を暴く)

石松はそう言って、まことの向こう隣に座っている一心に同意を求めた。一心は「うん」と返事をしながら、画面の中のコンドールマンを敵視する大臣に向かい、コンドールアイを放った。コンドールアイとは、モンスターの正体を見透かし暴く眼力とでもいうべき力である。すると画面が砂嵐のようになり、放送が一時中断した。

(ナレーション;コンドールマンはコンドールアイを使ってみたが、画面が乱れただけで相手がモンスターであるかどうかは分からなかった)

IMG_4212.jpg
しかし画面の向こう側、即ち記者会見場では黒井大臣が急に苦しみ出し、記者会見を急きょ中止して控室へ戻って行った。そして部屋に入るなり、大臣はゼニクレージーに姿を変えた。

IMG_4218.jpg
『ハァ~危ないところだった・・・』

記者たちの目前で正体を明かさぬよう、部屋まで頑張って逃げて来たゼニクレージーの顏は青ざめていた。そんなことが起きているとは知る由もない一心だが、何か異常なモノを黒井大臣に感じるのだった。石松は黒井大臣がなぜコンドールマンを悪者扱いしたのかを不審に思い、不満を誰にともなくぶつけていた。

IMG_4221.jpg
その頃、日本へ向かっている第二次食糧輸送船団に、空から近づいて来る者がいた。ケニアの吐かせ屋と言われるモンスター・コインマーである。懐に忍ばせたコイン爆弾で、船団を次々と爆破していった。先頭の第二黒洋丸一隻を残して他をすべて沈めると、風のように去って行った。

《第二次輸送船団全滅す! コンドールマンの仕業か?》という号外が街中を行く人達に配られた。黒井大臣の発言によってこの事件もコンドールマンが起こしたと信じる人々は、コンドールマンを憎むようになっていた。

レッドバットンを倒したにも拘らずまた事件が起きたことに、一心は焦った。(本当の犯人はモンスターに違いない。だが、その証拠をつかまねば人々は納得をしない。一刻も早く敵の正体をつかまねば!)コンドールマン憎しの声が広がる街中を、一心は黙って足早に歩いていた。

一方、モンスターのアジトでは、妹ルイザを殺されたレオナ高倉が沈没した船団の記事を見て喜びを隠せないでいた。

『ルイザ!町ではコンドールマンを倒せと、それはもう大変な騒ぎだよ。お前の恨みを晴らすのも、もうすぐさウフフフ・・・』

そこへカンカン帽をかぶったモンスター・コインマーが現れた。

IMG_4223.jpg
『ハールマゲドン』
『ハールマゲドン。ケニアの吐かせ屋、コインマー。待ちかねたよ』
『あなたが、極東司令長官J・ゴードンの秘書のレオナ高倉?』
『ああ。ゴードン司令長官は東南アジアからニューヨークへ向かう予定なので、今度の作戦は私が指揮を取ります。上手く輸送船団を沈めてくれたね。まずはご苦労!』

IMG_4224.jpg
(コインマー人間態の名前は不明)

どんなに信念の強い持ち主でも参らない者はいないという、ケニアの吐かせ屋の異名を取るコインマー。コインマーは人間態に変身すると、持ち歩いているアタッシュケースを開けていろいろなタイプの拷問道具をレオナに見せた。そして、「自分が攻める相手はたくましい方が好きなの」と、オカマっぽくレオナに言った。だがレオナはこの拷問道具を使い、必ずやコンドールマンをなぶり殺しにしてやると思っていた。

その頃、まことの同級生の一郎は、父と一緒に海釣りに出かけていた。モーターボートで沖へ出たが、霧がかかって何も見えない。自分達の現在地が分からなくなってしまい、父の善郎は海図を見ながら現在地点を確認していた。すると一郎が遠くに島影を発見、善郎は海図から自分達が魔界島付近を漂流していることを知った。魔界島のことを息子に聞かれ、善郎は答えた。

『漁師も近づかないという、急流に囲まれた島だ』

このままでは命に関わると判断した善郎は、この場から脱出するためにモーターボートのエンジンを掛けようとするが掛からない。焦る善郎たちに向かって、霧にかすんでよく見えないが何か巨大なものが近づいて来るのが見える。汽笛が鳴り船だと判った善郎は、一郎と一緒にオールを使ってぶつからないように全力で漕ぎ出した。なんとか危険を回避した善郎は、やれやれと思いながら側面に書かれた「第二黒洋丸」の文字を思い出して一郎に話した。

『さっき、ラジオで言っていた輸送船団の一隻だよ』

携帯ラジオが食糧輸送船団の事故を報じているのを、一郎が聞いていたのだ。ラジオは、輸送船団が全滅したと言っていた。二人が見ているあの船は、幽霊船なのか?見送るふたりの前から、巨大な船影は霧の中に吸い込まれるように消えていった。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
コインマーの人間態を演じるのは、二見忠男氏。悪役での印象が深い。特に仮面の忍者赤影の猿彦・犬彦の2役が印象深い。

『世尊妙相具諸鬼難悪人逐』の発音は、(せそんみょうそうぐ しょきなんあくにんちく)である。



スポンサーリンク



nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 10

コメント 0

コメントの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。