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コンドールマン(6) [コンドールマン・ドラマ1]

今回は、第3話《殺しが命 ダンガンマー/ 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・まことと石松をサタンガメツクに人質に取られ、ふたりの目の前でコンドールマンは処刑されようとしていた。だが、このピンチをしのいだコンドールマンは、二人を救出する。その時サタンガメツクの毒の爪が足に刺さり、この毒素を洗い流すために清水を求めて山中深く入っていくのだった。エネルギーをすっかり使い果たして三矢一心の姿で休んでいるところを捜索隊に発見され、森の中へ逃げて行くが・・・】

◆捜索隊から逃れようと、三矢一心の姿で森の中を逃げて行くコンドールマンは、崖から足を滑らせて滝つぼへ転落していった。それを見た捜索隊リーダーは、数人を滝つぼの死体捜索に当て、残りは全力を上げてコンドールマン捜索のために他を当たった。

落ちると見せかけてうまく崖下へ姿を隠した一心は、敵の追跡をかわすことに成功した。だが、昇ったばかりの太陽では、まだエネルギーを十分に吸収できないのだ。

『今はまだここを動けない・・・まず、まことの様子を見に行くんだ・・・転心術!』

(ナレーション;転心術とは、コンドールマンの心を鳥に乗り移らせる秘術である)

一心は自分の意識を鳥に乗り移らせて、まことの住むアパートへ飛んだ。その頃、まことは栄養不足のために目がかすみ、母や祖母の顔がよく見えなくなっていた。サタンガメツクの買占め作戦によって八百屋や果物屋が閉店したままなので、ビタミンCを十分に補うことが出来ないのだ。

『お医者さんは、野菜や果物など栄養のある物を食べれば、すぐに良くなるって言っているんですが・・・』
『こうなったら、農家へ直接買い出しに行くより他無いわね』

祖母のたみ子が、まことの母・陽子にそう告げると、陽子はすぐに買い出しの支度を始めた。その様子を察したまことは、かすんだ目で母・陽子に謝るのだった。

『ママ。いつもママが食べなさいって言っていたニンジンやホウレンソウを食べなかったから、お目目がかすんじゃったのね』

これからは何でも食べるので、早く見えるようになりたいというまことの健気さに、二人は涙した。遠く奥山山中で敵から身を隠しながら、小鳥の目を通して同じ場面を見ている一心には、心の中で励ますことしか今はできない。

(ナレーション;一心は、一刻も早くまこと達の苦しみを救ってやりたいと焦りながら、太陽エネルギーを吸収し続けた)

まことの母・陽子は、ある農家へ買い出しに来ていた。だが、そこには、「立ち入り禁止・金満商事」の立て看板が立っている。陽子以外にも、大勢の人達がこの農家に野菜や果物を買い求めに訪れていたが、死神四郎がその人達の前に立ちふさがった。一発の銃声が鳴って、死神四郎が叫んだ。

『何度言えば分かるんだ。この辺の野菜はな、土地ごと金満商事の物ナンダ!』
『せめて一株だけでも、分けてください。子供の目が見えないんです』
『それはいい気味だなぁ・・・ヘヘヘヘぇ。死にたくなかったら、帰るんだな』
『あなたは、それでも血の通った人間ですか?』

果物を少しでも分けてもらおうと、まことの母・陽子は懸命に食い下がるが、死神四郎はライフル銃を陽子に向けて一発発砲した。間一髪、新聞記者の夫・賢介が現れて、銃弾から陽子を救うことができた。

『あなた!』
『大丈夫か?傷害、脅迫、殺人未遂・・・立派な犯罪だな!』

記者の賢介が、発砲した死神四郎に立ち向かって行く。だが、死神四郎の正体は血も涙もない怪人だ。銃先で賢介を二回殴ると、次にその様子を一眼レフカメラで撮影していたマキのカメラを取りあげてしまうのだった。マキは、賢介と行動を共にする毎朝新聞の後輩女性記者である。

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(マキのカメラを踏みつけた死神四郎は・・・)

『貴様ら、ブン屋か!』

死神四郎は落したカメラを拾おうとする賢介の足元にライフル銃を数発発砲し、ここから帰る様に脅しをかけた。陽子や賢介たちは、仕方なく退散するより外無かった。賢介たちが居なくなったあと、死神四郎は地面に落ちた一眼レフカメラを靴で踏みつけて、「ざまぁみろ」と大笑いしながらダンガンマーの正体を現すのだった。

一方、魔人コンバット隊は、引き続きコンドールマンの行方を探していた。だが、これだけ探してもコンドールマンは発見できない。

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(まさか・・・)

『まさか、あの妙な若造が・・・』
『若造?・・・そうかもしれんぞ!』

だが、彼らがそのことに気づいた時にはすでに遅かったのである。コンドールマンは太陽エネルギーを十分に補給し、戦う力を蓄えてコンバット隊の前に現れた。

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『(変身の掛け声)コンドール、マン!』
『いたぞ!』

コンバット隊から見ると、森林の逆光の中にコンドールマンの勇姿が出現した。十数名いた戦闘員のコンバット隊はあっという間に倒され、コンドールマンは苦しんでいるまことたちを助けるため、街へとマッハコンドル号を飛ばした。

(ナレーション;太陽エネルギーを受け、太陽電池で走るマッハコンドル号で、コンドールマンはひた走りに走った)

賢介たちと別れた陽子は、別の農家からミカンを買い求めることが出来た。大きな袋にたくさんのミカンを入れて帰宅を急ぐ陽子の横に、黒い車が近づいてきた。車中から四人のコンバット隊が出てくると、陽子は襲われてしまった。

『そのミカン、こっちへもらおう』
『止めてください。子供にたべさせるミカン・・・止めてください』

コンバット隊の四人は、地面に転がったミカンを靴でつぶして食べられなくしてしまうつもりだ。陽子が一つつかんだミカンをも、コンバット隊は奪おうとする。

『放せ!放さんか!』

なかなか放さない陽子に、コンバット隊の一人がナイフを見せると、陽子はひるんでしまう。その時、その男の右手首にコンドールアロー(羽手裏剣)が突き刺さり、男は周囲を見回した。

『うう!あ、コンドールマン!』
『さぁ、早く!』

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歩道橋の上から急降下してコンドールマンはコンバット隊を蹴散らすと、陽子に数個のミカンを持って急いで逃げるように促した。コンドールマンにとって、四人のコンバット隊は敵では無かった。

無事に帰宅した陽子は、すぐにまことにミカンを裂いて食べさせた。「美味しい」と、かすんだ目のまことは喜んだのも束の間、死神四郎が家に上がり込んで来て、銃で残りのミカンを吹き飛ばしたのだ。

『そのミカンは、皮一枚までボスのものだ。寄こせ!』

祖母のたみ子が横にあったぬいぐるみを投げつけると、死神四郎の怒りは頂点に達した。

『この野郎!殺してやる!』

ベッドの上のまことを守ろうと、祖母のたみ子はまことに覆いかぶさるようにしたが、死神四郎はたみ子を引きずりおろして、まことを狙おうとする。わけも無くベッドから落ちたまことを見て、目がよく見えないことを知った死神四郎は、まことの耳に銃口を当てた。

『次は耳を聞こえなくしてやる!』

その時コンドールマンが現れ、右足で死神四郎の顔を蹴り上げた!そして、瞬時にダンガンマーに姿を変えた死神四郎の腕をつかむと、背負い投げで床に叩き伏せた。

『ダンガンマー!子供たちを苦しめた報いだ、地獄へ落ちろ!』

次から次へと殴る蹴るの技を繰り出すコンドールマンに、ダンガンマーはたまらずに部屋から逃げだした。台所に隠れていたまこと達三人の元へ、少しつぶれたミカンを一個持って来たコンドールマンは、まことの手にミカンを渡して言った。

『早く良くなるんだ!』
『ありがとう』

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コンドールマンはうなずくと、ダンガンマーを追って部屋から出て行った。追って来るコンドールマンに、ダンガンマーの右手から連射されるマシンガン。ダンガンマーの右手はマシンガンなのだ。だが、マシンガンの弾丸はいつか切れる。ダンガンマーが新たな弾丸を装填するその瞬間を狙って、コンドールマンの3(スリー)クッションキックが炸裂した。ジャンプしてから素早い動きで周囲の壁や岩を「1、2、3」で蹴り、相手をかく乱させながら威力を増したキックが、「4」で相手に突き刺さるのだ。

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(ダンガンマーを倒したコンドールマンの勇姿)

キックの威力で大きく跳ね飛ばされたダンガンマーは地面に頭から突き刺さり、そのまま大爆発した。あとには、黄金の弾丸一個が転がっていた。

果物を食べて目が治ったまことは、夕陽の中にコンドールマンの勇姿を見て、叫んだ。
『コンドールマン、ありがとう!』
(終わり)


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