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ダイヤモンド◇アイ(19) [ダイヤモンドアイ・ドラマ2]

今回は、第10話《モージンガ―大反撃/ 前編》を取りあげます。

  企画;衛藤公彦
  原作;川内康範
  脚本;伊東恒久
  音楽;池多孝春
  殺陣;渡辺高光
特技監督;真野田陽一
  監督;高瀬昌弘

【前回までの話は・・・「アジアの子供が手をつなぐ会」という慈善団体の存在を知ったライコウは、総裁との面会の場で北見に会う。彼が会の総裁秘書をしていることを、この時に知る。更に、この慈善団体がダイヤの展示会を開催することを知り、怪しいと睨んだライコウは展示会潜入の途中で大沢山京子に会う。京子は慈善団体が主催する保育園で保母として働き、会場へは手伝いのため来ていた。潜入に失敗して会場を見張っていたライコウは殺し屋バイパーに襲撃され、捕まってしまう。ライコウを囮(おとり)にしてダイヤモンド・アイを抹殺しようと企てる源海龍だが、アイの超能力によって窮地を逆転し、バイパーの正体・ワレアタマを倒すも、源海龍には逃げられてしまう・・・】

◆『おのれ、ダイヤモンド・アイめ!よくもこの俺様を苦しめたな!』

暗黒の怨霊世界に立てこもり、キングコブラは考えあぐねていた。今までにダイヤモンド・アイに倒された数々の前世魔人たちや馬頭人・牛頭人ら戦闘員の屍骸が、その世界には散乱していた。その中を歩きながら、ダイヤモンド・アイを倒す算段を考えているキングコブラに、手を上げる前世魔人がいた。モージンガーであった。

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『キングコブラさま、このわたくしめにおまかせください!』
『おー、モージンガー!お前こそが、ダイヤモンド・アイを倒す地獄の使者なのだ!』

アジトに戻ったキングコブラとモージンガーは、人間態の源海龍と殺し屋ホークの姿になると、作戦を練るのだった。ダイヤモンド・アイの強さは、並の魔力では勝てないことを源海龍は知っている。殺し屋ホークにそのことを問いかけた源海龍に、自信を持ってホークは答えた。

『この呪いの輪で、ヤツを呪いの暗闇へ閉じ込めます。光が無ければ、呪いの輪は切れません』

殺し屋ホークの作戦を気に入った源海龍は、直ちに次のハリケーン作戦の立案を朱玉に命じた。朱玉が持って来た新聞記事には、日本がエルドニア国へ経済援助用に貸し出す2億ドルの現金輸送とある。この現金を強奪する作戦である。

『ざっと500億円。この金を一挙にいただく。その前に、まずライコウを始末しろ!』

冷たい表情で、朱玉はホークに命じた。黒い詰襟服を着た神父姿の殺し屋ホークは、胸の前で十字架を切るとニヤリと笑った。

その頃ライコウは、スナック「サンダー」で食事をしながら何かを待っていた。そこへカボ子がガッカリした顔で帰ってきたのを見て、成果が上がっていないことを察するのだった。ダイヤの展示会を主催した「宝輸入協会」を調査しに行ったカボ子だが、この会社は机一つ電話1本を一週間借りただけの幽霊会社であり、その契約書に書かれた宝田という女性の存在を突き止めたものの、住所はデタラメであった。これにより、ダイヤ展示会事件の背後にいると思われる源海龍一味の足跡は、糸が切れた凧のように途切れてしまった。

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(モンちゃんが店にやって来た)

『兄貴!たいへんだよ、たいへん!』

今度はモンちゃんが店に入って来るなり、ライコウに告げた。モンちゃんの話では、ライコウの下宿が数人の男達に荒らされているらしい。ライコウの下宿で飼っているハトにエサを与えようとして行ってみたら、その光景を見たとモンちゃんは言う。モンちゃんの報告を聞いたライコウは、カボ子と五郎の協力を得て、その人物の身なりや語り口の様子から、どうやら海藤警部が下宿を家宅捜査したらしいことを知った。

海藤警部がどうして自分の下宿を家宅捜査しているのか?疑問に思ったライコウは、すぐに下宿へと向かった。だが、そのあとを尾行してくる人物に、ライコウは気がつかない。その人物は持っていた分厚い聖書を開くと、ページを型抜きして隠しておいた拳銃を手にして懐へ入れると、再び歩き出した。そして、ライコウが下宿の前で止まると、ライコウの背後を狙える位置で店舗の陰に身を隠した。

ライコウの下宿から少し離れた場所にいた海藤警部は、むこうから歩いてくるライコウを見つけると同時に、ライコウを狙う怪しい人物の姿も視界に入れていた。

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(男は消音装置付の銃でライコウを狙う)
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(海藤警部に文句を言うが、警部の目線はライコウの背後に・・・)

『警部!どうして家宅捜査なんか、やったんです?!』

ライコウが警部に向かって話しかけた時、その人物が拳銃でライコウを狙うのが見えた警部は、とっさに右の拳でライコウの左頬を殴った。バタンと倒れたライコウをよそに、警部は逃げていく男を急いで追いかけた。

弾丸がライコウの顔があった空間をかすめて、店の品物に当たった。だが、拳銃の発射音がしなかったためにライコウはそれに気づかず、いきなり自分を殴った警部をライコウは追いかけるのだった。若いライコウはすぐに海藤警部に追いつき、警部の足元をすくって地面に転がすと、自分を殴った理由を警部に訊ねた。

『警部!それ(殴ったこと)が答えですか!』
『痛てぇ~』
『人の話を聞かずに逃げるからですよ!それが、民主警察の取る態度ですか?』

痛みをこらえながら海藤警部は、ライコウの家の捜索理由を「親心」だと言った。だが、ライコウには、とてもそうは思えない。警部は詳しいことは言わず、立ち去って行った。

アジトでは源海龍が朱玉ら部下たちを集めて、ハリケーン作戦の実行計画について指示していた。

『襲撃の場所は、ここだ』
『時間は、明日の正午に東京を出発します』

作戦の段取りを、朱玉が説明する。その言葉にうなずいた源海龍は、ライコウを殺り損なったホークに、改めてライコウの始末を命じた。殺し屋ホークはモンちゃんを誘拐して人質とし、作戦にライコウが手を出せぬよう脅す作戦に出た。学校帰りのモンちゃんを誘拐したホークは、ライコウ達の集まるスナックに電話し、電話口に出たライコウに告げた。

(子供の命が大切なら、そこを動かないことだ!)
『何!モンちゃんを!汚いぞ、子供を巻き込むなんて!』

ライコウの口ぶりに、その場にいたカボ子や五郎、そしてモンちゃんの姉は不安になった。すぐに海藤警部に連絡するよう、カボ子が提案した。自分が動けず歯がゆいライコウだが、今はそうする他に手が無いと思う。ところが、しばらくしてカボ子から電話があり、海藤警部と連絡が取れないと言う。警部は、昨日から姿を見せていないというのだ。

『こんな大事な時に何をしてるんだ、あのオヤジ!』

苛立つライコウ。だが、今は警察に任せるより他に手段が無い。自分が動いたことが源海龍に知れれば、モンちゃんの命が危ない。

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『アイ!俺は、どうすればいいんだ!』

何度も何度も、左手のアイリングに向かってライコウは呼びかけた。すると、アイが現れて、ライコウをなだめるように言うのだ。

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『甲太郎。モンちゃんは、予に任せろ』
『だが、どこにいるのか分からない』
『モンちゃんが声を出してくれたら、私には場所が分かるのだが・・・』

『モンちゃん!一声でいい、俺を呼んでくれ!』
『甲太郎。私は空の上から、モンちゃんの声を待とう。モンちゃんを見つけたら、合図をする。アイリングのサインを待て』

「必ず助け出す」と言って、アイは空へ消えて行った。その頃、モンちゃんは手足を縛られ、口を塞がれて、北見が運転する車のトランクの中にいた。総裁に頼まれ、ある場所へダイヤを届けるために北見は車を運転していた。もちろん、トランクの中にモンちゃんがいることなど、知るはずも無かった。
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
モンちゃんとライコウの関係・・・第一話で、大沢山剛造を追跡中のライコウが銃で狙撃された際に、その流れ弾に当たって足に大怪我をした小学生のこと。ライコウは、モンちゃんが大怪我をしたのは、自分の責任だと思っている。怪我が治るまで、モンちゃんの世話をするつもりでいる。モンちゃんは、ライコウが悪をすべて倒した時に自分の足の怪我も治ると信じている。



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