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ダイヤモンド◇アイ(12) [ダイヤモンドアイ・ドラマ2]

今回は、第6話《ライコウ絶体絶命! / 後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・見国化学工業の三国社長から現金20億円を強奪した源海龍。不正に儲けた金だったため、三国は警察に届けることが出来ない。これこそがハリケーン作戦の手口なのだと、ライコウたちは知る。同じ手口で、源海龍は次に北金金融を狙おうとしていた。だが、大沢山京子から北金金融の名を聞きだしたライコウは、これ以上犠牲者を出さぬために北金の事務所へ向かった。ライコウが北金金融を嗅ぎつけたため、ハリケーン作戦は一旦中止し、ライコウを始末することに全力を注ぐ源海龍。暗殺者ドリルがライコウに送り込まれた・・・】

◆『なぜ北金との取引を嗅ぎつけたのか?ライコウは油断のならぬ奴だ!』

殺し屋ドリルを使って大至急ライコウを始末するよう、源海龍の命令が朱玉に下った。ドリルはライコウに迫り、麻酔弾を撃ち込んだ。ライコウの意識がしだいに薄れていく。

『眠ってもらっては困る。死ぬ時の痛みが分からんからな』

眠らないようにライコウを数発殴ったドリルは、アタッシュケースから突き出た銃身をライコウに向け、とどめを刺そうと狙った。(クソウ、身体が利かない)ライコウは心でつぶやきながら、左手の手袋を必死に外そうとするのだった。手袋さえ外せば、アイリングが光を浴びてダイヤモンド・アイを呼ぶことが出来る。右手で左の手袋を必死に引っ張ると、なんとか素手を出してそれを光にかざした。

『アイよーッ!』
『ダイヤモンド・アイ登場!外道の始末は、予に任せろ!』

ステッキ光線で殺し屋ドリルのアタッシュケースを破壊したアイは、ドリルの正体を暴く。

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『外道照身霊波光線!汝の正体みたり!前世魔人ゲララチン!』
『バレタカァ!』
『お前も、だ!お前も、だ!』

次々と霊波光線を浴びた赤覆面たちは、戦闘員の牛頭人や馬頭人に変身した。アイは、まだ身体がよく利かないライコウを土手下へ逃がすと、戦闘を開始した。アイのステッキが、次々と牛頭人・馬頭人を斬り捨てていく。だが、ゲララチンの姿はライコウに向かっていた。

『俺様の使命は、貴様を殺すことだ!』

ゲララチンと向き合うライコウに気づいたアイは、すぐにライコウの元へ向かった。ライコウを背に隠すようにして、ゲララチンと対峙するアイ。

『外道め!予が相手だ!』
『お前も殺す!』

ゲララチンの剣を振り下ろす威力がアイのステッキを上回り、剣を受けると同時にアイのステッキは弾き飛ばされてしまう。

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『しまった!』

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するとアイは、「ダイヤつぶて」という武器で応戦する。手りゅう弾のように、直径5センチほどの大粒ダイヤを2個続けて相手に投げつけた。だが、とっさにアイに背中を向けたゲララチンは、ダイヤつぶてを甲羅で受けた。爆発するはずのこの武器が甲羅に吸収され、威力は発揮できなかった。

だが、その間にライコウは落ちたステッキを拾うと、アイに届くように投げた。ステッキを受け取ったアイは、必殺ロイヤルパンチを放ってゲララチンにとどめを刺した。

『残念だ。ケロキャット!このカタキを・・・』

何かを叫びながら、ゲララチンは消滅した。

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『アイ、ありがとう』
『外道めは、どうやら予と汝のつながりに目をつけたらしい。十分、気をつけろ!また会おう!』

空へ帰って行くアイを見送るライコウを、背後からじっと見つめる目があった。

『おのれ、よくも我が愛する夫をこんな姿にしてくれたな!この怨み、きっと晴らしてくれる!』

アジトへ帰ってきた猫マスクは、夫である魔人ゲララチンが倒されたことを源海龍に報告し、同時にある情報を持ってきた。それは、ライコウとダイヤモンド・アイのつながりを示すものであった。

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(猫マスクは夫ドリルの仇討ちを申し出た)

『ライコウがピンチに陥った時、「アイよ」と呼んだのです』
『うーん。何か、仕掛けでもあるのか?』
『遠くから見たので、そこまでは・・・』
『ヤツを捕えて痛めつければ、必ずダイヤモンド・アイが現れるでしょう。そこで一挙に始末します!』

朱玉が源海龍に、そう提言した。すると、その役目は自分にやらせてほしいと、猫マスクが名乗りを挙げた。源海龍に異存は無い。

その頃、スナック「サンダー」に集まった三人は、集めた情報を元に話合っていた。カボ子の情報は、三国社長が20億円もの大金をかき集めていたらしいこと。そして、五郎の持って来た情報では、三国は源海龍の顔にまるで反応しなかったという。交通事故に見せかけて三国社長から現金20億円を奪った連中がはたして源海龍だったのか、分からずじまいだ。

これで、次に狙われる人物の特定は困難になった。ライコウは、大沢山京子からの情報に頼る他に道は無くなったことを感じた。さすがのライコウも、源海龍が変装して活動していることまでは気がつかなかったのだ。

ライコウはバイクを走らせて、大沢山京子の邸宅へ向かった。邸宅の前に着くと、ちょうど京子が大きなカバンを抱えて門から出て来るところであった。負傷した足を必死にリハビリしている小さなモンちゃんの姿をライコウに見せられ、京子も新しい目的を見つけたのだ。「みどりの園」という保育園に勤務することになった京子。

『私も、あなたの言った目的を見つけたんです。父のことは忘れて、自分の力で生きていこうと思います』

京子はライコウに、力強くそう言った。そこへ車に乗って、北見八郎がやって来た。二人は大沢山の葬儀の時に、言い合いをしている。顔を合わせた二人がまたケンカになることを、京子は恐れた。

『いい加減な記事をでっちあげて、週刊誌でボロ儲けしようとしても、そうはいかんぞ!』
『やめて!』
『俺は、命がけで調べたことしか書かん!書けん男なんだよ!・・・いずれあんたも、真実を知るだろう!』

手を出しかけた北見を京子は制止するが、北見とライコウは少しの間言い合いになった。だが、ライコウはバイクにまたがると、その場を立ち去った。京子に好意を寄せる北見は、京子の父・大沢山を死に追いやった張本人がライコウだと本気で信じ込み、憎んでいた。

京子の所から戻ったライコウがスナック「サンダー」の店内に入ると、誰もいない店で電話が鳴っていた。電話を受けたライコウに、受話器の声は告げた。

『仲間の娘は、預かった。命を助けたければ、晴海の共栄倉庫へ来るんだ』
『カボ子ちゃんを誘拐?貴様!』

カボ子を救出するため、ライコウはバイクで共栄倉庫へ向かった。それと入れ替わる様に、カボ子が戻って来た。カボ子は、ちょっと前にライコウが交通事故に遭ったという電話を受けて外出していたのだ。だが、それはニセ電話であった。

『ハァ良かった、ニセ電話で。でも、誰が一体あんなイタズラを?・・・』

そう言ってカボ子は、水を一杯飲もうとして「晴海、キョエイソウコ」と書かれたメモを見つける。それは、さっきライコウが電話を受けてメモしたものだ。

一方、ライコウは共栄倉庫前にバイクを止めると、倉庫内へ入って行った。そこでは赤覆面達が、ライコウを待ち構えていた。襲いかかって来る彼らの攻撃に耐えながら、ライコウはカボ子の行方を探した。すると、ロープで縛られたカボ子が、悲鳴を上げながら赤覆面二人にナイフを突きつけられて出て来た。ライコウは戦いながら、カボ子を簡単に奪い返すことが出来た。

『カボ子ちゃん、もう大丈夫だ!』
『フフフフ』

カボ子は、笑いながらロープを自分で解くと、ライコウに拳銃を突きつけた。驚くライコウの目の前で、カボ子だと思っていた女が猫マスクに姿を変えた。

『私は猫マスク。おまえに殺られた殺し屋ドリルの妻だ。夫の仇を討つ!私が欲しいのは、おまえの命だけだ!』

ニセ電話におびき出されたことに、ようやく気付いたライコウ。ライコウは両手を縛られ、ロープで逆さ宙づりにされてしまう。猫マスクは、ライコウをムチで打ちながらこう言った。

『さぁ、お前の助けの神ダイヤモンド・アイを呼んでみろ!』
『クソォ、アイよーっ!』

ここは倉庫の中だ。しかも、手袋をしたままで両手を縛られていては、アイリングに光は当たらない。

『どうした?どうやらダイヤモンド・アイには、お前の声が聞こえないらしいな』

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猫マスクはライコウの目をくり抜こうと、ナイフを取り出した。左手でライコウの髪の毛をつかみ、右手のナイフがジリジリとライコウの顔に近づいて来る。危うし、ライコウ!
(終わり)


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