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快傑ライオン丸(39) [ライオン丸・ドラマ4]

今回は、第43話《裏切りの峠 怪人ギララ・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・巨大ゴースンとの戦いに、またしても敗れた獅子丸。旅を続ける獅子丸たちは、要衝・遠見峠を占拠しているドクロの山賊という話を村人から聞く。ゴースン一味に違いないと、獅子丸はひとり遠見峠へ向かう。一方、今までの行動をゴースンに咎められた錠之介は、許してほしければギララと力を合わせ、遠見峠で獅子丸を倒せと命ぜられる。だが、ギララの汚い手段が気に入らない錠之介は裏切りを決意し、峠に仕掛けられたギララのワナを獅子丸に忠告する・・・】

◆獅子丸と別れた沙織と小助は、遠見峠の麓の村に入って村の衆を集めた。そして、沙織は女性軍を編制指揮し小助は男性軍を編制指揮して、それぞれに戦うための作戦を与え、その準備を整えた。ここに、ドクロ忍者たちを迎え撃つ村側の準備はすっかり整った。

虎錠之介に裏切りの気配があるという情報が、配下のドクロ仮面から怪人ギララに入った。遠見峠は、日本支配の拠点となる場所。死守せよとのゴースン命令を忠実に守るギララは、錠之介にも十分注意をする様、ドクロ忍者たちに指令した。峠にさしかかる道が見通せる崖の上に潜み、ギララとドクロ忍者たちは錠之介を見張ることにした。

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峠にさしかかる直前で錠之介は獅子丸に追いつくと、峠に続く道に手裏剣を投げ、獅子丸の目の前で地雷を一個破壊してみせるのだった。錠之介はニヤリと笑うと、獅子丸に目で合図した。獅子丸もそれを見てニヤリと笑い、錠之介の意を酌んだ。

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そして真剣な眼差しになると、錠之介は前方へ向かって一目散に走り出した。すぐそのあとを、獅子丸が追って走る。ふたりが走り抜けていく道のすぐ後ろで、次々と爆発が起こった。無事に峠を走り抜けたふたりの周囲を、真っ白な爆発の煙が流れていき、一瞬何も見えなくなった。

だが、危機が去ったわけでは無かった。峠を走り抜けた錠之介と獅子丸の足元から、突然炎が吹き上がった。各々の周囲を炎が囲み、熱さで身動きが取れないふたり。このままでは、ふたりとも焼け死んでしまうだろう。この窮地を脱出するには、変身するしかない。

『風よ、光よ!』
『ゴースン・タイガー!』

ふたりは炎の海から脱出し、ライオン丸とタイガージョーに変身した。

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『ライオン丸、見参!』
『タイガージョー、推参!』

ドクロ忍者が、崖の上からアリの群れのように黒い大群となって襲ってきた。ライオン丸とタイガージョーが斬っても斬っても、次々と現れるドクロ忍者たち。この崖の頂上には、ギララがいる。それを見つけたタイガージョーは、「ヤツを斬るのは自分だ」と言って、ギララに向かって行った。

『タイガージョー。ゴースン様に目を掛けられているからと、思いあがるな!三下のお前に、この俺が斬れるか!』
*三下(さんした);ばくち打ちの仲間で最下位の者。転じて、勝つ見込みの無い者を軽蔑して言う言葉

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(崖下へ落ちたタイガージョー(中央)を、ギララが狙う)

ギララとタイガージョーの戦いが、崖の頂上で始まった。だが、タイガージョーは、足場の悪い頂上で足を踏み外し、数メートル下の窪地へ落ちてしまった。ギララの必殺武器・連射銃が、タイガージョーを上から狙い撃ちした。右目の眼帯に弾丸が当たり、その影響でタイガージョーの左目が霞んで、敵の姿がよく見えない。

振り返って頂上の様子を見たライオン丸は、タイガージョーの不利に気付いてドクロ忍者との戦いを止め、ギララのいる頂上へ高く飛びあがった。今度は、ライオン丸がギララの相手だ。ギララの連射銃が、ライオン丸に襲いかかった。

連射銃は筒が2本で構成され、その両方から弾丸が連射する。連射から逃れるために身を隠す場所が欲しい。しかし、頂上には大きな岩のような身を隠せる場所が無かった。ライオン丸は自分の身体が隠れる斜面の窪地を探して、腹ばいになってギララの弾丸を避けた。

しばらくして、窪地に腹ばいになったまま動かないライオン丸を見たギララは、とどめを刺そうと連射銃を二本に分け、先端に剣を付けた。そして、ライオン丸に近づくと、スキーのストックを突くように、その背中めがけて二本とも突き刺した。

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(ライオン丸の赤い手袋がギララの攻撃をかわす)

だが、それを待っていたようにライオン丸は起きあがり、地面に刺さった二本の筒をそれぞれの手でつかむと、引っ張るように上空へ飛びあがった。すると、ギララもライオン丸と一緒に上空へ舞い上がり、ふたりはそのままキリモミするように高速で回転を始めた。

ライオン丸が両手を放すと、高速回転してフラフラのギララは、バランスを崩しながらも着地した。すぐにギララは反撃を試みる。ライオン丸に連射銃を撃ち込むギララは、次の瞬間強烈な痛みに襲われた。ギララの立っている位置は、正にタイガージョーが落ちた窪地の真上だったのだ。連射銃の発射音に向かって、タイガージョーは霞んだ目で銀砂地の太刀を突き刺した。悲鳴をあげて、ギララは絶命した。

小川の清流で左目を洗う錠之介と、その背後から錠之介を見つめる獅子丸の姿があった。錠之介は、ゴースンに言われた最後のチャンスで、獅子丸ではなくギララを殺してしまった。

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『俺は、お前を倒すことが俺の生きる最後のチャンスだった。俺とお前は所詮、戦わなくてはならない宿命なのだ。他の奴にお前を斬らせるわけにはいかなかった。ゴースン様から命じられた最後のチャンスさえ失ってしまったこの俺は、これから裏切り者の烙印を押されるだろう。俺は、お前に助けられた。獅子丸よ・・・裏切り者の、最後の裏切りを教えよう。ゴースンは、刀では倒せない・・・』

『(ビックリして)何と言った!』
『ゴースンは刀では倒せない、これだけだ。借りは返したぞ、獅子丸。抜け忍として追われる男がどんなに惨めなものか、お前にはわかるまい』

錠之介は、今の自分の立場を、自分によく言い聞かせるように獅子丸に告げた。

獅子丸は、沙織と小助と一緒に歩きながら、錠之介の話をした。そして、一日も早くゴースンを倒さぬ限り、あの村にも日本にも平和が来ないことを痛感するのだった。

抜け忍となった錠之介に、すでにゴースンからの追っ手が迫っていた。ススキが原で六人の追っ手を倒した錠之介は、小川の清流に映った自分の姿を見て、象牙が無いことに気付く。あれが無ければ、ゴースンを倒すことはできないのだ。ギララとの戦いで落としたに相違ないと、錠之介は思った。

一方、大魔王ゴースンは、獅子丸だけでなく裏切り者・錠之介も処刑するために、「ゴースン八人衆」を刺客として放つ決意をする。
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
錠之介の福島資剛氏も凛々しい顔つきで、虎錠之介役にふさわしい。



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