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快傑ライオン丸(37) [ライオン丸・ドラマ4]

今回は、第41話《大魔王ゴースン あの胸を狙え!・・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・天守閣に立てこもる桃雲斎に、味方にならないかと誘いをかけるゴースン。桃雲斎には悪に味方する気など毛頭ないが、城主春景の命が危ないことを知り、二人は久しぶりの対面を果たす。だが、改めて兄とは相容れないことを知った豪山は、ふたたび巨大化して、兄もろとも鷹取城を破壊しようとする。一方、獅子丸は、怪人ガライタチとの対決で、城壁から落下して行方知れず。捕らえられた沙織と小助は、怪人のボウガンで処刑されようとしていた。そこへタイガージョーが現れ、二人を助けるのだった・・・】

◆怪人ガライタチとの戦いで城壁から転落したまま行方不明だった獅子丸は、城の石垣をよじ登って天守閣の見える場所へたどり着いていた。そこから見える城は、炎上していた。燃える天守閣を鉄拳で何度も突き崩し、破壊をくりかえす巨大ゴースン。それを見た獅子丸は、桃雲斎の様子が心配になった。

だが、まずは沙織と小助を探すことである。ふたりの名前を呼んで探していると、向こうからふたりが走って来るのが見えた。獅子丸の問いかけに、小助が答えた。

『ふたりとも、無事だったか!』
『タイガージョーが、助けてくれた!』
『何?タイガージョーが!それで、奴は?』
『桃雲斎さんを探しに行くって、言っていたわ』

沙織が答えた。タイガージョーもゴースンの秘密を探ろうとしているのだと、獅子丸は直感した。沙織と小助、獅子丸の二手に分かれ、手分けして桃雲斎の行方を探すことにした。
ところが、分かれて探そうとする三人は、ドクロ忍者たちに囲まれてしまう。

『貴様たち、まだ生きておったか!』

怪人ガライタチが、ドクロ忍者たちのあとから姿を現した。ガライタチは、紫色の神経ガスをスプレーガンから発射した。獅子丸は腕で口を覆いながら、怪人の前から姿を消した。そして次の瞬間にはガライタチの真うしろに、地面の中から現れた。

スプレーガンとの距離を最短にして、毒ガス発射を阻止したのだ。ガライタチが振り向いて攻撃するまでの数秒間に、獅子丸は変身の呪文を唱えた。金砂地の太刀と鞘(さや)をつなぐ輪が外れて、忍法獅子変化ができる瞬間が来た。

『ライオン丸、見参!』

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ガライタチは太刀を抜き、ライオン丸と剣で勝負した。だが、分が悪いとみて、スプレーガンから毒ガスを発射した。すると、ライオン丸は自分の体を高速回転させ、毒ガスを吹き飛ばし、同時にガライタチの身体をも吹き飛ばした。宙に浮いたガライタチは、バランスを崩しながらもスプレーガンを捨ててボウガンを取り出し、ライオン丸目がけて撃ち込んできた。

だが、空中では、ライオン丸の方が有利である。飛んで来るボウガンの矢を斬り、続いて「ライオン飛行斬り」がガライタチにとどめを刺した。

豪山に殺された小姓の話から、城主春景が城外にある山寺に潜んでいることを、桃雲斎は知っている。ゴースンに破壊された天守閣から脱出した桃雲斎は、山寺へ来ていた。桃雲斎にいつも寄り添っているコウモリが、チイチイと激しく鳴いている。

『桃雲斎、どうかしたのか?』
『この山寺の麓へ、近づいた者がおります。しかし、ご心配なく。この桃雲斎が付いております』

桃雲斎は春景を安心させると、コブロと呼ばれるこのコウモリに、様子を見てくるように命令した。

ガライタチを倒したライオン丸は、そのコウモリ・コブロが飛んでいることに気がついた。変身を解いた獅子丸は、沙織、小助と共にそのコウモリを追跡した。一方、もう一人、そのコウモリを追っている者がいた。タイガージョーである。

コブロが桃雲斎の元へ戻って来て、チイチイと鳴いている。桃雲斎の顔が曇ったのを見た春景は、何か不審なことがあるのかと桃雲斎に訊ねた。だが桃雲斎は、自分にすべて任せてほしいと、春景を落ち着かせることを考えた。

春景は、ゴースンが自分の城を襲う理由が解からず、桃雲斎に不安を訴えてきた。それを聞いた桃雲斎は、ゴースンが自分の弟であるがゆえに、恩情が邪魔をして何も手を打てない自分を責め、そのことが春景を苦しめていることを申し訳なく思った。

桃雲斎がコウモリのコブロから得た情報は、獅子丸と、別方向からはタイガージョーが、この山寺へ近づいているということだった。獅子丸は山寺の入口に沙織と小助を残すと、ひとりで山寺へ入って行った。一方のタイガージョーも、山寺の裏口から侵入した。ひと足先に獅子丸が、本堂の前で桃雲斎に会っていた。

『獅子丸、とか言ったな。あきらめるがいい。お前にゴースンは倒せぬ。お前は、ゴースンの本当の恐ろしさを知らぬ』

いきなり本堂裏からタイガージョーが近づいてきて、桃雲斎の首に銀砂地の太刀を当ててこう言った。

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『桃雲斎。お前の持つ秘密は、この俺がいただく!』

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すると、桃雲斎の右肩にいつも止まっているコウモリが、タイガージョーを攻撃した。不意を突かれたタイガージョーは桃雲斎から離れると、コウモリを相手にすることになった。そのとき、山寺近くの森に、閃光と落雷があった。とうとうゴースンが、春景と桃雲斎の居所を突き止めたのだ。

落雷で森に火が点き、その付近から巨大なゴースンが姿を現した。そして、その気配を感じ取った桃雲斎は、今まで避けてきた弟との対決を遂に決心するのだった。

『ゴースン。やはりお前は、ワシが倒さねばならないのか。行け、コブロよ!』

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桃雲斎はコウモリを巨大化させると、ゴースンに立ち向かわせた。地上では、両の手の人差し指どうしを合わせて手を組んだ桃雲斎が、呪文を唱えている。それは、巨大コウモリを操っているように思えた。

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象牙を両足でつかんで飛び立ったコウモリは、ゴースンの胸目がけて一直線に突っ込んでいく。だが、ゴースンも拳を振り上げて、コウモリを叩き落とそうとする。あと一息というところで、ゴースンの右の拳がコウモリを直撃し、コウモリは地面に激突して死んだ。

コウモリが受けた衝撃は、そのまま桃雲斎にも伝わる。なぜなら、コウモリは桃雲斎の分身だからである。ゴースンと桃雲斎の戦いの一部始終を見ていた獅子丸は、ガックリと崩れ落ちる桃雲斎を抱き起した。

『桃雲斎殿!』
『ゴースンの、弱点は・・・巨大化した時の・・・胸の紋様。それを、それを・・・』

そう言いかけて、桃雲斎はつぶれた両の眼をパッと見開いたまま死んだ。(そうか、胸の紋様を突けばいいのか!)心の中で、獅子丸は叫んだ。

一方、林の中へ墜落したコウモリをいち早く発見したタイガージョーは、先端が尖ったツノのような物を両足で抱えたまま死んでいるコウモリを見つけた。ゴースンに体当たりするために巨大化したコウモリは、元の大きさに戻って死んでいた。

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『このコウモリは、何かを持っている。(コウモリからそれを抜き取って)これは象牙だ。そうか、これならば突き刺さるんだ!』

象牙ならばゴースンを突きさすことができるということに、タイガージョーは気付いた。

桃雲斎は死んだが、獅子丸はゴースンを倒す方法をついに知った。ライオン丸に変身して、胸の紋様を突こうと獅子丸は決めた。

『大魔王ゴースン。勝負だ!』

ライオン丸はゴースンの周囲を旋回しながら、ライオン飛行斬りで胸の紋様を突こうとする。何度も宙返りして激しく動き回り、捕まらないようにしていたが、一瞬両手でつかまれ、すり抜けたものの、そのあとゴースンサンダーを浴びてしまった。

『うわぁー!』

ライオン丸は、またしてもゴースンに敗れた。その戦いぶりを林の中で見ていたタイガージョーは、ぽつりと言った。

『バカなライオン丸・・・剣では所詮、太刀打ちできないのだ!』

沙織と小助に助けられた獅子丸は、左手に怪我を負っていた。桃雲斎に教えられたゴースンの弱点を攻めきれず、無念の獅子丸はつぶやくようにふたりに言った。

『またも敗れた・・・ゴースンの弱点は、悪の紋様にあるんだ。そこを、どうやって攻めるかだ』

(ナレーション;大魔王ゴースンの弱点は、胸に輝く悪の紋様を象牙で突くことだった。獅子丸と錠之介は、一つずつこの弱点を知った。この二つの弱点を同時に突いてこそ、はじめてゴースンは倒せるのだ)
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
タイガージョーとハカイダー、悪の二大ライバル。どちらの姿もテーマ曲も、秀逸でカッコイイ!


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