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快傑ライオン丸(35) [ライオン丸・ドラマ4]

今回は、第40話《大魔王ゴースン 再び怒る!・後編》を取りあげます。

【前回までの話は・・・自ら立ち上がった大魔王ゴースンは、巨大身変化の秘密を知る実兄・桃雲斎の殺害を、怪人ハリザンザとガライタチに命令した。鷹取領一之砦を占領した怪人ハリザンザは、桃雲斎が送り込んだ決死隊を打ち破り、獅子丸たちと遭遇した。ライオン丸はハリザンザを倒したが、怪人の毒針を受けた獅子丸は、瀕死の重傷に陥ってしまう。そこへタイガージョーが現れ、毒消しができるのはゴースンの兄しかいないと話す。獅子丸は、鷹取城の桃雲斎の元へ自分を連れていくようタイガージョーに頼むと、そのまま気を失ってしまった・・・】

◆ハリザンザとライオン丸の戦いを隠れて見ていた沙織と小助は、戦いが終わっても戻って来ない獅子丸を探していた。そして、ようやく見つけた獅子丸はタイガージョーに抱えられ、意識が無かった。

『タイガージョー、お前が獅子丸兄ちゃんを・・・』
『いや、ハリザンザの毒だ。このままでは死ぬ。俺にも手は無いが、獅子丸は意識を失う前に、桃雲斎の所へ連れていってくれと言っていた・・・』

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沙織と小助は、早速鷹取城の桃雲斎の元へ獅子丸を運んだ。桃雲斎が作った薬を、気を失ったままの獅子丸の口へ小さじで流し込むよう、桃雲斎に指示される沙織。

『半時ほどして熱を出し、汗をかいたら治る』

そのように言われ、沙織は桃雲斎に丁重に礼を述べた。三人と共に、錠之介も鷹取城の桃雲斎の元を訪れていた。その一部始終を見ていた錠之介は、獅子丸が助かることが分かると、ある考えがあって、部屋を出ていった桃雲斎のあとを追った。

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本丸には広大な中庭があり、その中庭の池にかかる橋を歩いていく桃雲斎に、錠之介は後ろからそっと近づいた。桃雲斎がゴースンの兄上であるらしいことを、毒消しの薬を作ったことで知った錠之介は、もう少し探りを入れてみるつもりで聞いてみた。背中を見せている桃雲斎の右肩のあたりを、コウモリが羽ばたいてチイチイと鳴いている。

『ワシに、何かようかな?』
『ハリザンザの毒を消せる者は、この世に一人しかいないと聞いている』
『すると、お前はゴースンの手下か』
『ま、そういうことになっている』

強い者に魅かれるという虎錠之介の言葉を聞き、桃雲斎は錠之介のことを若い頃のゴースンそっくりだと言った。錠之介は、桃雲斎に《巨大身変化》の秘密を知りたいと訴えた。錠之介の心を読んだ桃雲斎は、言った。

『ゴースンを倒すつもりだな。そして、お前が、大魔王に取って代わるつもりか』

図星を指された錠之介は、桃雲斎に言った。

『俺は、力が欲しいのだ。強くなりたいのだ。ただ、それだけの願いだ!』
『それは、悪魔に魂を売った者の言葉だ!巨大身変化は、ゴースン一代で滅びる。それでよいのだ。誰にも継がせてはならぬ』

どうしても秘密が知りたい錠之介は、秘密を話さなければ斬ると、桃雲斎を脅した。桃雲斎は拳法の構えで対抗しようとするが、城主春景と兵たちがそこに現れ、邪魔が入ったため、錠之介はこの場を去るのだった。春景がもたらした情報では、ゴースンが鷹取城に襲来するということだった。

『殿、慌てめさるな。ヤツもただの人間。だが、巨大化しなければ、ヤツの弱点は衝けません』(巨大化した時こそ、ゴースンの終わりだ)と、桃雲斎は独り言のようにつぶやいた。

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巨大身変化の術で巨大化したゴースンが、鷹取城のすぐ近くに姿を現した。そして、天守がある本丸へどんどん近づいて来る。ゴースンは、晴天の空でも雷を呼び寄せられる「ゴースンサンダー」で落雷させ、本丸の城壁を破壊し始めた。

天守閣には、春景と桃雲斎がいる。ゴースンサンダーを何度も使い、城壁を壊す巨大なゴースンに春景は怯えていた。春景の様子を感じ取った桃雲斎は、天守閣の窓からゴースンに向かって、大声で叫んだ。

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『ゴースン。よぉく聞け!我に巨大身変化を破る術あり。早々に立ち去れ!』
『ハハハハ。破れるものなら、破ってみるがいい!たとえ血を分けた兄だとて、刃向かう者は許しはせぬぞ!』
『この愚か者め。これほど諭しても、まだ分からぬのか!』
『ほざくな!』

ゴースンは兄をののしり、兄の説得などまったく聞く耳を持たない。自分の強大な力の前には、何者も屈服すると思っているのだ。ゴースンサンダーが本丸の城壁を破壊し、崩れてきた岩や瓦礫の下敷きになる兵たちが、後を絶たない。

天守閣の別の部屋にいた獅子丸は、ゴースンサンダーの激しい発光を浴びたおかげで、意識を取り戻した。だが、すぐ活動できるほどの体力は、まだ回復してはいない。ここにいては命が危ないと感じた沙織と小助は、獅子丸に肩を貸しながら、三人で天守閣を脱出することにした。

火災が発生した場所もあり、城内に火が回る前に、桃雲斎は小姓たちに城主春景を避難させるよう指示をした。そして、盲目の桃雲斎は、何か覚悟を決めたようにゴースンの暴れている方向を見て叫んだ。

『おのれ、ゴースン。いかに弟といえども、もう許さぬぞ!』

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やりたい放題に暴れ回る巨大ゴースンは、ついに兄のいる天守閣に向かって、右の拳を衝き出して直撃した。城壁に穴が開き、続けて左の拳も直撃させて、その穴はさらに大きくなった。

(ナレーション;大魔王ゴースンと、ゴースンの秘密を握る兄・桃雲斎との宿命の対決は、今ここに迫った。悪の魔王・弟ゴースンが勝つか、正義の師・兄桃雲斎が勝つか。鷹取城の風雲騒ぐ!)
(終わり)


★★★★★★★★★★★★
ゴースンは、豪山と書く。人間の姿のゴースンは、ご存じ「仮面の忍者赤影」で甲賀幻妖斎役の天津敏氏が演じている。



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