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快傑ライオン丸(34) [ライオン丸・ドラマ4]

今回は、第40話《大魔王ゴースン 再び怒る!・前編》を取りあげます。

原作;うしおそうじ
脚本;馬嶋 満
企画;うしおそうじ 別所孝治
音楽;小林亜星
殺陣;渡辺高光
監督;石黒光一

【前回までの話は・・・甲斐国鷹取城へ向かう途中で、虎錠之助に待ち伏せされた獅子丸は、ライオン丸とタイガージョーに変身して真剣勝負を戦っていた。ところが、ドクロ仮面の邪魔が入り、用意した大砲でライオン丸もタイガージョーも吹き飛ばされてしまう。地中に逃げた獅子丸はドクロ仮面を倒したが、タイガージョーは大怪我を負っていた。傷の手当てをするために錠之介を背負う獅子丸に心を打たれ、錠之介は敵対する意識を失っていくのだった・・・】

◆日本近海にあったゴースン島は、巨大化したゴースンによって破壊され、跡形も無くなった。だが、東北の山奥に、ある日突如としてゴースン島が姿を現した。そこで指揮を執っていたゴースンは、獅子丸たちが鷹取城の桃雲斎に会うために甲斐国へ入ったことを知り、自ら立ち上がる決意をした。ゴースン島は火山のように爆発を起こし、落雷と雷鳴が響き、山肌が崩壊して、中から巨大なゴースンが姿を現した。

(ナレーション;ゴースン巨大身変化の秘密を知るただ一人の男、鷹取城の軍師・桃雲斎こそ、ゴースンの実の兄であった。だが、悪の大魔王ゴースンにとっては、秘密を知るただ一人の邪魔者でしかなかった)

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(大魔王ゴースン)

『邪魔者は消せ!甲斐の国、鷹取城へ行くのだ!桃雲斎を殺せ!』

大魔王ゴースンは、ふたりの怪人ハリザンザとガライタチに命令を下した。その作戦は、鷹取城を守るための一番の要塞、一之砦(いちのとりで)を占領し、桃雲斎をおびき出すことであった。ふたりの怪人は、命令どおりに一之砦に襲撃をかけた。

一之砦が怪人に奪われたという情報は、すぐに鷹取城にもたらされた。城主の春景は天守閣にいる桃雲斎に向かって、怒りをあらわにした。

『一番大事な一之砦が奪われたというのに、何をしておるのじゃ!すぐに兵を出して、砦を怪人から奪い返せ!』
『承知いたしました』

桃雲斎は、城内の者であっても、ごくわずかな者にしか姿を見せたことがないという人物であった。年齢は五十を過ぎた頃と見受けられ、両眼は焼けただれていて開かない。今、城主春景からの指示を受け、軍師・桃雲斎はゴースンが差し向けた怪人を倒す策を練っていた。

天守閣から見下ろせば、戦の準備をする兵たちが城内を忙しく走る姿がよく見えた。桃雲斎は盲目なのでその様子をみることはできないが、鍛え抜かれたその直感力で、城内の物々しい様子をはっきりと捕らえていた。

ちょうどその頃、獅子丸たち三人は、桃雲斎への目通りを鷹取城の門番に願い出ていた。桃雲斎の近習が、門番からの取次用件を伝えに来た。

『果心居士とか申すお方の弟子で獅子丸と申す者が、お目通り願いたいと参っておるそうですが』
『何、果心居士の?・・・柳月庵に通せ』

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獅子丸は、とうとう桃雲斎との対面を果たした。白垣幽斎が教えてくれた《ゴースン巨大身変化》の秘密を知るただ一人の男、桃雲斎。柳月庵に通された獅子丸は、桃雲斎が入ってきたので、丁重に頭を下げて礼を尽くした。

『ワシに用とは、いかなる事かな』
『ゴースンの秘密を、是非お聞かせ願いたいのです。ゴースンとは何者か。巨大身変化を破る秘術は、何か』

桃雲斎は、なぜ自分にそのようなことを訊くのか、獅子丸に問うた。獅子丸は、ゴースンはこの世を悪の力で征服しようとしている大魔王であるため、成敗するのですと力説した。

『獅子丸。お主に、血肉を分けたまことの兄弟は居るか?たとえ悪の大魔王とはいえ、ゴースンはワシの弟じゃ。そのゴースンが今、怪人を従えて一之砦まで来ておるのだ!よいか!弟のことは、兄であるこのワシが始末する!』

軍師・桃雲斎に選抜された「一之砦奪回隊」が、占領された一之砦を急襲した。迎え撃つのは、ドクロ忍者たちであった。選抜された奪回隊は勇敢に戦ったが、怪人ハリザンザが指揮するドクロ忍者が相手ではまったく歯が立たず、兵たちは背走するのだった。

桃雲斎から話を聞いて、沙織と小助を連れた獅子丸は一之砦へ向かう途中で、背走してくる兵たちとすれ違った。そして、あとを追ってくるドクロ忍者たちと獅子丸たちは遭遇した。ドクロ忍者たちと必死に戦う獅子丸たちの前に、全身が針に覆われた怪人が現れた。

『そうやすやすと、砦へは行かさんぞ。俺はゴースン大幹部、ハリザンザだ!』

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ヤマアラシのように全身が針で覆われている怪人は、持参する銃から針の弾丸を発射した。獅子丸はライオン丸に変身すると、ハリザンザの繰り出す針の弾丸を金砂地の太刀ではじき返した。

ライオン丸が空中へ跳びあがったのを見て、怪人も飛びあがりながらライオン丸に向かって銃を数発発射した。そのうちの一発がライオン丸の左足太ももを直撃したが、痛みをこらえて、激しく空中をキリモミしながら落ちてくるライオン丸の太刀は、ハリザンザの顔面を捕らえた。怪人はバタリと倒れて、大爆発した。

その頃、傷が癒えた虎錠之介は、鷹取領一之砦を目指して歩いていた。一之砦が怪人に占領されたため、城の周辺を警護する城兵たちによって、行く先々で怪しい雰囲気の錠之介は敵とみなされて囲まれてしまう。

錠之介はタイガージョーに変身すると、城兵をことごとく斬り倒して進んで行く。すると、身体がしびれているのか、這ったまま片手で小川の水をすくって飲もうとする獅子丸の姿が、タイガージョーの目に入った。

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『その水を飲んだら、命が無いぞ!』

獅子丸に近づくと左足に刺さった針を抜き取り、その針を見たタイガージョーは言った。

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『ハリザンザに、やられたな。ヤツの毒にやられると、無性に水が飲みたくなるのだ』
『毒を消す方法は、無いのか?』
『ある。だが、その方法を知っている者はひとりしかいない。ゴースンの兄上だ。残念だが、どこにいるのか俺は知らん』

獅子丸は立ち上がって鷹取城へ向かおうとしたが、力なく倒れて意識が朦朧(もうろう)となっていた。獅子丸を抱き上げるタイガージョー。

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『獅子丸、しっかりしろ!貴様をこのまま死なせるわけにはいかん!』
『タイガージョー。俺を、鷹取城の桃雲斎殿の所へ・・・』

そう言って、獅子丸は意識を失ってしまうのだった。

『桃雲斎?・・・』
(つづく)


★★★★★★★★★★★★
この回から、虎錠之介役は戸野広浩司氏だが、声は別人が演じている。ご存じのとおり、悲しい事故があったため、戸野広氏は役を降りた。だが、アフレコは福島資剛氏の声では無いことが、次回の放送と比較してみるとわかる。福島氏が演じるまでの間、つなぎで演ったものと思われる。自分の感じでは、太い声を出している市川治氏ではないかと思う。なお、知らなかったのだが、市川治氏は2009年1月に、お亡くなりになっている。享年72



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