快傑ライオン丸(6) [ライオン丸・ドラマ1]
今回は、第14話《さすらいの怪人ネズガンダ・後編》を取りあげます。
【前回までの話は・・・ 一匹狼、否、一匹ネズミの怪人・ネズガンダの銃の腕前は、凄まじい。指図されることを嫌うネズガンダは、ゴースンの身体の一部から生まれた大幹部・デボノバの命令にも従わない。しかし、獅子丸という男の存在が気になり出したネズガンダは、獅子丸を探し出して、遂に両者は激突した。しかし、ネズガンダの相棒、竹筒に飼われているハツカネズミの一声で、両者の対決はお預けに・・・】
◆獅子丸たち三人は、岩場に作られたデボノバのアジトを発見した。だが、見張りのドクロ忍者によって獅子丸たちの行動はデボノバの知る所となり、デボノバは獅子丸たちを迎え撃つ態勢を整えるのだった。
岩場に隠れた多数のドクロ忍者と獅子丸たち三人との激しい戦いとなり、獅子丸は左足を斬られて負傷してしまう。アジトを襲われたデボノバは、獅子丸と対決しないネズガンダの怠慢が招いたことだと怒り、草原でハツカネズミと戯れているネズガンダを見つけて激しく叱責した。
『ネズガンダ!なぜ獅子丸を、殺さなかったのだ!』
『そういえば、すっかり忘れていた・・・』
傷ついている獅子丸を倒す今が良いチャンスだとデボノバはネズガンダに命令するが、指図されるのが嫌いなネズガンダは気が乗らない。だが、ネズガンダもやる気を見せておく必要があり、渋々獅子丸を探しに出かけて行くのだった。
怪我の治療を終えて休んでいる獅子丸たちを見つけたネズガンダは、獅子丸に挑戦した。だが、左足を負傷して立つことができない獅子丸の姿を見るや、ネズガンダは背を向けて立ち去って行くのだった。
『止めておこう。怪我人と勝負しても、面白くないからな。治ってからにしよう・・・』
デボノバは、卑怯なヤツである。ネズガンダの留守中に、竹筒のハツカネズミを質に取っていた。そして、獅子丸との戦いを延ばして帰ってきたネズガンダに、デボノバは言った。
『返してもらいたかったら、獅子丸を討て!』
『獅子丸は、怪我をしてるじゃないか』
弱っている相手と戦うなどという卑怯なマネはしたくないネズガンダに、デボノバはハツカネズミの命か獅子丸の命か、選択を迫るのだった。
もはや、ネズガンダに選択の余地は無い。ふたたび獅子丸の元へでかけて行き、今度こそ雌雄を決するつもりのネズガンダ。傷の治療をしたあと、ふたたびデボノバのアジトへと向かう獅子丸たちの前に、ネズガンダが立ちはだかった。
『獅子丸。わけあって、今度こそお前の命をもらい受ける』
『待て、お前には借りがある。お前を殺したくはないんだ』
『グズグズ言わずに、早く刀を抜け!』
『本当の敵は、デボノバだ!』
デボノバからハツカネズミを取り戻すためには、ネズガンダには獅子丸を倒すほかには無いのだ。獅子丸をその気にさせるため、ネズガンダは手裏剣弾を放って沙織の片足に切り傷を付け、小助の帯を斬り落した。こうなっては戦うしかないと、獅子丸は覚悟を決めた。
『風よ、光よ!・・・忍法獅子変化!』
左足がまだ治っていないため、変化(へんげ)の過程でジャンプした獅子丸は、ライオン丸に変身して着地した時、痛みのために左膝をガックリと折っていた。
『うっ・・・(痛みをこらえながら)ライオン丸、見参!』
すぐ後ろは海、周囲は岩場で砂浜のような平らな場所はこの辺りには無い。傷ついた左足の痛みをこらえながら、ライオン丸は海を背にして、二丁拳銃のネズガンダと対峙した。
どこに隠れていたのか、二人のドクロ忍者がライオン丸の背後から斬りかかろうとしていた。だが、ネズガンダはドクロたちに発砲すると、手裏剣弾で見事に倒してみせた。デボノバの指示で、援護のドクロ忍者が5~6人現れ、獅子丸たちの後ろに迫っていた。しかし、ネズガンダは、正々堂々と戦うことを好む男だ。
『邪魔するな!』
ネズガンダは、岩場のドクロ忍者たちに引き下がるよう叫んだ。ドクロ忍者たちは一瞬迷いながら、姿を消した。ライオン丸は、ネズガンダの二丁拳銃から発射される手裏剣弾をすべて避けてみせた。拳銃に手裏剣弾が無くなったネズガンダに、弾を込めるよう促すライオン丸。ふたりは勝負を再開した。
その時ライオン丸は、ネズガンダの弾帯(手裏剣弾を収納した帯)を観察し、残りは4発しかないことを確認した。ライオン丸の「金砂地の太刀」対、ネズガンダの「二丁拳銃」の対決である。
ネズガンダは、考えた。残り4発の手裏剣弾を避けるため、ライオン丸は4回とも空中高くジャンプするだろう。だから、4発目を撃ったあとに落ちてくるライオン丸の下へ入り、太刀で斬って捨てれば勝てる・・・
ネズガンダの一発目が発射された。ライオン丸は高くジャンプして、これをかわした。二発、三発、四発目が発射され、ライオン丸はすべて空中で回転しながらかわした。
ネズガンダの予想通り、四発目をかわしたライオン丸は頭から落ちてきたが、ネズガンダの振り上げた太刀とライオン丸の金砂地の太刀とがぶつかり合った。金属同士のぶつかるカチンという音がして、ライオン丸の身体はその衝撃で跳ね飛ばされ、海へと落ちていった。
だが、ライオン丸は海面を蹴ってジャンプすると、海へ落ちて行ったコースを逆行するようにネズガンダの頭上まで跳ね上がると、次の準備ができていなかったネズガンダに斬りかかったのだ。この間、ほんの1~2秒だろうか。
バタリと倒れたネズガンダだが、まだ息があった。必死に立ち上がると、残りの力を振り絞って崖の端まで行き、そこから海へ飛び込んだ。バシャーンという音と共に大きな水しぶきが立ち、ネズガンダの姿は海中へ没した。海は荒れていて、可愛がっていたハツカネズミの竹筒が、白い波しぶきの合間を揺れるように浮かんでいるのがみえるだけだった。
(ナレーション)海に沈んだネズガンダは、果たして本当に死んだのであろうか。きっとどこかに生きている。獅子丸たちは、そう思いたかった。さようなら、さすらいの怪人ネズガンダ・・・(終わり)
★★★★★★★★★★★★
デボノバのしぐさは、宇宙猿人ゴリのゴリ博士と似ている。どちらもスーツアクターは、遠矢孝信氏である。遠矢氏は、新マン怪獣達のスーツアクターも務めた。顔出しでは、電人ザボーガーで「悪魔ハット」役でご出演。
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【前回までの話は・・・ 一匹狼、否、一匹ネズミの怪人・ネズガンダの銃の腕前は、凄まじい。指図されることを嫌うネズガンダは、ゴースンの身体の一部から生まれた大幹部・デボノバの命令にも従わない。しかし、獅子丸という男の存在が気になり出したネズガンダは、獅子丸を探し出して、遂に両者は激突した。しかし、ネズガンダの相棒、竹筒に飼われているハツカネズミの一声で、両者の対決はお預けに・・・】
◆獅子丸たち三人は、岩場に作られたデボノバのアジトを発見した。だが、見張りのドクロ忍者によって獅子丸たちの行動はデボノバの知る所となり、デボノバは獅子丸たちを迎え撃つ態勢を整えるのだった。
岩場に隠れた多数のドクロ忍者と獅子丸たち三人との激しい戦いとなり、獅子丸は左足を斬られて負傷してしまう。アジトを襲われたデボノバは、獅子丸と対決しないネズガンダの怠慢が招いたことだと怒り、草原でハツカネズミと戯れているネズガンダを見つけて激しく叱責した。
『ネズガンダ!なぜ獅子丸を、殺さなかったのだ!』
『そういえば、すっかり忘れていた・・・』
傷ついている獅子丸を倒す今が良いチャンスだとデボノバはネズガンダに命令するが、指図されるのが嫌いなネズガンダは気が乗らない。だが、ネズガンダもやる気を見せておく必要があり、渋々獅子丸を探しに出かけて行くのだった。
怪我の治療を終えて休んでいる獅子丸たちを見つけたネズガンダは、獅子丸に挑戦した。だが、左足を負傷して立つことができない獅子丸の姿を見るや、ネズガンダは背を向けて立ち去って行くのだった。
『止めておこう。怪我人と勝負しても、面白くないからな。治ってからにしよう・・・』
デボノバは、卑怯なヤツである。ネズガンダの留守中に、竹筒のハツカネズミを質に取っていた。そして、獅子丸との戦いを延ばして帰ってきたネズガンダに、デボノバは言った。
『返してもらいたかったら、獅子丸を討て!』
『獅子丸は、怪我をしてるじゃないか』
弱っている相手と戦うなどという卑怯なマネはしたくないネズガンダに、デボノバはハツカネズミの命か獅子丸の命か、選択を迫るのだった。
もはや、ネズガンダに選択の余地は無い。ふたたび獅子丸の元へでかけて行き、今度こそ雌雄を決するつもりのネズガンダ。傷の治療をしたあと、ふたたびデボノバのアジトへと向かう獅子丸たちの前に、ネズガンダが立ちはだかった。
『獅子丸。わけあって、今度こそお前の命をもらい受ける』
『待て、お前には借りがある。お前を殺したくはないんだ』
『グズグズ言わずに、早く刀を抜け!』
『本当の敵は、デボノバだ!』
デボノバからハツカネズミを取り戻すためには、ネズガンダには獅子丸を倒すほかには無いのだ。獅子丸をその気にさせるため、ネズガンダは手裏剣弾を放って沙織の片足に切り傷を付け、小助の帯を斬り落した。こうなっては戦うしかないと、獅子丸は覚悟を決めた。
『風よ、光よ!・・・忍法獅子変化!』
左足がまだ治っていないため、変化(へんげ)の過程でジャンプした獅子丸は、ライオン丸に変身して着地した時、痛みのために左膝をガックリと折っていた。
『うっ・・・(痛みをこらえながら)ライオン丸、見参!』
すぐ後ろは海、周囲は岩場で砂浜のような平らな場所はこの辺りには無い。傷ついた左足の痛みをこらえながら、ライオン丸は海を背にして、二丁拳銃のネズガンダと対峙した。
どこに隠れていたのか、二人のドクロ忍者がライオン丸の背後から斬りかかろうとしていた。だが、ネズガンダはドクロたちに発砲すると、手裏剣弾で見事に倒してみせた。デボノバの指示で、援護のドクロ忍者が5~6人現れ、獅子丸たちの後ろに迫っていた。しかし、ネズガンダは、正々堂々と戦うことを好む男だ。
『邪魔するな!』
ネズガンダは、岩場のドクロ忍者たちに引き下がるよう叫んだ。ドクロ忍者たちは一瞬迷いながら、姿を消した。ライオン丸は、ネズガンダの二丁拳銃から発射される手裏剣弾をすべて避けてみせた。拳銃に手裏剣弾が無くなったネズガンダに、弾を込めるよう促すライオン丸。ふたりは勝負を再開した。
その時ライオン丸は、ネズガンダの弾帯(手裏剣弾を収納した帯)を観察し、残りは4発しかないことを確認した。ライオン丸の「金砂地の太刀」対、ネズガンダの「二丁拳銃」の対決である。
ネズガンダは、考えた。残り4発の手裏剣弾を避けるため、ライオン丸は4回とも空中高くジャンプするだろう。だから、4発目を撃ったあとに落ちてくるライオン丸の下へ入り、太刀で斬って捨てれば勝てる・・・
ネズガンダの一発目が発射された。ライオン丸は高くジャンプして、これをかわした。二発、三発、四発目が発射され、ライオン丸はすべて空中で回転しながらかわした。
ネズガンダの予想通り、四発目をかわしたライオン丸は頭から落ちてきたが、ネズガンダの振り上げた太刀とライオン丸の金砂地の太刀とがぶつかり合った。金属同士のぶつかるカチンという音がして、ライオン丸の身体はその衝撃で跳ね飛ばされ、海へと落ちていった。
だが、ライオン丸は海面を蹴ってジャンプすると、海へ落ちて行ったコースを逆行するようにネズガンダの頭上まで跳ね上がると、次の準備ができていなかったネズガンダに斬りかかったのだ。この間、ほんの1~2秒だろうか。
バタリと倒れたネズガンダだが、まだ息があった。必死に立ち上がると、残りの力を振り絞って崖の端まで行き、そこから海へ飛び込んだ。バシャーンという音と共に大きな水しぶきが立ち、ネズガンダの姿は海中へ没した。海は荒れていて、可愛がっていたハツカネズミの竹筒が、白い波しぶきの合間を揺れるように浮かんでいるのがみえるだけだった。
(ナレーション)海に沈んだネズガンダは、果たして本当に死んだのであろうか。きっとどこかに生きている。獅子丸たちは、そう思いたかった。さようなら、さすらいの怪人ネズガンダ・・・(終わり)
★★★★★★★★★★★★
デボノバのしぐさは、宇宙猿人ゴリのゴリ博士と似ている。どちらもスーツアクターは、遠矢孝信氏である。遠矢氏は、新マン怪獣達のスーツアクターも務めた。顔出しでは、電人ザボーガーで「悪魔ハット」役でご出演。
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