ミステリーサークル・1 [UFOと宇宙人15]
2015年6月23日、イタリアのトリノ。パイロットのシルビオ・シオットは、地元の空港へ向かう空路を飛行中に、麦畑の上に不思議な図形が押しつけられた様にして描かれているのを見つけた。
飛行頻度の高いこの空路の下で、いつこのような図形が描かれたのか、調査は難航した。この図形の謎は、未だに解き明かされてはいない。このようなミステリーサークルの出現は、何十年も前から続いている。あるいは、もっと前からかもしれない。
これまでに、世界各地で1万を超えるミステリーサークルが見つかっている。世界中のすべての大陸の50を超える国で、発見されているのだ。ミステリーサークルとは、田畑の作物が何かに押しつぶされ、図形や模様が描かれる現象を指す。
ごく小さな円形から幅が100メートル以上に及ぶ手の込んだ模様を持つモノまで、さまざまだ。また、田畑の種類も多岐に及ぶ。小麦畑、大麦畑、菜の花畑、トウモロコシ畑など。始まりは、1960年代半ばだった。
ジャーナリストのリンダ・ハウ女史に聞く。
『1966年、オーストラリアのクイ―ンズランドの出来事です。農家の主人が、ブンブンと唸るような音を聞きました。そして、アシが生い茂った湿地帯から10メートル近くある円盤型の航空機が上昇していくのを、目撃したのです。円盤は消え、地面には丸い跡が残りました』
ミステリーサークル研究家のチャールズ・マレット氏が語る。
『最初はごく少数で単純なミステリーサークルが、世界各地にぽつりぽつりと出来始めました。1960年代、70年代、80年代はわずかでしたが、1990年になると世界中で急増したのです』
1991年までに、23の国で2500を超えるミステリーサークルが報告された。ジャーナリストとして30年程の経験があるリンダ・ハウ女史は、当初からこの現象に注目していた。彼女はたくさんの写真やレポートを調べたが、まったく人の足跡が見当たらないのだという。
作物の茎が折れておらず、周辺を人が歩いた形跡も無い。誰が、なぜこのような図形を作ったのか、皆が疑問に思った。科学者や気象学者も現場に集まり、調査に参加した。とても大掛かりな調査だったという。
元英国国防大臣のニック・ポープ氏が語る。
『政治家、科学者、UFO研究家の誰もが頭を悩ませました。これは一体何だろうと。宇宙人の仕業だとか、何らかの気象現象だとか、様々な意見がありました。いたずらだと言う人もいました』
1991年9月9日。イギリスのある地方で、ダグ・バウワーとデイブ・チョーリーという二人の男性が、ミステリーサークルを作ったのは自分達だと名乗り出た。ふたりは板とヒモだけを使って、畑に図形を描いていく様子を実際に示して見せたのだ。
『あのニュースを見たときのことは忘れません。ふたりの男性が、すべてのミステリーサークルは自分達の仕業だと言ったのです。私は長年研究していましたから、そんなはずは無いと思いました。ふたりは23か国を歩いてはいませんし、彼等の図形は精度が低く、幾何学的とは言えませんでした。本物のミステリーサークルを見たことがある人なら、まったく別物だと分かります』
あの当時のことを、リンダ・ハウ女史はこう振り返った。ダグとデイブのことは地元の新聞でも取り上げられ、ほとんどの人はこの話を鵜呑みにした。
前出のニック・ポープ氏が語る。
『一部には、ダグとデイブは政府の手先だという人もいます。政府は、ミステリーサークルをいたずらだとして信憑性を落とすことで、それ以上メディアが寄り付かないようにし、誤魔化そうとしたのです』
ミステリーサークルは、単に現代の大掛かりな悪ふざけであり、それ以上の意味は持たないのか。古代宇宙飛行士説の提唱者は、ミステリーサークルは現代に始まったいたずらなどではなく、何百年も前から続く現象だと主張する。
アメリカ資料館館長のジョナサン・ヤング氏に話を聞く。
『西暦815年に、リヨンという司祭が別の司祭に残した記録によると、その土地の人々は悪魔崇拝に関わっていたというのです。平らな円形に押しつぶした作物から種を集め、豊作を祈るという儀式でした』
また、作家のデビッド・ウィルコック氏が、つぎのように語る。
『1600年代には、不思議な出来事が起こっています。当時の科学者ロバート・プロット博士は、イギリスのスタッフォードシャ―にある自分の土地で、ミステリーサークルを見たと報告しています。博士は、当時見たものを絵に描いていました。また、同じ頃に、「草刈りデビル」と呼ばれる奇妙な伝説も伝わっていました』
出版編集者のジョルジョ・ツォカロス氏が語る。
『最も古いミステリーサークルの事例の一つに、イギリスの小麦畑で起きた「草刈りデビル」というものがあります。当時、この事件を現す木版画が作られました。ツノの有る黒い生き物が草を刈るようすが描かれていますが、どう見てもミステリーサークルのようです。誰かが、又は何かが小麦畑に図形を作ったと考えられていたのです。これは1678年に起きた出来事です。中には、死海文書*にミステリーサークルに関する記述があると主張する人もいます』
*(しかいもんじょ);ヨルダン川西岸地区の遺跡周辺で発見された、主にヘブライ語聖書で作られた写本群の総称
死海文書では、地面に謎の図形を残す光の存在について言及されている。大麦畑と大豆畑に残されたこれらの図形は、ミステリーサークルではないかという解釈である。ミステリーサークルは、何百年もしくは何千年も前から存在したのだろうか。
そうだとすれば、一部はいたずらとして実証されたとしても、その他多くは別世界の何者かと関係しているのではないか。その真相を突き止めるため、実際に人の手によるミステリーサークルと比較してみることにする。(つづく)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
幾何学模様が芸術的で、見ていて飽きない。ミステリーサークルを見ての感想である。
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飛行頻度の高いこの空路の下で、いつこのような図形が描かれたのか、調査は難航した。この図形の謎は、未だに解き明かされてはいない。このようなミステリーサークルの出現は、何十年も前から続いている。あるいは、もっと前からかもしれない。
これまでに、世界各地で1万を超えるミステリーサークルが見つかっている。世界中のすべての大陸の50を超える国で、発見されているのだ。ミステリーサークルとは、田畑の作物が何かに押しつぶされ、図形や模様が描かれる現象を指す。
ごく小さな円形から幅が100メートル以上に及ぶ手の込んだ模様を持つモノまで、さまざまだ。また、田畑の種類も多岐に及ぶ。小麦畑、大麦畑、菜の花畑、トウモロコシ畑など。始まりは、1960年代半ばだった。
ジャーナリストのリンダ・ハウ女史に聞く。
『1966年、オーストラリアのクイ―ンズランドの出来事です。農家の主人が、ブンブンと唸るような音を聞きました。そして、アシが生い茂った湿地帯から10メートル近くある円盤型の航空機が上昇していくのを、目撃したのです。円盤は消え、地面には丸い跡が残りました』
ミステリーサークル研究家のチャールズ・マレット氏が語る。
『最初はごく少数で単純なミステリーサークルが、世界各地にぽつりぽつりと出来始めました。1960年代、70年代、80年代はわずかでしたが、1990年になると世界中で急増したのです』
1991年までに、23の国で2500を超えるミステリーサークルが報告された。ジャーナリストとして30年程の経験があるリンダ・ハウ女史は、当初からこの現象に注目していた。彼女はたくさんの写真やレポートを調べたが、まったく人の足跡が見当たらないのだという。
作物の茎が折れておらず、周辺を人が歩いた形跡も無い。誰が、なぜこのような図形を作ったのか、皆が疑問に思った。科学者や気象学者も現場に集まり、調査に参加した。とても大掛かりな調査だったという。
元英国国防大臣のニック・ポープ氏が語る。
『政治家、科学者、UFO研究家の誰もが頭を悩ませました。これは一体何だろうと。宇宙人の仕業だとか、何らかの気象現象だとか、様々な意見がありました。いたずらだと言う人もいました』
1991年9月9日。イギリスのある地方で、ダグ・バウワーとデイブ・チョーリーという二人の男性が、ミステリーサークルを作ったのは自分達だと名乗り出た。ふたりは板とヒモだけを使って、畑に図形を描いていく様子を実際に示して見せたのだ。
『あのニュースを見たときのことは忘れません。ふたりの男性が、すべてのミステリーサークルは自分達の仕業だと言ったのです。私は長年研究していましたから、そんなはずは無いと思いました。ふたりは23か国を歩いてはいませんし、彼等の図形は精度が低く、幾何学的とは言えませんでした。本物のミステリーサークルを見たことがある人なら、まったく別物だと分かります』
あの当時のことを、リンダ・ハウ女史はこう振り返った。ダグとデイブのことは地元の新聞でも取り上げられ、ほとんどの人はこの話を鵜呑みにした。
前出のニック・ポープ氏が語る。
『一部には、ダグとデイブは政府の手先だという人もいます。政府は、ミステリーサークルをいたずらだとして信憑性を落とすことで、それ以上メディアが寄り付かないようにし、誤魔化そうとしたのです』
ミステリーサークルは、単に現代の大掛かりな悪ふざけであり、それ以上の意味は持たないのか。古代宇宙飛行士説の提唱者は、ミステリーサークルは現代に始まったいたずらなどではなく、何百年も前から続く現象だと主張する。
アメリカ資料館館長のジョナサン・ヤング氏に話を聞く。
『西暦815年に、リヨンという司祭が別の司祭に残した記録によると、その土地の人々は悪魔崇拝に関わっていたというのです。平らな円形に押しつぶした作物から種を集め、豊作を祈るという儀式でした』
また、作家のデビッド・ウィルコック氏が、つぎのように語る。
『1600年代には、不思議な出来事が起こっています。当時の科学者ロバート・プロット博士は、イギリスのスタッフォードシャ―にある自分の土地で、ミステリーサークルを見たと報告しています。博士は、当時見たものを絵に描いていました。また、同じ頃に、「草刈りデビル」と呼ばれる奇妙な伝説も伝わっていました』
出版編集者のジョルジョ・ツォカロス氏が語る。
『最も古いミステリーサークルの事例の一つに、イギリスの小麦畑で起きた「草刈りデビル」というものがあります。当時、この事件を現す木版画が作られました。ツノの有る黒い生き物が草を刈るようすが描かれていますが、どう見てもミステリーサークルのようです。誰かが、又は何かが小麦畑に図形を作ったと考えられていたのです。これは1678年に起きた出来事です。中には、死海文書*にミステリーサークルに関する記述があると主張する人もいます』
*(しかいもんじょ);ヨルダン川西岸地区の遺跡周辺で発見された、主にヘブライ語聖書で作られた写本群の総称
死海文書では、地面に謎の図形を残す光の存在について言及されている。大麦畑と大豆畑に残されたこれらの図形は、ミステリーサークルではないかという解釈である。ミステリーサークルは、何百年もしくは何千年も前から存在したのだろうか。
そうだとすれば、一部はいたずらとして実証されたとしても、その他多くは別世界の何者かと関係しているのではないか。その真相を突き止めるため、実際に人の手によるミステリーサークルと比較してみることにする。(つづく)
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幾何学模様が芸術的で、見ていて飽きない。ミステリーサークルを見ての感想である。
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2018-03-30 19:43
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