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仮面ライダーX(16終) [Xライダー・ドラマ2]

今回は、第35話《さらばXライダー・後編》を取りあげます。


【前回までの話は・・・ キングダークのアジトを捜索しているさ中、藤兵衛たちは怪人に捕らわれてしまう。三人を救出したXライダーだったが、設計図はふたたびGODへ渡り、サソリジェロニモ・ジュニアとのバイク対決にXライダーは敗れてしまう。これでGODに歯向う者はいなくなったと思われたが、敬介は生きていた。彼の狙いは相手を油断させ、本当のアジトを見つけだすことにあった・・・】

◆ふたたび捕虜にした藤兵衛たち三人を、アジトへ連れていくサソリジェロニモ・ジュニア。アジトの入り口で捕虜三人を見張るように言いつけて、サソリジェロニモ・ジュニアはトンネルの中へ消えて行った。その様子を物陰から見ていた敬介は、見張りたちを難なく倒して藤兵衛たちを無事に解放した。

「敬介は、きっと生きている」と心の中で思っていた藤兵衛は、その姿を見て安堵した。だが、今は敬介の生還を喜んでいる時では無い。藤兵衛は命令するように、敬介に言った。

『敬介、早く行け!キングダークが暴れ出すぞ!』

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暗いトンネルの中心に向かって、敬介は走った。その先にあったのは巨大な鋼鉄製のトビラで、力を込めてそれを押すと、そこには大きな空間が広がっていた。どうやらこの洞窟こそが、キングダークがあの巨体を隠していた場所らしいのだ。だが、これはキングダークのワナであった。

『ワハハハハ、俺を探しに来て、とうとうワナにかかったな!この洞穴の中で、埋もれて死ね!』

鋼鉄製トビラが突然閉じて、敬介はこの巨大洞窟内に閉じ込められてしまった。そして、地震のような大きな揺れが来て、巨大洞窟の天井が崩れ、岩石が次々と敬介に落下してくるのだった。敬介は逃げ場を失っていた。

その頃、地上の藤兵衛とチコ・マコにも、立っていられないほどの大きな揺れが起こっていた。三人は逃げる場所を失って、地面に座っているしかなかった。

『あっ!あれは・・・』

マコが指差したその先に現れたのは、キングダークであった。マコたちを襲ったこの揺れは、敬介を生き埋めにするために、キングダークが地上で暴れて巨大洞窟を破壊している揺れなのだ。身長20~30メートルはあると思われるその巨体を、初めて人間の前に現したキングダーク。

洞窟内で生き埋めにされかけている敬介は、最後の力を振り絞って変身した。爆発的な力で地上へ飛び出したXライダーに、キングダークは言った。

『そのちっぽけな体で、このキングダーク様と戦えるとでも思っているのか!』

巨大なキングダークに、Xライダーはどう戦うつもりなのか。キングダークは、両目から破壊光線を発射し、両手の指からはミサイル弾を放った。鋼鉄の鎧を着て恐るべき武器を備えたこの巨人に、どう立ち向かう?Xライダー。

だが、小さいがゆえに小回りが利くので、破壊光線もミサイル弾も素早く避けることができた。キングダークは巨体ゆえに、動きが鈍いのが欠点といえる。

クルーザーに乗ってハイジャンプしたXライダーは、体当たりを試みたが失敗。キングダークは口から毒ガスを吐いて、Xライダーに浴びせた。この時、Xライダーにひらめくものがあった。鋼鉄の巨人に付け入るスキがあるとすれば、口しかない。次に口を開けた時に、体内へ入るチャンスが生まれるとXライダーは計算した。

クルーザーで飛行して、口を開けた時に中へ飛び込んだXライダー。その様子を見ていた藤兵衛たちには、Xライダーがキングダークに食べられてしまった様に映った。マコが、悲鳴のように叫んだ。

『Xライダーが食べられちゃった!・・・』

チコは見ていられずに目を伏せ、藤兵衛もマコと同じ思いで見ていた。一方、キングダークの体内へ入りこんだXライダーには、人体へ入りこんだ異物を攻撃する白血球のように、様々な仕掛けが襲ってきた。

小部屋に落下したXライダーに、マシンガンによる弾丸の雨が降ってきた。キングダークを操る何者かの声が、こだました。

『Xライダーを防げ!』

各所に配置された戦闘工作員が、持ち場を固めた。マシンガンの雨を突破したXライダーは通路を進んでいき、壁があればそれを破壊して先へと進んだ。側壁から突然突き出す数十本のヤリ攻撃、戦闘工作員の攻撃、毒ガス攻撃など、次々と攻めてくるトラップを突破し、とうとうXライダーは中枢部のコントロール室前へたどり着いた。

ドアを開けてXライダーが中へ入ると、そこにいたのは不気味な白い顔の男だった。目鼻口はあるが、人間とはとても思えないほどに変形していた。

『ワシの名は、呪(のろい)博士。そして、お前の父親の親友。ワシがGODそのものであり、キングダークはワシの身体の一部分なのだ!』

かつて父から聞いた、呪博士が「悪魔の天才」と呼ばれていたことを、敬介は思い出していた。呪博士の、毛髪の無い白い頭部とキングダークの制御盤とが、数本のコードで繋がっている。どうやら博士の思考が、キングダークの行動に直結する仕組みになっているらしい。

『地球はとうとう、ワシのモノだ!』

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Xライダーの背後でヤリをかまえて立っているサソリジェロニモ・ジュニアの姿を見た呪博士は、こう宣言した。だが、Xライダーも自分の背後に気配を感じていた。振り向いたその瞬間、ジェロニモ・ジュニアのヤリがXライダーの腹部から背中へ貫通した。

『死ね!』

Xライダーの背中から、ヤリの刃先が20センチ程飛び出していた。痛みに苦しむXライダーはフラフラになりながら、残りの力を振り絞ってヤリの柄を叩き折った。だが、痛みの為に目測を誤り、Xライダーの繰り出すパンチやチョップは空を切った。

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その様子をみて、サソリジェロニモ・ジュニアは油断した。Xライダーの背中から出ている刃先で、ジェロニモ・ジュニアは突き刺されてしまうのだった。傷を負ったジェロニモ・ジュニアは、呪博士をかばおうと博士の前に立つ。Xライダーは、最後の力を振り絞ってベルトのライドルホイップ(剣)を引き抜くと、二人まとめて突き刺した。

『今一歩のところで・・・貴様も道づれだ!』

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呪博士が自分の頭部から出ている数本のコードのうちの1本を抜いた途端、キングダークの制御盤が爆発を起こした。次から次へと制御盤上で誘爆が起こり、キングダークは大爆発して木っ端みじんに砕け散った。

藤兵衛たち三人は、その様子を遠くから見ていた。三人の位置からでは、キングダークと一緒にXライダー・神敬介も吹き飛んでしまったようにしかみえない。

藤兵衛の店に戻って来た三人は、ガックリと肩を落としていた。今もって、敬介からの連絡は無い。カウンターのイスに座ったまま、チコとマコは頭を抱えてすすり泣いていた。

『めそめそするな。俺まで泣けてくるじゃないか・・・』

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藤兵衛も悲しみをこらえながら、それでも敬介はどこかに生きているに違いないと、一縷(いちる)の望みを託していた。ふとカウンターの上を見ると、1通の封書が置いてあることに藤兵衛は気がついた。立花藤兵衛様と書かれた宛名のその封書には、敬介からの手紙が入っていた。

その内容は、先輩ライダー達と同様、自分も新しい戦いのための旅に出ます。でもいつの日か、また必ず戻って来ますと、綴られていた。敬介が生きていることが判ると、藤兵衛もチコもマコもみんな笑顔に戻っていた。(終わり)


★★★★★★★★★★★★
ジェロニモ・ジュニアに渡った設計図は、そのあとどうなったのか?RS装置を作り直している間に、Xライダーに潜入されてしまったのか、それとも・・・



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