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もう一つの地球・2 [UFOと宇宙人14]

2013年春。火星移住計画マーズ・1(ワン)プロジェクトが、火星への移住希望者を募った。赤い惑星における人類最初の居住者となるべく、20万人の人々から応募があった。選ばれるのは、わずか24名。行けば、地球に戻ることはできない。

プラズマ物理学者のジョン・ブランデンバーグ氏が語る。
『マーズ・1プロジェクトは、世界中の航空宇宙業者の支援を受けた大掛かりな計画です。宇宙ステーションでの経験や技術を、最大限に活用しようというものです。そして、同じ居住ユニットを、火星に設置するわけです』

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(NASAディープ・スペース・ハビタット)

科学者達は、現行の居住ユニットの利用を検討している。NASAのディープ・スペース・ハビタットが、その一つだ。このユニットは、人間が到着する前に遠隔操作によって準備を進めることが出来る。また、火星居住者に水と酸素を供給し、大気放射が人間に与えるダメージを極限まで抑えることが出来る。だが、この様に高度な技術を駆使したとしても、人が火星で長期間暮らすことは難しい。

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(火星居住区のイメージ)

物理学者で天文学者のマイケル・デニン氏が語る。
『我々は、(宇宙ステーションでの滞在中に)こうした設備内で生存環境を作る実験を行ってきましたが、長期におよぶ居住は非常に困難であることが判っています。火星に移住して長期的に住むなら、テラ・フォーミングの方が良いと思います』

テラ・フォーミングは惑星地球化計画とも呼ばれ、惑星を人間が居住可能な環境へと作り変えることを指す。科学者達は現在、火星全体をテラ・フォーミングする様々な方法について、研究を進めているのだ。

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前出のマイケル・デニン氏が語る。
『火星をテラ・フォーミングしようとした場合、太陽放射から身を守る厚い大気をどう作るかが、カギとなります。そうすれば、気温が上がり、酸素が保たれ、植物が育つようになります。では、厚い大気を作るにはどうするか。一つは、火星の南極と北極に閉じ込められたガスを解放するのです』

アリゾナ州立大学、理論物理学者のポール・デービス氏は、次のように述べている。
『惑星の地球化計画というのは、時間のかかるプロセスです。火星をもっと地球のようにテラ・フォーミングする場合、例えば厚い大気を作り出すことができる微生物を利用する方法があります。適切に手を加えれば、惑星は住みやすく改造できます。火星は、それに適した場所なのです。火星はかつて、地球のような場所でした。その状態に戻せばいいのです』

地球の大昔の大気は、今の火星の大気ととてもよく似ている。地球は水蒸気と窒素と二酸化炭素で覆われていたが、今の火星も同じである。人類が火星で暮らすための大気を作ろうとするように、遥か昔、地球外生命体も地球に同じことをしたのではないか。

作家のマイケル・バラ氏がそのような説を支持している。
『地球がテラ・フォーミングされた可能性は、十分にあります。地球は、今ある美しく青い惑星へと育つため、各成長段階において、常に必要なモノを与えられてきたように思えるのです。酸素が必要な時は生態系にバクテリアが放たれて、二酸化炭素とメタンガスを吸収し、酸素を生み出しました』

私達は、火星に大気やそのほかにも必要なモノを作ろうとしている。地球外生命体も、地球に同じことをしたのだろうか。かつて酸素を持たなかった地球は、いかにして緑豊かな惑星へと成長したのだろうか。科学者達は、地球が今の姿になるまでのプロセスを長年研究してきた。

前出のポール・デービス氏が語る。
『地球上の生命は、ここで始まったのかどうか、常に議論されてきました。生命が無い状態から生命が生まれるまでの変化について、誰もが納得する説はありません。生命の誕生については、謎のままです。ただ酸素をもたらしたのはバクテリアだということは解かっています』

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(クレルクスドルプの球体)

地球に酸素をもたらしたのは、バクテリアの存在だと言える。だが、そのバクテリアがどこから来たのかについては諸説ある。古代宇宙飛行士説の提唱者が注目するのは、「クレルクスドルプの球体」と呼ばれる溝が掘られた金属のボールである。南アフリカの鉱床で発見された神秘的なこれらの球体は、なんと30億年も前のモノだという。

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前出のマイケル・バラ氏が語る。
『これらの球体は自然の産物だという人もいますが、自然界のものにしてはあまりに人工的にみえます。古い石に分散して埋まっていたので、地球上に撒かれたようにも思えます。金属質に見えますから、この中にバクテリアを植え込み、地球の生態系にばら撒いてバクテリアを繁殖させ、環境を変えたと考えることができます。この方法は、私達人類が火星でやろうとしている方法とまったく同じなのです』

地球人が火星のテラ・フォーミングを計画しているように、地球外の何者かが地球に生命を繁殖させたのだろうか。もしそうならば、私達の祖先は銀河系の別の星からやって来たということだろうか。その答えは、案外すぐ近くにあるかもしれない。私達自身の身体の中に・・・。(つづく)


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火星の北極と南極には、大量の二酸化炭素が氷に閉じ込められているという。シュワちゃん主演のSF映画「トータル・リコール」では、シュワちゃん演じるクエイドが火星の北極の氷を溶かし、二酸化炭素と水を大気中に解放することで、赤い火星が青い空の星に生まれ変わるのだ。テラ・フォーミングするとは、このようなイメージのことである。



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