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オリオン座と知的生命体・1 [UFOと宇宙人9]

2006年1月11日。ハッブル宇宙望遠鏡によって、かつてないほど鮮明なオリオン星雲の写真が撮影された。この天体は、地球から1500光年離れた巨大星雲である。画像には、様々な進化の段階にある三千を超える星々が写し出されていた。
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これにより、天体や惑星系が誕生する過程についての理解が、一層深まった。現代では、塵とガスが集まったオリオン星雲の中では、何十億年も前から恒星や惑星が誕生して来たと考えられている。

この星雲の名前はM42だが、星が生まれることから「星のゆりかご」とも呼ばれている。そのため、天文学会の注目を集めているのである。星が生まれているということは何かが起こっているということであるが、その仕組みについてはまだ十分には解かってはいない。地上から見上げると、夜空を彩る星座の中でもオリオン座はとりわけ際立っており、太古の昔より世界各地の古代文明で崇められてきた。

オリオンは、紀元前8世紀のギリシャ神話に登場する人物で、星はそれぞれオリオンの頭、肩、ベルトそして脚を表している。オリオン座は見つけやすく、天の赤道近くに位置し、北半球では冬に現れる。
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よく知られる三ッ星は、アルニラム(Alnilam)、アルニタク(Alnitak)、ミンタカ(Mintaka)と呼ばれ、これがベルトにあたる星になる。この三ッ星は、オリオン座を見つける際の目印になることが多い。

ギリシャ神話の中でオリオンは、超人的な力を生まれながらに持った巨人で、折れないブロンズ製のこん棒で獣を打ち倒す勇猛な狩人である。英雄と称えられたが、最後は命を絶たれ、天に召されて星座となった。

オリオンの父は、海の神ポセイドンである。そのため海に詳しく、水の上を歩くことが出来たと言われている。海の中を歩く時も肩から上は海に浸からなかったという、オリオンの巨大さを物語る話もある。

星座には、ギリシャ神話の有名な神にちなんで付けられたものが数多くある。星の様子や名前の由来などを語る文書も、数多く残されている。宇宙や天の星々のことを記録に残すことは、本来は神の住む世界について記すことと考えられていたのである。

エジプトを始め世界中の伝説の中で、オリオン座は「大股で歩く男の姿」と語られている。古代ギリシャでは狩人と呼ばれ、巨人と呼んだ文明もあった。この星座は、常に「人間の姿」として捉えられているのである。

オリオン座は、実在した人物にちなんで名づけられたのだろうか。神と人の血を引くオリオンと、その姿をかたどった星座が崇められた理由が、他にもあるのではないか。

古代ギリシャを2000年以上さかのぼったある文明の起源を伝える物語の中に、答えが見つかると言われている。ナイル川流域に繁栄したエジプト文明である。エジプト神話では、オリオンの三ッ星と最も明るい星であるシリウスから、神が降臨したと語られている。

著作家のロバート・ボーバル氏に話を聞いた。
『古代エジプト人は、オリオンとシリウスからやって来たオシリスとイシスが人間の姿で降臨し、人類が誕生したと考えました。ですから、オシリスとイシスを象徴とする星として、シリウスとオリオン座は極めて重要だと考えました。この二神からエジプト文明が始まり、人類文明が発展していくのです。古代エジプト人にとってオリオン座は、偉大な神オシリスが具現化したものでした。この星座はいつも天界から地上を見下ろし、人間を見守っていると言われています。人が死んだ時に永遠の命を与えられるか、それとも苦痛に満ちた世界にふたたび送り返されるのか、その決定を下すのがオシリスなのです』

ボーバル氏が続けて語る。
『古代エジプトでは、オリオンが天地創造に結びつけられていました。魔術のように世界が造られたことを古代人は語っていますが、この言葉をきちんと理解すれば、オリオン座が実際には何を意味していたのかが解かります。世界の創造にオリオン座が関係しています。そして古代において、創造を担うのは神でした』

また、古代宇宙飛行士説の提唱者のエイリッヒ・フォン・デニケン氏はこう語っている。
『人々はオリオン座とオシリスを重ね合わせ、いつの日かこの星座からオシリスが地上に戻ってくると信じていました。いつの日か神は帰ってくるという概念は、多くの古代文明に共通してみられるものです。そして、私達は今も帰りを待っているのです』

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     (左;オシリス 右;イシス)

古代エジプトの創世神話は、人類の起源について記したものだったのだろうか。そうだとすれば、他にも証が石に刻まれて残っているのではないか。
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      (ピラミッド・テキスト)

紀元前2400年にピラミッドの内壁に刻み込まれた「ピラミッド・テキスト」は、当時の宗教観を記したものだ。ここには、古代のルナス王が30年の統治を終えたのちに、オリオン座へ向けて死出の旅に出たことが綴られている。

古代宇宙人の専門誌を発行するジョルジョ・ツォカロス氏は、次のように語っている。
『ピラミッド・テキストの中には、ルナス王に逆らう者や、神すらも殺してその肉を食らうことで強大な力を持つに至ったと書かれています。この発想は、偉大な人物の肉体を食べることで、自分の中にその力を取り込むという呪術的な儀礼から生まれたものだとも、言われています。王は神の身体を食し、その魂と力を得て、オリオン座へと旅立っていったのです』

ピラミッド・テキストが、事実を記しているとは考えられないだろうか。ルナス王は、どうやって天に上ったのだろうか。

神話学者のウィリアム・ヘンリー氏に訊いた。
『古代エジプト人の言葉に耳を傾ければ、ピラミッドが墓ではなく、転生の子宮、つまり生まれ変わる場所だったことが分かります。人間だったファラオは、ピラミッドに備わった科学技術の力によって、神に生まれ変わったのでしょう。ファラオは宇宙へ飛び出し、また地球へ戻る能力もピラミッドの中で得て、天界の者になったのです』

人々は、ケネディ宇宙センターに造られたロケットの発射台のようなモノを、王の為に作ろうとしていたようなのだ。つまり、亡くなった王の魂をオリオン座に打ち上げるための装置を、造ろうとしていたようなのである。 
(つづく)


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オリオンの命を絶ったのは、サソリの毒だと神話では言われている。だから、オリオン座とサソリ座が同じ夜空に見えることはないのだ。サソリ座が昇ってくると、逃げるようにオリオン座は西の空へ沈んでいく。これは、学生の時に天文同好会に所属していて教わったお話。



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