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異星人の再来・4 [UFOと宇宙人5]

ロズウェル事件から5年後、アメリカ空軍は未確認飛行物体、つまりUFOという呼び方を定着させた。その後の数十年で何千と言うUFOが目撃され、世界各地で写真やビデオに撮影される様になった。

UFOの目撃についての我々の考え方を大きく変えることになったのは、家庭用ビデオカメラの技術であろう。1997年3月、アメリカのアリゾナ州フェニックスの上空を巨大な飛行物体が移動して、メキシコとの国境付近へと南下した事件があった。全国放送やCNNでもそのビデオ映像が大きく取り上げられ、大変な騒ぎとなった。たとえビデオ映像であっても、自分の目でみることで、考え方が大きく変わってしまうのである。

最近の世論調査(2012年時点)では、50パーセントを越えるアメリカ人が空飛ぶ円盤の存在を信じているという結果が出ている。又、50パーセントに近い人々は、政府が空飛ぶ円盤の存在を知りながら事実を隠していると考えている。

ロズウェル事件以降、UFOの目撃が急増しているのは、果たして偶然だろうか。それとも、宇宙人を信じる人が増えて、これまで名乗り出る勇気が無かった人々が、名乗り出るようになったからだろうか。

他にも可能性がある。宇宙時代の幕開けと共に、宇宙人の来訪自体が急増しているのかもしれない。多くの人が主張するように、異星人はすでに我々の中に潜み、何千年もの間姿を隠しているのだとしたら、この先名乗り出ることは無いのだろうか。彼等が明るみに出たら、どうなるのだろうか。

1991年、イギリス国防省は、ジャーナリストのニック・ポープにイギリス、スコットランド、ウェールズにおける年間数百に及ぶ目撃事件の追跡を依頼した。

ニック・ポープ氏は語る。
『イギリス国防省は、1950年代からUFOに注目しています。その理由は、必ずしも政府が地球外生命体の来訪を信じているからではありません。どちらかといえば、イギリスの領空における異常な動きを、監視するためでしょう。自国の領空に何らかの異常があれば、調べる必要がありますからね』
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『超常現象など、私はまったく信じていませんでした。でも、古い書類の山を調べれば調べるほど、そして日々報告される目撃情報を調査すればするほど、従来の常識では説明できないUFO目撃事件があることを、知ったのです』
ポープ氏の調査対象には、パイロット、警察、軍当局から寄せられる目撃情報も数多くあった。中には、秘密レーダー、ビデオ、写真などの証拠が残っているものもある。

ポープ氏が、さらに語る。
『私にとって転機となったのは、いわゆるコスフォード事件と呼ばれる出来事です。コスフォードというのは、イギリスにある陸軍基地のことです。問題の夜、つまり1993年3月30日ですが、6時間余りにわたり、たくさんの目撃情報が寄せられたのです。目撃者の多くは警察や軍関係者でした。コスフォードとショーベリーの空軍基地の上を巨大な三角形の航空機が飛行していったと言うのです。基地の気象観測員によれば、その物体はジャンボ・ジェット機ほどの大きさで、上空に浮かんでいてゆっくりと移動していました。そして急に加速すると、軍用ジェット機の何倍もの速度で地平線の方へ消えていったというのです。空軍勤務歴8年のベテランが言っていたことです』

この目撃事件は、徹底的に調査された。民間のUFO調査員だけでなく、イギリス政府も行った。この事件には、説明のつかない点があまりに多かったからであった。

1980年12月にも、不可解なUFO目撃事件が起きた。イギリスのサフォークに駐留していたアメリカ空軍関係者が二晩にわたり、宇宙船がレンドルシャムの森に着陸するのを見たというのである。
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この事件が極めて特殊なのは、単に上空を舞う灯りではないからであった。この物体は金属製の航空機で、手で触れるほど近かったと証言する目撃者もあった。ある人は、機体にエジプトの象形文字のような記号が描かれていたと報告していた。

警察で、その記号を絵に描いたという。その航空機の写真も撮ったが、現像できなかったそうである。国防省はこの事件を受け、問題の着陸現場で放射線の数値を測定してみたところ、周辺よりも桁外れに高かったと述べている。

イギリス政府は、この事件について膨大な量の書類を作成した。しかしながら、現在もこの事件の真相は明らかになっていない。ところが、有力な目撃証言があったにも関わらず、国防省は事件の調査を打ち切った。

それから20年後、イギリス政府はレンドルシャム事件の書類を公開したが、そこにある証拠は不確定なものばかりであった。唯一、有力目撃者である空軍関係者の証言は、信ぴょう性の高いものだった。

例えば、民間パイロットの多くが、飛行中にUFOを目撃しても、管制官には決して報告しないと断言している。つまり、UFOを目撃する可能性が高いパイロットの目撃情報は、ほとんどカウントされていないのだ。

イギリス政府の場合、国防省はこの問題をあまり重要視しないようにしているのである。UFO事件の真相を隠蔽しようとしているのでは決してなく、単に困惑しているのである。自国の領空に何かが出現してそれが何だかわからないなんて、政府として決まりが悪いからである。

2009年12月1日。イギリス国防省は、UFO調査部署をひっそりと廃止した。UFOのイギリスに対する潜在的脅威は存在しないと判断したためであった。しかし、この決断は、あらゆる面で論争を引き起こしているとポープ氏は言う。

まず、ここ10年でイギリスにおけるUFO目撃件数が急増しているのに、50年がかりの調査を打ち切りUFOの謎を封じ込めてしまうには、時期が悪すぎるのである。

もう一つの論点は、この決断が発表された状況である。政府は廃止するにあたり、事前に何のコメントも出さなかった。あまりにも唐突に、「今後、この話題については一切の問い合わせに応えず、目撃情報も調査しない」と発表しただけであった。

UFOに関する機密情報の完全公開を願う人々にとって、越えがたいハードルが一つある。それは、ほとんどの科学者達が異星人に関する超常現象を単なるでっちあげだとしか思っていないことである。科学者達は世間の笑い者になることを恐れていると、

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神学校のテッド・ピーターズ教授は言う。
『世界中の優れた科学者達の間には、言わずと知れた暗黙のルールがあるのです。宗教的なところをみせてはいけないというのが一つ。そして、空飛ぶ円盤を信じてはいけない、空飛ぶ円盤を信じる人達とも付き合ってはならない、ということです』

より多くの科学者が、地球外生命体の存在をオープンに支持するようになれば、異星人が地球を訪れているという考え方も、世間に受け入れられるようになるであろうか。

この現代に、地球外生命体が実際に地球を訪れ、その正体を明らかにした場合、どんな反響があるのだろうか。SF小説や映画の多くは、宇宙人の目的は人類への警告や破壊を意味すると伝えている。

ジョルジョ・ツォカロス氏は語る。
『もしも明日、地球外生命体が現れたら、敵意のある侵略だとか、我々を支配するだとか、戦争になり人類を滅ぼすとか、マイナスなイメージが先行しますが、私は違うと思います。宇宙を移動できるほどの文明を持つ生命体なら、技術的に自分達よりも劣る文明社会に遭遇した場合、親切に対応するはずです』

アリゾナ州立大学教授のポール・デービス氏は語る。
『確率的にみて、地球外生命体と接触した場合、我々の方が後輩ということになります。知的文明という意味では、人類の方が遅れているでしょう。相手から学ぶことは多くても、こちらから教えてあげることは、ほとんど無いはずです』

知的生命体とのコンタクトを信じる人々は、そのとき(つまり異星人との遭遇)に備えるべきだと、アメリカ政府も考える。このような研究分野を、宇宙政治学という。コンタクトに関心を持ち、UFO情報の公開を求める人々の民間レベルでの動きである。

前出のニック・ポープ氏が語る。
『宇宙政治学では、宇宙からの来訪に社会レベルでどう対応するかを、テーマにしています。政治レベルでは無く、あくまでも一個人として友好的な対応が出来るかどうかなのです』

しかし、我々が友好的であれば、相手も友好的である保証はどこにあるのだろうか。
(つづく)


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かつて、映画「ET」を見て暖かい心になったものだが、映画における異星人との遭遇は、そのほとんどが地球侵略物である。頭の良い人間ほど、悪知恵も働く。進んだ知恵や技術力がどちらの方向に向いているかが、その分かれ道になる。進んだ文明を持つ異星人が必ず友好的であると思うのは、少々楽観的過ぎるよう自分には思われるのだが。



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